岡嶋二人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
やーばい。
これは面白い。一気読みしてしまった。
めっちゃ好み!
1989年の作品なのだが、現代SFミステリーと言っても遜色ない。
むしろ最近の方が話題になっても不思議はないのでは。
ゲームブックの原作を売却した主人公、上杉彰彦が、イプシロン・プロジェクトというVR企業の開発した新作ゲームの体験をする。
そのVR機器が通称「クラインの壺」という。
内容を知らないで読んだもん勝ちですので、これ以上は書きません笑
33年前、、、。
1999年頃マトリックスが賑わせ、MACやWindowsが出回りPCを個人で所有する世の中になっていきチャットルームや BSSが盛んになっていました。
そこからの -
Posted by ブクログ
ネタバレまさしくノンストップ。次々と変化していく展開には一寸の隙もなく、読者を全く飽きさせない。
前半は倒叙モノ、そして犯人の計画外の事件が起こり、もう1人の犯人が捕まったら自分も捕まってしまうという動機により中盤からは犯人=探偵役の構図へとすり替わる。
徐々に朝倉に感情移入していき、気づいたときには"バレるな"と思っている自分がいる。
倒叙モノはあまり読んでいないのだが、やはりこれが倒叙モノの醍醐味だろう。
だがやはり本書の見どころは身代金の受け渡しのトリックだと思う。
犯人が馬券を買うことを指定してきたときにようやく気づいたが、このトリックにはかなり驚いた。
直接お金を受け -
Posted by ブクログ
仮想現実(VR)を背景としたSF仕立てのミステリ。30年以上前の作品(映画「マトリックス」より更に10年前!)だが、設定は古びていない。というよりも、むしろ、VR技術が進んだ今のほうが、リアリティをもって受け入れやすい作品ではなかろうか。
「夢と現、どっちかな?」という、「胡蝶の夢」からある古典的な - VRという設定であれば必然的ともいえるテーマだが、ミステリらしく、その判断のためのヒントも適度に散りばめられており、謎解きとして普通に楽しめる。終盤は、そうした伏線が回収されつつ進んでいき、「うんうん、そうだよね」などと、心の中でつぶやきつつ、このまま事件解決にむかっていくものと思って読んで -
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岡嶋二人、2冊目。前に読んだかどうかも忘れているが、多分これは初読み。
3億2千万円の2歳馬(今でいう1歳)が輸送中の事故で骨折し、共有する他の馬主にそれを隠すために、馬の誘拐事件をでっちあげる。
20世紀にセリで3億円以上した高馬というとサンゼウス(3億6050万円)を思い出すが、サンゼウスは1988年生まれなのでこの本が書かれたよりもずっと後。
時代的にイメージに近い馬というと1979年生まれのハギノカムイオーだけども、カムイオーは1億8500万円だもんな。まあ、いいけど。
どんな計画かも知らされていないながら、こちらも主人公になった感じで読み進め、警察の捜査に加えて謎のスカGの女が -
Posted by ブクログ
2017年11冊目。
読み始めてすぐに「また誘拐かよ!」と思ったけど^^;これまた今までの誘拐モノとは全く違う、そして相変わらず最後までハラハラドキドキさせてくれる作品だった。
岡嶋二人は競馬、野球、ボクシングと随分幅広いなーと思ったら、徳山氏がプロボクサー目指してたとかでなるほど。
競馬と違って、ボクシングは全く知識がなかったので言葉の意味とか分からないところもあったけど、素人にも分かるような書き方してくれてて助かった。試合中の描写にも何とかついていけた。
とにかく前代未聞な犯人からの条件、どうやって捕まえるのか全然見えなかったけど、終わってみれば、やっぱりそうだったかー!と。
でも爽やかな -
Posted by ブクログ
作品解説(冒頭より一部抜粋)「ある人物を、殺してもらいたい」なんて頼まれて、ホイホイ引き受けるヤツ、そういないだろう。普通なら「ご冗談を」ぐらいで片づけるところだ。つまり、その時の俺と鳩子は、普通じゃなかった……ってことになるんだろう、たぶん。
主人公・菊池隆友は何の才能も無い日本人男性。あるのは膨らんだ借金のみ。妻・鳩子の親戚・宇田川から借金の肩代わりとして、殺人を依頼される。そして作品は一気に暗い展開へ……とはならないのが岡嶋作品のいい所。菊地夫婦は頭のねじが一本外れたような性格だし、殺しを依頼する宇田川でさえも二人の会話にはタジタジ。ミステリーの肝であるラストもさることながら、この -
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ネタバレ2017年5冊目。
競馬三部作の中でもダントツに面白かった!!!他の2作品に比べるとやっぱり競馬の知識がないともしかしたらイマイチ入り込めないかなーとは思うけど、昔競馬をかじっていたおかげでより楽しめたと思う。
いやー、早く続きが読みたくて読みたくて。朝倉に同調してなんだかあたしまで胃が痛くなるような思いをしながら一気に読んでしまった。
これが事実上の処女作かー。やっぱり岡嶋二人はすごい。
あたしは、ホント去年初めて名前を知ってハマったばかりなので、作品がかなり前に書かれたことを承知で読んでいるから、このトリックが今実現可能かどうかというところはあまり重要視していない。それよりもどんでん返しが