岡嶋二人のレビュー一覧
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第28回江戸川乱歩賞を受賞した競走馬が絡むミステリー。昭和57年に書かれた本作だから、いろいろなところで時代を感じさせるが、競馬の世界については根本的なところは変わっていないのだろうか。
文庫本になった当時の赤茶けた本を古い書棚で見つけで読み返してみたが、主人公が友人とミステリーを順番に解き明かして行く、その過程で競走馬に関する基礎知識を説明して行くというストーリー展開がとても自然で読みやすい。殺人事件の裏にある大きな秘密が最後に明らかになる衝撃の結末もある意味では落ち着いて受け入れられるのは、この小説の良さであるだろう。
競馬にも推理小説にも関心がない人でも楽しめる、そんな岡嶋二人の名作。自 -
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岡嶋二人の作品は『99%の誘拐』『チョコレートゲーム』を読んで、本書『クラインの壺』を読んだ。事前知識など何も入れず、どんなミステリなんだろうと思って読み進めていった。衝撃だった。なんという世界観。これが1989年に出版されたというのだから、さらに驚き。SFの最前線を突っ走っている。2023年の今読んでも色褪せることがない。小説の中のこんな世界が現実になる日も近いかもしれないと、携帯電話すらない当時からスマートフォンが当たり前の時代になった今は思える。まるで大作映画を観た気分にも近い。『マトリックス』を初めて観た衝撃にも近い。映像でなく、文字のみだからこそこの無限の創造力を引き出したのかもしれ
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Posted by ブクログ
☆3.5
元世界ジュニア・ウェルター級チャンピオン最上永吉の生後十ヶ月の息子が誘拐された。
時は最上の義弟である琴川三郎が挑むタイトルマッチの二日前。
試合相手は最上を倒した現在チャンピオンのジャクソンで、ある意味因縁の相手とも言える。
誘拐犯はその試合で三郎に"相手をノックアウトで倒せ。さもなくば子供の命はない"と要求してきたのだ。
警察に知らせるなとは言われているが、なんとか連絡を取り捜査が開始される。
警察の捜査と同時に、ボクシングのタイトルマッチを控えた三郎、そのセコンドにもついている最上の極限な心理状況がこちらの読む手を速めさせる。
このプレッシャー絶対自分耐 -
Posted by ブクログ
☆3.6
大きなCMも決まっている新人歌手の結城ちひろが、人の出入りの多いテレビ局から誘拐された。
しかも直前にはこの誘拐を密告する電話が警察に入っていたという。
身代金を要求する犯人の指示に従いつつも手かがりを見つけ捜査を続ける警察、ちひろの安否を気遣いながらも犯人に振り回される芸能プロダクションや、思惑を抱え事件を見守るCMのスポンサーと入り乱れて、事件は混迷を極める。
なんか胡散臭くて怪しい!と疑ってしまうような奴がいっぱいで楽しい。
また場面の切り替えが良いテンポを生み、リアルタイム感が出ていたのが良かった。
作中は事件を追う立場の展開が主なので、誘拐されてた側ではどんな時間を過ご