岡嶋二人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
300Pからなる長編ミステリ。以前読んだ、将棋のミステリ作品より読み易かったように思います。
都会で起きる、一見関係なさそうで裏で繋がっているとある事件。赤の他人同士が酔っ払った挙句に、路上で口論・喧嘩となり片方が頭を打ち付け死んでしまう。死んだことに気づいたのは翌日のニュースで報道をされてから。加害者は、そこで「自分が殺したのか」と罪に苛まれてしまう。そこである重大なことに気づいてしまう。自身が犯人であると明かしてしまう重大の証拠を現場に遺したことに。回収に向かうが、どこを探せど、見つからず。数日後に、加害者宛てに届く手紙。そこには殺人の証拠を握っているという手紙と共に写真、おまけに証拠 -
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シェルターに閉じ込められた男女4人が脱出のため金持ち娘の死の真相を探るミステリー。昔の話で古臭いというご意見もあるみたいだが個人的にはそうは思わない。鉛筆の芯のように尖らせたというか、シチュエーションも登場人物も長編としては無駄な要素を削っている。ここまでシンプルにして意外性があったところは素直に驚いた。
逆に他の方と同じ意見なのが登場人物達が普通に嫌悪感を抱けるキャラクター性。もちろん作者としてはトリックの効果を狙ったものだろが、あまり再読する気もしない。それでも先日読んだオチに類似性があるミステリー(わりかし最近の作品)と比較すると本作の方がトリックとしては優れている気がする。 -
Posted by ブクログ
これは香苗さんが主人公だよねって確認しながら読みました。
まず夫が銃で撃たれて亡くなるというとてもショッキングなはじまり。でも冒頭からあるように夫婦間に(いや妻側?)溝がある関係性から泣いて取り乱す奥さんでは無い。でもそこは責める点ではなくて逆にそれだから話が進んでいった気がします。
ずっと引っ張ってくれたのは香苗の友人、香苗と違って探偵さん?と思える面白みにはまっていきました。
話が進むうちに馬や競走馬や繁殖の話に興味をひかれました。知らないことを知るのは楽しいことです。
事件の真実がわかった時、そんな大ごとの話だったのかと驚き、どうなるのかと思ううちにそうなったかという事件の終わり。とりあ -
Posted by ブクログ
第28回江戸川乱歩賞を受賞した競走馬が絡むミステリー。昭和57年に書かれた本作だから、いろいろなところで時代を感じさせるが、競馬の世界については根本的なところは変わっていないのだろうか。
文庫本になった当時の赤茶けた本を古い書棚で見つけで読み返してみたが、主人公が友人とミステリーを順番に解き明かして行く、その過程で競走馬に関する基礎知識を説明して行くというストーリー展開がとても自然で読みやすい。殺人事件の裏にある大きな秘密が最後に明らかになる衝撃の結末もある意味では落ち着いて受け入れられるのは、この小説の良さであるだろう。
競馬にも推理小説にも関心がない人でも楽しめる、そんな岡嶋二人の名作。自 -
Posted by ブクログ
ほんとに1988年に書かれた小説なのか?
当時で言うと近未来SFミステリー
「OCR」「電子掲示板BBS」「チャット」「オンラインゲーム」etc
現在のデジギア・テクノロジーを見事に的中させている
まだ普及してないのは「音響カプラー」位でしょうか?
■「しかし、私みたいな素人には信じられないのですよ。コンピュータと人間が話をするなんて」
「ええ、そうですね。しかし、近い将来にはそれが可能になるでしょう」
→AIが人間相当に感じる知性をもつ時代も近い。もうすぐだ!
書いている時代レベルはELIZA相当なのに凄い
あと数年後これを読むとまた違った感想になるかも?
岡嶋二人はやはり未来人
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