【感想・ネタバレ】七年目の脅迫状のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年06月28日

岡嶋二人による、初期の競馬三部作の一作。
中央競馬会に、要求に従わなければ「伝染性貧血症」のウィルスを馬に接種するという脅迫状が届く。要求は八百長レース。妻の父で競馬会の理事でもある江戸川から委託されて隠密理に調査を始めた八坂がたどり着く真実とは。
デビュー作「焦げ茶色のパステル」もそうだが、新人作...続きを読む家の作品とは思えない完成度の高いミステリで、複雑に絡み合った様々な登場人物のいろんな思惑が、終盤に見事に解きほぐされて行く様子は一種のカタルシスを読者に与える。30年前の作品ゆえに、現在とは若干の状況の違いがあるだろうが、知識がなくてもちゃんと理解でき、会話主体で人の感情を表現し、最後まできっちり読ませる、岡嶋二人ならではの特徴はすでに本作にも現れている。

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Posted by ブクログ 2017年01月13日

2017年3冊目。
面白かった!最初から最後までハラハラドキドキ。競馬を題材にしているけど、知識なくても楽しめる。とにかく早く続きが読みたくて読みたくて…一気に読んでしまった。個人的には「焦げ茶色のパステル」よりも好きかも。
やっぱり初期の作品と最後あたりの作品では違うなぁ。でもどちらも岡嶋二人作品...続きを読むであってどちらも良さがあって、やっぱり好きだなぁ。

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Posted by ブクログ 2010年02月06日

今回は治療法のない伝貧(馬伝染性貧血)を使った脅迫と、生産者・競馬界・保険業界の関係をモチーフに・・・いろんな怪しい人達が動き回ってます。
競馬や伝貧に詳しくなくっても、説明も入るし、中々に興味深かったです。
只、はたしてこんな事で殺人をおかしてしまうのか?とも思いますが、それを飲み込んでもストーリ...続きを読むーの綿密さに完成度の高さには脱帽です

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Posted by ブクログ 2021年11月05日

1年振りに競馬場へ現地参戦。往復の車中の友をこの本にする。
「焦茶色のパステル」「あした天気にしておくれ」と読んできた岡嶋二人の競馬三部作の三冊目(出された順番は前出の二冊の間)。

中央競馬会に不正レースを強いる脅迫状が届き、これを看過した結果、北海道の牧場でサラブレッドが馬伝染性貧血(伝貧)の犠...続きを読む牲になった。
犯人を見つけ出すべく密命を帯びた中央競馬会保安課員・八坂心太郎は北海道へ飛んで…といったお話。

伝貧については、私はテンポイント(の祖母のクモワカ)の物語で初めて知った(競馬ファンの多くがそうでないかと思う)。
JRAのサイトによれば2017年に国内の清浄性が確認されたと書いてあり、発病馬の出現も中央競馬の現役競走馬に限れば1978年が最後のようだが、それでも全馬5年に一回は検査が義務づけられているというから、今でも恐ろしい病気には違いない。
この本が書かれた1983年当時としては結構な脅迫の材料であっただろう。

お話はと言えば、八坂と保険会社の調査員・佳都子がひょんなことから協力し真相を探っていくことになるが、脅迫状と7年前に起こった伝貧騒ぎが絡んで背後関係や人間関係がとても複雑で、おかしな人物がウロウロしていたり関係なさそうな人物が挙動不審だったり犯人でも気づいていないことがあったり、最後にはそれら簡単ではない伏線がきれいに結びつくのだが、正直、二人の行動について行くのが精一杯だった。
競馬の場面や折角の北海道なので牧場の風景がもっとあったら良かったなぁ。

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Posted by ブクログ 2021年03月14日

過去作品シリーズ。岡嶋二人の初期競馬三部作(?)の三冊目。

ある時、日本中央競馬会に1通の脅迫状が届く。
その内容は『日曜日の第10レースで1番の馬を勝たせろ。要求が聞き入れられない場合は伝貧ウィルスを打つ』
と言うもの。
伝貧とはウマ科の動物に伝染する病気で、これに罹ってしまった場合は安楽死処分...続きを読むしか施す事が出来ないものだ。
そして実際に10レースで1番の馬は負け、伝貧ウィルスはラストコールという馬に接種されていた。
日本中央競馬会の理事を義理の父に持ち、日本中央競馬会の保安課で働く主人公・八坂心太郎は、
この調査をする為、北海道へと向かった。
そこで知ったのは、今回の事件が7年前の伝貧騒ぎが関係しているらしい、という事だった。。。

個人的な感覚では、この小説が初期競馬三部作の中でも最も影が薄い。
というのも、
“焦茶色のパステル”は乱歩賞受賞、
“あした天気にしておくれ”はその前年の乱歩賞の受賞を妙な理由で逃した
という、内容以外の所にインパクトがあるからかもしれない。
また、前2作が割と「ハラハラさせる」物語だったのに対し、この作品は
「背後関係をじっくり考える」という、落ち着いた雰囲気がある。
その為、読後感も若干薄くなりがちなのであろうか。

で、内容がつまらないかというとそんな事は全く無く、
とんでもない偶然(八坂と佳都子の出会いなど)はたまに見られるものの
全体的に丁寧に作られた作品であろう。
ただ背後関係が複雑で、何度も考えないとわからない場合があるが。
それでも、前2作と同様(むしろそれ以上)に、競馬の知識が全くなくてもきっちり読ませる内容であり、
話にも古さは余り感じない。
物語の最終段階にもかなり驚かされる。
ただ一つ気になったのは、八坂の物怖じしなさ過ぎるキャラクターだろうか。
軽いのか真面目なのかちょっとわからない、掴み所のないキャラクターに感じた。

ラストが非常に暖かいというか、良い終わり方だったと思うので読後感はバッチリかと。
オススメ。


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Posted by ブクログ 2019年05月11日

珍しく途中から犯人がわかり、かつお見合い相手といっしょに事件解決、という設定があまりにも出来過ぎていて、岡嶋作品としては今一つの印象。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年04月08日

競馬馬が故意に感染症に感染させられていく事件を追う話。

岡嶋二人なので内容はソツないんだけど。
事件を追いかけるうちに浮かび上がる7年前の事件、こういう「実は○年前の事件が」っていう展開が個人的に好きじゃない。読者からするとなんかアンフェアだから。
あと、主人公の非の打ち所のない有能さ、なのに見合...続きを読むい写真で見ただけの女と偶然顔を会わせたら超親しげに近づいていく感じも、好ましくなかった。

主人公が警察でもないのに関係者に事情聴取して、結構情報を引き出せるのも、なんだかな~、と思ってしまった。ま、まだ個人情報にうるさくない時代だからね。

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Posted by ブクログ 2013年10月26日

競馬三部作の二作目。知識が無くても楽しめるのは前作と同様です。様々な人物の思惑が絡んだ複雑な事件の構図が緻密で、良く出来ていると思います。意表を突く真相も驚きがあって、最後まで読ませる作品でした。

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Posted by ブクログ 2012年02月08日

岡嶋の競馬者の馬に対する愛着みたいなものが感じられない作品。面白いのだけど、必死さとか好感とかが無い感じ。

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Posted by ブクログ 2010年09月09日

デビュー作に続き競馬ミステリです。
おうまさん好きやったらもっとおもろいんかしら。
デビュー作のがおもろかったです。

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