李琴峰のレビュー一覧
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生まれてくることを選べる子ども達と、産みたいと思う母親たちの話
とにかく設定と、それに血肉を通わせる描写力に圧倒された。
今と数年前でも、子育ての考え方がかなり変わっていることに驚くことがよくある。なので今から数十年後、この話のように根本から「常識」が変わっていてもおかしくないと思えた。
数十年後、もしもこの話の設定が現実になったとしたら、その時の読後と今の読後の感想は全く違うものになるかもしれない。だとしたら私たちの信念や感情はどれだけあやふやなものの上に成り立っているんだろう。
そんな不安定な世界で、それでも何かを選択する母親達、お腹の中の子ども達に思いを馳せた。 -
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合意出生制度がある架空の世界を舞台にした小説。ユートピアなのかディストピアなのか…こういう実験的な設定大好きです!
合意出生制度とは胎児に生まれたいか否かを聞ける技術が出来たことにより、胎児の意志によって産むか産まないかを決定する制度です。
『人から命を奪う』殺人と同じで、『人に命を押し付ける』出生強制は絶対にしていはいけないこととされていて、刑事罰の対象となります。
これ実際にあったら親ガチャとかで苦しむ子どもが減るのでは…と最初は思ったのですが、途中からそう簡単な問題でもないよなぁと思うようになってきました。
妊娠した母親はお腹の中の子供に愛着があって、当然産みたいと思っています。「出生 -
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ネタバレ<ニホン>の偉い人たちはもともと「外人」のことを好ましく思わんでね、その流れを利用して、「美しいニッポンを取り戻すための積極的な行動」と称し、「外人」を全て<ニホン>から追い出すことにした。
ってナチじゃん!って笑い飛ばしたいけど笑えない現在。作家は今の日本をどうみているんだろう。
その島はユートピアといえる。でもそのユートピアを築き守るためには制限や掟がつくられる。それは結局、誰かの自由を限定することにもつながる。家族は?文化は?
何が理想郷なのか、正しい答えはないけれど、試しに一回くらい女に任してみてはどうだろうよ。長い人類史の間で一度くらいそんな期間があっても良いでしょう。そこから学 -
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女性作家の自身の身体にまつわるエッセイ集。特に30,40代の今人気の作家さんたちだけを集めたというのが面白い。自身の身長について書かれている方もいたが、自ずと性にまつわる話が多かった。
個人的に感動したのは村田沙耶香さんと能町みね子さん。こちらの感想で、女性なのに自慰について書かれている方が多くて引いた、という感想が少なくないのは正直ちょっと残念だなと思った。村田沙耶香さんは幼少期から行っていた自慰について、いやらしいものという周囲との認識の差に未だに慣れない、ということを書かれていたのだが、子供の頃の自分の王国という表現でその感覚について本当に美しい描写をされており、涙が出そうなほど感動し -
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ネタバレ文体・構成の工夫と、終盤の崩しが主人公の心情と見事に響き合うデビュー作。
最近は李琴峰にはまっている。広い意味での少数派からの視点という意味で共感できる部分が多いからかな。
これで3冊目。どれもテーマが明確である。
本作品は著者のデビュー作で、セクシャルマイノリティであることの生きづらさがテーマである。簡単に言ってしまえばだが。実態はもっと深い。
文体と構成に特徴がある。
主人公は「彼女」と呼び、その他は徹底して固有名で呼ばれる。三人称の文体というわけではない。「彼女」をすべて「私」に置き換えても成立する。この文体は、自身が分裂してもう一人の自分を眺めているような感覚をもたらしているように