李琴峰のレビュー一覧

  • 独り舞

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    ネタバレ

    文体・構成の工夫と、終盤の崩しが主人公の心情と見事に響き合うデビュー作。

    最近は李琴峰にはまっている。広い意味での少数派からの視点という意味で共感できる部分が多いからかな。
    これで3冊目。どれもテーマが明確である。
    本作品は著者のデビュー作で、セクシャルマイノリティであることの生きづらさがテーマである。簡単に言ってしまえばだが。実体はもっと深い。

    文体と構成に特徴がある。
    主人公は「彼女」と呼び、その他は徹底して固有名で呼ばれる。三人称の文体というわけではない。「彼女」をすべて「私」に置き換えても成立する。この文体は、自身が分裂してもう一人の自分を眺めているような感覚をもたらしているように

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    2025年09月12日
  • 日本語からの祝福、日本語への祝福

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    日本語を愛する台湾生まれの作家さんのエッセイ。日本語を好きになった経緯を述べ、日本語と中国語・台湾語の特色を挙げる。改めて日本語の特色を教えてもらう。母語話者では意識せず気の付かないところに光を当ててくれる。だからこそ、日本語からの祝福、そして日本語への祝福なのだな。

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    2025年09月07日
  • 肉を脱ぐ

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    ネタバレ

    話がおもしろく、文章も読みやすく、テーマが分かりやすいのであっという間に読めた。
    この物語は、「生きるためには肉体を持たねばならない」という避けようもない事実に煩わしさを感じている駆け出しの小説家を描いている。
    著者自身を投影したかのような二人の人物が登場する。一人は主人公で、もう一人は成功した小説家でもある大学時代の同級生である。まるで著者の人格が二つに分裂したようにも思えた。
    ラストシーンは幻か現実か――おそらく幻だと思うが、とにかく凄まじい描写だった。

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    2026年01月09日
  • 私の身体を生きる

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    女性たちによる性のエッセイ集と聞き、女性あるあるやフェミニズム的な問題提起を想像したが予想外だった。
    冒頭の西加奈子はフェミニズムへのお誘いに近いニュアンスを感じたが、続く村田沙耶香で一気に個人の話となる。
    その後も個人的なテーマを書く人が多く女性同士だけど違うのは当然、そもそも理解不能だったりする。
    でも不思議だなと思いながら読む理解不能の中に、少しだけ自分の面影があると仲間を発見したような安心がある。
    私だけの大切な話を自分も整理して書いてみたくなったり、男性バージョンも読んでみたくなった。

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    2025年08月27日
  • 私の身体を生きる

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    出産入院中に読むか〜と購入。
    スカート履くのが嫌で泣いてた自分が出産か〜、、、という気持ちにマッチするエッセイがいくつか。

    自意識についてがテーマなので当然っちゃ当然なんだが、「こういう私、どう?」が何気ない振りして3日目の経血くらい滲んでる文章も結構あったなかで、(そのヤンキーという修飾語いるか?みたいな)藤原麻里奈、すごすぎる。
    女を捨ててるのに"女なのに"のリングの中で評価されることに気持ちよさを感じる、ってところ、こんな素直に自分の欲求捉えられるのすごすぎる。(2回目)
    自分も自分しか見ないような日記ですらすぐ滲ませちゃうので、ああいう文章を書けるようになりたい。

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    2025年08月20日
  • 私の身体を生きる

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    このくらい、身体とは何かを強く感じ、自分自身の身体を感じる本が私にはひつようだった

    リレー形式ならでは、最後の方、「私の身体を生きる」ってなんやねんって議論が進展していくのが最高だった

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    2025年08月19日
  • 私の身体を生きる

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    ネタバレ

    面白かった…!
    身体について言語化することは難しいと思いながら、言語化欲求もあって、そこをストレートに表現してくれている言葉は、ポジティブなのかネガティブなのかは分からないが震動を伝えてくるようで、ちびちび読み進めました。
    わかる、わかるよ…となるところもあれば、こんな身体感覚を持つ人もいるんだ〜と知るところもあって、何かしらそれが身体にフィードバックされて、終始不思議。

    島本理生「Better late than never」
    …直後よりも、むしろ二、三日目から、不安定さを伴った執着心はピークを迎えて、その最中には激しい恋をしているようにも感じていたが、その後、十日間かけて緩やかに下降した

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    2025年08月04日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    レズビアンものの小説を読んだことが初めてなので新鮮だった。
    日本国外のレズビアン運動や、新宿二丁目に関する知識がなかったため読んでいて馴染みのない要素が多かった。
    文章としては読みやすく、登場人物の感情の機微も共感できるものだった。

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    2025年05月18日
  • 独り舞

    購入済み

    苦しい、けど面白い。

    当事者として読みました。比較するのも悪いですが、率直に彼岸花よりは読みやすく面白いと思いました。やっぱり他の作家のナンチャッテ同性愛小説とは一線を画している気がします。インターセクショナリティの問題や、生死の揺さぶりなど、著者の問題意識をありありと感じられる小説です。エンタメに昇華されない同性愛者のあるがままの生き方を、描いてくれているように思います。

    #泣ける #切ない

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    2025年04月04日
  • 日本語からの祝福、日本語への祝福

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    言語学・日本語教育学に興味のある方におすすめです。大学入試の国語の問題や、小論文の課題文に引用されてもおかしくないような内容でした。

    著者が小・中学生の頃に、どのように日本語に触れ、学習していったのかという点は、第二言語学習得において参考になります。

    特に印象に残った章は「小さい魚は催眠術をかける」「日本語お上手ですね」です。

    日本語は当たり前にあるもの過ぎて、形がどうだとかいちいち考えたことがありませんでした。しかし、日本語の「文字の形の美しさ」が「日本語への興味のきっかけ」ということで、そのような捉え方があるのだと気付かされました。

    また、「日本語お上手ですね」という言葉の受け止め

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    2025年03月20日
  • 彼岸花が咲く島

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    重い作品を読んだ後だったのでちょうど良い長さだった。島の自然と、女性が力強く生きている様子があって好感を持った。表現も嫌味を感じない。
    彼女の中にはマイノリティの隔たりという大きなテーマがあって、読者に伝えたい事が明確であると思った。

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    2025年01月26日
  • 彼岸花が咲く島

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    ニホン語、女語、ひのもとことばが入り混じり、はじめは読みにくさも感じるが、次第にスムーズに読めてくる。それこそがこの物語の主題とも繋がるのだろう。
    言語は思想と繋がる。ジェンダー、国、歴史、様々な力の配分が物語世界を築く。
    「小説」の力を思い知らされた。

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    2024年12月18日
  • 彼岸花が咲く島

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    記憶を失い目を覚ますと、微妙に通じるようで通じない言語を操る人が住む、見知らぬ島だった という出だし。自分のルーツを思い出すことを求めながらもそれを知ることで今の生活が脅かされるのでは、とうっすらと恐怖を抱きながらも進んでいく年月。歴史と制度とその理由は全て繋がっていること。何が正解かはどんな長老にも分からないが、真実を知り、よく考え、正しいと思うことをすることで歴史を紡いでいってほしい。家父長制へのアンチテーゼもあり、もろに現代日本の話をしていた。物語の中で拓慈と和解できなかったのが惜しい気がした。

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    2024年11月25日
  • 独り舞

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    内容が好き
    彼女がちょっと不幸すぎる気もするけど、不幸になる前から死に執着していたし、わたしの求めていた主人公な気がする
    台湾人の作者ということでたまに漢字ばっかりのところがあって読みづらかったけど
    好きなフレーズだらけで読み返してしまいそう

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    2024年11月08日
  • シドニーの虹に誘われて

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    LGBTが連帯する時、内部の差異と多様性はしばしば無視される。それでも、LGBTの連帯には歴史的必然性と政治的有効性がある。

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    2024年11月07日
  • 彼岸花が咲く島

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    ⚪︎文化の細かい描写より、「ここはどこ?」「いつの話?」「どんな社会?」など、どんどん疑問が浮かび、想像力が掻き立てたれる。

    ⚪︎主人公の選択を見ながら、自分の未来へ責任をもつには、過去を知り、現状を知る事が大切だという事を学んだ。人生において、どう生きるかは正解や不正解がなく、迷いながら、自分自身が責任をもって選択していく事だと感じた。

    ⚪︎最初は読みにくかったが、想像すればするほど種明かしを期待する自分がいて、読み進めることができた。最後に種明かしをされるので、ミステリー小説のようなスッキリ感が感じられた。

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    2024年10月24日
  • 透明な膜を隔てながら

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    最初のバイリンガルのパート、言語化したらそうなのよ!って激しく同意でした。
    李琴峰さん、臨界期すぎてから日本語学んだの!?それで芥川賞取っちゃうの凄すぎでは!?
    と尊敬が深まった書でした。

    p.16 やがて私は大学や大学院で、日本語・日本文学や日本語教育学を専攻するようになった。いつの間にか日本語で文学賞を取り、作家デビューすら果たした。ここまで来れば日本語はもはや母語のように自由自在に操れる!」と思えば大間違いである。確かに私は、所謂バイリンガルであるー/第二言語習得論では「付加的バイリンガル」(additive bilingualと言うーが、言語習得の臨界期(critical peri

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    2024年10月23日
  • 彼岸花が咲く島

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    近未来デストピアSFの設定だが、琉球の島を舞台にした小説。普段文学とか一般小説を読まないSFの人にも大丈夫だと思う。文庫になって電車読みにも最適。ジェンダーや国籍などの背景はデストピア舞台だが当然今に通じるものがある。

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    2024年08月14日
  • 私の身体を生きる

    購入済み

    読むのに気力のいる本だった

    息子が中学にあがり、性教育を考えると男性視点の情報では難しいと思う事が多々ある
    SNSでこの本のことが流れてきて書評を見た時、長男の女性に対する理解に何かしら寄与するかと思い、つい反射的に購入した。

    男より女性の生き方はある意味で難しいが、性を持ち出すと安易に楽な選択を選ぶこともできる。
    でも、それを選ぶと多くの場合、後でツケがまわる。だから、安売りするな、という言葉を親の世代は言う。
    でも、若い世代が持て余す感情は大人の説教なんて聞き入れない。で、大人になって、同じように若い世代に言う。
    そこに使える武器があってもそれを使わないって難しいこと。男が腕力で相手を従わせる選択をなかなか選べない

    #タメになる

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    2024年08月04日
  • 彼岸花が咲く島

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    ネタバレ

    きっかけ
    芥川賞受賞作。外国籍の作家さんでも受賞できるのね!という驚きと書評家の倉本さおりさんがあとがきを寄せていたのが気になって。

    気付き
    日本の西にある島が舞台なのは読みながら理解したものの、台湾なのか沖縄なのか、最終的には巻末にある参考文献をみるまで理解できなかった。沖縄や与那国には私自身個人的なつながりがなく、史実において、まだまだわからないことだらけだなと、興味深く目を通した。
    自分のスタンスとしては、沖縄から目を背けることなく、何か役に立てることに動いてみたい。

    明日の糧
    若い人には特に、いつの時代も前向きであって欲しい。そっと見守る距離感を大事にしたい。

    というのはある意味

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    2024年08月03日