李琴峰のレビュー一覧

  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    新宿二丁目にあるバーのポラリスを巡り人が人を愛するのに異性愛や同性愛やトランスジェンダーの愛などの違いはなく、すべて愛しい人に対する愛であることが分かる。台湾出身で日本語で小説を書いている李琴峰さんの作品。

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    2023年04月22日
  • 透明な膜を隔てながら

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    台湾出身の芥川賞作家のエッセー。

    芥川賞受賞作品も、お名前も知りませんでしたが、日本語教師の視点で面白いと思える箇所がいくつもありました。

    なかでも、最初に覚えた仮名文字は片仮名で、その理由がポケモンだということ。外国籍児童にも、ポケモンの名前は片仮名学習に効果的でした。

    漢字圏の出身者だから日本語習得に有利ということはない、というのは、多くの在住中国人の方を見てきて感じていることで、この方の日本語の自然さは、本人の言うように「不断な努力と格闘によって手に入れたもの」なのでしょう。

    努力もせずに、外国語の習得をあきらめている人に読ませたい。

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    2023年03月12日
  • 独り舞

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    人の自死を美しいと思った経験があるので、たとえフィクションの世界であったとしても同じ感情を抱いている人物が存在してくれて感謝

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    2022年10月29日
  • 透明な膜を隔てながら

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    個人と個人を隔てるもの。属性と属性を隔てるもの。綺麗事を並べて無くなったかのように見せても、透明になっただけでそこにあるもの。正しさに立脚するように見えて、その実そうではないもの。

    透明な膜を隔てながら、他者を尊敬し理解しようとする試みの記録。

    “普遍性を探求しようとする日本文学は、しばしば「個」や「個」を含むコミュニティに作用する大きな力と、決して相対化してはならない「特殊性」「固有性」を見落とすキライがある。”
    まさに。
    その行き着く先は、政治性や社会性の排除、弱者に対する差別や偏見の無化と不可視化、そして現実に対する批判性の欠如である。

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    2022年09月20日
  • 向日性植物

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    ネタバレ

    詩的な美しい文章。
    台湾のレズビアンの女の子(女性)のお話です。異性愛、同性愛を問わず愛の形は様々でそれこそグラデーション。そういえば「恋」と「愛」の違いってなんだろう?初恋とは言うけれど初愛とは言わない?まあ、誰かを大切に愛しく思う気持ちにそんなのは関係ないか。男でも女でも他者を尊いと思う気持ちの中に、そこに他人が入り込んで自論を押し付けたりするような流れがなくなるといいと思う。日本では、同性婚が制度化されるのは遠い道のだろうな。敢えて「レズビアン文学」と銘打ったのは著者の熱い思いかもしれない

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    2022年08月31日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    7人の女性のセクマイとしての物語がとあるレズビアンバーで交錯する。

    まず風景描写が良かった。
    二丁目近辺の描写がびっくりするほど精確になされていてゲイの自分としては感心した(李琴峰さん自身もレズビアンとのこと)し、
    台湾のひまわり運動についても雰囲気や温度感、匂いまでも伝わってきて、当時facebookで繋がっていた台湾の友人がたくさん情報発信をしていたが、むしろSNSを見るより伝わったかもしれない。

    またセクシャルマイノリティの中でもバイセクシャル・レズビアン・トランスジェンダー、アセクシャル、日本人・台湾人・中国人と多様な恋模様・人間模様が見られていて、このあたりの解像度の高さもLGB

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    2021年12月12日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    私意外が仲の良い、あまり知らない人たちのグループの中で、身を潜めている。

    会話の内容が、私の日常の円とは全く重ならなくて、でもその集団では、当たり前でくくられている。
    そんな感じだから、会話に入ることもできなくて、かと言って無表情なのも異物になってしまうから曖昧に微笑んでいる。

    そんな気持ちに似ているのだろうか。
    想像したところで、本当のことは当事者でないと分からない。分からないけれど、知ることはできる。

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    2021年11月09日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    意味合いが違うけど ジュンパ・ラリヒさんの「その名にちなんで」を思い出した。
    マイノリティとして生きること、そういう風にカテゴリーに分けられること。そしてカテゴリーに分けることは誰がやるの?…そんな疑問はいつも持っとかないと知らずに「たくさんいる派」の理論で押してしまう…

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    2021年08月24日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    ネタバレ

    夏の白鳥のお話が好きでした。一つ一つの物語の登場人物が繋がっていてそれぞれ全く違う背景があって中国台湾日本オーストラリア昔の日本と複数の場所と時代を横断しているけど繋がっていて面白かったです。あと街中人生相談やってる人に相談しに行くところも、どんな相談乗ってくれるんだろうと思ってたので少し知れて良かったです。

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    2021年07月25日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    ジェンダーっていうのはアイデンティティの根幹を為す部分だと思うから、そこが揺らいでいたり、周りに認めてもらえないというのはすごく辛いだろうな。あと、オードリー・タンの印象が強いけど、台湾でももちろんまだLGBTへの差別が強いんだなと改めて感じた。
    読み進めるうちに連作小説になっていることに気づいて、構成もよかった。多種多様な人たちのジェンダーが描かれているけれど、この作品から感じたのは今の時代に至るまでの新宿2丁目の文化を気づいてきた人たちへの敬意だった。まだ広くLGBTという知識がなかった時代から地道に、連綿と居場所を築き上げてきてくれたことへの感謝の念に溢れた作品だった。

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    2020年10月13日
  • 五つ数えれば三日月が

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    ネタバレ

    台湾生まれの著者による2篇の物語から成る。双方とも同性愛、外国人という二重のマイノリティを持つ女性が主人公となっている。

    五つ数えれば三日月が

    自分自身が社会のパズルにはまり切れていない二人、自分が望む関係は分かっているのに、同性愛という(ストーリー上)超えられない壁があるが故にその方向に進めないもどかしさが何とも切ない。

    ストーリーの面白さもあるが、情景描写がかなり特徴的である。特に主人公の梅が主人公の同級生と口づけとして家出したお寺のシーン、実桜と梅が花火をするシーンは文章からも美しい情景が浮かんでくる。実桜へ漢詩で想いを伝えるところもまた印象的だった。

    セイナイト

    一方こちらは

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    2020年10月06日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    読んでいる最中からずっと、帯に書いてある「純愛小説」という単語があまりしっくりこなかった。確かに女性同士の恋愛を描いた作品ではあるけど、純愛小説というよりもっと生々しくてリアリティのある、ほとんどドキュメンタリーのような文章じゃないか。後半の作品では新宿二丁目の歴史までまとめられている。登場人物一人ひとりの切実な生き方が全部刺さった。読んでいて苦しいほどだった。
    というレビューを投稿しツイートしたあと、エゴサしたらしき編集者さんから引用リツイートで「純『恋』小説なんです」と教えていただいた。帯をちゃんと見たらほんとうに「恋」だった! 確認不足で反省。それにしても純「恋」は純「愛」よりもずっとず

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    2020年06月15日
  • 生を祝う

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    産まれる前の胎児に生まれるかどうか決めれる権利があるというif作品。主人公の心情の変化(最初はこの制度になんの疑いも持たず制度に賛成していたが、いざ自分が妊娠し、胎児に生まれたいかの検査をし、拒否をされると、この制度は本当に正しいのかという疑問を抱いた。)がとても印象に残っていて、読んでいる途中に主人公の心情が大きく変わるシーンで驚きを隠せなかった。もし自分が妊娠したとして出生前に胎児に拒否されたらと考えると、主人公のとる行動にも納得がいくぐらいフィクションなのにリアル感が出ていてとても良かった。

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    2026年05月28日
  • 虹はいまだ旅の途上

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    ジェンダーやセクシュアルやルーツ、あまたあるジェノサイドの歴史。
    その歴史の延長線上に普遍的に存在し続けている何か、周りから向けられる視線、置かれる環境や境遇の変わらなさ。
    「クィアたちの苦悩と受難、そして闘争と超克」
    世界中に存在し続けているコミュニティ。
    LGBTと括られても必ずしも連帯出来るほど簡単なものではなく、コミュニティ内での蔑視や排除がある事実。
    このエッセイを読んで「シスヘテ男性」の自分は何を思えば良いのか。
    考え続けることが大切なのかなと思います。

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    2026年05月23日
  • 生を祝う

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    設定が面白い。というか少し距離を置きたい怖いと思わせるテーマ。
    この世に生まれてきたいか、生存難易度を元に問う。逆に生まれてきたいと言ったからにはこの世の苦難を全て受け入れなきゃいけない、正しすぎて逃げ場がなくなるような気として怖い。どこか生まれてくることが自分で選んだことではないという他責感情があるからこそ、手を取り合って助け合うこともできてるんじゃないかと思った。その方法の正しさではなくて、結局何を信じるかが重要でどんな制度を使っても正義の数は減らない。

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    2026年05月16日
  • 生を祝う

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    ネタバレ

    ずっと読んでみたいと思ってた本。
    生まれる前の赤ちゃんが、自分の意思で生まれるか生まれないかを決められる世界があったらとても面白いと思った。
    けど読んでみて実際にこの制度があったとしたら、生まれないと選択された側の母親の気持ちになるととても悲しい気持ちになる。産みたくても産めないし、産んだら罪になるなんて重たい話だなと思った。
    小説の中の「自分の意思で決めることが重要なのではなく、それが自分の意思だと信じ込むことが大事」という文が心に響いた。
    主人公が、合意出生制度にずっと賛成だったにも関わらず、いざ自分の立場になって反対された時に、合意出生制度なんてなかったらいいのにという気持ちになっていて

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    2026年03月20日
  • 私の身体を生きる

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    ネタバレ

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    アンソロジー、あまり読んだことがなかったので読めるか少し心配でしたが、

    いろいろと、それぞれに、自分の身体に関する記憶や経験が書かれていて、

    無事読めました。

    ワンテーマを通して、こんなに豊かなアンソロジーができるんだなーと、やっぱ一流の作家さんたちだからかと思いますが、読者としても自分自身の経験について振り返る機会になったり、他者について少し想像する機会になる、とても良い本だったと思います。

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    2026年02月18日
  • 私の身体を生きる

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    リレーエッセイ方式で17人の書き手が
    『私の身体を生きる』という性をテーマに綴った作品。

    想像していた感じと、かなり違っていた。
    同じテーマでも書き手によって随分とみえる世界が変わるものだ。編集者から依頼された形で綴っているためか、何となく及び腰に感じる作品も少なくない。

    女性しばりでリレーエッセイ集にした意味する所も、問いたいが、赤裸々告白をするものから、トラウマ的な内容を飄々と語ったものまで、多種多様・・・

    トップバッターの島本理生さんの作品だけは、眠っていたような共感が呼び起こされる様な感覚があった。
    恋愛ものがお得意な作家さんだけに、性の役割にも飄々と鋭い着眼点をお持ちだ。

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    2026年02月13日
  • 私の身体を生きる

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    「私の身体を生きる」というテーマのエッセイ集。
    びっくりした内容もあった。自分の性を語るのは難しい、

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    2026年02月01日
  • 私の身体を生きる

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    藤原麻里菜さんのが印象的だった。
    知らずに読んでいたけど藤原麻里菜さんって、無駄づくりの彼女だったのか!
    それに気づいてからより面白く読めたし、女とか関係なしに能力を認められたい気持ちは、理系入試女子枠アンチのわたしの気持ちを代弁してくれた。
    男性に女としてのフィルターを通して見られたくない気持ちでありながら、女である自分(の身体)が好きだというまとめ方も好きだった。

    痴漢被害にあった人が多く驚いた。私は痴漢にあったことはない。こんな言い方だめなんだけど、共感、理解のために痴漢の経験があればよかったなとか思った。

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    2026年01月14日