李琴峰のレビュー一覧

  • 生を祝う

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    めっちゃつらい。めっちゃもやもやする。でも、自己の意思決定とはなにか、信じるとはどういうことか、すごく考えた。終わりがスッキリするような後味が悪いような、なんとも言えない読後感。非常に面白かった。

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    2024年03月30日
  • 生を祝う

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    胎児が生きる決定権を持ち、住みやすい環境だと判断したら生まれてくるが拒否するなら親は中絶をしなくてはいけない。ちょうどこの制度が導入された時期に産まれた人と導入前の人と結婚し
    子どもを授かる。2人ともこの制度に賛成で自分が望んで産まれてきたわけだから困難に直面しても乗り越えていけるという自信にもつながる。と考えていたがいざ自分のお腹の子が拒否をしたら…
    2人は意見が対立し今までに一度もけんかをしたことがなかったがお互い自分の意見を主張し、産むか中絶か論争しあう。

    産婦人科医は正しいかどうか今生きている人では判断が難しいのはいつの時代も同じで今生きている時代の法律に従うしかない。たしかに、でも

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    2024年03月15日
  • 向日性植物

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    描写力、表現力が素晴らしい。
    何度も息を呑むシーンがありました。こんな風景、私も見たことある。でも、こんなに綺麗なシーンに写せるのは、同性愛だから?もしかしたら、そうかもしれない。私たちが見逃していたけど綺麗なシーンが、彼女たちの大事なひとときなのかもしれないなと思いました。
    良作です。本屋さんで見かけて気になって読みましたが、出会えて良かったです。

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    2024年01月13日
  • 生を祝う

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    自由意志、人権、それは生きていく上で当たり前の事なのかもしれないけれど、生まれてくること自体を自分の意思で決定するのはこの世界ではできないことで。それを自分で選択していたのなら、私は「死にたい」とは思わず生きてこれたんだろうかと考えたりした。
    親はきっと産まれてくる子を「幸せ」にしてやる、と決めて産むんだろうと実感して、自分の親もそういう思いで産んでくれたんだろうと思えた。

    人生という名の無期懲役という言葉がすごく腑に落ちて、死ぬまで縛り続けられているのが人間だなと思った。

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    2024年01月02日
  • 肉を脱ぐ

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    自分の身体はただの肉体でしかなくて。心が思うように動いてくれるものではなく、栄養を欲して、人間の温もりを欲して、自分の意識を縛る鎖のようなものだと気付かされた。前から人間という生き物の不自由さや面倒くささには気づいていたけれど、それを言語化したうえでさらに、人同士の身体の違いについて考えされられた小説だった。
    人間が「体をもつ」ことの意味を突きつけられた。
    読みやすかったしすごく考えてされられて面白かった。

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    2023年12月31日
  • 星月夜

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    国籍を付与し差別を否定しつつも戸籍上は内地と外地とを区別し、ウルグイ差別の事実を覆い隠す共産党のやり方には悪意しか感じない。

    Intersexionality
    相互理解の限界
    不完全性の肯定

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    2023年12月16日
  • 肉を脱ぐ

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    身体性をめぐる物語。ひとつひとつの体の動きに対する描写が執着的なほど細やか。登場人物たちのキャラクターもハッキリしていて、ページが進むほどに加速度が増す、脳の快楽物質があふれだす小説体験。
    これまであまり自分の身体性について掘り下げて考えたことがなかったけど、そうか、身体が邪魔という考え方があったのねと思わされた。

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    2023年12月04日
  • 独り舞

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    すごくよかった、好きだった。
    初めて本を読んで泣きそうになった。
    これが、作者の全てを詰め込んで作られたような存在であるデビュー作なことが嬉しい。

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    2023年08月23日
  • 向日性植物

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    ネタバレ

    終わり方まで須く好みだった 文章自体もさらりと重すぎず植物のようだ 女子校時代に抱いた感覚を呼び起こさせる 小旻の最後のエピソードが胸に刺さる 彼女が殆どのキャンディをかつての同士たちに渡す気持ちが痛いほどわかる なぜならセクシャリティの変化は以前のコミュニティに属せなくなる可能性を秘めているからだ 特にレズビアンであるというセクシャリティで強く繋がった絆の中では

    キャラクターが濃い作品ではない 皆密やかに生きている 木のテーブルの丸い跡をありありと想像できる 木蓮の香りや窓を開けた際の風にそよぐその葉のさまも ジワジワと心に沁みる作品だった

    この小説が書かれた時には台湾ではまだ同性婚が許

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    2023年08月16日
  • 向日性植物

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    すごく好きな小説だった。
    作者が「レズビアンがレズビアンという理由で死ぬことのない小説が書きたい」てと言って書いていた作品らしく(最高!)、作中にも、病気で亡くなってしまったレズビアンに「やっぱりレズビアンだから…」ていう邪推が入った時、主要キャラが「今どきのレズビアンは性的指向が理由で死なないんだよ」て言ってたのがすごく痛快で、嬉しかった。
    作中でレズビアンってプライドマーチとか、ボイとか、そういう言葉をちゃんと使ってくれてたのが嬉しい。

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    2023年08月03日
  • 向日性植物

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    一気に読んだ、読み進めたくなった

    わたしたちの希望になる作品だった

    この作品を書いてくれてありがとう、翻訳してくれてありがとう
    読み終わったあと、その気持ちが伝えたくなった



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    2023年07月08日
  • 透明な膜を隔てながら

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    日本語を母語としない作者の文章は、とても正統的に感じる。文法的により正しい言葉の選び方をしているのと、本作者の場合、圧倒的な漢籍の実力があるからだろうね。
    多様性を重んじる彼女の言説は、偏見の塊のような自分には、ちと痛い部分も多い。言われてみれば当たり前のことばかりだけどね。ただ性差を完全にフラットにするには、人類は生物学的に雌雄同体にでも進化しない限りはどうしようもないと思うけど(これを進化と言っていいのかな)。

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    2022年12月25日
  • 透明な膜を隔てながら

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    ネタバレ

    「台湾の地方出身者であること、女性であること、性的招集者であること、外国人であること、非母語話者であることー多くのマイノリティ属性を否応なしに押し付けられている身として、私は生きているだけで常に様々な隔たりを感じている。(あとがきより)」

    社会においてマイノリティであることで、差別的な扱いを受けたり、無意識に気づ付けられることがある。そして私たちの多くはそれがわかっているようでやはり分らぬままこの社会を生きている。
    マジョリティになることもあればマイノリティになることもある。否、この発言こそが何か違和感を感じるところであるが、これ以上なんといえばいいのか、閉口すべきなのだろうか。

    著者自身

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    2022年10月17日
  • 向日性植物

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    ネタバレ

    あの年代の気持ちの動きが泣きたいほど鮮やかに描かれていてよかった。同性の集団での気持ちとまわりとの距離とか、女子高の感じとか。違う国なのにね。

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    2022年09月21日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    ネタバレ

    初めての李琴峰さんの作品。台湾出身という日本語を母国語としない彼女が書く圧倒的な語彙力に驚かされる。
    そもそも彼女の本を読むきっかけは、早稲田大学の冊子に投稿した文章を読んだから。「早稲田に留学に来た当初拙い日本語で、、、」と流暢さと博識ぶりが溢れた文章。2013年来日とはまだ10年経っていないではないか!興味が湧いた。

    新宿二丁目にあるレズビアンアバー「ポラリス」を取り巻く台湾、日本、中国で育った彼、彼女らの苦悩の人生、様々な性自認。7つの短編小説に、過去から現代までの変化の中に作者の思いが込められている。

    新宿の道端で人生相談をしているくだりが印象深い。ー神よお与え下さい。変えられるも

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    2022年08月05日
  • 向日性植物

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    ネタバレ

    台湾の百合小説を李琴峰さんの翻訳で読める、という。
    これは読まないわけにはいかない。

    1982年生まれの私の学生生活、憧れの先輩、恋と別れ。

    繊細な筆致によって、恋愛だけではなく高校生という少女から大人になるときの脆さや危うさを描いた作品。

    好きな人の名前を呼ぶ、出会う、その一瞬の特別な、何もかもが新鮮で瑞々しさに溢れていたとき。読んでいて涙が出そうになりました。恋をするってこういうことだったな。

    たぶん原文の味をちゃんと残していると思われる、李さんの翻訳も素晴らしいと感じました。ところどころ、日本語っぽくない語順になっているのが面白い。

    #向日性植物 #NetGalleyJP

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    2022年07月16日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    すごいよかった!!!!!!!!!!
    女を好きな女たちの話で、自分が知らなかった色々について触れていたり、トランスジェンダー女性の話が出てきたりして物凄く好きだな…と思った。
    夏子の章で、オーストラリアに行った先で出会った人が、30歳のことを「みにくいアヒルの子がちょうど白鳥になる頃」と表現していてすごく良かった。それを聞いた後の夏子の独白もすごく良い。

    三十歳。日本でなら、白鳥も老い衰える頃だろう。そもそも白鳥になんてなれないのかもしれない。生まれてから死ぬまで、ずっとアヒルのままかも知れない。

    この独白が日本での窮屈さを表現していると感じてすごく気に入った。

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    2022年04月15日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    LGBTQや性的マイノリティと括って理解したつもりになって安心してしまう(私も含めた)マジョリティたちへ突きつける小説だった。(SDGs=エコ みたいなね)

    彼らはマーケティングの道具じゃないし、国籍や性的志向、性自認に年齢も異なる個別具体的な人間なのだと。インターセクショナリティという言葉を理解するとっかかりになる物語。

    台湾や中国の政治について、トランスジェンダー女性のレズビアンについて、必要なのは理解や共感ではなく「制度と権利」なのだと感じた。マジョリティがそれについて扱うときの無邪気な暴力に、ほんとにほんとに自覚的にならねばならないと思う。

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    2022年01月16日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    新宿にあるバー「ポラリス」に集まる人たちの、それぞれの物語。
    知らない言葉がたくさん出てきて、勉強になった。

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    2020年05月31日
  • 生を祝う

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    ネタバレ

    時代は今から50年後。「生の自己決定権」「生まれない権利」をめぐる物語。
    コンファーム、いわゆる「生まれてきたいか?」の確認は、正当性があるのか。
    「つまり、本当に大事なのは自分の意思で決めることそれ自体じゃなくて、それが自分の意思だと信じ込むことなのかもしれません」
    大事なのは、生を選んできたという事実ではなく、「自ら選んだ」と、自らを後押しする意思。
    生まれて幸せかどうかなんて、周囲の環境だけじゃ決められない。でも、幸せになるために生まれてきたんだと自分に暗示をかけること。ブラックボックスに入っているものが、「幸せ」であると信じること。

    だからこそ、ラストは衝撃でした!

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    2025年12月21日