李琴峰のレビュー一覧
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ネタバレ終わり方まで須く好みだった 文章自体もさらりと重すぎず植物のようだ 女子校時代に抱いた感覚を呼び起こさせる 小旻の最後のエピソードが胸に刺さる 彼女が殆どのキャンディをかつての同士たちに渡す気持ちが痛いほどわかる なぜならセクシャリティの変化は以前のコミュニティに属せなくなる可能性を秘めているからだ 特にレズビアンであるというセクシャリティで強く繋がった絆の中では
キャラクターが濃い作品ではない 皆密やかに生きている 木のテーブルの丸い跡をありありと想像できる 木蓮の香りや窓を開けた際の風にそよぐその葉のさまも ジワジワと心に沁みる作品だった
この小説が書かれた時には台湾ではまだ同性婚が許 -
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ネタバレ「台湾の地方出身者であること、女性であること、性的招集者であること、外国人であること、非母語話者であることー多くのマイノリティ属性を否応なしに押し付けられている身として、私は生きているだけで常に様々な隔たりを感じている。(あとがきより)」
社会においてマイノリティであることで、差別的な扱いを受けたり、無意識に気づ付けられることがある。そして私たちの多くはそれがわかっているようでやはり分らぬままこの社会を生きている。
マジョリティになることもあればマイノリティになることもある。否、この発言こそが何か違和感を感じるところであるが、これ以上なんといえばいいのか、閉口すべきなのだろうか。
著者自身 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めての李琴峰さんの作品。台湾出身という日本語を母国語としない彼女が書く圧倒的な語彙力に驚かされる。
そもそも彼女の本を読むきっかけは、早稲田大学の冊子に投稿した文章を読んだから。「早稲田に留学に来た当初拙い日本語で、、、」と流暢さと博識ぶりが溢れた文章。2013年来日とはまだ10年経っていないではないか!興味が湧いた。
新宿二丁目にあるレズビアンアバー「ポラリス」を取り巻く台湾、日本、中国で育った彼、彼女らの苦悩の人生、様々な性自認。7つの短編小説に、過去から現代までの変化の中に作者の思いが込められている。
新宿の道端で人生相談をしているくだりが印象深い。ー神よお与え下さい。変えられるも -
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ネタバレ台湾の百合小説を李琴峰さんの翻訳で読める、という。
これは読まないわけにはいかない。
1982年生まれの私の学生生活、憧れの先輩、恋と別れ。
繊細な筆致によって、恋愛だけではなく高校生という少女から大人になるときの脆さや危うさを描いた作品。
好きな人の名前を呼ぶ、出会う、その一瞬の特別な、何もかもが新鮮で瑞々しさに溢れていたとき。読んでいて涙が出そうになりました。恋をするってこういうことだったな。
たぶん原文の味をちゃんと残していると思われる、李さんの翻訳も素晴らしいと感じました。ところどころ、日本語っぽくない語順になっているのが面白い。
#向日性植物 #NetGalleyJP -
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すごいよかった!!!!!!!!!!
女を好きな女たちの話で、自分が知らなかった色々について触れていたり、トランスジェンダー女性の話が出てきたりして物凄く好きだな…と思った。
夏子の章で、オーストラリアに行った先で出会った人が、30歳のことを「みにくいアヒルの子がちょうど白鳥になる頃」と表現していてすごく良かった。それを聞いた後の夏子の独白もすごく良い。
三十歳。日本でなら、白鳥も老い衰える頃だろう。そもそも白鳥になんてなれないのかもしれない。生まれてから死ぬまで、ずっとアヒルのままかも知れない。
この独白が日本での窮屈さを表現していると感じてすごく気に入った。 -
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LGBTQや性的マイノリティと括って理解したつもりになって安心してしまう(私も含めた)マジョリティたちへ突きつける小説だった。(SDGs=エコ みたいなね)
彼らはマーケティングの道具じゃないし、国籍や性的志向、性自認に年齢も異なる個別具体的な人間なのだと。インターセクショナリティという言葉を理解するとっかかりになる物語。
台湾や中国の政治について、トランスジェンダー女性のレズビアンについて、必要なのは理解や共感ではなく「制度と権利」なのだと感じた。マジョリティがそれについて扱うときの無邪気な暴力に、ほんとにほんとに自覚的にならねばならないと思う。 -
Posted by ブクログ
今の私だったら生まれてこない方を選択するけれど、生まれる前に同じ選択をしたかと聞かれると自信がない。
結局は責任の所在?自己責任論に落ち着こうとしてるのか。
意思決定の権利や自己決定の権利等、目に見えないけれど私たちが作り出したことで存在するもの。それらをどうやって可視化して責任の所在を明確にするか。
上手くいかないことを自分のせいにしたくないだけ、自分の選択の責任をとれないだけなのかな。でも生まれてくる時点で持ち合わせてるものは人によるから格差はある。平等はありえない。自分のコントロール下にないものは、責任をとらずに済む逃げ場がほしくなる。
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ネタバレ産むこと・産まれることの本質について深く考えさせられる作品。当然のことながら、太古の昔から現在に至るまで人間が産まれることについて本人の合意は介在してこなかった。産まれるという言葉が受動態であるように、生の始点はあくまで受け身なのだということを誰かの詩で読んだことを思い出す。好むと好まざるとにかかわらず、まず生まれてしまう。そこには不条理という名の実存主義的苦悩が付き纏う。出生にあたって生の自己決定権を行使することで、人生のオーナーシップを得ることができるという主人公の実感も分からなくはない。
とはいえ、出生への合意とは何なのだろうか。我々が下すあらゆる決断は、それまでの人生で経験したことによ