李琴峰のレビュー一覧

  • 肉を脱ぐ

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    肉体から受ける制約と葛藤する主人公。
    丁寧な筆致は作者らしいけど、少し息苦しい。ラストは安部公房みたいで迫力あったけど。

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    2024年03月03日
  • 肉を脱ぐ

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    “身体”を疎ましく思う女性が主人公。彼女はツテを頼りに持ち込みでデビューした兼業作家だが、2作目が編集者に認められず苦しんでいる。そんなとき、エゴサーチで自分の筆名と同じYouTuberが注目を集めていることを知り……。
    自分の身体に対する疑問、不信を突き詰めるとこうなるだろうという小説だった。精神の容れ物であるとしても、身体を生かすためには様々な要求に応えなければならないという矛盾や、女性であることの不合理がこれでもかと詰め込まれている。会社という組織の中でも彼女は異端だ。
    ラストシーンは非現実的だが受け入れられた。

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    2024年01月08日
  • 五つ数えれば三日月が

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    想いを寄せていた友人と何年振りかに再会し近況報告しながら昔の想いにひたる。狭い世界観に思うが台湾や日本で暮らしているので狭い訳ではないと思うが、狭い空間と人間関係で生活しているような雰囲気で余計な情報がないので落ち着いて読める。叶う事のない恋を大切に伝えることのできなかった胸のうち。切ない話だった。

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    2024年01月08日
  • 肉を脱ぐ

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    ネタバレ

    ラストのどんどん肉を剥ぎ落としていく行為、リアルに表現されていて、ほかの作品も同様の表現だったら犯罪者の心理的描写や異常者の作品があったとしたら気が狂いそう。
    内容も自分の身体の全てがいらない、お腹が空くのも排泄も身体のサイクル全てを拒否したい考えを持っているのに同名のYouTubeの存在を執念深く調べあげあり、自分の小説をエゴサして気にしたりと思考は固執している。会社で浮く事なく普通に働いている人間の内面は違うとゾワッとするそれでいて嫌悪感なく拒否反応も出ずに読めてしまったのは不思議。

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    2023年12月22日
  • 肉を脱ぐ

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    ラストシーンについて誰かと話したくなる作品です。
    この作品を読んだ他の方がどう解釈したのか気になります。

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    2023年12月19日
  • 肉を脱ぐ

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    p.65 「急に泣きたくなる時は、本当に少しでも我慢ができない。くしゃみみたいにね、涙が身体の中からとっさに湧いてきて、気がつくとポロポロ落ちている。他の会に行こうとか、誰かに気づいてほしいとか欲しくないとか、そんなこと考える余裕なんてないの」

    Twitterでのエゴサーチとか、Vtuberとか、個人情報の特定の方法とか…とてもリアル…李琴美さんの作品は本当に胸を抉られるようなリアルさが売りだよな…がーーーっとよんじゃう!

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    2023年11月28日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    新宿二丁目にあるバーのポラリスを巡り人が人を愛するのに異性愛や同性愛やトランスジェンダーの愛などの違いはなく、すべて愛しい人に対する愛であることが分かる。台湾出身で日本語で小説を書いている李琴峰さんの作品。

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    2023年04月22日
  • 透明な膜を隔てながら

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    台湾出身の芥川賞作家のエッセー。

    芥川賞受賞作品も、お名前も知りませんでしたが、日本語教師の視点で面白いと思える箇所がいくつもありました。

    なかでも、最初に覚えた仮名文字は片仮名で、その理由がポケモンだということ。外国籍児童にも、ポケモンの名前は片仮名学習に効果的でした。

    漢字圏の出身者だから日本語習得に有利ということはない、というのは、多くの在住中国人の方を見てきて感じていることで、この方の日本語の自然さは、本人の言うように「不断な努力と格闘によって手に入れたもの」なのでしょう。

    努力もせずに、外国語の習得をあきらめている人に読ませたい。

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    2023年03月12日
  • 独り舞

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    人の自死を美しいと思った経験があるので、たとえフィクションの世界であったとしても同じ感情を抱いている人物が存在してくれて感謝

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    2022年10月29日
  • 透明な膜を隔てながら

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    個人と個人を隔てるもの。属性と属性を隔てるもの。綺麗事を並べて無くなったかのように見せても、透明になっただけでそこにあるもの。正しさに立脚するように見えて、その実そうではないもの。

    透明な膜を隔てながら、他者を尊敬し理解しようとする試みの記録。

    “普遍性を探求しようとする日本文学は、しばしば「個」や「個」を含むコミュニティに作用する大きな力と、決して相対化してはならない「特殊性」「固有性」を見落とすキライがある。”
    まさに。
    その行き着く先は、政治性や社会性の排除、弱者に対する差別や偏見の無化と不可視化、そして現実に対する批判性の欠如である。

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    2022年09月20日
  • 向日性植物

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    ネタバレ

    詩的な美しい文章。
    台湾のレズビアンの女の子(女性)のお話です。異性愛、同性愛を問わず愛の形は様々でそれこそグラデーション。そういえば「恋」と「愛」の違いってなんだろう?初恋とは言うけれど初愛とは言わない?まあ、誰かを大切に愛しく思う気持ちにそんなのは関係ないか。男でも女でも他者を尊いと思う気持ちの中に、そこに他人が入り込んで自論を押し付けたりするような流れがなくなるといいと思う。日本では、同性婚が制度化されるのは遠い道のだろうな。敢えて「レズビアン文学」と銘打ったのは著者の熱い思いかもしれない

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    2022年08月31日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    7人の女性のセクマイとしての物語がとあるレズビアンバーで交錯する。

    まず風景描写が良かった。
    二丁目近辺の描写がびっくりするほど精確になされていてゲイの自分としては感心した(李琴峰さん自身もレズビアンとのこと)し、
    台湾のひまわり運動についても雰囲気や温度感、匂いまでも伝わってきて、当時facebookで繋がっていた台湾の友人がたくさん情報発信をしていたが、むしろSNSを見るより伝わったかもしれない。

    またセクシャルマイノリティの中でもバイセクシャル・レズビアン・トランスジェンダー、アセクシャル、日本人・台湾人・中国人と多様な恋模様・人間模様が見られていて、このあたりの解像度の高さもLGB

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    2021年12月12日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    私意外が仲の良い、あまり知らない人たちのグループの中で、身を潜めている。

    会話の内容が、私の日常の円とは全く重ならなくて、でもその集団では、当たり前でくくられている。
    そんな感じだから、会話に入ることもできなくて、かと言って無表情なのも異物になってしまうから曖昧に微笑んでいる。

    そんな気持ちに似ているのだろうか。
    想像したところで、本当のことは当事者でないと分からない。分からないけれど、知ることはできる。

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    2021年11月09日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    意味合いが違うけど ジュンパ・ラリヒさんの「その名にちなんで」を思い出した。
    マイノリティとして生きること、そういう風にカテゴリーに分けられること。そしてカテゴリーに分けることは誰がやるの?…そんな疑問はいつも持っとかないと知らずに「たくさんいる派」の理論で押してしまう…

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    2021年08月24日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    ネタバレ

    夏の白鳥のお話が好きでした。一つ一つの物語の登場人物が繋がっていてそれぞれ全く違う背景があって中国台湾日本オーストラリア昔の日本と複数の場所と時代を横断しているけど繋がっていて面白かったです。あと街中人生相談やってる人に相談しに行くところも、どんな相談乗ってくれるんだろうと思ってたので少し知れて良かったです。

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    2021年07月25日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    ジェンダーっていうのはアイデンティティの根幹を為す部分だと思うから、そこが揺らいでいたり、周りに認めてもらえないというのはすごく辛いだろうな。あと、オードリー・タンの印象が強いけど、台湾でももちろんまだLGBTへの差別が強いんだなと改めて感じた。
    読み進めるうちに連作小説になっていることに気づいて、構成もよかった。多種多様な人たちのジェンダーが描かれているけれど、この作品から感じたのは今の時代に至るまでの新宿2丁目の文化を気づいてきた人たちへの敬意だった。まだ広くLGBTという知識がなかった時代から地道に、連綿と居場所を築き上げてきてくれたことへの感謝の念に溢れた作品だった。

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    2020年10月13日
  • 五つ数えれば三日月が

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    ネタバレ

    台湾生まれの著者による2篇の物語から成る。双方とも同性愛、外国人という二重のマイノリティを持つ女性が主人公となっている。

    五つ数えれば三日月が

    自分自身が社会のパズルにはまり切れていない二人、自分が望む関係は分かっているのに、同性愛という(ストーリー上)超えられない壁があるが故にその方向に進めないもどかしさが何とも切ない。

    ストーリーの面白さもあるが、情景描写がかなり特徴的である。特に主人公の梅が主人公の同級生と口づけとして家出したお寺のシーン、実桜と梅が花火をするシーンは文章からも美しい情景が浮かんでくる。実桜へ漢詩で想いを伝えるところもまた印象的だった。

    セイナイト

    一方こちらは

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    2020年10月06日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    読んでいる最中からずっと、帯に書いてある「純愛小説」という単語があまりしっくりこなかった。確かに女性同士の恋愛を描いた作品ではあるけど、純愛小説というよりもっと生々しくてリアリティのある、ほとんどドキュメンタリーのような文章じゃないか。後半の作品では新宿二丁目の歴史までまとめられている。登場人物一人ひとりの切実な生き方が全部刺さった。読んでいて苦しいほどだった。
    というレビューを投稿しツイートしたあと、エゴサしたらしき編集者さんから引用リツイートで「純『恋』小説なんです」と教えていただいた。帯をちゃんと見たらほんとうに「恋」だった! 確認不足で反省。それにしても純「恋」は純「愛」よりもずっとず

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    2020年06月15日
  • 生を祝う

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    ネタバレ

    ずっと読んでみたいと思ってた本。
    生まれる前の赤ちゃんが、自分の意思で生まれるか生まれないかを決められる世界があったらとても面白いと思った。
    けど読んでみて実際にこの制度があったとしたら、生まれないと選択された側の母親の気持ちになるととても悲しい気持ちになる。産みたくても産めないし、産んだら罪になるなんて重たい話だなと思った。
    小説の中の「自分の意思で決めることが重要なのではなく、それが自分の意思だと信じ込むことが大事」という文が心に響いた。
    主人公が、合意出生制度にずっと賛成だったにも関わらず、いざ自分の立場になって反対された時に、合意出生制度なんてなかったらいいのにという気持ちになっていて

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    2026年03月20日
  • 私の身体を生きる

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    ネタバレ

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    アンソロジー、あまり読んだことがなかったので読めるか少し心配でしたが、

    いろいろと、それぞれに、自分の身体に関する記憶や経験が書かれていて、

    無事読めました。

    ワンテーマを通して、こんなに豊かなアンソロジーができるんだなーと、やっぱ一流の作家さんたちだからかと思いますが、読者としても自分自身の経験について振り返る機会になったり、他者について少し想像する機会になる、とても良い本だったと思います。

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    2026年02月18日