李琴峰のレビュー一覧

  • 生を祝う

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    これを読んだ多くの人は、『合意出生制度』に賛成の意見を持つんじゃないかなと思う。現代でも既に、「望まずに生まれてきた子」って言葉はよく聞くし、「子は親の所有物じゃない」っていうのも当たり前に使ってるし。私自身も今の段階では、子供の意思確認の精度は横に置いといて、「子供の意思を尊重する」という点においては賛成。
    でも実際自分が子供を宿したとき、子供から「リジェクト」を示されたら、絶対制度を恨んじゃう。

    物語上でこの制度は30年ぐらいの歴史のもので、それが長いか短いかは分からないけど、世代で考えるとやっぱり一世代分しか入れ替わってないから、反対意見が根強いのは納得。

    物語としては、主人公が『合

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    2024年05月20日
  • 透明な膜を隔てながら

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    頭の良い人の考えている事は理解できないがエッセイを読んでしまう。LG B T 、台湾出身、翻訳ではなく日本語での小説、自分が興味のあったもの全てを持っていたのとふと手に取った小説が面白かったので作品を読み始めるが最初がこの本だったらそこまでのめり込まなかった。
    ちゃんと理解していないので共感や要約はできないが今後の本や生活していく中でまたエッセイ本が出た時に理解できるように脳を鍛錬してどんな本でも理解できこの作家好きと胸張っていいたい。

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    2024年04月25日
  • 肉を脱ぐ

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    柳佳夜は会社では佐藤慶子と名乗り、勤めの傍ら 小説を書いている.会社には同性愛者の優香、男の社員で福島亮太らがいる.小説家としてのライバルは山下菜摘(川上冬華)でかなり売れている.慶子はエゴサで自分の名前を他人が語っているのを知り、密かにその人物の特定を試みる.その過程が本書の中で最も楽しめた部分だ.中国系の小池嘉美がその張本人だと判明し、二人がやり取りする場面が面白かった.あまり公表されない小説家の実態が描写されているのが良かった.作者は台湾生まれだが、日本語を駆使できる能力は素晴らしいと感じた.

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    2024年04月02日
  • 肉を脱ぐ

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    24.肉を脱ぐ
    エゴサの先には何もないどころか、とって変わられた自分がいた

    肉体に支配されたくない
    見た目やジェンダーでない
    ただこの心だけ、精神だけで生きたい
    そんな彼女の気持ちが…わかる気もするけれど
    それこそが最後の狂気へと向かわせる

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    2024年03月20日
  • 肉を脱ぐ

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    ネタバレ

    肉体に支配される精神。物事の見方がそうなってしまうと生きづらいだろうなと思いながらページを捲っていた。

    主人公は生身の自身を嫌悪し、精神だけの存在である「柳佳夜」というペンネームに縋って生きてきた。小説、会社、自身の性、すべてがままならない状態の中、「柳佳夜」という同姓同名のVTuberの存在を知る。Twitterにおいて、自分の存在を塗りつぶされて消されていく恐怖に襲われた主人公はVTuberの正体を探り始める。

    内容をまとめるとこんな感じなのだが、言葉では表せないぐらいの重苦しさと嫌悪感に囚われながら読み終えた。肉体と精神を分離しなければ耐えられないほどの現実を送りながら、人を蔑み高み

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    2024年03月17日
  • 肉を脱ぐ

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    肉体から受ける制約と葛藤する主人公。
    丁寧な筆致は作者らしいけど、少し息苦しい。ラストは安部公房みたいで迫力あったけど。

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    2024年03月03日
  • 生を祝う

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    ネタバレ

    人間が完璧じゃない以上、どんな制度にも欠陥が存在する。

    親からしたら、子どもがこの世に生まれることを望んでいるのか、産む前に知れたら安心できる。子どもにとっても自分の意思で生まれてきたことは生涯支えになる。私自身、生まれてこなければ…と考えたことがあるが、それは自分で決めたことだと知っていれば納得できるし救われる。

    でもまだ生まれていない、世界のことを何も知らない子どもに数字だけで生まれたいですか?って聞くのは…しかもそれは記憶には残らず、1枚の書類の有無でわかる。なんだか、うまくいえないもやもやがある。

    この物語の登場人物はなんというか、単純で、よく言えば素直だなと思った。合意出生制度

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    2024年03月01日
  • 生を祝う

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    自分に対する自己肯定感。自分の意志が尊重されたという原体験は、その後の人生において、自分自身の素直な姿を肯定するための貴重な材料となる。

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    2024年01月17日
  • 肉を脱ぐ

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    “身体”を疎ましく思う女性が主人公。彼女はツテを頼りに持ち込みでデビューした兼業作家だが、2作目が編集者に認められず苦しんでいる。そんなとき、エゴサーチで自分の筆名と同じYouTuberが注目を集めていることを知り……。
    自分の身体に対する疑問、不信を突き詰めるとこうなるだろうという小説だった。精神の容れ物であるとしても、身体を生かすためには様々な要求に応えなければならないという矛盾や、女性であることの不合理がこれでもかと詰め込まれている。会社という組織の中でも彼女は異端だ。
    ラストシーンは非現実的だが受け入れられた。

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    2024年01月08日
  • 五つ数えれば三日月が

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    想いを寄せていた友人と何年振りかに再会し近況報告しながら昔の想いにひたる。狭い世界観に思うが台湾や日本で暮らしているので狭い訳ではないと思うが、狭い空間と人間関係で生活しているような雰囲気で余計な情報がないので落ち着いて読める。叶う事のない恋を大切に伝えることのできなかった胸のうち。切ない話だった。

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    2024年01月08日
  • 肉を脱ぐ

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    ネタバレ

    ラストのどんどん肉を剥ぎ落としていく行為、リアルに表現されていて、ほかの作品も同様の表現だったら犯罪者の心理的描写や異常者の作品があったとしたら気が狂いそう。
    内容も自分の身体の全てがいらない、お腹が空くのも排泄も身体のサイクル全てを拒否したい考えを持っているのに同名のYouTubeの存在を執念深く調べあげあり、自分の小説をエゴサして気にしたりと思考は固執している。会社で浮く事なく普通に働いている人間の内面は違うとゾワッとするそれでいて嫌悪感なく拒否反応も出ずに読めてしまったのは不思議。

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    2023年12月22日
  • 生を祝う

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    考えさせられたなーこりゃすごい。
    50年後にはこれに近い未来があるのかしら。胎児に生まれたいか生まれたくないかの意思を聞く。究極の個人主義。怖いようで、納得の人類の進歩なのか。
    でも心の拠り所として宗教はちゃんと生きてるんだなー。

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    2023年12月20日
  • 肉を脱ぐ

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    ラストシーンについて誰かと話したくなる作品です。
    この作品を読んだ他の方がどう解釈したのか気になります。

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    2023年12月19日
  • 肉を脱ぐ

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    p.65 「急に泣きたくなる時は、本当に少しでも我慢ができない。くしゃみみたいにね、涙が身体の中からとっさに湧いてきて、気がつくとポロポロ落ちている。他の会に行こうとか、誰かに気づいてほしいとか欲しくないとか、そんなこと考える余裕なんてないの」

    Twitterでのエゴサーチとか、Vtuberとか、個人情報の特定の方法とか…とてもリアル…李琴美さんの作品は本当に胸を抉られるようなリアルさが売りだよな…がーーーっとよんじゃう!

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    2023年11月28日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    新宿二丁目にあるバーのポラリスを巡り人が人を愛するのに異性愛や同性愛やトランスジェンダーの愛などの違いはなく、すべて愛しい人に対する愛であることが分かる。台湾出身で日本語で小説を書いている李琴峰さんの作品。

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    2023年04月22日
  • 透明な膜を隔てながら

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    台湾出身の芥川賞作家のエッセー。

    芥川賞受賞作品も、お名前も知りませんでしたが、日本語教師の視点で面白いと思える箇所がいくつもありました。

    なかでも、最初に覚えた仮名文字は片仮名で、その理由がポケモンだということ。外国籍児童にも、ポケモンの名前は片仮名学習に効果的でした。

    漢字圏の出身者だから日本語習得に有利ということはない、というのは、多くの在住中国人の方を見てきて感じていることで、この方の日本語の自然さは、本人の言うように「不断な努力と格闘によって手に入れたもの」なのでしょう。

    努力もせずに、外国語の習得をあきらめている人に読ませたい。

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    2023年03月12日
  • 独り舞

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    人の自死を美しいと思った経験があるので、たとえフィクションの世界であったとしても同じ感情を抱いている人物が存在してくれて感謝

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    2022年10月29日
  • 透明な膜を隔てながら

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    個人と個人を隔てるもの。属性と属性を隔てるもの。綺麗事を並べて無くなったかのように見せても、透明になっただけでそこにあるもの。正しさに立脚するように見えて、その実そうではないもの。

    透明な膜を隔てながら、他者を尊敬し理解しようとする試みの記録。

    “普遍性を探求しようとする日本文学は、しばしば「個」や「個」を含むコミュニティに作用する大きな力と、決して相対化してはならない「特殊性」「固有性」を見落とすキライがある。”
    まさに。
    その行き着く先は、政治性や社会性の排除、弱者に対する差別や偏見の無化と不可視化、そして現実に対する批判性の欠如である。

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    2022年09月20日
  • 向日性植物

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    ネタバレ

    詩的な美しい文章。
    台湾のレズビアンの女の子(女性)のお話です。異性愛、同性愛を問わず愛の形は様々でそれこそグラデーション。そういえば「恋」と「愛」の違いってなんだろう?初恋とは言うけれど初愛とは言わない?まあ、誰かを大切に愛しく思う気持ちにそんなのは関係ないか。男でも女でも他者を尊いと思う気持ちの中に、そこに他人が入り込んで自論を押し付けたりするような流れがなくなるといいと思う。日本では、同性婚が制度化されるのは遠い道のだろうな。敢えて「レズビアン文学」と銘打ったのは著者の熱い思いかもしれない

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    2022年08月31日
  • ポラリスが降り注ぐ夜

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    7人の女性のセクマイとしての物語がとあるレズビアンバーで交錯する。

    まず風景描写が良かった。
    二丁目近辺の描写がびっくりするほど精確になされていてゲイの自分としては感心した(李琴峰さん自身もレズビアンとのこと)し、
    台湾のひまわり運動についても雰囲気や温度感、匂いまでも伝わってきて、当時facebookで繋がっていた台湾の友人がたくさん情報発信をしていたが、むしろSNSを見るより伝わったかもしれない。

    またセクシャルマイノリティの中でもバイセクシャル・レズビアン・トランスジェンダー、アセクシャル、日本人・台湾人・中国人と多様な恋模様・人間模様が見られていて、このあたりの解像度の高さもLGB

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    2021年12月12日