李琴峰のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
思ってたんと違った‥
というのがまず第一印象。
タイトルから「生」の話だと思っていた。
それぞれ病気や障害、特性などを抱えながら「私の身体を生きる」というような内容だと思っていたし、そういう内容が読みたかった。
‥それはそれとして、読み進めると
こんなに明け透けに自分の体験や性被害や性癖や生き方を世間に曝け出して大丈夫なのか?と心配になるような内容が多くて驚いた。
そして、みんな色々な事を抱え、考え生きているんだな‥と改めて考えさせられた。
普通に見えるあの人も、幸せそうだと感じるあの人も本当は色々な事情を抱えているのかもしれないと。
「性」に対する考え方・感じ方・捉え方も本当に様々で -
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Posted by ブクログ
ネタバレラスト1ページが衝撃的で、文字を追いながらあまりのグロさに無意識に呼吸が止まり身体が硬直していた。身体が邪魔という感覚についてこれまで考えたことがなかったが、主人公は究極まで悩まされていたことが分かる。
キャラクターとしてはパワハラを受けていた新人社員の福島亮太の存在が一番気になった。会社でミスばかり、居場所がなくなり退職を余儀なくされてしまう。しかしそれを逆手に退職までの話をテーマに文学会新人賞をとる。会社でミスばかりしてしまい評価されなくても、個人として脱皮し、逆境を乗り越えて輝ける人は強いと思った。
文章はすごく読みやすく、物語に集中しすぎて電車を数駅乗り過ごしてしまった。 -
Posted by ブクログ
舞台は今から約50年後の近未来
お店の店員がロボットだったりエアタクシーが当たり前に走っていたり
その頃になるともしかしたら、産まれる前の胎児に意思を聞けるような技術もあるかもしれない
親側のお腹の中で長い間大切に育ててきた分身とも言える我が子を何としてでも産みたいという気持ち、もし我が子が産まれる意思がない場合堕胎をするしかないため、どうしようもない絶望に晒される気持ちがわかる気がした。
子は、まだ産み落とされてもいないうちから現時点での環境だけで産まれることを拒否するのは勿体無いという気がする。しかし現在日本には産まれて苦しんでいる子がいるということも事実で、産まれなければよかったと自殺 -
Posted by ブクログ
ネタバレ芥川賞の作品って難しい。
帯以外の前情報なしで読み始めて
え?これフィクション、、?だよね??と考えながら読み進めた。
ノンフィクションの文化なのか?と思わされるほど精巧な設定だった。
それにしては奇妙な言葉と文化だなと、半分くらいまでは上述がしっくり来ず、淡々と読み進めてなかなか感情移入や腹落ちがしなかった。
けれど表現力が豊かで情景は安易に浮かんだ。
半分を超えたあたりから漸く物語が見えてきて
性差(珍しく女性に力があるパターン)、
文化の継承(規律を守って伝えていくのか)
同性愛、いろんなテーマが組み込まれていていき、どういった結末を迎えるのか楽しみになる本だった。
きちんと締められて -
Posted by ブクログ
ネタバレテーマは重たいが、設定はライトなためすんなり読めた。
・子供の頃に考えたことのある「望んでないのに生まれてきた」という不公平感と、娘ができてわかった何がなんでも幸せに生きてほしいという願望のどちらもわかる。
・戦時中、制度や時代の流れに逆らえなかった特攻隊の方達も、ある種似た気持ちを抱いたのでは?現代人も重なる部分があるのでは?と考えさせられた。
・現代社会を前時代だと否定する物語を俯瞰で見たとしても、合意出生制度の抜け道を探すリジェクトされた親心に共感してしまう。
・子供の生存難易度を下げたいと考えるならば、親は自らの価値観を見直さなければならない。と言う一文は、子育てしている身とし -
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【私たちを隔てているもの、通わせるもの】
著者の李琴美さんが小説を6冊お出しになった後に、まとめられたエッセイ。
彼女は、台湾で生まれ、大学卒業してから初めて日本を訪れたとのこと。
両言語で執筆活動をされていて、翻訳もされていて、
言語に対する高い意識、自らのご経験があり、その点についてもエッセイでは多く触れられていた。
日本語に恋をしたようなもの、と書かれていたが、
強い思いがあって初めて、人は可能性を証明することができるのだと思ったり。
言語は、得意不得意があったりするけれど、
私は英語は話せるものの、母語の日本語お言語力に欠けるので、外国語も、ある程度まで習得できたと -
Posted by ブクログ
ネタバレ淡々と日常の恋愛、悩みを短編という形で小説に書いている同性愛者、他にも用語がたくさんあり覚えきれないが様々な形があることをこの作家から知る。内容は事件や衝撃的なインパクトある話ではないので忘れてしまうけど何故か読みたいと思うのは何が魅力なのか考えた結果、主人公の内奥を覗いているからだと気づく。だからミステリーや刑事物を読みたいとは思わなかったのだ。この歳で読書傾向に気づくとはどんだけ暇つぶしだけのために読んでいたのかがわかる。そして本を読むことは教育にいいのは読んで考えるひとらに当てはまり暇つぶしで読んでいたらためになった、影響を受けたということはいっさいない。
この作家から影響を受けた、読ん -
Posted by ブクログ
ネタバレ読むに至ったきっかけは、YouTubeでこの本を紹介していた人がいたから。テーマ設定としては今の時代にとても合っているしある程度のリアリティもあるけど、個人的には全員想像力無さすぎないかな、、と言う気持ち。
そういう制度が生まれた頃からあったのなら、それが彼らにとっての「常識」だから疑うには至れないのか、、。
読みながらだいぶ初めの段階で
「この環境に生まれてくることは自分で選択した結果だ」と責任を持つ・自認をすることとその安心感が生まれてくる子にとっては大事であり、親は親で「こんな制度がなくともうまれてきてよかったと思わせてやる」みたいな覚悟を常に持って育てるべきだろとも思っちゃってたので着