李琴峰のレビュー一覧

  • 日本語からの祝福、日本語への祝福

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    作者は台湾出身の30代後半の女性。
    作者が日本語を学ぶ段階を通じて、日本語の語学としての特色を共に体験できる。
    日本語を新たな視点で見ることができる。興味深い読書だった。

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    2026年10月15日
  • 生を祝う

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    この作品の舞台は
    子供を産むためには
    その子供の本人からの同意が必要になる
    「合意出生制度」が浸透した近未来の世界。

    子供自身が
    「生まれる意思」を持って生まれたからこそ
    自分の生を恨むことなく
    後悔せずに力強く生きることができる。
    だからそれは正しい制度だと
    多くの人々は信じて疑わない。

    子供が「生まれたい」と同意した時は
    それでいいだろう。
    「生まれたくない」と結果が出た時

    胎内に子を宿してから
    胎動を感じ 愛情を注ぎ続けた
    母親の気持ちは
    激しく踏みにじられてしまう。

    「合意出生制度」の検査が
    本当に正しいものだと
    誰も確実には言えないのに。

    従わなければ
    法を犯すことになってしまうなんて…。

    人間はより良い社会にするために
    日々努力をしているけれど
    その努力した先に
    このような法律ができてほしくないと
    強く感じた。

    母である彩華は
    「人生の初っ端から自分の意思が
    無視されたという事実が、この子にとって
    一生解けない呪いになるかもしれないって
    そんな気がするの。
    私は自分の子供の出生に、呪いじゃなくて
    祝いを捧げたい、
    それが合意出生制度がもたらした
    最大の恩恵でもあるでしょ?」

    そして自分の身勝手な願望の産意で
    産んではいけないと決断した。

    それはその社会で生きているからこそ
    そういう考えに至ったのかもしれない。

    私はその社会に生きていなくて
    本当に良かったと思った。

    人生は幸せばかりではない。
    辛いこともたくさんある。
    それでも そんな人生でも
    私はこの世に生まれてきて良かったと

    何十年も生きてきて
    やっと 今
    心から感じられるようになったのだから。


    そう思える自由がある
    現代社会に生まれてよかったと
    この作品を読みながら感じました。

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    2026年10月12日
  • 生を祝う

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    なかなか現実では起こらない事をこの小説だからこそよりリアルに考えられた。時代の考え方は移り変わっていき、これからもいろんな考え方が出てくるのかなと思った。

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    2026年09月29日
  • 独り舞

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    ネタバレ

    美しい。
    李さんは本当に日本語が好きなんだな。
    美しくって、でもずっと死の匂いが傍でしてて、情景はどんよりした曇り空、降り頻る矢のような雨、ほんのちょっとの雨上がりの晴れ間、といった感じだった。

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    2026年08月04日
  • 生を祝う

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    第一印象は『今の日本の問題を全部鍋に入れて煮詰めて料理完成!みたいな話』と思ったんですが、実はそれが正解かどうかなんて誰にもわからない大博打であるという、当然なはずなのに忘れていた事実を突きつけられたような気持ちになる作品。
    好き嫌いは分かれるかもしれないけれど、私は好きです。

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    2026年07月14日
  • 生を祝う

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    "自分で生まれてくるか、こないかを自分で決められるのならば、あなたは、この世界に生まれてきたいですか?"という問いにわたしは「No」と答えたいタイプなので気になって読んでみたら、色んな選択肢や思いがあるよなぁと考えさせられる内容だった。
    人によっては嫌悪すら感じるかもしれない議題に対し、終わり方もきれいで、また読み返すかと聞かれれば心が元気な時に気が向いたら…と思うが、お守りのように大事にしたい作品ではある。

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    2026年06月02日
  • 生を祝う

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    胎児が生まれる行為に対する選択権をもった世界線の中で、人間の営みが形成した国家という枠組みの中に、正論で無理やり包んでいる価値観を互いに押し付け合う、人間社会の構造的な歪さを感じた。
    全体的な視点から鑑みる様々な問題に対する歴史的な価値観の変遷には学ぶべきところがあると感じたし、他人事が自分事になった瞬間の人間の心変わりの傲慢さが強烈に描写されていた点は圧巻で強く共感もした。
    偶然手に取った作品だったが、生きるということについてとても深く考えさせられた大切な作品になった。

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    2026年05月08日
  • 私の身体を生きる

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    凄かった。エッセイというものをほぼ読んだことがなかった私にとって強烈な読書体験だった。
    ほんタメというYouTubeチャンネルで紹介されており興味を持って読んでみた。これは、映像化はきっと難しい、本という媒体のみを通して伝えられる感覚だと思った。
    共感できる部分も多く、一方で共感できなかったあの子の振る舞いはこんな感覚にルーツがあったのではと思い至るところもあって、強烈に胸に響いた。私の感じたもやもやを言語化してもらったようで嬉しさもあった。自身も女性性を元とした経験はポジティブ面、ネガティブ面ともにあり、同じような経験をした作家がそれをどう捉えるかを聞けたことが嬉しかった。
    性に関する体験をもとに感情が描かれていて、一読するだけでは飲み込みきれなかった部分もあった。一作ずつ丁寧に読みといていきたい。

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    2026年05月04日
  • 生を祝う

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    みんなが一度は考えたことがあるが、いつの間にか忘れていく。
    それが,現実になだ他世界を書いてくらている物語。

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    2026年04月29日
  • 生を祝う

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    衝撃作でした。
    「生を祝う」というタイトルの意味を知った時、子供が当たり前に産まれてくる訳ではないという現実に切なくもなり、悲しくもなりました。
    しかし、子供の意思を尊重することへの葛藤もありつつ、乗り越えていこうとする姿には胸を打たれました。
    重い内容ですが丁寧に作品が描かれているので、読みやすかったです。

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    2026年04月24日
  • 生を祝う

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    ストーリーに圧巻された。
    某本紹介インフルエンサーさんも
    言ってた通り、
    これは一歩引いて読まないと
    感情ぐっちゃぐちゃになる。

    何が正解で何が間違いなのか、
    生とは何かを深く考えさせられた。
    途中何度か物語に惹き込まれすぎて
    こんな世界だったら良かったのに、
    こんな世界だったら子ども授かるの嫌だな、
    なんて思考が2転3転してて
    主人公にすごく共感できて苦しかった…

    結末にも驚かされたし
    ここまで生についてを突きつけてくる
    作品、初めてかもしれない。
    読んでよかった。

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    2026年04月20日
  • 私の身体を生きる

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    個人的にはむっちゃ面白かったが、娘を持つ父親としてはマジ複雑。危険すぎるやん、満員電車に乗せられないし、共学にも入れられない。とかやってると箱に入れすぎて社会に出て路頭に迷う。
    特に若い女性は希少性が高いし、あらゆる年齢層の男性から性的視線を向けられるキモさ、精神的苦痛は想像してもキツイ。
    しかも性被害に遭えば一生悩まされるし、キモい男性、痴漢は一定程度発生して避けようがないとしたら、。地獄に落ちないようにだけはしっかりと自衛せなあかんよな。

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    2026年03月31日
  • 日本語からの祝福、日本語への祝福

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    友人におすすめしてもらった本。
    私は日本語教師なので、お〜分かる!という部分と、もっと自分自身が学ばねば…と背筋が伸びる部分があった。自分が英語を学んでたときのことも思い出した。
    筆者が日本という場所に憧れを持って、居場所を見つけたこと、とても嬉しい。初めて留学をするあたりのところ、感動して涙が出そうだった。
    これを言われると筆者は嫌かもしれないけど、完璧な日本語だけれど、漢語が多いところとか、母語話者とはまた違う言葉の使い方が美しいなと思う。
    星月夜を読んでみたいな。まだまだ30代?すごいな。

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    2026年02月20日
  • 私の身体を生きる

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    女性として生きて来た中での、著名&人気作家さんたちが悩みを赤裸々に綴られた連載が一冊に。

    自分が女性でいることを肯定するために背中を押してくれるような内容だった。

    無神経な数多の男性達に加害されてきた傷への癒し 自分だけではなかった、という、女友達と行ってきた、経験を分かち合って貰えることへのありがたみ

    女性の身体の不安 妊娠や性行為、体調不良、弱さ
    見た目への若い頃の過剰な拘り、ジャッジされることへの抵抗感と迎合

    まるっと。

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    2025年12月07日
  • 私の身体を生きる

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    「私の身体」を「生きる」とは何だろう。いや、「私の身体」とは何だろう。そもそも、「私」とは何だろう。
    各作家たちの切り口は様々だが、みな共通しているのが、己という存在を不可欠に構築するこの肉体というものの生物的な役割にも社会からの眼差しにもかなり戸惑い、苦しみ、受け入れたり受け入れられなかったりしながらどうにか生きている点で、強く連帯感を持ちながら読んだ。

    痛ましさを感じたのが、執筆陣の女性たちはほぼほぼみな性被害の経験がある点。私にもあるし、私の友人たちもほとんどあると思う(学生の頃、痴漢が話題になったとき、その場にいた10人ぐらいのなかで痴漢に遭ったことがない子は1人しかいなかったことを覚えている)。この社会で、そうやって女性は、否応がなしに「私の身体」は本当に私のものなのかと、「私」がモノとして扱われ得るということに向き合わされてしまう。時には、まだ第二次性徴も迎えていないうちに。だからこそ、このようなアンソロジーが興味深い。

    とはいえ男性視点の「身体」やその社会的表象については私にはわからない部分なのだが(この辺りのアンコンシャスバイアスについて、鳥飼茜さんとパートナーの方との会話が面白かった)。男性作家たちに、同じテーマでアンソロジーを書いてもらったらどのようなものが生まれるのだろう?と好奇心を抱く。

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    2025年12月04日
  • 透明な膜を隔てながら

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    何も気にせずに使っている日本語が実は奥深いなと改めて思う。
    著者の本を読むとネイティブの私よりずっと日本語について詳しく感じるので興味深かった。

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    2025年09月24日
  • 私の身体を生きる

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    様々な『自分の』性との向き合い方について書かれている。メタ的な性との向き合い方でないのは、女性の作家たちだからだと思う。
    女性も誰かの性を搾取することもあるだろうが、しかし圧倒的に搾取される側であり、自分の生命と性とが紙一重に近い存在だと思い知る。
    アンソロジーの最初の島本理生さんの作品が個人的ににとても響いた。
    なぜ自分の性と向き合うだけで傷ついてしまうのか。男性も同じなのだろうか。傷ついたことを思い出さないで自分の性について語れる人間がいるならば、どんな人生なのか知りたいと思う。

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    2025年09月20日
  • 肉を脱ぐ

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    著者がエゴサなさっているのでは?と感じて何だか感想が書きにくい……こんな感想を持った本は初めて。
    シュール過ぎるユーモアに笑ってしまうが、最後は神妙な気分になった。想像の斜め上に向かっていく。

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    2025年09月09日
  • 日本語からの祝福、日本語への祝福

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    元々は中国語(台湾華語)話者である著者が、日本語に興味を持ったことをきっかけに、作家として知られるようになるまでの時期をつづった自伝的エッセイ集。
    文章は明晰で、とても読みやすかった。著者の考え方や指向性がしばしば顔をのぞかせる点も魅力的だ。
    なかでも、日本語を言語学的な視点から見つめ、分析する部分が特に興味深かった。

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    2025年08月14日
  • 私の身体を生きる

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    女性作家、芸術家たちの生と性、身体をテーマにしたエッセイ集
    自分も漠然と感じてた「女性であること」への違和感、敵対心、恐怖、いろんな言い尽くせない気持ちをそれぞれの人が言語化してくれるよう
    現代日本で高らかに女性讃歌を謳うのは難しいことを痛感する
    それでも次代はと願いたい

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    2025年08月10日