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小学生の頃、想いを寄せていた同級生が亡くなった。迎梅(インメー)は死への思いに囚われながら、レズビアンである疎外感に苛まれて生きていた。高校時代の淡い恋、そして癒えない傷。日本に渡り、名を変え、異なる言語を使う彼女を苦しめ続けるものとは何なのか――。第60回群像新人文学賞優秀作にして、芥川龍之介賞受賞作家・李琴峰のデビュー作。
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Posted by ブクログ
すごくよかった、好きだった。 初めて本を読んで泣きそうになった。 これが、作者の全てを詰め込んで作られたような存在であるデビュー作なことが嬉しい。
苦しい、けど面白い。
当事者として読みました。比較するのも悪いですが、率直に彼岸花よりは読みやすく面白いと思いました。やっぱり他の作家のナンチャッテ同性愛小説とは一線を画している気がします。インターセクショナリティの問題や、生死の揺さぶりなど、著者の問題意識をありありと感じられる小説です。エンタメに昇華されない同性愛者の...続きを読むあるがままの生き方を、描いてくれているように思います。
#泣ける #切ない
内容が好き 彼女がちょっと不幸すぎる気もするけど、不幸になる前から死に執着していたし、わたしの求めていた主人公な気がする 台湾人の作者ということでたまに漢字ばっかりのところがあって読みづらかったけど 好きなフレーズだらけで読み返してしまいそう
なんと美しい日本語表現なんだろう。遠く曹の時代まで遡る漢詩や故事成語を使ったりしており、著者の李さん、学のある方なんだろうな…。 レズビアンの主人公の人生を辿って生きづらさと不安を映した文学。人生の儚さ、やるせなさと言葉の美しさが相俟って写経したくなる。
人の自死を美しいと思った経験があるので、たとえフィクションの世界であったとしても同じ感情を抱いている人物が存在してくれて感謝
文体・構成の工夫と、終盤の崩しが主人公の心情と見事に響き合うデビュー作。 最近は李琴峰にはまっている。広い意味での少数派からの視点という意味で共感できる部分が多いからかな。 これで3冊目。どれもテーマが明確である。 本作品は著者のデビュー作で、セクシャルマイノリティであることの生きづらさがテーマで...続きを読むある。簡単に言ってしまえばだが。実体はもっと深い。 文体と構成に特徴がある。 主人公は「彼女」と呼び、その他は徹底して固有名で呼ばれる。三人称の文体というわけではない。「彼女」をすべて「私」に置き換えても成立する。この文体は、自身が分裂してもう一人の自分を眺めているような感覚をもたらしているように感じた。 物語の終盤までは現在・東京と過去・台湾を章ごとに行ったり来たりする構成になっている。最後の4章でパターンが崩れ、物語は大きく展開する。この効果は絶大で、主人公の心の動きに見事に連動している。 明治の文豪が使うような難しい熟語や漢詩がときどき登場し、中国語・日本語文学への造詣の深さが伺える。 といっても文章は実に読みやすい。
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