小川一水のレビュー一覧
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推進剤はあなた。
…難点は、何処へ飛ぶかが自分でも解らないところ。けどそれって操舵のせいだよね。エンジンにも罪はないよね。
というわけで待望の3作目。SF読者になったのが遅めの自分が、こういう国産SFをリアルタイムで読んでいける、というのは幸せなことなのだろうなぁと思います。振り落とされないように努力する必要があるサイクロンだけれど、その分入り込んだときのズキズキ感が、たまらん。
スピーディに展開する物語は、あれよあれよと核心へ到達したかに思えたところでまたぶっちぎられて。ランナウェイがランナウェイされるという衝撃の展開もまた別の衝撃に置き換えられてしまえば、不思議と読み終えてひと安心というか、ちょっと落ち着いて考えましょう、って気になっている。
うわぁはやく次巻まだか、ってならないのがたっぷり詰めこまれた空想科学の効果で。
これをコミカライズってなかなかだよね…アニメ化、とかなっていった場合見ものである。うー楽しみでしかない。
それまで自分なりに脳内で絵図面を描いておくわけだけれど、それってデコンプに似た作業だよなぁ、と思っている。
さぁさあ、形になるのと次巻が出るのと、どちらがはやいかな?
☆4.3 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった〜!巻数の多さに怯んでたけどグイグイ読めておすすめして頂いて感謝です。
人間、自ら改造してる人間、原住民?の知性体、アンドロイド…と多種多様にたくさん出てくるけど、この人誰だっけ?という混乱を全くしないのもすごい。何故か個別の意識を持ってる《石工》のクレヴが好き、話し方がかわいい。
加えて、惑星ハーブCの植民地メニー・メニー・シープの歴史や〈領主〉の悪政と《海の一統》との対立もてんこ盛り。世界観作り込んであって好みです。
《ラバーズ》は「そうだろ」となりました。エランカ議員がどうなるかだ。
別行動とってるカドムとアクリラ、それぞれ大変なことになっているので下巻も楽しみです。初期の自治政府に、宇宙士官アウレーリア、建築家ラゴス、医師セアキって書いてあるので、カドムとアクリラはそもそも甲板長→領主に対抗する血筋みたいな…。ラゴスはこの時点でアンドロイドだったのかも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小川一水さん作品の3つめ。おもしろいわ。
「フリーランチの時代」:ファーストコンタクトなのに全くドラマチックでないところがいい。生きるか死ぬかの選択でアッサリとエイリアンになることを選ぶシーンがいい。
「Live me Me」:事故で肉体を失い、辛うじて残っていた脳の活動をシステムに差し出すことで身体を卒業して生きていく。肉体を失った後の自我、感情、愛の行方が感動的。
「Slowlife in starship」:宇宙船で暮らすニートの話。宇宙船の中で猫を追いかけたりとか、まったりした感じがいい。
「千歳の坂も」:科学と医学の発達により、延命処置が寿命を追い越すようになった時代。健康維持法が制定され、老いてはいけないことになった。老いる者には老化税や健康責任税が課され、役所の人間が不老不死処置にやってくる。死ねないって怖い。 -
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ネタバレ25世紀末。〈救世群〉議長の娘イサリはスカイシー3で脱走し、ボーイスカウト活動中だったMHD社の最高責任者の息子アイネイアと出会う。濃密な一日を通じて友人になった二人。だが、〈救世群〉の中枢は非染者社会への宣戦布告に向けて着々と準備を進めていた。太陽系外からやってきた異星人カルミアンや、被展開体のミスチフとノルルスカインの思惑も絡み合い、遂に全太陽系を巻き込んだ大戦争が幕を開ける。〈天冥の標〉シリーズ第6作。
5巻までのキャラの縁者たちが大集結。イサリの名前がでるだけでもアガるが、メイスンたちの祖先であるミスミィがやっと登場してきたのが嬉しい!彼女たちと出会ったばっかりに、〈救世群〉は戻れない局面まで猛進していってしまうのだけど。
ロイズは食を含め、全太陽系の画一化をさらに推し進めている。その裏をかかれてウイルスを撒くのに傘下のファストフードチェーンを利用されてしまうのだが、実はロイズも〈救世群〉もミスチフに操られている。羊のなかのノルルスカインからその秘密を伝えられたパナストロの少女メララは、商務大臣のブレイドに打ち明ける。
ブレイドはメララの話を信じ、パナストロに派遣されてきた〈救世群〉の総督シュタンドーレと根気強く交渉することにする。今回はこのパートが一番好きだった。言葉を尽くし、非暴力的な態度を貫くことで、ブレイドは実は穏健派なシュタンドーレの人間的な側面を引きだしていく。「心底殺したいと思いながら、他のことをするべく悪あがきするのが、人間だと思いますよ」というブレイドのセリフが胸を打つ。その一方で、〈救世群〉の開戦は500年もの「悪あがき」の果てに起きたのだとも読者は知っている。
カルミアンの技術で〈救世群〉は硬殻化し、人類とは異なる外見から戻れなくなってしまった。ここにミスミィとの意思疎通不足によるナメが入っているのが恐ろしい。人類は言語能力を持ったばっかりに、言語能力が劣っていると判断した相手をナメ続けてしまうんだろうか。
次巻は遂に惑星ハーブCが舞台になる。今作は個人的に苦手な戦艦での戦争パートが長くてキツかったので、次巻は少ないといいなぁ。 -
Posted by ブクログ
斜線堂有紀の上智卒なるほど!と思わせる英語力も見せつけられました。斜線堂ファンなら、この短編だけのために読むべき一冊です。
・石川宗生「うたう蜘蛛」
死ぬまで踊り続ける奇病が蔓延したイタリア。総督の前に、「この流行り病を収束させてみせましょう」とホーエンハイムなる錬金術師が現れる。
性描写あり、中学生には微妙ライン。
好み的には合わず。
・宮内悠介「パニック――一九六五年のSNS」
一九六五年の日本。そこには「ピーガー」というSNSが存在した。
一番心が乗らなかった作品。発想は面白い。
・斜線堂有紀「一一六二年のlovin' life」
和歌を詠むと同時に“詠訳”する平安時代。“詠語”が苦手で人前では歌を詠まない式子内親王の前に現れた一人の女房、帥(ソチ)によって詠訳の力を得る。
いやー、面白かったです。シスターフッドっぽいところは斜線堂有紀らしいけど、それ以外はこれまでにあまり見なかったような(平安だし!)世界観。
・小川一水「大江戸石廓突破仕留(おおえどいしのくるわをつきやぶりしとめる)」
江戸には巨大な石壁「大廓」が横たわっていた。
一体、その石壁は“何”から江戸を守っているのか――? 明暦三年一月。燃え上がるあの日の真実が紐解かれる。
これはなかなか話の展開が楽しかったのと、江戸の治水や防火の史実との絡みなどはもっと知識あればより楽しめたかな。
・伴名 練 「二〇〇〇一周目のジャンヌ」
ジャンヌ・ダルクは今まさに火刑に処されたのに、処された朝にループするお話。しかも20001回。
短いループでどんな運命変化あるのか、というところに焦点当たっていればもっと楽しめたかも。何故ループするのか、の方が私にはあまり入って来なかったので。でも、印象に残る作品でした。