小川一水のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
SF。短編集。
良作が勢揃い。どの作品も個性的で読み応えがある。
「守るべき肌」がとても好みだった。
「都市彗星のサエ」
ボーイミーツガール。読みやすく、読後感も良い。良作。
「グラスハートが割れないように」
祈り。これは苦手…。祈るより行動したら、と思ってしまう。
「静寂に満ちていく潮」
ファーストコンタクト。異星人の設定が好み。ラストも結構好きだったり…。
「占職術師の希望」
超能力。ささやかな能力で必死に戦っている感じが好印象。
「守るべき肌」
仮想現実。ツルギのキャラ設定に心が震えた。映画しか知らないが、『エンダーのゲーム』ぽい仕掛け。解説によると、グレッグ・イーガン『ディアスポラ』 -
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鴨が偏愛するコミック・アーティスト、弐瓶勉氏の代表作「BLAME!」を元ネタに、現代日本を代表するSF作家が腕を振るった二次創作アンソロジー。
「BLAME!」を読んだことのある方ならお分かりの通り、あの作品は世界設定が全てです。その世界の中で、どれだけ物語を展開できるかが腕の見せ所なわけで、プロのSF作家としても面白いお題だったんじゃないかと思いますねー。収録された5作品は、どれも全く異なるテイストの作品でありながら、ちゃんと「BLAME!」の世界の中で展開しており、なおかつ幅広いイメージを読者の眼前に提示します。「BLAME!」の世界観の揺るぎなさ(換言すると、細かいところは各自の想像に委 -
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宇宙に行ったら何が怖いかって話で、確かに空気が無いってのは怖いっちゃあ怖い。空気なんて地球にいれば常にあるんだから、それが無いってのは怖いって。でも考えてみりゃ船に乗って外洋に出てしまえば、まぁ空気はあるけど、船が沈没したら確実に死ぬし。あの水に入っているだけであっというまに身体が冷え切るっぷりは恐ろしい、水も怖い。飛行機だって何かあったら、空気あったってやっぱり落っこちたら死ぬし。まぁそんなこんなで空気が無い分宇宙も怖いけど、それでもいつか行くんだよねぇ。2001年宇宙の旅が出てからずいぶん経つけど、もう2017年になっちゃったけど、別にアンドロメダ星雲まで行けなくても良いけど、もうちっと身
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Posted by ブクログ
読み始めてすぐに胸の奥で中島みゆきの「地上の星」が鳴り響いた気がした。
深海、砂漠、極地…どんな場所へも進出してきた人類が次に目指すのは宇宙、月での基地建設である。話の中核をなす走也と妙の人間ドラマも気になったが、やはり知恵と技術を絞り尽くし試行錯誤を繰り返しながらも困難な事業に挑む人間たち全体が本書の魅力だろうと思った。
作者の、創造主たる神に助けを求めるでもすがるでもなく、時に争い、小さな(本人にとっては何ものにも引き換えられない)プライドに縛られ、国家の思惑や傍若無人な好奇の目にさらされても、なんとかして乗り越えようとする人間の善性を肯定するような作風が好きだ。
夢と浪漫とロケットや土木