小川一水のレビュー一覧

  • 天冥の標 I メニー・メニー・シープ (上)

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    全10巻17冊の超大作シリーズの第1作。
    第1巻の上巻の時点でとても面白い。
    同じ著者の作品でツインスター・サイクロン・ランナウェイシリーズを並行して読んでいるが、それとは全く違ったテイストの作風で、読んでいてとても楽しい。

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    2025年11月28日
  • 銀河英雄伝説列伝1

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    ネタバレ

    恒久平和なんて人類の歴史上なかった。だから私はそんなもののぞみはしない。だが何十年かの平和でゆたかな時代は存在できた。吾々が次の世代になにか遺産を託さなくてはならないとするなら、やはり平和がいちばんだ。そして前の時代から手わたされた平和を維持するのは、つぎの世代の責任だ。それぞれの世代が、のちの世代への責任を忘れないでいれば、結果として長期間の平和がたもてるだろう。忘れれば先人の遺産は食いつぶされ、人類は一から再出発ということになる。まあ、それもいいけどね。

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    2025年11月23日
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2

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    前作に引き続き、しっかりとした宇宙SFの世界観でありながらも読みやすい文体で、とても面白かった。
    次作では、ついにテラとダイがファット・ビーチ・ボールを出て汎銀河往来圏にたどり着く。
    この後の展開も楽しみに読みたい。

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    2025年10月28日
  • 天冥の標 X 青葉よ、豊かなれ PART1

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    全10巻、計17冊
    最終10巻3部作(17/17)堂々完結

    冒頭から528億隻の宇宙艦隊vs1兆トンの宇宙生物、金色の竜1億5000万体
    因縁のあった異星の人々が団結し巨大な敵と戦う
    (設定だけ書いたらアホくさいな笑)

    SFの教養が少しあればもはや読みながら笑ってしまう。本当にアルマゲドン、ビッグバンのような物語
    壮大な物語過ぎてどう終わらせるんだと8巻まで読んでいた人はみんな感じたと思う
    過去作の懐かしキャラクター(前に出たの10年前)も大量に登場し、最後には年表を載せる
    きちんとこの10巻で天冥の標は終わる
    それだけで本当にお疲れさまでした
    ハンターハンターも見習って綺麗に終わってくだ

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    2025年09月16日
  • 天冥の標 VI 宿怨 PART1

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    全10巻、計17冊
    6巻目上中下3部作(9/17)
    全太陽系応答なし、なんと震える題名
    壮大過ぎて全容がまったくつかめなかった物語に
    ついに各巻の繋がりが見え始める
    老ヴォールの惑星で作者を知り、ライトな風味ありつつ楽しい想像力で楽しませてもらっていたが
    魅力的なキャラクターと系図が太い光を見せ周到に用意し続けた世界が開き圧倒的スケールで彩られる

    1巻へ繋がる物語、各巻の物語の結晶。震え崇めるしかない
    6巻だけでも素晴らしいが、いやはや凄すぎる
    指輪物語にだって十二国記にだって烏にだってスターウォーズにだってアベンジャーズにだって何も負けてませんよ

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    2025年09月14日
  • 天冥の標 III アウレーリア一統

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    全10巻、計17冊
    3巻目(4/17)
    開拓惑星、現代ときて宇宙冒険活劇
    大量にキャラクターが出てくる為銀河英雄伝説状態

    キャラクターの名前や職業が明かされる度、1巻2巻を読んできた道のりに細く木の枝のように広がっている物語なのだと思わされる
    3巻にて木の幹の大きさが一瞬見える為、この巻はどちらかと言うと序盤の集大成的な立ち位置
    単巻ながら17冊中1番厚いので読み応え抜群

    アクションシーンが多いのが前2巻との大きな違いかな
    どんちゃん騒ぎだがまだまだ伏線と相関図が増え続け、もはや恐ろしい


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    2025年09月12日
  • 天冥の標 II 救世群

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    全10巻、計17冊
    2巻目(3/17)
    1巻とはうってかわって現代
    コロナウイルスより前に書かれたパンデミック物
    懸命に治療を続けるが次々と人が死ぬ

    僕は思想として人間が想像出来る物は実現しえると思っているんですが、これもまた、謎の病で世界が閉鎖していく描写はコロナ禍の予言と読める
    隔離施設を作るが民衆から迫害されるシーン等、北斗の拳の世紀末感というか、みな平等に幸福値が下がると行動レベルも低下するのは見事な予想だった。
    1巻を読んでいると祖先か!?と興奮できます

    数年前、地震で札幌大停電になったんですけど発電機を持ったお店の人が300円で携帯充電します!って普通にやってる光景見たんですよ

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    2025年09月11日
  • 老ヴォールの惑星

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    「ギャルナフカの迷宮」環境で人間を矯正し、社会を築き上げさせる。本当に面白かった!!
    「老ヴォールの惑星」知性体が人間とコンタクトするまでを描く。
    「幸せになる箱庭」電網の中の世界。
    「漂った男」星新一みがある。悲劇的な話だが喜劇的な一面も。漂流しているが最後の一文に感動した。

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    2025年08月27日
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2

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    一巻の魚を生み出してる鉄の惑星は地球なんだろな〜次でわかるのかなと思ってたんだけど二巻はそれどころじゃない急展開ですごかった

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    2025年08月18日
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ

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    エダさんとマギリさんの時代はみんなで楽しそうに船に乗ってたのに、テラさんたちの時代は男尊女卑のガチガチルールになっちゃっててつらみ
    これが狩猟採集社会と定住農耕社会(漁だけど)の違い…!この本の前によんだ「未来」のテーマがまだ繋がってる感じで不思議 女性について描くとこのテーマになるのか?

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    2025年08月12日
  • 時砂の王

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    ネタバレ


    時間遡行による永遠にも思える途方なさや、死別とも違う永遠の別れが印象的でした。
    オーヴィルがサヤカの言った人間の意味を人類史を遡り戦いながら段々と理解していく様子に感動しました。

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    2025年06月26日
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ

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    小川一水さんの小説は初めて読んだ。
    百合、漁業、SFという一見すると見慣れない並びがこれ以上ないほど上手く調和されていて、読みやすい文章にも引き込まれ、とても面白く読むことができた。

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    2025年05月25日
  • 銀河英雄伝説列伝1

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    ネタバレ

    読み終えるまでに時間はかかったものの、三作くらい読むと後は毎夜日課になって直ぐ読み終えた。
    各者の銀英愛が眩しい。
    太田忠司の暖かで素直なミステリも素晴らしい。
    小川一水はビジュアル面で印象的に切り取って終わる。
    小前亮の実に正攻法な艦隊同士の大戦は銀英伝の面白みを再確認させる。
    藤井太洋の短編は「これどうなってるのかな…」などと見ていたら実に衝撃的な展開で成程!と。ある意味ニヤリともした。
    激推しは高島雄哉の「星たちの舞台」で、ヤンというキャラクターを見たまんまのパロディやコピーにせず、彼ならばこの状況ではこうもあり得るだろう、という絶妙で繊細なキャラクターに仕上げ、若き日のヤンの繊細さに惚

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    2025年05月13日
  • 天冥の標 II 救世群

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    ネタバレ

    舞台は一転現代。冥王斑に翻弄される人々の話。

    コロナ禍よりずっと前に描かれてた事が信じられない程。リアルなパンデミック描写に驚く。

    未知の病気に抗う医者や罹患者たちの群像劇がとても楽しく一気に読める。
    この作者の描く人間関係というか信頼関係が結構好きで読んで、特に中盤以降の女子2人の別れの場面は泣いた。

    個人的な好みの問題なのだけれど、いつまで経っても「少年ジャンプ」な感性なので、たまの「マガジン」ぐらいなら兎も角、ちょいちょいある「ヤンマガ」みたいな性的描写が苦手過ぎる。
    後の展開やセリフの為には必要なの知れないけれど、幾つになっても好きになれない。

    終盤あまりにもつらい展開で心折れ

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    2025年04月10日
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ4

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    ネタバレ

    3巻の引きからどうなるのかとハラハラしながら、救いはないのかと思いながら読んでいたが、大団円の結末だった。

    それはそうと帯の「大宇宙巨大宇宙ロケット漁業SF」という言葉に一切嘘偽りがないのが面白い。

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    2025年03月27日
  • 天冥の標 II 救世群

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    コロナ禍となる十年前に描かれた感染症に支配された世界。まさか十年後に現実となるとは考えていなかっただろうが、かなり実際に起きたことに近く驚かされた。人間と細菌との長い闘いは続いていく。

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    2025年03月01日
  • 天冥の標 I メニー・メニー・シープ (上)

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    ネタバレ

    以前から評判で気にはなってたが大作過ぎて手が出なかった作品。
    某SNS載っていた素晴らしいイラストを見て、いざメニーメニーシープヘ!

    SF作品は読み慣れていないけど、とても読みやすい。有難い。
    下巻読むまで時間が空いてしまうのでメモ的な。

    ・カドム先生、最後ノルルスカイン(ダダー)と出会う。イメージ的にハコタにーちゃん。
    ・アクリラが絶望的過ぎて絶句。カヨが居るのがせめてもの救い。
    ・リリー、早く幸せになって!
    ・エランカ、最初空回りしてる正義感見せられるのかと身構えたけど、板挟み的な状況に応援せずにはいられない。ベンクト…。

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    2025年02月10日
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ4

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    漁業・百合・スペースSF完結。
    とにかく読んでてワクワクした。SFらしく分厚い本だが、その中にそれ以上にいろんなガジェット、アイディアを詰め込んでる。とても楽しく読めた。

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    2025年01月30日
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ

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    百合×漁。異色の組み合わせをSFの世界観で展開している。突拍子もないけれど、読んでいるうちに楽しく了解させられる心地よさ。
    ストーリーのテンポが早くて、引き込まてるうちに一気読みしてしまった。すごく面白いよ。

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    2024年12月07日
  • アリスマ王の愛した魔物

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    異文化コミュニケーションか、未知との遭遇か。既存の概念と、それ以外と出会った出会ってしまった人間の、悲喜交々を描いた短編集。
    「ろーどそうるず」はちょっと意味合いが違うか。

    自立する人工知能の葛藤や成長、という点だけ抜き出した時、どうしても『火の鳥』のロビタを思い出さずにはいられない。あちらは人間の脳が移植されて、なので人工知能とは違うのですが、「リグ・ライト」のラストは瞬間に、整然と溶鉱炉へ進むロビタの行列が浮かんでしまいました。AIの独立の結果、反旗を翻す結果になってしまった。
    あれのオマージュだったりするのかな。悲劇的な終わり方であったロビタとは違う形のAIの行き着いた先、という点で。

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    2024年11月09日