小川一水のレビュー一覧

  • 天冥の標 IX PART2 ヒトであるヒトとないヒトと
    「収拾?そんなこと、元々できるわけがないじゃない。走り続けるだけのことよ。みんなが走り抜くまで、ね」
    どれが正解かなんて後になってみなきゃわからないから、その時の最適解だと思うやり方で走り抜くしかないんだな。人生。

    とうとう、メニー・メニー・シープ人と救世群と太陽系人類が同盟を結んだ。言いたいこと...続きを読む
  • 天冥の標 VII 新世界ハーブC
    「行きましょう、アイン。今はもう、ここが世界よ」

    「宿怨」の世界を逃げ延びた人類の生き残り50000人を、ほとんど成人が居ないので17歳くらいの少年少女たちが何とかして生き延びさせようとする。読み終わってみると7巻がこれまでで1番重かった。
    地下世界でなんとかして生き延びようと、統率したり居住区を...続きを読む
  • 天冥の標 VI 宿怨 PART3
    「全太陽系応答なし」、第6巻全3冊最終巻の終章題名が重く静かに響き渡ります。
    第2巻で描かれる地球でのパンデミックから冥王斑が太陽系を覆い尽くすここまで約500年、つぶさに見てきたわけだけれど……これは重い。
    よく、歴史のifやたらればなど話題になることがあるけど、「天冥の標」を読むと「回避する事柄...続きを読む
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ
    宇宙を泳ぐ魚や自由自在に形を変える粘土の船ってアイデアが面白い。
    主人公ふたりのキャラ付けも最高!控えめなようで実は結構思いきるときは大胆なテラも、虚勢を張りながら強気に活躍するダイオードも可愛い。

    世界観や「なぜその役割分担が固定化したのか?」のあたりはまだまだ1巻時点では語られてない謎や歴史が...続きを読む
  • 老ヴォールの惑星
    ・ギャルナフカの迷宮
    ・老ヴォールの惑星
    ・幸せになる箱庭
    ・漂った男
    の4編からなる短編集

    いい意味でも悪い意味でも、
    隔絶された世界でどう生きるのか
    ということを描いた作品群と感じた。

    『ギャルナフカの迷宮』
    地下迷宮に幽閉された人々、1人1つの地図を渡され、食糧と水のありかが書かれている。...続きを読む
  • 復活の地3
    全三巻を通して、作りこまれた世界観や設定と、その中での人々の行動に考えさせられ、そして熱くなる作品でした!

    舞台となるのははるか未来、人類が宇宙間の国家で暮らす星間国家の時代。未曽有の震災に襲われた惑星レンカを描きます。

    読んでいて、相当な作りこみが感じられます。大震災により混乱する民衆や行政の...続きを読む
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ
    初めの方はSFらしい難しい設定が多くて読みづらいけど、中盤以降は世界観にすんなり入れてキャラクターに感情移入しながら楽しく読めた
  • 天冥の標 IX PART2 ヒトであるヒトとないヒトと
    SF。シリーズ9作目part2。通して14冊目。
    とても良かった…。
    クライマックスに向けて進んでいる感じがスゴイ。
    エフェーミアさん好き。以前に名前出てたっけ?
    あと3冊。楽しみすぎる。
    シリーズ読み終わっても、また読み直したいな。
  • 復活の地2
    震災からの復興の様子を描く2巻。

    政治経済、さらに外交や民族問題など、あらゆる観点から話が描かれます。一方で個人の思いにも焦点が当てられ、さらに惑星に危機が迫ることも明らかになるなど、読み応え十分でした。

    まとまった感想は最終巻の3巻で書く予定。
  • 時砂の王
    自分を自分たらしめるものは何か?十万年の戦争に耐え抜き、任務を達成させるような強いものとは何か?オーヴィルにとっては愛であるーーサヤカとの儚い夢のような。あらゆるものが時の風に吹かれ、時の砂に埋もれ、遥か遠くの時間枝に別れてしまっても、胸に残る愛の残像。これらが本作の根底に流れており、知性体としての...続きを読む
  • 天冥の標 II 救世群
    1巻(メニー・メニー・シープ)から読み続けると、?
    「あれ、現代?」、しかも内容がコロナ禍と似ている。かなり前に書かれた小説なのに。
    お話しは読みやすく、1のある登場人物に繋がるんだろうなと想像できるが、2010年代の地球と2803年のメニーメニーシープまで800年がどう繋がっていくのか、これは楽し...続きを読む
  • 天冥の標 I メニー・メニー・シープ (上)
    壮大な物語の始まり。上巻
    ここはどこなのか、イサリは人間?、また"海の一統"の設定がいい。
    人間、改造人間、アンドロイド、異星人等、登場人物のキャラがいい。謎が大きく、でも話しは庶民中心に、いづれ国、星、宇宙、時間軸まで超越して進む、読書好きなら読むべき小説だと思う。SF好きなら迷わず読むべし。
  • 天冥の標 I メニー・メニー・シープ (下)
    壮大な物語の始まり。下巻
    ここはどこなのか、イサリは人間?、また"海の一統"の設定がいい。
    人間、改造人間、アンドロイド、異星人等、登場人物のキャラがいい。謎が大きく、でも話しは庶民中心に、いづれ国、星、宇宙、時間軸まで超越して進む、読書好きなら読むべき小説だと思う。SF好きなら迷わず読むべし。
  • 天冥の標 V 羊と猿と百掬の銀河
    また、また違う世界のお話、宇宙農場を舞台にした冒険譚と、謎の知性体「ノルルスカイン」の生い立ちが明かされる。その壮大なスケール感に圧倒される。

    宇宙農場の農夫・・・いやいや実は。
    また、物語のピースがはまり始めて、ますます次巻が楽しみになります。
  • 天冥の標 IV 機械じかけの子息たち
    エロ!!
    エロはきらいじゃないですが、さすがに全編となると・・・。

    ただ、これも意味があって最後はちゃんと繋がっていくんだろうなぁ。
    そう思うと、小川先生すごい!
  • 老ヴォールの惑星
    これは面白い。極限状況におかれた孤独な者が、他者とのつながりを見いだして懸命に生きようとする、そんなシチュエーションの短編集4編。

    「ギャルナフカの迷宮」:政治犯として捕まった主人公が地下迷宮に放り込まれる。わずかな食糧と水、迷宮の地図の一部だけを頼りに脱出を試みるが、迷宮の中には「生肉喰い」がい...続きを読む
  • ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー
    副題が「改変歴史SFアンソロジー」と書かれ、帯には「5人のSF作家が語る偽史」と書かれ、知っている書評家の2人が「大推薦!」としている。5人の作家はいずれも知っている人で、今回は私の嫌いな伴名練もいるが短い作品なので一応読んでみようと思う。しかし、大袈裟に歴史改変SFって言っているが、ちょこちょこと...続きを読む
  • 復活の地1

    発刊時期

    紙の書籍は東日本大震災前に発刊されています。
    当時の首相がこの作品を読んでいたら、上に立つものとしてまた違った対応の仕方もあったのかと思います。
  • 老ヴォールの惑星
    良いですねー。社会科学的な観点も含めて、本寸法のハードSFですね。

    「環境による意識の変容」を共通のテーマとした4篇を収録。といってもそれぞれの作品に繋がりはなく、テイストも様々で、同じ素材を様々な手法で調理したコース料理を味わった感覚です。なかなか贅沢。

    あまりSFを読み慣れていない人が「SF...続きを読む
  • 天冥の標 VIII ジァイアント・アークPART1
    時系列が1巻を追い抜く瞬間「うおお…」って声が出たし同じストーリーを別の人間の語りで進めて(そして伏線を回収して)いくのめちゃくちゃ鮮やかで面白い。そして広義のセアキと広義のイサリカップル推しの私大勝利の巻でした。