小川一水のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
>──303年前に、汎銀河往来圏から惑星ファット・ビーチ・ボールへと移住した人々は、まだ生きていた。
>残存総人口は30万4900名である。
今からだいたい6500年後くらいの、銀河辺境のガスジャイアント(木星型惑星)軌道上で、漁をして暮らす社会が舞台のバディ物百合ハードSF。
生活するための資源を惑星大気を泳ぐ魚(のようなもの)を捕ることで補わなければいけないという社会設定で人がどのように暮らしているかという考察は、SF読んでる〜って感じでもう、楽しくて仕方ないです。
「礎柱船の燃料でありエンジンであり、電池であり電線であるほかに、翼と耐圧装甲になるという素敵な材料」全質量可換粘土で造られた船で、船の形を変幻自在に変えながら大気に潜って漁をする…楽しい…。
で、広がりの少ない宇宙船で300年も暮らして、はじめ50万人いたのが30万人になってたり、24あった氏族が16に減ってたりしてたら、男女の役割ががっちり決められて船は男女の夫婦で動かすもの、氏族によっては女は三歩下がって影踏まずみたいなことになっていると。
そういうところで、独創的すぎる創船で男にモテない巨女テラと、男側の役割である操縦士をやりたい超絶技巧パイロット家出娘ダイがバディになって、今まで誰もできなかったようなことをやってのけまくる爽快SFなわけです。
核心のお話的には、ダイがじりじりとテラを落とそうとするラブコメでございます。お互い探り探り距離を縮めていく感じ好きですよ。
デッキドレス
漁に臨む正装である「船用盛装」が、「白金色で軽快な三十五世紀シリウス宮廷妖精風テンプルガードル姿」とか「ヴィクトリアン型ロングドレス」とか「銀と黒のスキンスーツ型」で、これはイラストで見たい!!
クアングアンファン
超光速航法の「光貫環」が、「星と星との等重力ポテンシャルを結んだトンネル」で、これは導きの星の慣性系同調航法ですねえ。こういうのファン大喜び。
あー面白かった。 -
Posted by ブクログ
それぞれ独立した話が4章と、7章の一部から構成されている。これまでの物語が、さらに詳しく語られ、全貌が見えてきそうな雰囲気だった。様々なところで伏線が貼られているので、過去の物語を思い出しながら楽しむことができるのは良いが、複雑になっている部分もあり、苦労する部分も多い。これはこれで読み応えがある。
この作者は、他の作品でも時間を行ったり来たりしながら読ませる作品が多い様だが、こういう読ませ方は自分としては面白いと思う。
今回は、千茅があれからどうなったのかとか、太陽系がどうなったのかとちょっと気になっていたところが語られて興味深かった。ダダーのノルルスカインやミスチフについても、だんだん明らかになって行く様で、ついつい読み進めてしまう一冊だった。
さてPART2はどう続くのだろう。ミヒルがどんな登場をするか楽しみだ。 -
Posted by ブクログ
#日本SF読者クラブ 人類はETが造りだした「バーサーカー」に敗れ去り、もはや滅亡は避けられない。人類は最後の望みを託し、人型人工知性体メッセンジャー達を戦略支援知性体「カッティ・サーク」とともに過去へと送りこむ。「人類滅亡」の未来を変えるというか、時間軸を分岐させるにために。ちょうど「ターミネーター」とは逆の設定となる。メッセンジャーの一人オーヴィルのハードで切ない物語にシビれる。しかしながら、最後は唐突ともいえるハッピーエンドを持ってこなくても良かったのではないか。どこかの分岐された時間軸で、ハッピーエンドの世界がきっとあるはずだから。何度も読んだお気に入りの作品。
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Posted by ブクログ
ネタバレ咀嚼者の襲撃後、闇に閉ざされたメニーメニーシープ。(ようやくⅠ巻の続きが読める!)その謎を探るために、セレス地表を目指してカドム一行が探索に出る。エランカ率いる新民主政府の咀嚼者との戦いと交互に、しばしカドムやイサリたちのロードノベルになる。蒸散塔の上を目指し、さらにその上へ。道中でこの世界の秘密に触れながら、ダンジョンの様なセレスの階層都市を探索していく…。まるで「BLAME!」の世界の様だ。コニストン湖畔にたどり着いたカドムらが、300年前にアイネイアが祖母エレオローラへ託したメッセージを見つける場面が印象に残った。カヨの正体とアクリラの変貌ぶりに軽いショックを受けつつⅨ巻へ。
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Posted by ブクログ
ネタバレⅧ巻にしてようやくメニー・メニー・シープの世界へ話が戻ってきた。今度はイサリの視点からⅠ巻を再度読み返すようなアナザーストーリーが展開する。Ⅰ巻では言葉の通じない(通じにくい)謎の怪物として描かれていたイサリが、どういった理由でセナーセーに現れ、カドムらと出会い、新たな運命に巻き込まれていったかが答え合わせのように語られる。しかし、イサリはやっぱりあのイサリだった。そうかコールドスリープだったのね。300年前の想いをも凍らせたまま、再び目覚め、アイネイアの子孫と出会い孤独な闘いを始めたイサリ。ここから改めて物語が進むわけだが、え、カヨはミスチフの手先だったの?
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Posted by ブクログ
ネタバレ300年の時を経て、ミヒルによって冬眠から目覚めさせられたイサリ。
全宇宙を相手に戦争をしていたプラクティスは圧倒的勝利を手にしてなお、生き残りのジャームレスを探している。
そんななか目覚めさせられたイサリはブラックチェンバーで生き残っている人類が存在することを知り、同時に彼らにプラクティスの脅威が迫っていることも合わせて知る。
彼らにプラクティスが迫っていることを伝えるため、様々なものを犠牲にしてミヒルの手から離れ、ブラックチェンバーに潜り込むことに成功したイサリが目にしたものは、過去の歴史を忘れ、内乱の芽が育ち始めているメニーメニーシープだった。
何も知らないが故に、自らの生活のために反乱を企てるセアキらをどうすることも出来ずに見ているイサリ。
あらゆる意味でイサリの知る全てを話したところで信じてもらえないので、反乱はなすがまま。
反乱に成功するも、その先にあるプラクティスの襲撃になす術もなくやられるメニーメニーシープ。
襲撃を受け、ラバーズやカルミアンたちの意識も変わっていく。ラバーズのラゴスは徐々に過去を思い出していき、カルミアンはカンミアとなる。互いのために同盟を結ぶカンミアとエランカ・キドゥルー。
イサリはついに自身の知る全てを話す時がきたようで…?
というお話。
シリーズ8作目にしてついにシリーズ1作目の「メニーメニーシープ」の歴史に追いついた今作は、1作目の内容をイサリの視点からなぞる物語となっている。
フェオドールの視点があったり、カヨには隠された謎がありそうだったり、カンミアは新たな目的が出来たようで、今回も楽しめた。
起承転結の転に当たる部分なような気がしていて、これから全人類はどうなるのかがとても楽しみ!