小川一水のレビュー一覧
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6人の作家による銀河英雄伝説公式トリビュート・アンソロジー。
原作が完結してから何年?1989年の完結?30年近く経て、トリビュートされるのは衰えない人気の証明。
嬉しい。
タイトルに列伝1とあるからには、今後も刊行の予定があるという含みと思います。銀英伝の世界が、銀河の歴史が1ページ、また1ページと増えてゆくわけです。これは嬉しい。
「竜神滝の皇帝陛下」
エミールのラインハルトへの心酔っぷりを評して、釣りをしている時も宇宙を釣り上げているようでした、という一文があったことを思い出す。そこからふくまらせた作品。日常生活というか余暇を楽しむことができないラインハルト。彼の数少ない日常の光景を垣 -
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普段アンソロジーは手にとらないのですが、銀英伝トリビュートとくれば話は別です。
ファン必読の書と言えるでしょう。
列伝1とあるので、今後2、3と続いてほしいです。
では、簡単なエピソード紹介を。
①竜神滝の皇帝陛下(小川一水さん)
ラインハルトの新婚旅行中の数日が描かれます。
僕は最後の作者自身による注釈を見るまで気づきませんでしたが、原案はあの超有名な漫画の1エピソードらしいです。
冒頭のエピグラフに続いて、史書あるいは史家の論文と思しき記述があってから本編に入るという銀英伝らしさ溢れる構成に、一話目から胸が熱くなります。ラストに年表形式で語られるエピローグもいい。
②士官学校生の恋(石 -
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コロナ禍でカミュやデフォーの『ペスト』や、小松左京の『復活の日』が大きく注目されたけど、この『天冥の標』の2巻もパンデミックを扱った作品ということで、注目されていた覚えがあります。
出版はおよそ10年前の2010年ですが、読んでみるとコロナ禍を予見したような場面の多さに驚きました。それでいて物語としても抜群に読み応えがある。
201X年、ミクロネシアの島国パラオで発生した謎の伝染病。その症状は凄まじく罹患者のほとんどが死に絶えてしまう。そして謎の病は世界中に波及していき……
シリーズ2作目となる作品ですが、舞台も時代も大きく変わります。前巻は2803年の植民星が舞台。この2巻目の舞台は20 -
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銀河英雄伝説公式トリビュート作品集の一巻。
六名の作家による六編の短編が収められている。
それぞれに、作家が本編に出てきた一文に着想を得ていたり、好きな人物をこうだったらと掘り下げてみたり、本編には過去の史実として書かれていることがリアルに知れるシーンが描かれていたり、自由で夢がある一冊。書き手から銀河英雄伝説への愛情が伝わってくる。
士官学校に通ってた頃のヤンが女装して舞台に立っていたり、オーベルシュタインに女性の部下がいたり、ラインハルトが良き父親として振る舞おうとしつつ釣りをしていたり・・・。
あれだけドラマチックな物語の中にいた人たちの何気ない日常が描かれていて、読んでいて楽しかっ -
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ネタバレカテゴリは合ってます(歴史だもんね)
作者に太田忠司先生がいるだけで「買います」だが他の作者さんも銀英伝好きが溢れてるお
作者公認の二次創作を嫌う人は多い、イメージが異なるからだと思うが40年も付き合っている作品ともなると別な一面を見る機会を逃す筈がありません
そもそも歴史はそんな一面だけで理解したつもりになってはいけないのです
太田先生の「レナーテは語る」
あのオーベルシュタインが這い上がる基礎を築いた事件です(ネタバレ)突然オーベルシュタインから遺産が当るとなれば人類なら等しく恐怖を覚えるだろう、そんな状況になったレナーテが情報処理課にいた頃「上司で名探偵」でもあったオーベルシュタインとの -
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全10巻完結するまで読むのを温めていて、完結したと思ったら現実世界でも新型コロナウイルスの流行。持ってるとしか言いようがない。
冥王斑は架空の感染症のはずだが、その描写、設定がかなり具体的に描かれており、著者は医師免許か何か持っているのだろうかと思わざるを得ない。参考文献が見たい。未知のウイルスに対する人々の反応や対策などは、最近見たことあるようなものばかりで、著者の構成力と先見の明には脱帽する。
舞台は2015年の地球だが、Ⅰの舞台、2803年の植民星にもリンクする箇所があり、そのスケール感に圧倒される。まだあと8巻あるので、これからどんどん世界が広がっていくのだろう。物語にふれて、動 -
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ネタバレ第1巻メニーメニーシープから7巻を経て、ついに物語はメニーメニーシープのその先にたどり着いた。
アクリラは地の底でカヨに責められ、カドム一行は真実を知るためにセレス北極シティを目指す。
一方メニーメニーシープでは、エランカ初代大統領は人々をまとめ、<咀嚼者(フェロシアン)>に反撃ののろしを上げていた。
いやー、<咀嚼者(フェロシアン)>の強さを散々過去の巻で見せつけられた後だけに、メニーメニーシープ側に勝ち目なんか絶対ないだろうと思ってたけど、意外となんとかなるものなんだなぁ。
もちろん、<咀嚼者(フェロシアン)>側がきちんと攻めてくればどうしようもないというのは作中でも語られている。
「い -
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ついに<海の一統(アンチョークス)>は<領主(レクター)>に反旗を翻した。
一方、植民地議員エランカやセアキ・カドムも<領主(レクター)>に対する反抗を決意する。
多大な犠牲を払い、ついに<領主(レクター)>を打ち倒した時、メニーメニーシープは誰も想像しなかった事態に陥る!
作者もあとがきで書いているとおり、衝撃のラスト。
一体どうなるのか気になって仕方ない。
また、上巻もそうだったが、過去にいろいろあっただろうことを想起させる記述が各所にある。
「続けるんだ。<海の一統(アンチョークス)>の伝説を。大いなるものにあらがい、星を踏み越えて飛んだ猛々しさを思いだせ。俺たち<恋人たち(ラヴァー -
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面白いという話は各所から聞いていたが、もったいなくて手を出せなかった本作。
(これは私の悪癖で「マロリオン物語」なんかもこのせいで手を出せていない・・・)
いつまでもそうしてるのももったいないので、ついに一念発起して手を出してみた。
西暦2803年、植民星メニーメニーシープは入植300年を迎えようとしていた。臨時総督ユレイン3世により配電制限により市民生活は困窮していた。そんな中謎の疫病がセナーセー市を襲う
もうあらすじだけで面白い。
ここに怪物<咀嚼者(フェロシアン)>イサリ、電気を使い酸素呼吸を必要としない<海の一統(アンチョークス)>、異星人<石工(メイスン)>、人に奉仕する宿命を負 -
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これは続きも読まねばなるまい……
圧倒的なうねりと変革の果てに待つ『天冥の標』1巻の結末。餌をおあずけされたような気分になりつつも、まだ物語が続く楽しみも同時に味わっています。
植民星・メニー・メニー・シープの総督ユレイン三世の圧政に耐えかね、「海の一統」を始めとした市民たちはついに蜂起し、ユレイン三世の退任を要求する。それに対し軍部は兵士を派遣。メニー・メニー・シープは内戦状態に突入し……
上巻は全体的に溜めの状態が続いている印象だったけど、下巻はとにかく動く、動く。登場人物たちが動き回り、各都市、各団体が結集していく一方で闘いは激しさを増していく。軍隊と市民たちの攻防戦が息つく暇も無く