小川一水のレビュー一覧

  • 天冥の標 IV 機械じかけの子息たち

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    ーーー「人を守りなさい、人に従いなさい、人から生きる許しを得なさい。そして性愛の奉 仕をもって人に喜ばれなさい」
    ――かつて大師父は仰せられた。

    そして少年が目覚めたとき、すべては始まる。シリーズ第4巻


    天冥の標第4章

    それぞれのパートを一つの物語として成立させながら、過去から未来への繋がりを意識させる構成は
    乗り心地の良い列車のシートから流れる景色を見続けるような、しっかりとした安心感を与えてくれる。


    本作では裏表紙にも謳われているように「性愛の奉仕」に関する表現が、質•量ともに高水準で含まれており
    そういう意味では読む人を選ぶかもしれないが、シリーズ第4巻まで読み進めてきた中で

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    2014年02月06日
  • 天冥の標 III アウレーリア一統

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    ーーー西暦2310年、小惑星帯を中心に太陽系内に広がった人類のなかでも、ノイジーラント 大主教国は肉体改造により真空に適応した《酸素いらず》の国だった。
    海賊狩りの任にあたる強襲砲艦エスレルの艦長サー・アダムス・アウレーリアは、小惑星エウレカに暮らす人々と出会う。
    伝説の動力炉ドロテアに繋がる報告書を奪われたという彼らの依頼で、アダムスらは海賊の行方を追うことになるが……。シリーズ第3 巻。


    近頃もりもり読んでる天冥の標第3章


    後の《海の一統》にあたる《酸素いらず》達の奮闘を描きながら
    彼(と呼んで差し支えがあるのなら"あいつ")の動きもじわりと広がる。
    中でもやは

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    2014年02月06日
  • 天冥の標 I メニー・メニー・シープ (下)

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    ーーー西暦2803年、植民星メニー・メニー・シープは入植300周年を迎えようとしていた。しかし臨時総督のユレイン三世は、地中深くに眠る植民船シェパード号の発電炉不調を理由に、植民地全域に配電制限などの弾圧を加えつつあった…小川一水が満を持して放つ全10巻の新シリーズ開幕篇。


    暫定最も好きな作家の小川一水。
    その人の「できること全部」やっちゃうシリーズの第一章。

    なんという骨太SF
    頭の中の想像力エンジンがトップギアを維持したまま、2日半で2冊約800ページを走り切ってしまった。

    謎が解かれて事実となり、事実が化けて謎になる。
    10章まであるのに最初からワクワクが止まらない。



    「そ

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    2014年01月15日
  • コロロギ岳から木星トロヤへ

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    時間SF。過去の人間にSOSを送る少年ふたり、未来でしかも地球じゃない2231年2月14日木星トロヤから、2014年日本のコロロギ岳へ。過去と未来に横たわる囚われた時間蛇。救いの原動力は結束する腐女子二人の妄想力(笑。百億の昼と千億の夜を彷彿とするスケールの大きさと蛇のペシッに影響を受ける人類の儚さ、小川さんの長編もいいけど薄めの一冊でさくっと終われるSFを書かせたら天下一品と思います。面白かった!

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    2013年12月24日
  • 天冥の標 VI 宿怨 PART3

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    積年の怨みも、200年越しの悲願も、太陽系に遍く覇権も。崩壊した。霧散した。
    これは文明の、生物の栄枯盛衰の物語なのだと思います。
    生物の歴史で幾度も繰り返されてきた大量絶滅。それでも生き延びる生命があり、しぶとく命を継いでいく。
    激変した環境に適応するのか、新天地を目指すのか。オムニフロラの隆盛も永遠ではないはず。いずれは衰退するのでしょう。
    生き残った人たちの行く末が気になるけど、次は『ハーブC』か…。
    時代が進んでしまうのですね。

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    2013年11月29日
  • 天冥の標 VI 宿怨 PART3

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    ネタバレ

    シリーズ2作目『救世群』から繰り広げられた数多の因果が絡み合うシリーズ第6作。この本、本当に面白い。

    太陽系人類が抱え込んだ宿痾「冥王斑」、それを忌避し続けた末の破滅、「全太陽系応答なし」。ここからシリーズ第1作で描かれた『メニー・メニー・シープ』の時代へと移っていくのだろうけど、そもそもメニー・メニー・シープという存在の真実、その住民たちが信じていた真実そのものが揺らぎ始めていたはず。

    第7作以降で描かれるメニー・メニー・シープの姿は、人類再生の末に訪れた拡散時代(バルサム・エイジ)のみなし子なのか、それとも黄昏の時代の申し子なのか。興味は尽きない。

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    2013年10月19日
  • 復活の地3

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    実に面白かった

    もともと話の展開は早かったけど、最終巻になってさらに加速した感じで、興奮したまま一気に読み終わったぜい。
    薄めの本(同人誌ちゃうで)なら10冊以上いけそうなネタなのに、これを3冊にまとめちゃうのがすごいねぇ

    クソ面白いし3冊で綺麗に終わるし特大おすすめっ。

    あらすじは適当にググってくれいっ
    震災復興SFやっ

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    2013年10月09日
  • 第六大陸2

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    本当に将来的に月に建造物建てれるのでは、と思うくらいの細かい設定と、最後の方でまさにSFだ、という感じの回収の仕方。
    久々にわくわくできた作品でした。

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    2013年10月03日
  • 天涯の砦

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    面白かったー!前半の閉鎖空間での脱出劇から始まり、ラストに近づくにつれ、裏切り・アクション・恋愛とエンタメ要素が満載。とてもおもしろい。そして、ラストにいい意味で期待を裏切られ、読後感がとてもよかった。オススメしたい本。

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    2013年05月11日
  • 天冥の標 VI 宿怨 PART3

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    シリーズ中盤のクライマックスにふさわしいボリューム。そして、内容。
    イサリとアイネイアのすれ違い方が、1巻の内容を思い出して感動する。構成がよくよく練られたシリーズなので、本当に楽しめる。これは、すごい。
    次の巻で、いよいよ1巻のハーブCへと展開されていくんですが、早く読みたくてたまらない。

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    2013年05月11日
  • 天冥の標 VI 宿怨 PART3

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    本作により、やっと最初の各勢力が出そろい、それらの立ち位置が明確になった感がある。それにしても話が長く、間もあくので前の話を忘れてしまっているためでもあるが、多くの登場人物が登場しながらも実は、その多くが血縁であるという狭い世界でありながらも、話の全貌は未だ見えない。本来、二つの精神的寄生体の戦いの話ではあるが、それぞれが利用する駒としての人類側の陣営が複雑に、その立ち位置を変えることと、サブストリームや異星人たるメイスンがいつのまにやら、相手に取り込まれていたりすることにより、その戦いの様相がより複雑になっている。前にも思ったのだが、太陽系侵略にとっているミスチフ側の戦略が何故、ここまで複雑

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    2013年04月21日
  • 天冥の標 VI 宿怨 PART3

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    祝宴・・・、宿怨ね。
    次はメニーメニーシープが遂に登場するのかも。
    それにしてもノルルスカインは役に立たない・・・。

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    2013年03月25日
  • 天冥の標 VI 宿怨 PART3

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    これまでのシリーズの中で一番気に入りました。ようやく物語世界の全貌が見えてきた感じで、ここから第1巻の世界にどう繋がっていくのかわくわくします。太陽系の人類は本当に滅んでしまうのか、イサリはどんな処遇を受けてしまうのか、次巻が待ち遠しいです。

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    2013年03月07日
  • 第六大陸2

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    ーーー西暦2025年。サハラ、南極、ヒマラヤ、極限環境下での建設事業で、類例のない実績を誇る御鳥羽総合建設は、新たな計画を受注した。依頼主は巨大レジャー企業会長・桃園寺閃之助、工期は10年、予算1500億、そして建設地は月……。
    月面の中国基地へ、現地調査に赴いた機動建設部の青峰が目にしたのは、想像を絶する苛酷な環境だった―民間企業による月面開発計画「第六大陸」全2巻着工!


    裏表紙を読んだ瞬間レジに並んでいた、小川一水の長編

    しっかりと踏みしめられる物語の設定から、重力6分の1のSFの空へと飛び立つ過程がきちんと描かれていて好印象。

    「月に行って商業施設をつくる」
    SF作品としては、と

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    2013年01月13日
  • 第六大陸1

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    ーーー西暦2025年。サハラ、南極、ヒマラヤ、極限環境下での建設事業で、類例のない実績を誇る御鳥羽総合建設は、新たな計画を受注した。依頼主は巨大レジャー企業会長・桃園寺閃之助、工期は10年、予算1500億、そして建設地は月……。
    月面の中国基地へ、現地調査に赴いた機動建設部の青峰が目にしたのは、想像を絶する苛酷な環境だった―民間企業による月面開発計画「第六大陸」全2巻着工!


    裏表紙を読んだ瞬間レジに並んでいた、小川一水の長編

    しっかりと踏みしめられる物語の設定から、重力6分の1のSFの空へと飛び立つ過程がきちんと描かれていて好印象。

    「月に行って商業施設をつくる」
    SF作品としては、と

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    2013年01月13日
  • 青い星まで飛んでいけ

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    SF系ハイクオリティライトノベル?最初の話とか、すごく良かった。SFらしさと恋愛要素が良い感じに融合していてしかも読みやすい。異常な世界に一般的なものを(恋愛)を据える面白さ。最近のライトノベルみたいに、過剰なキャラ付けとかはない。自然。

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    2013年01月03日
  • 青い星まで飛んでいけ

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    ーーー彗星都市での生活に閉塞感を抱く少女と、緩衝林を守る不思議な少年の交流を描く「都市彗星のサエ」から、
    “祈りの力で育つ”という触れ込みで流行した謎の植物をめぐる、彼と彼女のひと冬の物語「グラスハートが割れないように」、
    人類から“未知の探求”という使命を与えられたAI宇宙船エクスの遙かな旅路を追う表題作まで、
    様々な時代における未知なるものとの出逢いを綴った全6篇を収録


    ハマりつつある小川一水の短編集

    全部名作!ってわけでもないけど、都市彗星のサエ、守るべき肌、表題作が良かったな。
    特に表題作!まさかあそこでオーバーロードが出てくるとは!
    アーサー・C・クラーク「幼年期の終わり」に登

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    2012年12月30日
  • フリーランチの時代

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    ーーー火星やまと基地の隊員4名が体験した、あまりにもあっけないファーストコンタクトを描く表題作
    いつのまにか不老不死を獲得してしまった人類の戸惑い「千歳の坂も」
    そして傑作長篇『時砂の王』に秘められた熾烈な闘いを描くスピンオフまで
    心優しき人間たちのさまざまな"幼年期の終り"を描く全5篇収録。


    小川一水二冊めは短編集。
    こういう「日常系SF」とでも言うべきやつも結構好きやな。明確な敵がいるわけでもなく、必然ドンパチもまずない。
    SFにもいろいろある中で、俺がやっぱりSFが好きな要因には、登場人物が進歩に対して前向きなことがあげられると思う。

    この中では、

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    2012年12月30日
  • 天冥の標 VI 宿怨 PART2

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    さらにPart3に続くところが小憎い!!
    前巻のイサリとアインの可愛らしい出会いから、
    一気に世界は戦争ムードへと突入して行く。
    一巻のときから謎だらけだったカルミアン達の目的や
    生態が明らかになって来ました。
    ラスト、そのカルミアン達が甲殻化の際に施したある仕掛けが衝撃。

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    2012年12月22日
  • 天冥の標 VI 宿怨 PART2

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    800年の長きにわたって拡げられた風呂敷が着々と畳まれていく~。
    I巻からV巻までの登場人物やキーワードが説明され、有機的に結びついてゆく…。
    畳まれつつも、新たな風呂敷が拡げられてる気もするけれど。
    そして相変わらずゴールが見えないけれど。

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    2012年10月21日