【感想・ネタバレ】コロロギ岳から木星トロヤへのレビュー

あらすじ

西暦2231年、木星前方トロヤ群の小惑星アキレス。 戦争に敗れたトロヤ人たちは、ヴェスタ人の支配下で屈辱的な生活を送っていた。そんなある日、終戦広場に放置された宇宙戦艦に忍び込んだ少年リュセージとワランキは信じられないものを目にする。いっぽう2014年、北アルプス・コロロギ岳の山頂観測所。 太陽観測に従事する天文学者、岳樺百葉(だけかんばももは)のもとを訪れたのは……。21世紀と23世紀を“つないで”描く異色の時間SF長編。

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ネタバレ

センスに満ちた時間SF

面白い! 時間軸を泳ぐ生物の体が現在の日本と200年後の木星で引っかかるってもうなんかややこしい感じがするんだけど、実際に読んでみると超分かりやすくて凄いしセンスに満ちている。台詞のセンスも良くて、特に「毎日」の概念が無いってのがさらっと出しつつも上手過ぎる。いい本だった

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2024年06月25日

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時間SF。過去の人間にSOSを送る少年ふたり、未来でしかも地球じゃない2231年2月14日木星トロヤから、2014年日本のコロロギ岳へ。過去と未来に横たわる囚われた時間蛇。救いの原動力は結束する腐女子二人の妄想力(笑。百億の昼と千億の夜を彷彿とするスケールの大きさと蛇のペシッに影響を受ける人類の儚さ、小川さんの長編もいいけど薄めの一冊でさくっと終われるSFを書かせたら天下一品と思います。面白かった!

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2013年12月24日

Posted by ブクログ

21世紀と23世紀が時の蛇『カイアク』の
難破事故によって繋がれるストーリー。

23世紀に囚われたカイアクの尻尾の近くに
たまたまいた2人の少年と、
21世紀の太陽観測所に突っ込んだ
カイアクの頭の場所にいた研究員たちが、
過去と未来を通して助け合い、
カイアクを救出するストーリー。

これぞSFジュブナイル。
引き込まれるストーリー。
最後に待ち受けるハッピーエンド。
そして難解な理論を
理解した気になって読み進めた時の
誇らしさとワクワク感。

読むべき名作です。

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2025年04月14日

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空間を移動する我々と違って時間を移動する存在、そんな概念の生命体という設定だけで楽しかった。細かいところを考え出すと矛盾はあるのかもしれないけど、2014年と2300年が繋がるのをポップに楽しく読ませられるのって文章力と発想がすごい。
お姉様方がキャッキャウフフしてるだけでボーイミーツガール的な関係にならない(一方的な文字だけで顔は合わせてない)のも小川一水にしては珍しかった さすがに顔を合わせる策は思いつかなかったのかしら

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2024年08月05日

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ネタバレ

2231年、廃棄された宇宙戦艦に閉じ込められた少年2人を救うため、北アルプスにある太陽観測所に落ちてきた紫蘇漬大根のような時空をまたぐ生命体を通じてコンタクトをとる2014年の観測所員。

設定のハードな部分は読み飛ばしてもOK(俺もなんとなく分かってないような分からんようなで読んでいた)、時空間の上下流を行き来できる大根生物なんだから、色々やり直しできたりはするわけで、その辺のトリックと2つの舞台のコミカルなやりとりを楽しめる。

腐女子やりとりな余禄もよし。オタク妄想が世界を救うって設定は嫌いじゃない。

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2023年01月29日

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#日本SF読者クラブ 「コオロギ岳」ではない。「木星前方トロヤ群」がわかなくても大丈夫です。時間SFなんだけど、難しい理屈は無視して(?)スラスラと読むこと。新型コロナ疲れの頭には、一服の清涼剤となるでしょう。
コミカルな「時砂の王」という例えもあったが、言いえて妙です。作者が「天冥の標」の執筆の合間に書いた作品である

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2020年04月14日

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新年早々続けて小川一水。
「風の邦、星の渚」はSF要素薄めだったけど、こちらはSF要素満載。
なんと言ってもみんな大好き時間SF。
ずっとわくわく、にこにこしながら読めてたし、オチもきれいに決まって文句なし。
小川一水にハズレ無し!

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2020年01月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 夏はSFが読みたい気分で、以前読んだ『天涯の砦』がめちゃくちゃ面白かったので選ぶ。話が難しい時間SFであり、未知との遭遇でもある。未来の少年二人が読んでいてどっちがどっちかよくイメージできない。最期は感動的だった。

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2019年09月05日

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SF。時間SF。
ストーリーもシンプルで、キャラクターもコミカルで読みやすい。
サクッと読めて気楽に楽しめる一冊。
カイアクの会話が、少しズレていて面白い。

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2019年06月05日

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西暦2231年の木星トロヤで、宇宙船内に閉じ込められた二人の少年。一方2014年、日本のコロロギ岳では、とんでもない来訪者が訪れ、天文学者の百葉(ももは)と水沢は、閉じ込められた少年たちを救う手助けをすることになるのだが…

 もっと分かりやすく、この小説の説明をするなら、200年越しの人命救助! 200年後に閉じ込められる少年たちを、いかに現代から救うか、ということがテーマです。

 百葉たちはどうやって200年後にメッセージを残すかに苦心します。メッセージを受け取ることは、可能なのですが、それに対し返信しようとすると、200年先にも残っている形で、伝言を残さなければならないからです。

 200年先にも伝言を残すには、いろいろな人間が世代を超えて、メッセージを残し、伝えるようにしなければいけません。そして、そうした動きは歴史を変えることにもつながっていきます。

 そうした壮大な動きが、二人の少年を救うためだけに行われる。単純な動機なのにスケールが壮大で、それが読んでいてとっても素敵だと感じました。

 読んでいて思い出したのは映画『オデッセイ』と『火星の人』。一人の宇宙飛行士を救うためにあらゆる人が頑張るその作品と、この『コロロギ岳~』には、共通のバイタリティが、根底にあるような気がします。

 時空を超えて紡がれる、人間の善意の物語だったと思います。

第45回星雲賞〈日本長編部門〉

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2016年04月18日

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ネタバレ

頭が2014年、しっぽが2233年に引っかかってしまった超時間生物(?)という壮大なアイデアによる時間SFだが、その対処がちまちましてかわいらしい。しかし、最後のカイアクの荒業は、そのちまちまとした苦労と努力が意味なかったものにしかねないような… そもそも、あれだけの変化で済むのか、リューセージとワランキが存在しなかったことになりかねない甚大な変化をもたらしかねないような…
2014年コロロギ岳の女子2人の腐妄想がこの調子で繰り広げられ続けたらきついなーと思ったら、ほどほどですんでほっとした…

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2015年04月20日

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あ。これすげー好きかも。
時間モノSFとしては突っ込みどころも多そうだけど、2014年と200年未来とのやりとり。限られた登場人物で、清潔感あふれるストーリー。や、おもしろかった。

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2014年12月20日

Posted by ブクログ

小川一水なので一定のレベルは期待しちゃう。その意味で、まあ、さくさく読める佳作ってとこ。
現代側主人公の行動動機がミソ。「ピアピア動画」とも通じる、真の意味での「応援」だと思う(笑)。ある意味新しい動機かも。
でも途中でそれを捨てる、そこが小川一水。

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2014年11月23日

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ネタバレ

2014/07/19 第45回星雲賞、日本長編部門受賞作。ということで早速。
書店でこの作者の本はよく見かけ、装丁からハードSFを想像していた。ところが、この作品は、ライトな感じの、ちょいと前に読んだ野尻抱介とも似た、ユーモアあふれる読みやすい作風。しかも最近マイブームの時間ものと来れば、読まないわけにはいかん。短めのボリュームも手伝って、通勤2日で読破してしまった。

物語は、4次元の世界に生きる謎の生物?カイアクが、「泉」の中で「楔」に引っかかってスタック。200年の時と木星近く小惑星と北アルプスとにまたがって動けなくなってしまい、動けなくなった「尾」の解放のため主人公たちに協力を求める。

トンデモない設定の異種文明(文明、ですらないけど)、地球の危機にもかかわらず、そんなこと知ったことかとばかりに登場人物たちは、未来の少年2人組に妄想を働かせてるし、未来へのメッセージはモナリザの裏への落書き。どう考えても深刻な話のはずなのに、最後まで楽しく読まされる。
その一方、時間パラドックスを避けるための「手続き」の必要性、可能性の収束による世界の(主観的な)変動など、読み応えのあるSFでもあり、読み応えもある。星雲賞受賞も納得。

もう少し、この人の作品を読んでみようかな。実は35回、37回の星雲賞も受賞している、思いっきり実力者であるみたいだし。

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2014年07月24日

Posted by ブクログ

壮大でかつとてもちっちゃな話。すごくおもしろい。
人間以外の心情や社会を書かせたら右に出るものはないね。今回は想像を越える生物…でいいんだよね…だったけど。

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2014年03月16日

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ネタバレ

現代(西暦2014年)北アルプスコロロギ岳山頂観測所に頭を、
西暦2231年、木星前方トロヤ群で尻尾をはさまれ、動けなくなった巨大時間蛇・カイアク。
このあたりの時間に横たわって 動けないカイアクは、観測所で太陽観測をする天文学者・岳樺百葉(だけかんばらももは)らの協力を得て、未来にある尻尾の挟まりをなんとかして欲しいと言う。尻尾のあたりには二人の人間がいる。カイアクを通して調べると、それは二人の少年で、どうやら宇宙船に閉じ込められて困っているらしい。
カイアクの尻尾をなんとかし(でないと、地球がえらいことになる)未来の二人も助けたい。
そして壮大なスケールの文通がはじまる。


普段、SFを読むことがあまりないので、小川一水さんの本も初めて読みます。
読みやすいし(がっつりSFだと身構えるけど)婦女子ノリもそんなにきつくもないし、楽しめた1冊。ハッピーエンドでよかった。

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2013年12月14日

Posted by ブクログ

ーーー西暦2231年、木星前方トロヤ群の小惑星アキレス。
戦争に敗れたトロヤ人たちは、ヴェスタ人の支配下で屈辱的な生活を送っていた。
いっぽう2014年、北アルプス・コロロギ岳の山頂観測所。
太陽観測に従事する天文学者、岳樺百葉(だけかんばももは)のもとを訪れたのは……。
21世紀と23世紀を“つないで"描く異色の時間SF長編。


いまハマっているSF作家、小川一水の長編
いわゆる"タイムスリップもの"の時間SFではなく
人類が把握している枠組を超えた存在で、今と未来と過去をつなぐ。

なんといってもこの超越者にワクワクさせられる。
全くの未知の概念に対して、主人公と一緒に「ああでもないこうでもない。そうするとこうなるんじゃないか?」といった感じで、想像力の腕をめいっぱい伸ばして楽しめる作品




「お断りします、サー。」

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2013年10月23日

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時間もの。
サクサク読めてサクサク進む。

あまり暗い感情を誘発する要素がないので、楽しく読めた。
それと現在側の主人公を「腐」にする必要性があまり感じられなかった。まぁ笑いを誘う要素としては十分機能したと思うけど。

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2013年07月11日

Posted by ブクログ

初小川一水。大分類で言うと「時を超えた文通」もの。小分類で言うと「時間改変」、「宇宙SF」、「ファーストコンタクト」、なんでしょうか。
一見壮大なハードSFなんですが、舞台は概ね現代のコロロギ岳の天体観測所と西暦2231年の木星トロヤ群小惑星に係留されている宇宙戦艦アキレスの艦内だけ。
頭部が2014年のコロロギ岳に、尻尾が2231年の宇宙戦艦アキレスに引っかかった時空を漂う宇宙生物を救う為、人類の存亡をかけて200年の時を超えた文通大作戦が始まる!
この文通の手段が凄い、モナリザの裏に落書きしてメッセージを残すと言う荒業。
壮大な設定なんだが地道な文通作戦が効果をあげて無事に宇宙生物は解放される。
壮大なんだか地味なんだか良く判らない異次元の面白さでした。
ラノベに分類されるんでしょうけど、題材は面白い。もっとディテールに拘って、正統派SFの味付けをしたら、硬質なハードSFになったと思うが。著者はそんなもん目指してないんだろうけど。

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2013年07月12日

Posted by ブクログ

装画とタイトルに惹かれて。

現在、地球、北アルプスの山頂観測所
未来、木星前方トロヤ群小惑星アキレス、閉め切られた観覧用の宇宙戦艦
この二箇所が時間の生き物で繋がる。

時間もの。でも地道。
こぢんまりとしているのがいい。

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2013年06月25日

Posted by ブクログ

2013/6月
SFと言いつつも現代物理学の方向性から大それた話でもなかったと思う。
自分として気になったのは、人間がこのまま進化して、宇宙に行けたとして、それでも戦争と権力闘争を続けているのか。。という所はないかなと思った。
コロロギ岳を想定しているだろう土地も興味深い。

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2013年06月17日

Posted by ブクログ

見かけはライトノベルの様な軽さを醸し出しながらも、その実、久しぶりに新鮮なセンスオブワンダーであり、なかなかおもしろかった。未来が分かるが故に時間を改変しようとする話は良くあるパターンではあるが、新鮮なのは時間旅行ではなく、時間を超越した別の生き物たる蛇(生き物と呼んでよいか?)が二つの時間を結びつつ、なおかつ、過去と未来の意思疎通ができるものの、あくまでも時間の隔たりは厳然たるものとして存し、単純には時間改変ができないという不自由さに物語の面白さの肝があるという着想が良い。基本、時間改変ものはパラレルワールドものになり、改変された人間は、過去の自分と同じ自分でありながらも、違う時間軸に存する他人となるが故に、本来、話が成立しようがなく、第3者たる他人を介在させることが一般的であるが、本作では、時間を繋ぐ蛇が二つの時間を繋いでいるが故なのか、意識を継続しながら時間改変がされているという話となっているのがミソである。

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2013年06月16日

Posted by ブクログ

うーむ、さすが小川一水先生、現代の高山太陽観測所と、23世紀の植民コロニーを結び、ちょっとドラえもん的なネタながら、時間とは、絆とは、BLとはなどなどに想いを馳せさせる中篇!

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2024年09月01日

Posted by ブクログ

SF的な要素は理解できたか不明…(^_^;)

でも、少年が頑張る姿はいい。
だから一水作品は好きです。

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2015年01月10日

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未来の男の子と、現在の女性ということで
『未来(あした)のおもいで』(梶尾真治先生)
のような話かと思っていたら、全然違った。
時間と空間を超えて、というより人類の認識と
まったく異なる概念の中に存在する生物(?)を通して
人が地球を守るため、
かつ赤の他人を助けるために知恵を絞ったり、
かる~く、ゆるやかに、やさしく奮闘する
ハードSFライトノベル・ブレンド。
もうちょっとSF側で書き込んでページ数が増えれば、
もうちょっとライト側で男子二人の関係や
それに萌える女性二人の妄想を書き込めば、
チョッと引いたかも。最後まで楽しく読みましょう。

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2014年09月30日

Posted by ブクログ

設定はバリッバリのSFだけど、語り口調はライトで、要点はといえばファンタジー。

謎の生き物?が次元にひっかかってしまった(か何かそんな感じ)ために、現代の地球と200年後の惑星トロヤがつながってしまい、現代の女性が中心となって死の危機に瀕している200年後の2人の少年たちを救う物語。

タイムパラドックスを扱うのに、本人たちはまったく移動しない、というのが斬新です。やってることは、要するに200年にわたって見も知らぬ人間の善意に頼り続けること、なんですが、時間という枠内での矛盾を取り除くためのあれやこれや、などは、しっかり本格的なSFだなあと思うし、救出の手段にはひとつひとつ細やかな伏線が貼られているなあと思います。

思うけど、200年間、誰も何も疑わず、手間暇を惜しまず、本当かどうかすらわからない理屈で、ただの少年の救出劇に取り組むかなあ、という根本に疑問を持ってしまうと・・・だいなし、なんですよね。でも、そんなこと(といっては失礼ですが、少年たちの自業自得ともいえる行動)のために、人類がやれることの範囲を超えてるような気がするよ。

だからこそ、「敬虔で優しい気持ち」が大事なのですよね。それを前面に押し出しているところが、ファンタジー。誰もが、そういう気持ちをもてるはず、ということ。

それって本当は、とてもとても大切なことだと思う。だからこそ、この物語は、そこを強調して書かれているのでしょう。

「そんなうまくいかないよ」そう思いながらも読み進めれば、きれいで透き通ってやさしい気持ちになれます。

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2014年09月07日

Posted by ブクログ

読後すっきり感ばっちりです。
この方らしい、読者にやさしいSFでした!
時間の流れをネタにしたもの。斬新な設定でしたが堅苦しいとこなく、キャラクターたちがみなフワリとした優しさがありました。蛇もね。蛇が一番かもしれない。
軽く読める一冊。軽さゆえに☆3つ。

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2014年02月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小川一水さん、初体験。タイムリミットSF。
時の楔を移動する不思議な生命体がきっかけ。現在と未来の時間がつながるって、こんな感じになるのかな、と想像させてくれるお話。
どんなことも、きっかけ(楔)があればこそ。いい楔が見つけられれば、壊さず大切にしていけたら。
でも、気づいてない楔は…どうしようもないよね。

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2014年02月11日

Posted by ブクログ

概念だけでできてるようなものが登場するSF。いながらにしてその場その場でタイムパラドックスを体験、解消するというのがなかなか新しい。面白いSFだとおもう。
ほっとくと死ぬ、の理由が、この時代の日本人ならわかる、っていう下りは、なんていうか、ねえ。まあ日本人はみんなそれ以前も知ってたからいいか。

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2014年01月17日

Posted by ブクログ

先の未来と現在の軸がつながっているとしたら。

コロロギ岳と木星トロヤに時間の蛇が横たわり、
コロロギが現在、木星トロヤを未来として
二つの時間軸が共同する。

現在を変えることで遠い未来の結果が変わる。
これを時間の幅を持たせることで、俯瞰できるようになっています。
木星トロヤにいる二人を救出するために、地球のコロロギ岳はどういう行動を起こすのか。見ものです。

SFはあまり読まないのですが、こんがりながらもなんとか読めました。

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2013年09月26日

Posted by ブクログ

情景が想像しづらくシンドかったけど、温かい話だった。でもヴェスタ人の立場からは辛い結末なのか‥?平和が一番。

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2013年06月16日

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