小川一水のレビュー一覧
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わぁ〜今度はスペースオペラ系だ^_^
1作目に登場したアクリラたち《海の一統》に繋がる人びとの話がメイン。
物語の始まりである2作目からの繋がりも織り込まれ、長い長い歴史の過程を発見したり想像したりする、ちょっと他の作品には無い楽しみ方ができる、これはひょっとしなくても、ものすごいシリーズなのでは?と思う作品です。
想像するのも楽しい形の宇宙強襲砲艦や、真空でも宇宙服が要らない身体、木星の大赤斑にあった超古代の遺跡…
中高生の時にエンタテイメントなSFをたくさん楽しみましたが、その時に還ったようなウキウキした気分で読みました。読み終わるのがもったいなかった^_^ -
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ーーーホモ・サピエンス MMS人 倫理兵器 二惑星天体連合軍 フェオドール 《酸素いらず》 《恋人たち》 カルミアン 被展開体ダダー ミスン族総女王 ミスチフ 万能植生 《救世群》 誰を討ち、何と結び、何処を救う。
待ち望んだ『天冥の標』シリーズ最新刊
それぞれのプレイヤーが、各々の持つ情報と目的と動機によって、広大で狭い世界の中を奮闘するのはもう「最高」の一言に尽きる。
この巻でも再認識したけれど、小川一水の作品は
共通して"人間賛歌"というか、諦めずに前を向き、状況をより良くするために取り組む姿を美しく描いてくれるから良いよね。
全10巻構成ということなので、クライマックスに向け高まる期待とともに「もうあと数冊で終わっちまうのか」
という寂しさもあり、でもやっぱり彼らの行く末を見届けたい。そんな気持ちになって、改めてこの作品好きだなと思うようになった。
「―――俺たちは、その片隅に紛れこんだ、ちっぽけな密航者だったんだ」 -
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少々冗長な感じもする2巻目であるが、かなり強引な設定を収めるにはこれぐらいの長さが必要なのでしょうか。
小説であるためどうしてもご都合主義は否めず、神は乗り越えられない試練は与えないというノリで山有り谷有りを適度に盛り込んでいるという事も言えない事もないですし、最後はかなり強引とも言えるエピソードで締めくくっています。はじめから伏線は張りまくっているので当初から考えられていたエンディングなのでしょうが。
長期の計画を描く物語なので、ヒロインの桃園寺妙も妙齢の女性になっているのですが、お相手の青峰走也もそれなりのいいおっさんになっているはずで、そのあたりもちょっと描いて頂くとリアリティが増したと思うのだが(^^ゞ -
Posted by ブクログ
こんな面白い本を書く人がいたなんて知らなかった(実は既に「天冥の標Ⅰ」を購入済みだった-未読なり(^^ゞ
分野としてはクラークの「楽園の泉」の系統。
近未来2025年資源の枯渇から世界が平和主義に舵をとり、経済的には元気を取り戻した日本のゼネコン、御鳥羽総合建設と国産ロケットの夢にこだわって民間のロケット打ち上げ会社を営む天竜ギャラクシートランス社が中部地方にあるレジャーランドを核にアミューズメント産業に取り組むエデン・レジャーエンターテイメント社の依頼により、月面に結婚式場を建設する事業に取り組む話。
と書くとなにやら奇想天外な話に聞こえるが、現在に技術の発展系で実際にそんなことが可能ではないかと思わせる話である。
既に、月面に人類が降り立ち、地球の軌道上では宇宙ステーションでの長期滞在も果たし、月までロケットを飛ばそうという時代である。世界中が紛争をやめて一丸となれば月面基地の建設はおそらく今現在でも可能ではなかろうか。
本書の中で著者はかなり綿密なリサーチで実現の可能性を語っている。もちろん今すぐ実現が可能というわけにはいかないので「お金や重さの数字の桁をいじってありますが」と本巻のあとがきで著者自体が暴露はしているのである。また、「トロフィーエンジン」という便利な発明が出てきてこちらも「楽園の泉」と同じパターン。
技術的な考察とアイデアに加え、ストーリーが面白いのです。先ずは真のクライアントが桃園寺妙という物語が始まるときには13歳の少女。一大コンチェルンの一人娘で天才少女、それが故に友達になってくれる人がいない(と本人は思っている)さらに母の死をめぐっての父親との確執そんなゴールデンタイムのドラマみたいな動機が元になっているプロジェクト。総予算一千五百億円、期間十年で月面に作るのが結婚式場である。そんな話を2巻の長編に膨らませるのであるから著者の実力や如何であります。 -
Posted by ブクログ
ーーー西暦2803年、メニー・メニー・シープから光は失われ、邪悪なる“咀嚼者”の侵入により平和は潰えた。絶望のうちに傷ついたカドムは、イサリ、ラゴスらとともに遙かな地へと旅立つ。いっぽう新民主政府大統領となったエランカは、メニー・メニー・シープ再興に向けた苛酷な道へと踏み出していく。ふたたび物語が動き始めるシリーズ第8巻後篇。
天冥の標、待望のシリーズ最新作。
1巻に似て、ハードSFでありながら群像劇の側面が強かったように思う。
それぞれの舞台で自分の役割に(役割を見つけることも含め)全力を尽くすのは読んでいて気持ちいい。
ここに来て更に役者が登場しつつも、クライマックスへ向かっている物語に心を奪われている。
ただ、自分がすべてに背を向けて明日の食い物だけを心配するような人間では、ありたくないからだ。 -
Posted by ブクログ
近未来を舞台にした作品5編収録のSF短編集。
近未来といっても10年、20年先というわけではなく、場合によっては数年先にはこうなっているのではないか、という作品ばかりです。
そのためか出てくる登場人物たちも身近に感じられるキャラが多いです。表題作の「煙突の上にハイヒール」は結婚詐欺師に騙されかけたOLさんが主人公。
「カムキャットアドベンチャー」では近所の猫に餌をやる男子大学生、「イブのオープンカフェ」では彼氏と別れたばかりの女性が主人公です。
SFのイメージで強いのは宇宙人、宇宙開発、アンドロイド、科学による人間の変容などなのですが、この短編集はそうした大げさなものでなく、
普通の人たちが、ほんの数年先の未来で実現されていそうな技術に触れることで、少しいい風に自分の世界を変えていくのです。
その短編集全体につらぬかれたテーマは、最終話「白鳥熱の朝に」でも変わりません。この短編の舞台はパンデミックによって多くの日本人が死んだあとの日本が舞台です。
そんな厳しい現実に登場人物たちは置かれながらも、それでも彼らは前を向いて歩き続けます。
小川さんはたとえどんな未来が訪れても、それでも人間は前を向き進み続けられる、というメッセージを作品に込めているのではないでしょうか。
だからこの短編集の中で少し異質の「白鳥熱の朝に」も含めたどの短編にも、ほんの少し先の未来への希望と、人間への温かな視点を感じながら読むことができました。