小川一水のレビュー一覧
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ダイオードとテラの二人。どうあっても二人はFBBで暮らすには不適合であることが判明してしまいました。似たような意識を持つ人もいるし、理解を示してくれそうな気風が生まれそうだという希望もある。ただ、その社会が醸成されるを待つには、二人の人生は短い。そして、待つぐらいだったら変えてやるではなく、ここではないどこかへ行ってしまえ!の二人なのです。悪いことにエダさんという協力者の存在もあって、臨界へ達してしまった二人を止められるものはない。
違ったとこでも達してしまった二人です。
屋根裏で何をしていたか見ていたのですか、ですって。残り香で何をしていたか、ですよ。テラさんってば癖が強い。
「ランナウ -
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24世紀。パナストロ共同体の小惑星パラスで農家を営むタックは、15歳になった娘ザリーカの反抗期に悩まされていた。それに加えて、地球から農業を学びにやってきた研究者のアニーが父娘と同居することになってしまう。そのはるか6000万年前、どこかの銀河のどこかの星で、サンゴのような生き物のなかで意識が芽生えた被展開体がいた。ノルルスカインと呼ばれるようになるその情報生命は、やがて太陽系の地球にまで影響を及ぼす巨大な"敵"との出会いを語り始める。〈天冥の標〉シリーズ第5作。
人間ドラマは箸休め的な回。Ⅲ巻の後日譚で、アダムスも名前だけでてくる。
派手な展開は後半までないけれど、タ -
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24世紀。記憶喪失状態で目覚めた少年キリアンは、同じ空間にいた見知らぬ少女アウローラにリードされ、何もわからないまま体を合わせた。そこへ天使を模した姿の「聖少女警察」を名乗る少女が現れ、キリアンは無理やり連れ去られる。アウローラは人間の性的欲求に応えるため生みだされた蛋白機械[プロト・ボット]だと知らされたキリアンは……。軌道娼界《ハニカム》で人を悦ばせるために生きている《恋人たち》と、救世群から逃げてきた少年が純粋な性的快感の境地《混爾》を目指す物語。〈天冥の標〉シリーズ第4作。
こんなにずっとヤッてる小説初めて読んだ……疲れた……(笑)。房中術SFというかカーマスートラSF? セクサロ -
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24世紀。海賊狩りで名を馳せる宇宙戦艦エスレルの艦長サー・アダムスは、小惑星エウレカにある救世群の居住地を襲った海賊の裏にエルゴゾーンと呼ばれる巨大犯罪組織の存在を感知し、調査を始める。エウレカから盗まれたのは、12年前行方知れずになったという木星の宇宙遺跡ドロテアに関する報告書。アダムスの母星ノイジーラント、海賊たちの長イシス、救世群、リエゾン・ドクターらの思惑が絡み合う、宝探しの宇宙冒険活劇。〈天冥の標〉シリーズ第3作。
破天荒な、だが自らの魅力を知り尽くし活用し尽くすことに躊躇がない少年艦長を乗せた装飾過多な宇宙戦艦で、掠奪者たちとバトルしながらその元締めと古代遺跡を探す、クラシカル -
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2010年代。感染症専門医の圭伍は、腐れ縁の同僚・華奈子と共に正体不明の疫病が発生したパラオのリゾート地へ向かう。二人が離島へ到着すると、滞在客は一部を除いて目の周りに大きな黒い斑が浮かび、既に死亡しているか瀕死の状態にあった。圭伍たちは顔に斑を持ちながら生きている少数民族の青年ジョプを発見、保護し、彼がウイルスのキャリアだということを突き止める。半年後、島で唯一の回復者となった日本人の少女・千茅は、ジョプと共に圭伍たちが管理する隔離施設にいた。顔の斑以外は完治していたが、体内のウイルスが他者に感染する可能性は残っているため、隔離され続けているのだった。その間にも疫病は広まり、「冥王斑」と名付
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ネタバレ初めは全く関係のない短編集かと思ったのだが、人間の狭いスケールと時間感覚で測れるものではないと分かった。それほど壮大な宇宙感覚でまとめられた1冊で、神話のような悠久の時が流れている。
人類にとって当たり前に暮らす日々の均衡が崩れたらどうなるか、身体の能力に限界のあることをもどかしく思った。けれど『ギャルナフカの迷宮』や『漂った男』での人間の生きる力の逞しさにも出会い、「それでも生きよう」と思えるような前向きさを貰った。
特に『漂った男』が良かった。
偵察機で他の星で「生命の匂い」のする風を受ける、そういう表現が新鮮に届いた。パラーザの海はまるで羊水のようだと思った。その海に包まれて生きる地獄を -
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ゆめを、みさせる、ちから。
ゆめを、とばす、ちから。
まったく主人公ってやつは大変である。
あなたはきっとツイスタだよ。
待望の続巻であり、上下巻の下巻のようでもあるけどそこは小川一水、全20巻の序章が終わったんだとしても驚きません。というかそれくらい続いてほしいなぁ。
1巻の勢いをそのままに、故郷に誘拐されたダイオードの奪還作戦が始まる。形式美みたいな展開だけれど80〜90年代ラノベ的な腰の座った書き口が安心してわくわくさせてくれる。SF考証やら設定展開やらと比べて、主人公たちの心理的なところは描写がさっぱりしてるのも好み。そういうのは近頃のラノベでやってく -
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「ハイウイング・ストロール」を思い出しました。バチゴンドウのところです。
あれも、ミッションをクリアしてゆくタイプの物語で、ゲームプレイしている感覚になりました。「ツインスター」も、そのためテンポがよくて読みやすい。
タイトルから、表紙の二人が行く先々で大立ち回りを演じて、旅を続けてゆくみたいな珍道中かな、と想像していました。
「ツインスター」はあっていたけど、「サイクロン」と「ランナウェイ」がちょっと違うか。続編があるなら「サイクロン」と「ランナウェイ」で3部作みたいな形になったりするのでしょうか。
終盤で明かされた世界の真実とダイオードの夢が、実現する時が「ランナウェイ」になるはず。
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壮大なタイムパラドックス、タイムリープSF小説。宇宙規模の戦いの歴史をコンパクトにまとめて居るけれど内容はかなり重め。でも文章は非常にこなれていて非常に読みやすいです。人類を救うために作られたクローン?人造人間?のメッセンジャーと言われる人々が、奮闘して人類を滅亡から救おうとするのですが、敵も味方も時代を超越して戦うので26世紀頃と卑弥呼の時代と紀元前10万年を入り乱れてで壮大極まりありません。
パラレルワールドの何処か一つでも人類が生き残る未来があれば、そこを死守するという人類の大義と、今この時に愛着を持ってしまったメッセンジャーオーヴィルの奮闘が次第に目的がずれて行く所がとても美しい。
結