小川一水のレビュー一覧

  • 天冥の標 V 羊と猿と百掬の銀河

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    ネタバレ

    あのノルルスカインの出自と、宇宙農家タック(タケカズ・バンダイ)の話が交互に出てくる作品。ノルルスカインの章は難しかった…。
    ミスチフとの出会いとかオムニフロラ(植物宇宙生命体?)との闘いとかかなり壮大な話。木星のドロテアはどこからきたのか?はここで明かされる。

    タックは、元海賊であのイシスのクローンであるザリーガを娘として引き取って育てつつ農家を営んでる。という話。

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    2020年09月21日
  • 不全世界の創造手

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    自己複製する機械による世界の改革。描かれているのはいかにもSF的な超技術ではなく、一見すると実現可能に見えます。それでもこういう自律的に動く機械っていうのは、これからどんどん出てくるんでしょうね。

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    2020年09月13日
  • 天冥の標 V 羊と猿と百掬の銀河

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    ネタバレ

    この壮大な物語は、ノルルスカインとミスチフの戦いだったのだろうか。何千万年もさかのぼる途方もない話で火の鳥のよう。そこで交互にある星の農家の話が描かれる。終盤にいくにつれ、予想しない展開に驚かされる。希望と不穏さと。アニーはノルルスカインだったのだろうか。壮大な物語を読むのは4部で失速したが、この5部で弾みがついた。

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    2020年08月27日
  • 天冥の標 IV 機械じかけの子息たち

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    ネタバレ

    アダムス達の話より3年後、2313年のラバーズ達の話。ラバーズの巣・ハニカムを作ったのはアダムス達の戦艦を作ってたウルヴァーノ。ラゴスはキリアン・ゲルトルッド・アウローラとフュージョンしていた。

    ラバーズがテーマのせいか、ほぼ性愛の追求的な話ではあるが、救世群のキリアンがどんどん成長して頼もしくなってく様などが楽しめる。

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    2020年08月11日
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ

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    夫婦が組んで宇宙で漁をする世界
    テラは両親から継いだ船で漁をするためにお見合い三昧だがその独創的な網捌きが理由で連戦連敗
    そんな中彼女組みたいと言う少女ダイオードが現れる

    今をときめく百合SF
    アステリズムに花束をに収録されていた短編は読んでいたのですがこちらの方が世界観の説明が緻密で面白かったです

    ダイオードが偉いおじさんに噛み付くシーンとかとっても好き

    続編出て欲しいなーと期待

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    2020年08月06日
  • 天冥の標 III アウレーリア一統

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    現代地球から300年先の小惑星帯に舞台は移り、宇宙軍、海賊、救世群三つ巴の戦いが軸。「酸素いらず」たちの由来は明かされるものの、大風呂敷は広がるばかりの第3巻。冒頭木星の世界&謎の遺跡の描写は圧巻で、いきなり引き込まれます。戦闘シーンも細かく、イメージを掻き立てるハードSF的世界。なのにブッ飛んだキャラ設定や、やけに軽い言動などもあって…独特なテンション・雰囲気で話が進む冒険譚、読み応えがありました。

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    2020年07月30日
  • 天冥の標 III アウレーリア一統

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    ネタバレ

    第1巻の先祖、第2巻の子孫たちの物語。アンチ・オックスの活躍をえがく。クアッド・ツーというシステムは、うまいが、地味とも感じた。艦隊戦のどんぱちはない。大航海時代のような船への乗り込んで制圧という戦いだ。第1、第2はページをめくる手が止まらなかったが、今回はしばしば止まった。断章でダダーとミスチフが語られるが、何なのか。被展開体というのが分からない。

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    2020年06月23日
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ

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    宇宙漁業百合ってなんなんだ!?と思って読んだら、本当に宇宙で百合が漁業していた。
    でもね、確かにそうなんだけど、それだけではなく。厨二美少女とおっとりお姉さん。2人とも尊い可愛い。
    いろんな難しさや偏見や面倒くささも丁寧に描かれていて、続編が本当に待ち遠しい。

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    2020年05月31日
  • 時砂の王

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    たった270ページに、紀元前10万年から西暦26世紀の時間と、2000億人の死を詰め込むなんて、小川一水以外にできるでしょうかあ!
    人類殲滅に襲いくる異星機械群と、究極知性…UIだな…を中心とした軍人ベースの知性体サブユニットたちが、時間を遡行して当時の人類の資源と科学を駆使しつつ闘い続ける。そのギリギリの砦、邪馬台国での舞台作りもお見事。ロマンスも詰め込んで…これ『天冥の標』くらい長くすることもできたろうなー。それを1冊に、しかも書き下ろすってすっごいなー。
    主人公オーヴィルは、ジャンプラでやってる『Heart Gear』のアンドロイド戦士と重ねて読みました

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    2020年05月25日
  • 天冥の標 I メニー・メニー・シープ (下)

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    ネタバレ

    何という終わり方なのか。
    上巻のはじめはラノベ的な雰囲気があってちょっと敬遠していたが、読み始めるとページターナーだった。
    物語がぐんぐん進んでいくけれど、どこかおかしいと不穏な雰囲気。
    結局何だったのか。それは2巻以降にあるのでしょうか。
    キャラが個性的。結局、あの2人組は?

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    2020年05月11日
  • 時砂の王

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    ネタバレ

    西暦248年、不気味な物の怪に襲われた邪馬台国の女王・卑弥呼(彌与)とその従者の幹であったが、突如現れた「使いの王」オーヴィルと人語を発する剣カッティに命を救われる。

    彼らは2600年後の未来から来た人工知性体で、太陽系奪回軍の参謀総長である知性体サンドロコットスのサブユニットとして創られた有体知性であるメッセンジャー・O(オリジナル、個体名はオーヴィルを選択)と、遡行軍統括の時間戦略知性体カッティ・サーク(女性の声で本体は別の場所にある)であり、彌与が襲われた物の怪は「ET」と呼ばれていた。

    オーヴィルは西暦2598年に、人類の第一拠点である太陽系中枢府で生まれた。彼は人類が知識化したほ

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    2020年05月10日
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ

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    小川一水のライトSF。ガス惑星を泳ぐ魚を捕る女漁師ペアのおはなし。
    ゆるゆりじゃないよ、ガチゆりだぁ!

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    2020年04月15日
  • コロロギ岳から木星トロヤへ

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    #日本SF読者クラブ 「コオロギ岳」ではない。「木星前方トロヤ群」がわかなくても大丈夫です。時間SFなんだけど、難しい理屈は無視して(?)スラスラと読むこと。新型コロナ疲れの頭には、一服の清涼剤となるでしょう。
    コミカルな「時砂の王」という例えもあったが、言いえて妙です。作者が「天冥の標」の執筆の合間に書いた作品である

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    2020年04月14日
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ

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    ネタバレ

     凄く面白く読んだが、結末はあまり好みではなかった。
     もう少し長くあって欲しかった、と思うのは、欲張りだろうか。きちんと許可を受けて、(たとえそれがストーリーを進行させる上で要請されるシーンでなくとも)漁をするシーンはもっと見たかったし、二人の結末が描き切られていたか、というとちょっと落ち着くには足りない感じがした。今後の展開は示してあるから想像はつくけど、一番盛り上がるところで終わってるような気がする。
     ダイオードが過去の記録を漁っていたのは、合法的に結婚するためではないかと思いながら読んでいたのだが、結局「想いが通じ合っていれば」とか「世界なんて関係ない」みたいな、百合だとありがちな結

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    2020年03月29日
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ

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    ネタバレ

     僕たちには
     物語、しか
     ない。



     ひとことで云えば、気持ちの良いSF。
     元々が百合アンソロジーの短編なので、それはもちろんそうで、
     長編とするにあたって、それがそうであるから出てくる問題、というか社会的な部分に、触れるか触れないか。
     それは見て見ぬふりをするかしないか、ということなのかも知れないけれど…
     むしろそれ自体を推進剤としているようにさえ感じて、素直にぐっときました。
     風穴を開けるドリルのコアチップというか。
     物語の要石というか。
     こういう書き方もある、なんて偉そうだけれど。
     開けっぴろげで、
     わざとらしくなくて。

     そう。
     ここには感じるべき物語しか

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    2020年03月24日
  • ツインスター・サイクロン・ランナウェイ

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    「アステリズムに花束を」にあったものの長編。とても良かった。 今から6000年後、宇宙で魚を捕獲する百合。操縦士のツイスタと、変形粘土を思考で操り魚を捕獲するデコンパ。ツイスタは男、デコンパは女が一般的。氏族とか、男だ女だと、未来でもこんななのかねぇ…と思ってしまうが、女コンビでとやかく言われつつもお互いに理解していく様子はとても良い。

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    2022年01月16日
  • 天冥の標 VII 新世界ハーブC

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    再読。絶望的な状況で子供たちがどう動いたか。つらい状況の中で、最後に次の世界に通じる風を感じられる。

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    2021年02月18日
  • コロロギ岳から木星トロヤへ

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    新年早々続けて小川一水。
    「風の邦、星の渚」はSF要素薄めだったけど、こちらはSF要素満載。
    なんと言ってもみんな大好き時間SF。
    ずっとわくわく、にこにこしながら読めてたし、オチもきれいに決まって文句なし。
    小川一水にハズレ無し!

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    2020年01月05日
  • アリスマ王の愛した魔物

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    読書会で勧めていただいた一冊。
    バイクとオペレータとのお話 ろーどそうるず
    西洋と東洋があべこべのやつ ゴールデンブレッド
    醜い数学が得意な王様のお話 アリスマ王の愛した魔物
    ちいさな宇宙の港町 星のみなとのオペレーター
    じいちゃんの形見の車と美人ロボット リグ・ライト

    全部よかった。評判とおりのろーどそうるずもよかったですが星のみなとのオペレーターが可愛くて。AIが好きになるお話たちでした。

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    2019年12月19日
  • アリスマ王の愛した魔物

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    意思、であるとか

    意志、であるとか。

    ひとが作り出したものに、それが宿るのかというのは、ひとつの大きなテーマだろう。

    そこには、宿って欲しいと、思う場合と、宿られてはたまらない、と思う場合があるような。


    宿って欲しい、と思うのはどこか、
    愛着、や信頼感みたいなものを、作られたもの、と共有したいと云うか、
    それぐらい出来てもいいんじゃない? と云うか、どうせやるならここまでやってやろう、みたいな思いがそうさせていて、


    宿られてはたまらない、というのは、
    そういう感情の機微、みたいなものを大事にしたいから、
    或いはそれすらひとの手で造られてしまったらと思うとゾッとするから、本能的に反

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    2019年11月08日