小川一水のレビュー一覧
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ネタバレどれも面白かった~。読みやすい。
『フリーランチの時代』
「私は人類をたいらげたい」と物騒なことを言ってるけど、食べたい、同一化したい、という意味なんだと掘り下げられて面白かった。コメディ。同一化することで、メリットはデメリットは?と素朴に進んでいくのが良い。問題を生じるだろうけど、それは置いといてな感じで進むのも面白かった。軽く読める。
『Live me Me.』
機械の自分ではなく肉体のほうに語りかける母親を見るのは辛いなと思った。機械化する段階での、コマ数でのやりとりなど面白かった。ゲームやパソコンの進化を見ているよう。
魂や思考を電気信号と突き詰めればそうなるが、機械に自我が宿るのも良かったな。記憶を蓄積し、思考の経験によって生まれたということかもしれない。
私の連続性。どこから、いつから、を考えると恐ろしいが、肉体は無いんだし、私は私であるという認識と承認を繰り返すしかない。
『Slowlife in Starship』
あらすじにニートってあるけど、ニートじゃないような。フリーターとも違うし、しいていうなら個人事業主が適当かと。めっちゃ働いてるじゃんとしか。外部の人間との折衝を断っているという意味で使いたかったのかな。
ミヨへの扱いが、本当に機械?感情ある?と疑いの余地を残しているのが面白い。そしてそれをちゃんと自分がそう受け取っているだけかもしれないと自覚するのも良かった。
組織のスピノールと個人の集合体のベルターという世界観が面白かったな。
ベルターが存続できる理由は技術の進歩による完全な自給自足生活なんだろうけど、やっぱりうっすら社会的つながりというか、セーフティが無いと個人の存続は難しいと思うんだよな。
最小単位のまま生きていける世界っていうのはそれはそれでユートピアだと思う。弱くても一人で生きていける世界になって欲しい。
はやぶさが出てきたのが良かったが、ちょっと出してみた感が否めない。意味を汲み取れなかった。現代と地続きであるというフックだったのかな。
『千歳の坂も』
最後まで読んでから、タイトルの意味って二年坂、三年坂から来てる?と思ってしまった。ただの思いつき。
不老不死にさせられる、という社会が面白い。自殺薬が魅力的に見えた。
人口増加で大変なことになるんじゃないかと思ったけど出生率はどん底っていうのが、自然の力なのかなんなのか。学校教育が衰退するな。
また、定命と非定命の戦いも面白かったし、なんだかんだ、安瀬と羽島が何度も顔を合わせて会話を繰り返すのが良かった。
ディストピア社会なのにどこかとぼけた面白さ。
『アルワラの潮の音』
冒頭の人間の正体を忘れていたので、ラヴカの憎しみが面白かった。ク・プッサ視点だと好きな女の子という描写ながら、あれ?飲まず食わずで踊らされるのひどいな?とか、母親に売られた?つらとか思える箇所もあり、しかし見過ごしていた。確かにつらいしひどい。憎むの超わかる。
人間を養分にしてETが繁殖するのがめちゃくちゃ気持ち悪くておぞましくて吐き気を覚えながらも興奮した。
科学を知らないながらも、よくわからないすごいものを魔法として捉えているからこそアレクサンドル達を受け入れられたんだろうな。適応が早い。
ファーストコンタクトモノのようで面白かった。
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ネタバレ卑弥呼は出てくるけど知ってる卑弥呼とその時代ではないのが面白かった。
歴史改変SF。小川さんの小説は読みやすい。長編SFは設定や世界観を頭に入れるのがだるくなってきてので短編ばかり読んでたけど、また長編読もうかなと思った。小川さんの作品をもっと読みたい。
卑弥呼とオーヴィルが恋仲になるのはなんかなって思った。命の恩人だけど。そこはオーヴィルにはサヤカ一筋でいて欲しいような、しかし10万年かけて守ってきたしなあとも思う。体感だと何年位なんだろう?何百年くらい?
カッティ・サークの元ネタはあるのか調べたけどわからなかった。船の名前が出てきた。あとウィスキー。でもほんとの元ネタは詩?の出来事?
なぜそれを人類を救うための知性体の名前にしたんだろうな……。魔女か~~。
最終的にカッティ・サーク自身が死ぬ時間枝の計算が出来ない=可能性が残されるというのに賭けて自爆するのが良かったな。
またオーヴィルが死ぬことで卑弥呼が奮い立ち、歴史が変わってOがやってきて、さらにOが沙夜と出会う。めちゃくちゃ好きな流れ。
バトルは予想より多かったし、人間同士の駆け引きや、カッティ・サークという人工知能との駆け引きも良かった。また、ドイツでハルトマンに乗せてもらうのも良かった。史実の人間がちょっと変わって出てくるのが良いな。
あと最初にオーヴィルと卑弥呼が出会う時に、Oを王と聞きとって使令の王として扱うのも良かった。これオーヴィルじゃなかったらややこしいけど。
敵のETの正体や仕掛けてくる理由も良かった。生存を賭けての戦いだから引けない。機械が襲ってくるのももとは細菌だからかな。肉体という概念が乏しいゆえスーツの延長で襲ってきてるのかなあと想像した。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ銀英伝公式同人誌な短編集6編。どの作家さんも普通に外伝を読んでいる気持ちになって懐かしく嬉しい。同盟派なのでヤンの士官学校時代の仲間とのやり取りには終始にやにやしてしまう。著作既読は小川さん石持さん太田さんの3人だったけど皆それぞれの持ち味も上手く混ざっていて流石だと感心した。特に石持さん「士官学校生の恋」におけるキャゼルヌ夫人の名探偵っぷりが正に石持さんでまたこんな過去があるから皆頭上がらないのねー、と本編に繋がりそうな違和感の無さが凄い。藤井さんの「晴れ上がる銀河」ゴールデンバウム王朝初期時代といった一見枠外に思わせて実は礎だったのがとても良かった。締めも効いてる。第二弾あるかな。
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面白かったです。未来の話、過去の話。
「千歳の坂も」がとても好きでした。いつのまにか不老不死を獲得した人類が辿る混乱と争い…老衰や病死が無くなるのと引き換えに、老いているから新しいものに目が向かなくなって産業も衰退するというのは現実感がありました。死なないから新しく命を生み出すのも一握りの人々で。
そんな世界で、不老不死になることを拒否した人物と、彼女を追い続ける役所の男の、何百年ものお話。
「お互いによくもまあここまで」となるラストが好きでした。羽島さんも安瀬さんのなぜ生きる、いつ死ぬ…が知りたくてずっと、それこそ姿が変わってまで、何十光年もかけてたどり着いたと思うと。途轍もない時間でした。
「Live me Me.」「アルワラの潮の音」も好き。「時砂の王」を読んだのは昔々だったけれど、こちらもハードな古代SFでした。 -
Posted by ブクログ
いわば二次創作なので読もうか迷っていたのですが、店頭で見かけちゃったのでつい買ってしまった…(笑)
正伝外伝の新しい供給がないので列伝に手を出してしまうのも致し方ない…が、やはり二次創作なのでイマイチイメージ違うなぁというのもあり、その辺の嫌いな方は読まない方がいいのかな。
執筆されてる作家さん全員を知ってるわけではありませんが著作を読んだことのある方もいて、それぞれの個性が出るものだなぁと。
石持浅海さんの描くオルタンス嬢がすごくすごく碓氷優佳さん(石持氏の作品のヒロイン)っぽかったです(笑)。オルタンス嬢を探偵役に持ってくるところが上手いなぁと。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ銀河の歴史がまた一ページ。
公式アンソロジーというものが好きなので、有無を言わずに入手。オーベルシュタインの安楽椅子探偵などと聞いたら読むしかなかった。しかしそれ以上に女装して演劇するヤンにびっくり。しかもミス・マープルもびっくりな安楽椅子探偵がもう一人いらしたという。1となっていますが、ぜひ続けてほしい企画。
「竜神滝の皇帝陛下」ギャグですか。ヒルダとエミールに対して一生懸命になったとき、途端に面白い超天然陛下になるラインハルト様の魅力がたっぷり。思わず吹き出してしまうくらい。
「士官学校生の恋」名探偵オルタンス・ミルベール。未来のキャゼルヌ夫人が華麗に推理を披露する物語。相変わらずヤンに"利用されてる"キャゼルヌ先輩が拝めます。キャゼルヌ先輩推しの方にとてもオススメ。
「ティエリー・ボナール最後の戦い」この人もなんだか伊達と酔狂で生きているような。こういう二次創作アンソロジーには珍しい感じの艦隊戦。
「レナーテは語る」名探偵オーベルシュタイン。ハードボイルドです。多分。レナーテさんがこういうタイプの探偵に組み合わせられるワトソン役として定番のキャラクター。揺らがないオーベルシュタインのキャラクターには安心感があります。みんな大好きオーベルシュタインの犬も登場。
「星たちの舞台」ヤン・ウェンリー、士官学校生時代の人助け。アッテンボローやキャゼルヌ先輩も活躍。ラップとジェシカももちろん登場。しかしこの話はヒュパティアを好きになれるかどうかが肝。フレデリカに思い入れがあるとちょっとショックかも。
「晴れあがる銀河」ラストであっ!となる銀河帝国過去の話。ルドルフ大帝に対するスタンスと、相手を認める大切さ。 -
購入済み
あくまで原作に忠実な作品集
ミステリーものが主体で、一個だけ艦隊戦ものがあります。中には少しひねりすぎた感じのもあるけどおおむね原作の世界を再度楽しめる良作だと思います。