小川一水のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
突然の事故により漂流してしまった宇宙船を舞台に描かれるSFサバイバル小説。
SF小説は理論が難しかったり、その世界独特のギミックが想像しにくかったりするのですが、この小説の場合はそんなこともなく細かい設定にもリアリティが感じられ世界観をしっかりと楽しむことができました。
もちろん宇宙船を舞台にしたということもあり空気や圧力の問題やAIなど他のサバイバルジャンルでは決して問題になることのないことが次々と持ち上がってくるのも新鮮。そういう点を主人公たちがどう乗り越えていくのかも楽しんで読めました。
登場人物たちのそれぞれの個性や思惑も光っています。
最近無人島でのサバイバルの小説を読んだこ -
Posted by ブクログ
近未来を舞台にした短編集。
現在では適わない科学技術や設定が軸となっているものの、登場人物や物語は普遍的なので違和感なく読めた。
奇数話は結構よかった。
『煙突の上にハイヒール』
結婚詐欺に引っかかりそうになった主人公が一人乗りヘリコプターを衝動買いする話。
OLの悲哀が根底に流れている。
『カムキャット・アドベンチャー』
誰かが勝手にえさを与えているせいで太ってしまった飼い猫。
犯人を突き止めるために猫の首輪にカメラを取り付けたら、相手は近くのコンビニで働く店員だった。
ちょっと青臭い感じの恋愛交じり。
『イブのオープンカフェ』
恋人に捨てられた主人公が雪の降るクリスマスイブに、オープ -
Posted by ブクログ
国家再生SF第2巻。
相変わらずテンポよくするする読める。
2巻は災害後の復興メイン。
政治的な駆け引きや主人公の成長など含め飽きさせない。
各々の思惑をはらんだ動きと予想される次なる災害にどう決着つけてくれるのか。
3巻も楽しみだ!
ただ、主人公の無私、無欲っぷり、権威に媚びず、傲岸不遜に正論を吐き続ける姿に若干厨二病くささも感じられる。
「そんなものであなたは納得しないだろう。だからこう言う。民衆のため、だ」
かっこよすぎじゃないですか?
まぁひねくれた見方で、無双っぷりを楽しめばいいんだろうけど。
地震の原因も最後に明かされるけど、あれでそんなピンポイントに発生するのかなぁ?
それに -
Posted by ブクログ
久々に日本作家のSF(と言っていいのか?まぁSFだけど)!
惑星レンカの首都トレンカを未曾有の大地震が襲った!
政府も、行政組織も壊滅した混乱の中、若き官僚セイオが帝国再興に向け奮闘する!
1巻は大地震とその後の混乱、救援、登場人物たちの配置がメイン。
これからそれぞれの思惑で対立、共闘していくんでしょう。
小川一水は初めて読んだけど、もともとライトノベル系の作者さんだったようで大変読みやすく、するするいける。
ドロドロした情念とかはないけど、そういうのを求めなければおすすめ!
あ、SF部分もこの舞台設定のためって気がするので、ハードSFとか求めるのも×。
(地震もただの地震じゃなさそう -
Posted by ブクログ
今年はまっている作家。小川一水。SFの人だ。
SFってふと読みたくなることがある。
理科がどうしようもなく苦手だと気付いたのは最近なんだけど、そのお陰でSFもするする読めるのかもしれない。という気がする。
短篇集の本作には「SF?」というものも結構含まれている。
解説によれば、「未知との遭遇への憧れと探究」が全体のテーマだということなんだけど。
それというのは「恋愛」というのも含まれる概念だということで、なんだかしっくりくるような、発見があるような、感じ。
中でも「占職術師の希望」が良かったな。
サスペンスも書けるんだ!と思って。
知らなかった作家に出会って、既刊をひたすら読んでいく間