小川一水のレビュー一覧
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A.C.クラークの「渇きの海」を読んだのは中学生の頃だった。本作は同じSF設定のディザスターものだが、最新の科学知識が反映されている分、現実的リアリティの面で一歩リードしているのは当然だろう。だが、センス・オブ・ワンダーという面ではどうだろう。SFにしか出来ない自由なイマジネーションがどれだけ発揮されているだろうか。「渇きの海」での、月にある“流れる砂の海”という設定。そこに沈んだ遊覧船のレスキューという物語は僕の想像力を強烈に刺激した。
断っておくが、僕は本作を評価しない訳じゃない、それどころか凄く楽しんだ。様々なガジェットを駆使して宇宙ステーションを実感させてくれるし、そこで展開する物語は -
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―――軌道ステーション“望天”で起こった破滅的な大事故。
その残骸と月往還船からなる構造体は、無数の死体とともに漂流を始める。だが、隔離された気密区画には数名の生存者がいた。
空気ダクトによる声だけの接触を通じて生存への道を探る彼らであったが、やがて構造体は大気圏内への突入軌道にあることが判明する…。
真空との絶望的な闘いの果てに待ち受けているものとは?小川一水作品史上、最も苛酷なサバイバル。
小川一水ブームはこれで一旦落ち着けよう
宇宙を相手どった長編サバイバル
著者があとがきでリアリティを極めることに挑戦したと書いているように
素人目にも「起こりそうな」話になっている。主人公たちに、 -
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徐々に各勢力の背景が語られて話が進んでいくが、本作では一番、人間とは異なる石工(メイスン)の正体が本作で明かされるが、第1作でダダーたるノルルスカンに従う意味合いが読み取れるものの、まだまだ全ては明かされていない。ロイズがミスチフ陣営であることが明かされ、ノルルスカンが未だ羊の言葉として警告を発するだけで、代理戦争的な様相を示しつつ、未だ話は終着点が見えないまま、突っ走る。特に後段の宣戦布告から不幸な連鎖により、更に不幸な結末が見えるだけに先が気になるが、パート2がパート3で終わることを期待しながら、次作を待ちたい。それにしても圧倒的な繁殖力で全てを一色に染め上げるミスチフが何故に太陽系では、
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人間とは、という線引きのお話なのだろうか?
肉体改造をして宇宙に適合した《酸素いらず》と、力を求めてカルミアンに縋った《救世群》。この戦争に勝ち残ったものが「人間」なのだ・・というのなら。それを考えるとなかなか興味深い物語である。
一体誰の意思でこの物語は動いているのか?
飛び立った恒星宇宙船とドロテア、戦いの終局が気になります・・・
ところで、羊飼いたちのつかう訛りのひどい言葉が可愛らしい。文章を方言で書き綴るということはとても面白いと感じさせてくれる、その言葉遣いがまた絶妙な小川節とでも言うのか。
小川先生の言葉の魔力にやられます!
あぁあとやっぱり酸素いらずの生き方は奔放でとても格好 -
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シリーズ第三作目。全10巻の予定ということで刊行され続けている大作。
完結すれば日本SF史に残る作品になるだろう、と言われていますが、それは間違いないことを確信しています。最近では6巻目が刊行されたとか。この歴史的な瞬間に追いついておきたいため、また追いかけ始めました。
シリーズの内容は、色々なところで紹介されていますから、ここで繰り返すことはしませんが、一作目が異世界未来SF、二作目がいきなり現代のパニック作品、本作がスペースオペラ風と、時代と世界を飛び回りながら、一本スジの通った世界構成、謎がチラチラと現れているところに、SFファンは魅かれてしまう。
これから世界が広がりながらも、色々な謎