小川一水のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ2014/07/19 第45回星雲賞、日本長編部門受賞作。ということで早速。
書店でこの作者の本はよく見かけ、装丁からハードSFを想像していた。ところが、この作品は、ライトな感じの、ちょいと前に読んだ野尻抱介とも似た、ユーモアあふれる読みやすい作風。しかも最近マイブームの時間ものと来れば、読まないわけにはいかん。短めのボリュームも手伝って、通勤2日で読破してしまった。
物語は、4次元の世界に生きる謎の生物?カイアクが、「泉」の中で「楔」に引っかかってスタック。200年の時と木星近く小惑星と北アルプスとにまたがって動けなくなってしまい、動けなくなった「尾」の解放のため主人公たちに協力を求める。
トンデモない設定の異種文明(文明、ですらないけど)、地球の危機にもかかわらず、そんなこと知ったことかとばかりに登場人物たちは、未来の少年2人組に妄想を働かせてるし、未来へのメッセージはモナリザの裏への落書き。どう考えても深刻な話のはずなのに、最後まで楽しく読まされる。
その一方、時間パラドックスを避けるための「手続き」の必要性、可能性の収束による世界の(主観的な)変動など、読み応えのあるSFでもあり、読み応えもある。星雲賞受賞も納得。
もう少し、この人の作品を読んでみようかな。実は35回、37回の星雲賞も受賞している、思いっきり実力者であるみたいだし。