小川一水のレビュー一覧
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ネタバレ恒星間航行を実現した地球から、遅れた外惑星オセアノの文明を正しく導くべく派遣された「外文明観察官」の働きを描いた開発援助(?)ストーリー。……っていうと辣腕の観察官が活躍する話のようですが、この物語では狩猟採集段階の文明のただ中にシャトルを墜落させ、観察対象であるスワリスと期せずして接触してしまいます。
こういう「遅れた文明への介入」では小さな差違が後々の歴史に大きな影響を及ぼすことが(物語の設定上)よくある話で、今回の主人公もご多分に漏れず、良かれと思った介入がだいたい裏目に出てしまいます。果たしてこの惑星(オセアノ)の文明はどのような道程を辿るのか、第2巻以降に期待したいところです。
そして、小川一水作品全般に言えることですが、この作品においても「リス様の生物(スワリスなど)が築いた文明」がどのような形をとるか、その世界で生物がどのような住居に住み、何をめぐって争うかが細かく描かれています。そういうディテールが物語を下支えして、読み応えのあるものに仕上がっている、そんな印象も受けます。 -
Posted by ブクログ
単行本として販売された際、すごく読みたいと思いながら、文庫になるのを待っててを出さなかった。ようやく文庫化されたので、楽しみにすこしずつ読もうと思って、結局ググっと読んでしまった。
赤道下にリンガ島という舞台を設け、軌道エレベータを設置する。島は宇宙開発に関係する多国籍企業で埋め尽くされ、活況を見せる。その島で様々な仕事についた女性たちの、気持の良い生きっぷりをいかにも小川一水という一途さで書いた快作。
SFというジャンルにふってみたが、SF的なのは軌道エレベータがある、というくらいなもので、実際は普通の小説に近い…様な気もするが、シチュエーションもそうか、SFでしか描き得ない様なものかもしれないなぁ。
船乗りの話、保育士の話、不動産屋の話、が好きなのだが、いま本は娘が読んでいて詳細なタイトルが分からないw
経済成長期の日本のような活気と、南国ならではの(そして小川一水ならではの)緩さが同居するこの島を舞台にすれば、いくらでも短編が生まれそうで、そしておそらく、それは皆気持ちのよい話なのだと確信できる。いつか、うっかり続編が書かれることを期待する。 -
Posted by ブクログ
宇宙ステーションを見て「でっかい隕石がぶつかったらどうなるんだろう?助かるのか?怖いなぁ」と思ったことがある人。いるでしょう?
このSFはまさにそんな状況に陥った究極のサバイバル小説であります。
宇宙は自然ではあるけれども、地球にあるような人や生物を包み込む暖かいものではありません。
そこに存在できるのは生命ではない人工物やそれを身に着けた生物のみであり、何も身に着けないものは宇宙に出た瞬間、圧倒的な暴力にただ蹂躙され消え去るのみ。
その暴力と壁一枚隔てて行われるサバイバルは、まさに宇宙系SFの醍醐味と言えるでしょう。
終盤の終盤まで望みがない状況が続きますが、それをどのようにして乗り越えるのか、途中で止めることができずに一気に読み終えました。
小川一水、おそろしや。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ脇道に逸れることができない鉄道網で繋がれた都市国家が立ち並ぶ大陸。やや語弊はあるかもしれませんがコレってかなりRPG的な世界。そんな世界で、とある事情より旅に出なければいけなくなった豪華列車、プラス装甲列車のお話。
装甲列車ってあまり物語の中で描写されたものを見たことがないのですが、互いに一直線に突っ込んで行かざるをえない装甲列車同士の戦闘シーンはなかなか興味深いもの。それに(著者もあとがきで述べていますが)長距離列車が持つハレの側面もうまく描かれているように思えます。
全体的な話の流れとして、「衰亡した強者」みたいなものがあって、でも最後にはそれを乗り越えて大団円(とまではいかないにしても)、というのも(毎度のことですが)爽やかな終わり方でいいですよね。
とりあえずはこんなところか。 -
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ネタバレ脇道に逸れることができない鉄道網で繋がれた都市国家が立ち並ぶ大陸。やや語弊はあるかもしれませんがコレってかなりRPG的な世界。そんな世界で、とある事情より旅に出なければいけなくなった豪華列車、プラス装甲列車のお話。
装甲列車ってあまり物語の中で描写されたものを見たことがないのですが、互いに一直線に突っ込んで行かざるをえない装甲列車同士の戦闘シーンはなかなか興味深いもの。それに(著者もあとがきで述べていますが)長距離列車が持つハレの側面もうまく描かれているように思えます。
全体的な話の流れとして、「衰亡した強者」みたいなものがあって、でも最後にはそれを乗り越えて大団円(とまではいかないにしても)、というのも(毎度のことですが)爽やかな終わり方でいいですよね。
とりあえずはこんなところか。 -
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ネタバレ赤道直下に建設された軌道エレベーターの島、リンガ島で働く(主に日本人の)女の子のお話。と書くと普通のワーキングウーマンみたいな感じですけど、軌道エレベーターが実用化されていて、世界中からいろんな人が集って半ば企業城下町化した島、なんて設定はまんまSFな訳です。その辺の混ざり具合が何とも絶妙。
あと、肝心の軌道エレベーターとか、それに乗って宇宙でバリバリ働く女性みたいなのは出てこないのですが、そこをあえて出さないのも何というか、「生活臭」みたいなのがあって好きですw
余談ですけど、こういう自分のやりたいこと、やるべきことに一途に立ち向かっていく女の子ってなんかステキですよね。とはいえ、(遭ったこと無いから分からないけど)そういう女性に想いを寄せても結局は報われないんでしょうけど。
だがそれがいい、のかも。 -
Posted by ブクログ
この作者の作品を読むのはこの作品で2作目です。
月に人類が足を踏み入れたのは確かに自分が生まれる以前のことになります。
が21世紀はどんな未来?と言うフレーズで必ず描かれていた宇宙空間における人間の生活はまだ達成されてないですね。そう言われてみれば。
星新一さんのショートショートに自分の好きな短編があるのですがそれを思い出しました。
その短編は宇宙に出かけていった地球人が地球と同じような知的生命体を持つ惑星に到着し、その高度な文明に驚くと共になぜこれほどの文明を持ちながら宇宙へと進出しなかったのですか?と問うのです。するとその星の人は自分たちは自分たちの住む星の環境を整備することに忙しくて(砂漠化をなくしたり、飢餓を救ったり)宇宙に出る余裕が無かった。あなたたち(地球人)はそれだけの余裕のある星なのですね、と答えるというお話。
個人的には宇宙科学物、大好きです!死ぬまでに一度位大気圏を突破してみたいかな~とかも思いますが別に地上にへばりついたままでもまぁいいかなとも思ってます。(どっちやねん)
作品自体はとても面白かった。確かに人類の科学技術を持ってすれば後一歩のところに来ているのかも知れない。その前に地球環境のインフラを整えなくてはね~。作中少し触れられていた選挙区の廃止と地域の癒着廃止、あと土木工事の根本からの改革は大賛成です。早く実現すればいいのに。(笑)