小川一水のレビュー一覧
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近未来を舞台にした短編集。
現在では適わない科学技術や設定が軸となっているものの、登場人物や物語は普遍的なので違和感なく読めた。
奇数話は結構よかった。
『煙突の上にハイヒール』
結婚詐欺に引っかかりそうになった主人公が一人乗りヘリコプターを衝動買いする話。
OLの悲哀が根底に流れている。
『カムキャット・アドベンチャー』
誰かが勝手にえさを与えているせいで太ってしまった飼い猫。
犯人を突き止めるために猫の首輪にカメラを取り付けたら、相手は近くのコンビニで働く店員だった。
ちょっと青臭い感じの恋愛交じり。
『イブのオープンカフェ』
恋人に捨てられた主人公が雪の降るクリスマスイブに、オープンカフェでロボットと出会う。
展開としても凝っていて、主人公とロボットの悲しみや後悔も上手に絡まっており、一番面白い話だった。
『おれたちのピュグマリオン』
家事用アンドロイドを作る技術者の物語。
オチがどストレートで陳腐。。
もう一段ひねりがないのかなと肩透かし。
『白鳥熱の朝に』
パンデミック後の日本を舞台に、家族を亡くした男と少女の再生の物語。
一番ドラマチックな展開。
少し安っぽい感じはしたものの、最後にもってくるのにはぴったりな話だったかなと感じた。 -
Posted by ブクログ
国家再生SF第2巻。
相変わらずテンポよくするする読める。
2巻は災害後の復興メイン。
政治的な駆け引きや主人公の成長など含め飽きさせない。
各々の思惑をはらんだ動きと予想される次なる災害にどう決着つけてくれるのか。
3巻も楽しみだ!
ただ、主人公の無私、無欲っぷり、権威に媚びず、傲岸不遜に正論を吐き続ける姿に若干厨二病くささも感じられる。
「そんなものであなたは納得しないだろう。だからこう言う。民衆のため、だ」
かっこよすぎじゃないですか?
まぁひねくれた見方で、無双っぷりを楽しめばいいんだろうけど。
地震の原因も最後に明かされるけど、あれでそんなピンポイントに発生するのかなぁ?
それに誰も気づかなかったってのはどうなんだろ?
3巻で補足されるのかな? -
Posted by ブクログ
久々に日本作家のSF(と言っていいのか?まぁSFだけど)!
惑星レンカの首都トレンカを未曾有の大地震が襲った!
政府も、行政組織も壊滅した混乱の中、若き官僚セイオが帝国再興に向け奮闘する!
1巻は大地震とその後の混乱、救援、登場人物たちの配置がメイン。
これからそれぞれの思惑で対立、共闘していくんでしょう。
小川一水は初めて読んだけど、もともとライトノベル系の作者さんだったようで大変読みやすく、するするいける。
ドロドロした情念とかはないけど、そういうのを求めなければおすすめ!
あ、SF部分もこの舞台設定のためって気がするので、ハードSFとか求めるのも×。
(地震もただの地震じゃなさそう・・・って前フリはあるけれど)
さぁ2巻買ってこよう!! -
Posted by ブクログ
今年はまっている作家。小川一水。SFの人だ。
SFってふと読みたくなることがある。
理科がどうしようもなく苦手だと気付いたのは最近なんだけど、そのお陰でSFもするする読めるのかもしれない。という気がする。
短篇集の本作には「SF?」というものも結構含まれている。
解説によれば、「未知との遭遇への憧れと探究」が全体のテーマだということなんだけど。
それというのは「恋愛」というのも含まれる概念だということで、なんだかしっくりくるような、発見があるような、感じ。
中でも「占職術師の希望」が良かったな。
サスペンスも書けるんだ!と思って。
知らなかった作家に出会って、既刊をひたすら読んでいく間はほんと幸福。ずっと繰り返していたい行為。 -
Posted by ブクログ
ネタバレSFというカテゴリーの中ではまぁ、ファーストコンタクトものなのですが、話の主軸は14世紀ドイツにおける「まちづくり」を巡るファンタジー。
まぁ、いうほど歴史は知らないんであまり名状できたものではありませんが、当時の「都市」はその他の村落(荘園)なんかとは支配体系とか制度とか、いわば世界が違う極めて特殊な空間であったはずで、そういう意味をおそらく含んだ「まちづくり」なるものを描いたこの作品は現代の、特にその境界さえ不明確でなんだかイマイチ特性も無い「都市もどき」みたいなのが延々と続く関東平野に住む人間には非常に刺激的に映るわけです。
あとは、要所要所で現れて(当時でいう)「奇蹟」を引き起す「泉の精霊」も居ますが、その正体が宇宙生命体だった、という話も後半で出てきますが、その辺の詳細は下巻でより明らかになっていきます。 -
Posted by ブクログ
2巻とは違う意味で衝撃的。ほんとうに真面目に性と生を語るSF作品。性っていうか交わ…。
3巻の少し後の時代設定で、一巻でも登場した生体アンドロイド《恋人たち》の生まれた背景やその存在意義について描かれます。冥王斑患者の少年と《恋人たち》の交流や、《恋人たち》を排斥しようとする組織の暗躍。ストーリーは面白かったんですが、《恋人たち》が主役なので、とにかくそういう描写が多くて人には勧めづらい…。
とりあえずこの巻の存在によってシリーズの映像化は遠のきましたね。
救世群や恋人たち、ダダーのメニーメニーシープへと至るつながりが、少しだけ形を持ってきたような気がする。一巻を読み返さねば。 -
Posted by ブクログ
ネタバレここにきて地球人の外文明観察官は、宗教の勃興と共にとうとう神に祭りあげられてしまいますw ……まぁ、歴史上のターニングポイントに現れて、彼らから見れば「奇跡」のようなことをやってしまえばそれは当然「神」となるわけですが、この巻の終盤で近代科学が発達し、宗教の絶対性が打ち砕かれた後にどのように「神」の扱われ方が変化していくのかはなかなか見物です。
それに、黒皮族の住む北限列島のうち、唯一白猛族が手中に収めた島であるウハリルがまた政治地理学的に面白そうなところで是非行ってみたい!w 冷戦下の香港みたいな感じでしょうかね。
あと、外文明支援省の裏で動く様々な集団の様子もこの巻では垣間見え、いよいよ物語の大枠が浮かび上がってくる、そんな感じです。