小川一水のレビュー一覧
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ストーリーがとんとん拍子で進み、主人公の人たらし的なキャラ一本で地球人のみならず、異星人をも魅了し、全ての危地を乗り切るという話であるため、軽い印象があり、ひたすら重い大作の天冥の標と比較すると、そのライト感が際立つ。ただし、実際は結構、重い話であり、その結末はまさしくタイトル通りである。人類が知りたいという単純な欲求のみで、いかなる事態においても武よりも知を力とする理性的な対応を行うことができる程、成熟する未来があるとは思えないし、人類側が優位に立つファーストコンタクトというものもないだろうと思うが、本作の設定は新鮮であり、別の星での次回作があっても良いので期待したい。ただし、そうそういつも、人たらし一辺倒で話が進むというのはないだろう。
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ネタバレスペース・ファンタジー。1巻でもでてきた”酸素いらず”の人々や救世群を中心に2巻の後の世界、1巻の前の世界。救世群やセアキ、フェオドール、ダダー、羊、ミスチフ、ドロテア、電気、船、海賊、開拓者、情報生命体。
人々の意志は時代をまたぎ受け継がれ断絶し、繋がれる。
環境と技術は人の一族の生き方さえも変えてしかし変わらないところも残しつつ一族という枠、居住地という線引をもって思想で団結し反発し、利益を奪い合ったり自身の誇りを取り戻そうとする。
しかし、物語は場所を変え時を変え紡がれて大きな情報生命体の物語を描く。かれは偏在し、多くの目を持ち、ある時は人と接触し、生き抜いていく。ただ彼の思想は思ったよりも人間に影響されているようである。はじめは擬態であったであろうそれが気づけば自身に内面化されていて面白い。1巻時にああなっているのもどういうことなのか、ながいきってそういうものなのかなー。1巻におけるミスチフはあれでいいのかな。もう一回読み直さないとな。
2巻よりも好きでした。性に合ってるだけだと思うけど。
ただ、救世群は結局救われていないし、自分たちを他人のラベリングのままにしか生きれていなくて可愛そうだった。被差別者はいつでもそうなってしまうのか。ただ私にはアダムスとなじようにその痛みを分からないしわかったふりはけしていしてはいけない。
ただ酸素いらず(アウレーリア一族)と救世群はとてもちかい。誇りをどこにもつかと自分たちの拠り所の有無だと思う。
物語は少しづつしか動かない。時が解決すると言っても人間の生の短さを分かってはくれない。一人一人にとっての自分の物語が束になってやっとひとつひとつ巨大な歴史の物語を動かしていくのだと思った。
それが言いたいことではないのだろうが。 -
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ネタバレ現代(西暦2014年)北アルプスコロロギ岳山頂観測所に頭を、
西暦2231年、木星前方トロヤ群で尻尾をはさまれ、動けなくなった巨大時間蛇・カイアク。
このあたりの時間に横たわって 動けないカイアクは、観測所で太陽観測をする天文学者・岳樺百葉(だけかんばらももは)らの協力を得て、未来にある尻尾の挟まりをなんとかして欲しいと言う。尻尾のあたりには二人の人間がいる。カイアクを通して調べると、それは二人の少年で、どうやら宇宙船に閉じ込められて困っているらしい。
カイアクの尻尾をなんとかし(でないと、地球がえらいことになる)未来の二人も助けたい。
そして壮大なスケールの文通がはじまる。
普段、SFを読むことがあまりないので、小川一水さんの本も初めて読みます。
読みやすいし(がっつりSFだと身構えるけど)婦女子ノリもそんなにきつくもないし、楽しめた1冊。ハッピーエンドでよかった。 -
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ーーー西暦2231年、木星前方トロヤ群の小惑星アキレス。
戦争に敗れたトロヤ人たちは、ヴェスタ人の支配下で屈辱的な生活を送っていた。
いっぽう2014年、北アルプス・コロロギ岳の山頂観測所。
太陽観測に従事する天文学者、岳樺百葉(だけかんばももは)のもとを訪れたのは……。
21世紀と23世紀を“つないで"描く異色の時間SF長編。
いまハマっているSF作家、小川一水の長編
いわゆる"タイムスリップもの"の時間SFではなく
人類が把握している枠組を超えた存在で、今と未来と過去をつなぐ。
なんといってもこの超越者にワクワクさせられる。
全くの未知の概念に対して、主人公と一緒に「ああでもないこうでもない。そうするとこうなるんじゃないか?」といった感じで、想像力の腕をめいっぱい伸ばして楽しめる作品
「お断りします、サー。」 -
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初小川一水。大分類で言うと「時を超えた文通」もの。小分類で言うと「時間改変」、「宇宙SF」、「ファーストコンタクト」、なんでしょうか。
一見壮大なハードSFなんですが、舞台は概ね現代のコロロギ岳の天体観測所と西暦2231年の木星トロヤ群小惑星に係留されている宇宙戦艦アキレスの艦内だけ。
頭部が2014年のコロロギ岳に、尻尾が2231年の宇宙戦艦アキレスに引っかかった時空を漂う宇宙生物を救う為、人類の存亡をかけて200年の時を超えた文通大作戦が始まる!
この文通の手段が凄い、モナリザの裏に落書きしてメッセージを残すと言う荒業。
壮大な設定なんだが地道な文通作戦が効果をあげて無事に宇宙生物は解放される。
壮大なんだか地味なんだか良く判らない異次元の面白さでした。
ラノベに分類されるんでしょうけど、題材は面白い。もっとディテールに拘って、正統派SFの味付けをしたら、硬質なハードSFになったと思うが。著者はそんなもん目指してないんだろうけど。