小川一水のレビュー一覧

  • コロロギ岳から木星トロヤへ

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    初小川一水。大分類で言うと「時を超えた文通」もの。小分類で言うと「時間改変」、「宇宙SF」、「ファーストコンタクト」、なんでしょうか。
    一見壮大なハードSFなんですが、舞台は概ね現代のコロロギ岳の天体観測所と西暦2231年の木星トロヤ群小惑星に係留されている宇宙戦艦アキレスの艦内だけ。
    頭部が2014年のコロロギ岳に、尻尾が2231年の宇宙戦艦アキレスに引っかかった時空を漂う宇宙生物を救う為、人類の存亡をかけて200年の時を超えた文通大作戦が始まる!
    この文通の手段が凄い、モナリザの裏に落書きしてメッセージを残すと言う荒業。
    壮大な設定なんだが地道な文通作戦が効果をあげて無事に宇宙生物は解放さ

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    2013年07月12日
  • コロロギ岳から木星トロヤへ

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    装画とタイトルに惹かれて。

    現在、地球、北アルプスの山頂観測所
    未来、木星前方トロヤ群小惑星アキレス、閉め切られた観覧用の宇宙戦艦
    この二箇所が時間の生き物で繋がる。

    時間もの。でも地道。
    こぢんまりとしているのがいい。

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    2013年06月25日
  • コロロギ岳から木星トロヤへ

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    2013/6月
    SFと言いつつも現代物理学の方向性から大それた話でもなかったと思う。
    自分として気になったのは、人間がこのまま進化して、宇宙に行けたとして、それでも戦争と権力闘争を続けているのか。。という所はないかなと思った。
    コロロギ岳を想定しているだろう土地も興味深い。

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    2013年06月17日
  • コロロギ岳から木星トロヤへ

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    見かけはライトノベルの様な軽さを醸し出しながらも、その実、久しぶりに新鮮なセンスオブワンダーであり、なかなかおもしろかった。未来が分かるが故に時間を改変しようとする話は良くあるパターンではあるが、新鮮なのは時間旅行ではなく、時間を超越した別の生き物たる蛇(生き物と呼んでよいか?)が二つの時間を結びつつ、なおかつ、過去と未来の意思疎通ができるものの、あくまでも時間の隔たりは厳然たるものとして存し、単純には時間改変ができないという不自由さに物語の面白さの肝があるという着想が良い。基本、時間改変ものはパラレルワールドものになり、改変された人間は、過去の自分と同じ自分でありながらも、違う時間軸に存する

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    2013年06月16日
  • ハイウイング・ストロール

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    ネタバレ

    ―――陸も海も重素雲で覆われてしまった地球。
    人々は、かつて高地だった「島」に住み、空中を漂う「浮獣」を狩り、その製品に頼って暮らしている。15になる不良少年リオは、無理やりその「浮獣ハンター」にスカウトされた。
    年上の女性ハンター、ジェンカに鍛えられ、やがて訪れた充実の日々。最強の獲物を狙うという二人の夢も膨らむ。だが、この世界が重い秘密の上に成り立っていることはまだ知らない。


    小川一水のフライトSF
    ターゲット的には高校生ぐらいなんかな

    王道という言葉が似合う、少年の成長ストーリーと
    それを彩る設定,サブキャラ
    小川一水作品には、読後感がさわやかなものが多いが、これは中でも群を抜いて

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    2013年06月10日
  • 青い星まで飛んでいけ

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    とてもとっつきやすいSF短編集。「守るべき肌」のラストが個人的にあんまり好みじゃなくてもやもやしたのだけれど、その後の表題作に登場するエクスたんと彼(?)の下位機器たちがかわいくてかわいくて全部そこにもってかれた感じ。勿論お話自体もとても面白かった。

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    2013年05月24日
  • 煙突の上にハイヒール

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    書店広告で「《天冥の標》を読書中の皆さん、お疲れ様です」というのが面白かった。ほんとに疲れてるよ!!笑
    シリーズで展開中の《天冥の標》よりも以前に書かれた短編5作が纏まっています。《天冥の標》の元ネタのようなストーリーもあったので、あぁ前から温めていたテーマなんだなーと思った。
    どの話も好きでしたが、煙突の上にハイヒールがじんわりとした気分。
    『誰かが癒してくれるまで、私はがんばって自分を救うことにした』という後から探したら中々見つからなかったさり気ない一文が、清々しく切実に健気だなと。感慨深く思ってしまう。

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    2013年05月23日
  • 天冥の標 VI 宿怨 PART3

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    ネタバレ

    恨みがついに太陽系を壊滅させる話だとは思わなかった。ある程度決着つけるかと思いきや壊滅で終わるとは。
    で恨みから太陽系を支配というか壊滅させた救世群とわずかに生き残りそうな人類の非染者はどう復興するんだろう。全十巻予定のはずなんで充分に描けそうではあるけど。
    しかし恨みと怒りが硬殻体を咀嚼者にするってのは一種のバグなんじゃないか?

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    2013年05月14日
  • 煙突の上にハイヒール

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    小川一水の作品は必ず人間が中心に据えられており、SFとしてはもちろん、ジャンルを超えて"物語"として面白い。逆に、例えば野尻抱介は人間よりテクノロジーに重きを置いているように思われ、アイデアは面白いが、物語としては今ひとつなように思う。

    今回の短篇集の中では「俺たちのピュグマリオン」「白鳥熱の朝に」が好み。前者は、来るロボット化社会のイメージが描かれており、下世話なところも含め、リアリティがある(はやく実現して欲しい)。後者は、『天冥の標』の冥王班(仮面熱)の原型となる話のようにも思え、いちファンとしてなかなか興味深かった。小川一水はパンデミックの書き方がうまい。

    『煙

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    2013年05月12日
  • 煙突の上にハイヒール

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    人間とテクノロジーの関わりを通じて、人の気持ちや生き様に温かな眼差しを注ぐ短編集です。

    ジャンルは勿論SFですが、主軸はあくまで人間とその営みであり、SF的要素がそれらを絶妙なバランスで惹き立てています。
    現代より少し先の未来――それは数十年先か、はたまた明日か――という現実と地続きの時代設定も読者に親近感を与えます。

    短編全5作が収録されていますが、個人的に少年ロボットとの雪夜の邂逅を描く「イブのオープン・カフェ」が好みでした。
    また最後に収録されている「白鳥熱の夜に」の、それまでの作品とはトーンが少々異なるある種の厳しさも必見です。

    軽い読み口と誠実な登場人物達の愛おしさから、きっと

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    2013年05月10日
  • 天涯の砦

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    さすが小川一水!
    面白く、読みやすい!!
    SFはあまり得意ではないけど、一気に読めました。
    キトゥンと功のラストにじーんときました。

    でも、エピローグは甘いなぁ。
    希望ある終わり方だけれど、もう少し辛い方がそれまでの物語にあっていたように思います。

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    2013年04月29日
  • 天冥の標 VI 宿怨 PART1

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    ロボットのカヨやフェオドール、救世群にイサリ、リエゾンドクターに連なるセアキや硬殻化した救世群のメンバ、建造中の恒星間探査船も出てきて、これで1巻に繋がるんじゃないかと思わせるんだが、今回から記載された年表を見るとまだ300年ある。

    救世群の人類(非感染者)に対する非合法活動も始まったばかりなんで、どうなるのやら(サブタイトルが宿怨だからなぁ)

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    2013年04月24日
  • 天冥の標 IV 機械じかけの子息たち

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    読むのに2年近くかかってしまった。
    多くのエロスというか性愛が描かれていたせいもあって、一気に読むことができず、カバンの中に入れっぱなしで思い出した時に読むパターン
    電車の中で読む本じゃないな(読んでたけど)
    たぶんに実験的な本かもしれない
    後半からおもしろくなってきたので、その後は一気に読み進めたかな。

    でラバーズの生い立ちが説明され、今(1巻の時点)のラバーズというかラゴスの有り様が納得できる話
    (さて5巻はどこに埋もれているのやら)

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    2013年04月06日
  • 天涯の砦

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    小川一水の長編SF。短編の方がキレが良い作家さんのイメージで居たのですが、塗り替えられました。面白くて一気に読んでしまいました。とても読みやすいので誰にでも勧めやすい内容でした。
    一癖二癖ある人物ばかりで、誰が生き残るんだろうかと云う気持ちでハラハラさせられてみたり、仮にこの2人が生き残ったら幸せになたりするんだろうかなどど妄想しながら楽しめました。
    二ノ瀬と久我山のその後の話なんかもあったら読みたいかも。

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    2013年03月01日
  • 天冥の標 VI 宿怨 PART3

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    時間と空間のマクロな流れに、
    数々の人類のミクロなドラマ、
    継続中の大作シリーズゆえに、
    自分の中で話のつながりに整理をつけないと、
    消失点に吸い込まれてしまいそうだ。
    早く次を読ませてもらわなければ。
    素晴らしい作品だ。

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    2013年02月28日
  • 煙突の上にハイヒール

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    SF短編集。全5編で、おおむね、人と技術の関わり合いを描いている。未来の技術が魅力的に描かれていて、単純に、読んでいてワクワクする。女性主人公の話は、私が男性だからということもあろうが、ちょっととっつきにくい

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    2013年02月24日
  • 老ヴォールの惑星

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    珠玉のSF短編集。表題作は独特で好みが分かれるが設定がしっかり考えられていて良い。他レビューでも高評価の漂った男はSFというよりドラマチックで熱い話。とても気に入った。

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    2015年07月07日
  • 天冥の標 VI 宿怨 PART3

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    ついに物語の全貌が明らかになる6巻の三冊目。章タイトルには物語全体を示す「天冥の標」の文字が。しかしその後のタイトルがなんと!。
    物語の構図は見えてきたが、作者がこの物語を何処に着地させようとしているのかは未だに見えない。
    地球外知性体の拡散とそれを抑止しようとする別の知性体の戦いに巻き込まれただけなのか?果たしてその先に見えてくるものはあるのか?

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    2013年02月12日
  • 天涯の砦

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    A.C.クラークの「渇きの海」を読んだのは中学生の頃だった。本作は同じSF設定のディザスターものだが、最新の科学知識が反映されている分、現実的リアリティの面で一歩リードしているのは当然だろう。だが、センス・オブ・ワンダーという面ではどうだろう。SFにしか出来ない自由なイマジネーションがどれだけ発揮されているだろうか。「渇きの海」での、月にある“流れる砂の海”という設定。そこに沈んだ遊覧船のレスキューという物語は僕の想像力を強烈に刺激した。
    断っておくが、僕は本作を評価しない訳じゃない、それどころか凄く楽しんだ。様々なガジェットを駆使して宇宙ステーションを実感させてくれるし、そこで展開する物語は

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    2013年02月10日
  • 天涯の砦

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    ―――軌道ステーション“望天”で起こった破滅的な大事故。
    その残骸と月往還船からなる構造体は、無数の死体とともに漂流を始める。だが、隔離された気密区画には数名の生存者がいた。
    空気ダクトによる声だけの接触を通じて生存への道を探る彼らであったが、やがて構造体は大気圏内への突入軌道にあることが判明する…。
    真空との絶望的な闘いの果てに待ち受けているものとは?小川一水作品史上、最も苛酷なサバイバル。


    小川一水ブームはこれで一旦落ち着けよう
    宇宙を相手どった長編サバイバル

    著者があとがきでリアリティを極めることに挑戦したと書いているように
    素人目にも「起こりそうな」話になっている。主人公たちに、

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    2013年01月27日