小川一水のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読み始めてすぐに胸の奥で中島みゆきの「地上の星」が鳴り響いた気がした。
深海、砂漠、極地…どんな場所へも進出してきた人類が次に目指すのは宇宙、月での基地建設である。話の中核をなす走也と妙の人間ドラマも気になったが、やはり知恵と技術を絞り尽くし試行錯誤を繰り返しながらも困難な事業に挑む人間たち全体が本書の魅力だろうと思った。
作者の、創造主たる神に助けを求めるでもすがるでもなく、時に争い、小さな(本人にとっては何ものにも引き換えられない)プライドに縛られ、国家の思惑や傍若無人な好奇の目にさらされても、なんとかして乗り越えようとする人間の善性を肯定するような作風が好きだ。
夢と浪漫とロケットや土木 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主に宇宙が舞台のSF短編集全6話。
ライトノベルっぽい軽い文体だが、重たくて考えさせられるテーマもあり、面白かった。
一番心に残ったのは、表題作「青い星まで飛んでいけ」。
絶滅した地球人類の遺志を継いで、異星人を探し宇宙を旅する人工知能宇宙船団のファーストコンタクト物語(地球人類は全く登場しない)。
人見知りな異星人と戦争になってしまったり、下等な生命体を滅亡するまで何万年も見守り続けたり。
コミカルで非現実的な寓話風に描きながらも、テーマはたぶん、危険を冒しても、何度失敗しても、「知らない人に出会いたい」「新しい世界に出て行きたい」という「好奇心」こそが人間の本能なんだ、みたいなこと。
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Posted by ブクログ
西暦2231年の木星トロヤで、宇宙船内に閉じ込められた二人の少年。一方2014年、日本のコロロギ岳では、とんでもない来訪者が訪れ、天文学者の百葉(ももは)と水沢は、閉じ込められた少年たちを救う手助けをすることになるのだが…
もっと分かりやすく、この小説の説明をするなら、200年越しの人命救助! 200年後に閉じ込められる少年たちを、いかに現代から救うか、ということがテーマです。
百葉たちはどうやって200年後にメッセージを残すかに苦心します。メッセージを受け取ることは、可能なのですが、それに対し返信しようとすると、200年先にも残っている形で、伝言を残さなければならないからです。