小川一水のレビュー一覧

  • 青い星まで飛んでいけ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    主に宇宙が舞台のSF短編集全6話。
    ライトノベルっぽい軽い文体だが、重たくて考えさせられるテーマもあり、面白かった。

    一番心に残ったのは、表題作「青い星まで飛んでいけ」。
    絶滅した地球人類の遺志を継いで、異星人を探し宇宙を旅する人工知能宇宙船団のファーストコンタクト物語(地球人類は全く登場しない)。

    人見知りな異星人と戦争になってしまったり、下等な生命体を滅亡するまで何万年も見守り続けたり。
    コミカルで非現実的な寓話風に描きながらも、テーマはたぶん、危険を冒しても、何度失敗しても、「知らない人に出会いたい」「新しい世界に出て行きたい」という「好奇心」こそが人間の本能なんだ、みたいなこと。

    0
    2016年07月14日
  • コロロギ岳から木星トロヤへ

    Posted by ブクログ

    西暦2231年の木星トロヤで、宇宙船内に閉じ込められた二人の少年。一方2014年、日本のコロロギ岳では、とんでもない来訪者が訪れ、天文学者の百葉(ももは)と水沢は、閉じ込められた少年たちを救う手助けをすることになるのだが…

     もっと分かりやすく、この小説の説明をするなら、200年越しの人命救助! 200年後に閉じ込められる少年たちを、いかに現代から救うか、ということがテーマです。

     百葉たちはどうやって200年後にメッセージを残すかに苦心します。メッセージを受け取ることは、可能なのですが、それに対し返信しようとすると、200年先にも残っている形で、伝言を残さなければならないからです。

     

    0
    2016年04月18日
  • 青い星まで飛んでいけ

    Posted by ブクログ

    【脳に残る】
    小説です。

    あまりにも現状から離れすぎるSFでは理解に苦しみます。(←そらそうだ思考性向が現代に基づいているので)
    しかし、近未来的SFはぐっとくるものがありますし、脳みその奥深くに残っていて、ときとして現在と結びつき、とてつもないヒラメキが現れるように感じます。

    0
    2016年04月10日
  • 天冥の標 IX PART1 ヒトであるヒトとないヒトと

    Posted by ブクログ

    いよいよ物語の全貌が見えてきた前巻から更に物語がクライマックスに迫り、より多くの背景と人と人を問わない登場人物たちの関わり合いが明確となってきている。正直言って多くのことを忘れてしまいながら読んでいるので、すべてのかかわりが分かっていないので、最後まで行ったら一気に読み直さないと作者のはった伏線がわからないだろう。

    0
    2016年02月28日
  • 天冥の標 IX PART1 ヒトであるヒトとないヒトと

    Posted by ブクログ

    前巻から引き続いて準惑星セレスでの物語。
    異星人カンミアや被展開体ダダーが登場すると、
    一気に引きの視点となり、
    今までの長い長い物語が重くのしかかり身体がわなわなする。
    早く続きを読みたい。

    0
    2016年02月02日
  • 天冥の標 IV 機械じかけの子息たち

    Posted by ブクログ

    ドキドキf^_^;
    読んだのが、大人になってからで良かった(笑)
    今度は《恋人たち》がメインの話。
    人に奉仕するために作られた「人」たち。性愛の上にある最高の幸せって?
    自分が生きている事について考えることができるのもこういう作品のおかげ。異色のアンドロイドものとしても楽しめました。

    0
    2016年01月01日
  • 天冥の標 IX PART1 ヒトであるヒトとないヒトと

    Posted by ブクログ

    一気に話が収斂してきた感じではある。
    それぞれの陣営が、それぞれの立場で戦ったり、協力したりしているが、それもつかの間、また混沌としていくのが目に見える様。

    さてさて、結末に向けてどの様に進んで行くのか?終盤に向かっているような気配もあるが、まだまだ見えてこない。
    この先のお楽しみ。

    0
    2015年12月29日
  • 天冥の標 IX PART1 ヒトであるヒトとないヒトと

    Posted by ブクログ

    ずいぶん遠くまで来たものです。これまで様々な事実や因縁が明らかになってきましたが、今回さらなる驚きが。メニー・メニー・シープを取り巻く状況は予想をはるかに超えていました。そういうことだったのかという納得と驚きが心地よいです。
    混迷を極める状況に流されてきた主要な面子がやっと揃い何をするべきかが見えてくるのもよかった。皆それぞれ異なる立場や役割のもと、諦めず決断し行動していく姿に希望を感じる。
    さらなる広がりを物語はいったいどこに向かうのか楽しみでしょうがない。

    0
    2015年12月27日
  • 天冥の標 IX PART1 ヒトであるヒトとないヒトと

    Posted by ブクログ

    人類が到達した太陽系外の惑星の物語と思わせた
    第1巻から、はや6年とすこし。
    そこがどこであるのか、それまでの歴史も
    明かされたのがつい最近のように思えるが、
    まだまだ広がる世界と明らかにならない真実
    そして待ち受ける結末。
    もう少しだと思うけど、どうかこれまで懸命に
    29世紀まで、生きてきた全てのヒトたちが、
    全ての勢力が幸福で、その先、未来がある
    結末となりますように、と願いながらPart 2を待つ。

    0
    2015年12月21日
  • 天冥の標 VIII ジァイアント・アークPART2

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    絶望の中に一縷の望みが見えてきたか…
    ようやくただただ重苦しかった時代から、それでも少し前向きな内容へと動きつつある
    僅かながら収束への道筋が見えつつあって、安堵というか期待が高まる巻だ

    遥か過去との邂逅ってのは、今まで読み続けてきた分、心惹かれるね
    メインストーリー以外でも、いろいろ繋がりがあった
    アクリラは人を超え、あの超情報生命体のやりとりに繋がるのかよ
    そして地球から来たという2人は一体?

    0
    2015年10月04日
  • 煙突の上にハイヒール

    Posted by ブクログ

    小川氏と言えばSF。

    今回は身近にありそうなSFの短編で、いろいろ興味深かった。
    小型の背負って飛べる飛行機や、ロボットなど、
    本当に近い未来に実現しそうな話でワクワク。
    どんな未来になるのか、考えるだけで楽しい気持ちにさせてくれます。

    そんな気分でいたところに最後の短編は
    重たいテーマで隕石が落ちてきたよう感じなんですが、
    でも、一番最後のウイルス感染の話がリアリティある。
    というか、本当に起きるんでないかい?

    いろんな未来を考えておくって、必要なことなのかもしれない。

    0
    2015年09月06日
  • 復活の地2

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    スミルも魅力的になってきましたねー、
    話が広がっているので3巻で終わるのはもったいない気もします。
    銀河英雄伝説ばりの長編でも読みたい、あ、でも復興が先伸ばしになるのは辛いか…

    0
    2015年08月20日
  • 砂星からの訪問者

    Posted by ブクログ

    少し「導きの星」を思わせる異星人との遭遇を描いたSF。「導きの星」よりもこちらのほうが人類がかなりローテクですが。
    登場する異星生物がまるで猫なのもいいですね。好奇心は猫をも殺すをそのまんまSFにしたような1編です。

    0
    2015年08月14日
  • 天冥の標 VIII ジァイアント・アークPART2

    Posted by ブクログ

    何もかも変わってしまった世界で健気に生きる10代の女の子のお話として読むと、もう、涙なしでは…。

    それにしても、すごい世界を作ってくれたもんだ。巻末の”年表”と”人物・用語集”を読むだけでも十分楽しめる。

    0
    2015年07月18日
  • 天冥の標 IV 機械じかけの子息たち

    Posted by ブクログ

    このシリーズを勧めてきた友人が「もし4巻を受け付けなくても、その先の巻はもっと面白いから続けて読んで」と言っていたんだけど……なるほどエロかった。けど、シーンごとの話は良く作られてるし、1巻から気になってた人物の生い立ちは説明されるし、実際良くできた巻だと思います。

    ところどころ小話の間の綻び(矛盾)を、数行の説明的な文章で片付けてるところがあって気にはなったけど。逆に言えば不満らしい不満はそれくらい。ほんと、作者はどんな話でも上手く書くな、と感心しました。というかSFというジャンルに縛られてるの、もったいない。

    0
    2015年05月12日
  • 老ヴォールの惑星

    Posted by ブクログ

    おもしろかった。ハヤカワのSFだけど、文章が硬すぎず、かといってライトでもなく、でもしっかりSF。次は長編を読もうと思う。

    0
    2015年06月02日
  • コロロギ岳から木星トロヤへ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    頭が2014年、しっぽが2233年に引っかかってしまった超時間生物(?)という壮大なアイデアによる時間SFだが、その対処がちまちましてかわいらしい。しかし、最後のカイアクの荒業は、そのちまちまとした苦労と努力が意味なかったものにしかねないような… そもそも、あれだけの変化で済むのか、リューセージとワランキが存在しなかったことになりかねない甚大な変化をもたらしかねないような…
    2014年コロロギ岳の女子2人の腐妄想がこの調子で繰り広げられ続けたらきついなーと思ったら、ほどほどですんでほっとした…

    0
    2015年04月20日
  • 天冥の標 VIII ジァイアント・アークPART2

    Posted by ブクログ

    Part1は視点を変えた第1部の復習でした。人類の再起はここから。

    咀嚼者の襲撃と暗闇に混乱する人々をまとめ上げ、首都奪還を目指すエランカ新政府。この世界の真実の姿を確認するため、地上を目指すカドムら探索隊。宇宙規模の生存競争は熾烈を極め、太陽系の覇者だった人類は200万人に減ってしまった。敵は殲滅するしかないのか、共存共栄は理想にすぎないのか。多種多様な生態系、生命のせめぎ合いこそが世界の繁栄のはずだ。オムニフロラ自身ではなく彼らの破壊的生存戦略が敵なのだ。
    物語はクライマックスへ。

    0
    2015年04月10日
  • 天冥の標 VIII ジァイアント・アークPART2

    Posted by ブクログ

    長い長い物語もいよいよ佳境。前の巻と間が空くので忘れてしまうものが多く、さらに綿々と張られた伏線と同じく歴代の登場人物たちの相関と立ち位置が巻末に用語集と年表があったとしても、読んでいる方としては、つたない記憶ではシーケンシャルに繋がらないので、細部はおいておいて包括的に楽しむ感が強く、最終的には全巻、一気に読み返さないと全容は理解できなさそう。

    0
    2015年03月31日
  • 天冥の標 III アウレーリア一統

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    3巻にしてようやくのSF展開。ひと段落してきたところで少し気になりだしたのが人が死にすぎる安易な展開。舞台となる時空が広大なので登場人物が使い捨てになりがち。あと、意外性を追求するあまりに話の作りが荒く、その「実は」って設定は本当に必要なの?みたいなところもボチボチ。あと人称も雑で、それが輪をかけて「実は」展開を安っぽくしちゃってる気がする。
    隔離された集団同士が接触した際のウィルス交換のリスク。大航海時代に実際に起きていた問題だけど、SFの世界では不思議と忘れられていた概念だったかも。この辺をリアルに言及してるのは面白いと思った。
    呼吸(酸素)不要=真空でも大丈夫、って誤解が後を絶たないとい

    0
    2015年03月30日