小川一水のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ800年にわたる大叙事詩も完結。
終わりよければすべて良し、とはいかないけれど……登場する全ての生き物たちが、待ち受ける運命に全力で抗っている様を読み身体に力が入り、その結末にそっと息を吐きました。
ノルルスカインはミスチフと一緒に永久の眠りに就いたのかしら。。
新星爆発(超新星爆発ではなかったみたい。それでもでかい)を、たくさんの犠牲を払って乗り越えたセレスは太陽系に帰ることにしたのかな。
ラスト、ヴァンディの子孫に会ったのは、イサリとカドムの子…?そしてその後ろにいる金髪、君はダダーのアクリラかな??ノルルスカインも人型で接触してきたことあったし。。
こんなにすったもんだしたけど、後年、他の地点から見たらよくある新星爆発としか観測できない、というのも良かったです。
脈々と続いていく歴史の1ページでしかない。でも、それが尊いです。
最終章が2019年なのも良かった。この時点からちゃんと、800年後にまた仲良くなれることを信じてた人たちがいたんだな。しかもオバちゃんから千茅への手紙っぽい(;_;)
諦めなければ、取り返せないことはない。きっと。
『おめでとう。もう、やめていいのです。あなたは。ーーーこの苦しい旅路に飽きて、さらに先の光景を見たいのでなければ』
2024年9月29日から小惑星が地球の重力圏に入って、2ヶ月ほど地球の衛星になるそう。
肉眼では見えないそうですがワクワクします。
セレスを引っ張ってきた後の地球も、月とセレスと衛星が2個になるのかなぁ。浪漫です。
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Posted by ブクログ
小川一水のSF短編集、やっぱり好き。今まで読んだ中でも老ヴォールかこの本が1,2を争う。骨太な世界観を軽やかに描かれていて面白い。なんとなく最後は「セカイ系」に帰着しがちだけど。
静寂に満ちていく潮、SF作家の考える地球外生命体の言語が興味深い。異星人との◯◯◯◯が始まって何事かと思った。
守るべき肌、イーガンのディアスポラ×エンダーのゲームみたいだなと思った。本家はものすごいスケールで自己完結してたけど、こっちはそれで良いのかしら。
青い星まで飛んでいけ、下位頭脳たちがタチコマで脳内再生されるのは私だけ?首を突っ込みたがる悲しい性質(さが)と黒歴史を抱えつつワイワイと宇宙の果てに飛んでくのを想像するだけで面白い。 -
Posted by ブクログ
邪馬台国の卑弥呼の時代に現れた謎の地球外生命体。それらと2300年後の未来から来た使者が共に戦う時間遡行SF。
しかしながら、”邪馬台国の卑弥呼”というのは、どうも腑に落ちないですね。おそらく、『渡部昇一の少年日本史』に書かれている事が、真実かなと思うのですが…
以下、『渡部昇一の少年日本史』P19抜粋-
(前略)
邪馬台の「台」は「と」と読めますから、「やまと」に「邪馬台」という漢字を当てて書いたのでしょう。しかも相手には野蛮国という先入観がありますから、「邪」という悪い漢字を使っているわけです。
そこの支配者は卑弥呼という女王であるというのも、どこかで耳にしたことなのでしょう。日本人から見れば卑弥呼は「日の御子(みこ)」です。日本人は昔から天皇のことを日の御子と呼んでいたのです。だから卑弥呼とは天皇のことなのではないでしょうか。
(中略)
しかし「魏志倭人伝」の作者は野蛮人の国の日の御子だから「卑」という字を使って卑弥呼としたのでしょう。
(後略)
以上、抜粋終わり-
結局、白髪三千丈の国の言う事なので、嘘偽りが混ざっているのは仕方ないところ(李白は好きなので、誤解なきよう)。ちなみに本作の著者は、作中で畿内説をベースに本作を書いています。前置きが長くなりましたが『時砂の王』のあらすじと感想。
巨大で不気味な物の怪に襲われた邪馬台国の女王・卑弥呼は、”使いの王”を名乗る者によって救われました。彼は、地球壊滅から62年後の2598年、海王星の衛星トリトンで目覚めた、強健な身体を与えられた人型人工知性体。敵対する謎の増殖型戦闘機械群を追って絶望的な時間遡行戦を行う中、西暦248年の邪馬台国に降り立たったのでした。彼は卑弥呼と協力し、その時代の人々を巻き込んで人類存亡をかけた最終決戦が始まります。
多分岐する時間枝を遡って戦い、時に第二次世界大戦、時に猿人の時代まで遡ったりと、タイムパラドックスもなんのその。ただ「地球人類の生存に奉仕する」という第一任務の遂行のために敵との戦闘に明け暮れます。そんな自分たちの行動が、後の時間枝にどのような影響がでるかを、当人たちでもわからなくなっているのがなんともメチャクチャで可笑しかった。あとは、時間遡行した先の大戦時の人類が、利権や愛憎などで協力し合えないという構図が、人類の特徴をよく現しており、卑弥呼の時代の人々が、ロクな武器もないのに団結して戦う姿がとても印象的で良かったです。そのあたりが、”使いの者”のセリフ(P255)に表れていて、感慨深いエンディングにも繋がっていたのだなと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ9巻でも新展開…10巻で終わるのかと心配になります。完結してから読んでるけど。。
カドム・イサリとアクリラが合流。長かったな…。
人間の身体に戻りたい救世群はなんとセレス自体を動かしてふたご座ミュー星付近まで持ってきていたことが判明したとんでもない巻だったけど、リリーたちミスン族は帰還できなかったのでまだまだこの辺のいざこざは続きそう。
そりゃ300年かかるな…ドロテア・ワットをロケットみたいに使って宇宙空間を粛々と進んできたんだろ。メニー・メニー・シープは地下空間にあったから外が見えなくて、星自体が移動してても気付かないし。
太陽系人類は生き残っているけど、救世群殲滅のために大艦隊でセレスを追いかけてきてる。また冥王斑パンデミック起こされたら困るそりゃ。。
ノルルスカインとミスチフの代理戦争かと思いきや、大筋はこれなんだろうけどこれだけじゃ収まらない様相を呈してきました。
やっぱり戦争は、どことどこが戦ってるときっぱり判定できないんだなとつくづく思います。巻き込まれたり参戦したり。