小川一水のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
宿怨完結。
太陽系全てを塗り潰した「救世群」の狂気。ひとりの少女が宿した想いが決定的な引き金になる。千茅が願ったものはちがうはずなのに。ミヒロの歪みが、世界の形を決めてゆく。
「救世群」以外の人類が絶滅へ歩みを進めていく。
恒星間艦艇のジニ号が避難船になるのかと思いきや、その希望も潰え。逃げ場所をなくした人類は、どうやって生き延びるのか。メニーメニーシープへどうしてたどり着いたのか。
ここへ来てうっすらと見えてきた。
メニーメニーシープは、小惑星セレス。
突然出現した「咀嚼者」は、ジニ号が搭載していた冷凍睡眠装置で眠っていた2500年の彼ら。
冷凍睡眠を維持するために電力が必要で、供給が断 -
Posted by ブクログ
「誰も見たことがないし、来たこともないところまで来た。そして、行ったことのないところまで行くんだ――」
壮大な人類と非人類の物語の終わり。
長い間この世界のお話を読んできたけど、情報量がとても多くて、もう1回、いや2回くらい読み返さないと何たるかを記すことは出来ない気持ち。
人生のバイブルになり得る、ような気もするし、そうでない気もする。
十二国記に匹敵する存在になるか、な?
導きの星からこっちずっと小川一水のファンなので、上手いこと噛み砕いて、飲み込んで、消化したい。
当時2chラ板大賞で導きの星をお勧めしてくれた人々には本当に感謝してる。
現時点では、スーパーお仕事物SF作家爆発な2 -
Posted by ブクログ
ネタバレわあ〜 読み終わってしまった…
最終章で胸がいっぱいになりました。
私は自分を含めて、あまりヒトが好きでありませんが、ヒトはヒトで、これでいいんだな、すてきな存在だな、と毎巻読むたびにいつもそう思わせてくれるシリーズでした。
まだまだ続きとか、本編の間を埋める話とか、あの人たちのその後とか…読みたい!
1回読んだだけじゃまだまだ掴みきれていない部分もあるので、細かい部分とか、複雑な考察とか、個人的に好きな異星人達の描写とかをじっくりと読み込んで、頭の中で妄想映像化したいと思います♪
とりあえず「樹恵にございます」を家の中で流行らせたい(笑)
-
Posted by ブクログ
最後の一冊を手にした時、まだ一文字も読んでいないのに、ただタイトルを目にしただけなのに、薄っすら鳥肌が立ち、少しだけ手が震えた。
ある惑星に移住した人類が謎の疫病と謎の生物に出会い、謎多きまま第1巻が終わり、壮大な物語が始まったのが10年前とは。
次巻では物語上の時間を大きくさかのぼり、そして次々と第1巻まで繋がる物語、歴史が紡がれ、その一つ一つをどんなに楽しみに胸躍らせながら読んできたことか。
それもこの一冊で一つの大きな区切りを迎える、迎えてしまった。その寂しさと、この10年この物語を読者としてともに過ごした胸に迫る思い。
正直、最終巻3作は人類を離れ、量的にも、スケールが色々大きく、 -
Posted by ブクログ
プラクティスの起源。
ただ、1巻と2巻で同じ言葉で呼ばれる存在になっていった過程を知るには、物語はまだ語ってはくれないです。
前半は冥王斑の脅威に、後半は千茅の決意と覚悟に圧倒される2巻。
2010年代の地球と2803のメニーメニーシープを繋げていくのでしょう、この先は。
物語の水面下で存在してゆくであろうダダー。狂言回しの彼?が活動を開始したのも、ここから。
データの世界で存在し続ける彼が、全ての観察者になるのか。
上がったテンションおさまらない。
さて3巻だ。
追記。
千茅と圭伍、イサリとカドム。この二者の関係性が似ていると感じます。互いに惹かれ合うけれど、結ばれることはない二 -
Posted by ブクログ
始まりの終わり完了。
ただ、壮大な物語になりそうなので、メニーメニーシープの陥落は、転換点でしかないのだろうな、と感じます。
ラストで語られたかつて存在した六つの勢力。
「医師団(リエゾン・ドクター)」「宇宙軍(リカバラー)」「恋人(プロステイテュート)」「亡霊(ダダー)」「石工(メイスン)」「議会(スカウト)」。それらが抵抗した「救世軍(プラクティス)」。
プラクティスの呼び名がとにかく気になる。羊飼いが「咀嚼者(フェロシアン)」であるイサリをそう呼んでいた。
咀嚼者の異端であろうイサリを、人間と敵対する存在に救世軍と呼び名がつく理由は?
覚醒したリリーたち「休息者(カルミアン)」はど -
Posted by ブクログ
この巻も前巻同様に中編で構成されているけど、前巻とはうって変わって時間軸に沿った流れとなっている。ただ、舞台は多岐にわたり同時並行的に物語が進んでいく。
内容的には、数巻にわたり貫かれた大きな物語に決着がつく場面もあり、解決策には若干の寂寥感を感じたりした。個人的には破壊ではなく、和解であって欲しかったというか。
また、物語全体に脈々と流れているテーマについては決着はつかず、次巻に持ち越し。テーマの解決策も提示されたけど、「ここで数巻前の、あのテーマを持ってくるのか」とちょっとビックリした。もっと科学的な解決方法だと思っていたので。まぁ、これもこの物語っぽくてありだよな、とも思ったりもした。