小川一水のレビュー一覧
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銀河英雄伝説公式トリビュート作品集の一巻。
六名の作家による六編の短編が収められている。
それぞれに、作家が本編に出てきた一文に着想を得ていたり、好きな人物をこうだったらと掘り下げてみたり、本編には過去の史実として書かれていることがリアルに知れるシーンが描かれていたり、自由で夢がある一冊。書き手から銀河英雄伝説への愛情が伝わってくる。
士官学校に通ってた頃のヤンが女装して舞台に立っていたり、オーベルシュタインに女性の部下がいたり、ラインハルトが良き父親として振る舞おうとしつつ釣りをしていたり・・・。
あれだけドラマチックな物語の中にいた人たちの何気ない日常が描かれていて、読んでいて楽しかった。
それぞれのキャラクターの個性が、ブレていない点も良かった。
1巻だから続くだろうし、続きも猛烈に楽しみ! -
Posted by ブクログ
ネタバレカテゴリは合ってます(歴史だもんね)
作者に太田忠司先生がいるだけで「買います」だが他の作者さんも銀英伝好きが溢れてるお
作者公認の二次創作を嫌う人は多い、イメージが異なるからだと思うが40年も付き合っている作品ともなると別な一面を見る機会を逃す筈がありません
そもそも歴史はそんな一面だけで理解したつもりになってはいけないのです
太田先生の「レナーテは語る」
あのオーベルシュタインが這い上がる基礎を築いた事件です(ネタバレ)突然オーベルシュタインから遺産が当るとなれば人類なら等しく恐怖を覚えるだろう、そんな状況になったレナーテが情報処理課にいた頃「上司で名探偵」でもあったオーベルシュタインとの思い出話
事件の犯人こそ分かったが名探偵のチェスのような緻密な手腕に感心し、ラストのしゃれた話は気持ち良い
「星たちの舞台」ヤンの女優デビューですww
士官学校戦史研究科廃止阻止署名活動をした行動力を買われ、音楽学校学生寮敗死を阻止すべく立ち上がるヤン・ウェンリー(笑)演劇に使われる謎技術は感心したが、ヤンの性格を高島雄哉先生は見誤っていないか(爆)
目的を達成したか全然読み取れない読者ですまぬ
「晴れあがる銀河」は本編500年以上前で、銀河航路開発に監視&優性保護で我が身が危なく、避難する展開へ(鬼滅の刃の隠し村)を航路上で生み出した蔭にはフェザーン初代自治領主ラープ商会があるという禁断の歴史
「士官学校の恋」ある士官候補生の恋の裏にはとてつもないゴールデンバウム朝銀河帝国の陰謀があった
石持浅海先生、噂にたがわぬ力量の推理小説です
ミスマープルを彷彿させる作中の人物、恋バナを延々読まされたと思いきや!ヤンの先輩キャゼルヌが付き合いだしたオルタンス(本編ではただの良き妻)が紐解く
スパイってこういう陰謀をするものではないのですが、アガサクリスティ作品としてなら満点です -
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全10巻完結するまで読むのを温めていて、完結したと思ったら現実世界でも新型コロナウイルスの流行。持ってるとしか言いようがない。
冥王斑は架空の感染症のはずだが、その描写、設定がかなり具体的に描かれており、著者は医師免許か何か持っているのだろうかと思わざるを得ない。参考文献が見たい。未知のウイルスに対する人々の反応や対策などは、最近見たことあるようなものばかりで、著者の構成力と先見の明には脱帽する。
舞台は2015年の地球だが、Ⅰの舞台、2803年の植民星にもリンクする箇所があり、そのスケール感に圧倒される。まだあと8巻あるので、これからどんどん世界が広がっていくのだろう。物語にふれて、動悸が止まらないのは久々だ。
世界で最も影響力のある100人がこの世界にもあるのなら、最初の冥王斑患者・檜沢千茅はきっと選ばれるんだろう。病に勇敢に立ち向い、他の患者に手を差し伸べる彼女の姿に、「民衆を導く自由の女神」が重なった。 -
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ネタバレ第1巻メニーメニーシープから7巻を経て、ついに物語はメニーメニーシープのその先にたどり着いた。
アクリラは地の底でカヨに責められ、カドム一行は真実を知るためにセレス北極シティを目指す。
一方メニーメニーシープでは、エランカ初代大統領は人々をまとめ、<咀嚼者(フェロシアン)>に反撃ののろしを上げていた。
いやー、<咀嚼者(フェロシアン)>の強さを散々過去の巻で見せつけられた後だけに、メニーメニーシープ側に勝ち目なんか絶対ないだろうと思ってたけど、意外となんとかなるものなんだなぁ。
もちろん、<咀嚼者(フェロシアン)>側がきちんと攻めてくればどうしようもないというのは作中でも語られている。
「いつだって、強すぎる力を間違った方法でしか使えない人たちなんだよ、<救世群(プラクティス)>は」
そして、この巻のハイライトはやはりコニスタント湖とそこに生えていた星のリンゴ「アケボシ」を、そしてアインの祖母を発見したシーンだろう。
長い時を経て、多くを失いながらも、つながっているものもある。
ラストはアクリラがスーパーサイヤ人になるw
ちょっと強力にしすぎとも思うが、これくらい強くないと帰ってこれない仕方ないかな。
そしてついに真の敵はミスチフ/オムニフロラだとアクリラが認識する。
ようやく、ようやくそこにたどり着いた。
あと9巻と10巻しかない。
敵はあまりにも強力で、こちらにはまったく対抗手段がない。
一体どうまとめるのか想像もつかないが、小川一水先生ならやってくれるだろうと信頼しているので残りの巻をただただ楽しみにしよう。 -
Posted by ブクログ
ついに<海の一統(アンチョークス)>は<領主(レクター)>に反旗を翻した。
一方、植民地議員エランカやセアキ・カドムも<領主(レクター)>に対する反抗を決意する。
多大な犠牲を払い、ついに<領主(レクター)>を打ち倒した時、メニーメニーシープは誰も想像しなかった事態に陥る!
作者もあとがきで書いているとおり、衝撃のラスト。
一体どうなるのか気になって仕方ない。
また、上巻もそうだったが、過去にいろいろあっただろうことを想起させる記述が各所にある。
「続けるんだ。<海の一統(アンチョークス)>の伝説を。大いなるものにあらがい、星を踏み越えて飛んだ猛々しさを思いだせ。俺たち<恋人たち(ラヴァーズ>が憧れできなかった。果敢な反抗の姿を見せ続けろ!」
「いいや、もっと前だ。その姿を見て思い出した。
--<休息者(カルミアン)>よ」
「ダダーはそうなることを伏せていた。昔と変わらず、悪辣なやつだ」
いやー、過去の話が楽しみだ。
何があり、今につながるのか。
期待しかない。 -
Posted by ブクログ
面白いという話は各所から聞いていたが、もったいなくて手を出せなかった本作。
(これは私の悪癖で「マロリオン物語」なんかもこのせいで手を出せていない・・・)
いつまでもそうしてるのももったいないので、ついに一念発起して手を出してみた。
西暦2803年、植民星メニーメニーシープは入植300年を迎えようとしていた。臨時総督ユレイン3世により配電制限により市民生活は困窮していた。そんな中謎の疫病がセナーセー市を襲う
もうあらすじだけで面白い。
ここに怪物<咀嚼者(フェロシアン)>イサリ、電気を使い酸素呼吸を必要としない<海の一統(アンチョークス)>、異星人<石工(メイスン)>、人に奉仕する宿命を負った生体アンドロイド<恋人たち(ラヴァーズ>、謎の存在<ダダー>のノルルスカインなどが登場する。
ネーミングだけで興奮するw
植民星の歴史も語られるが、どこまで本当なのか・・・。
さらには、過去に猛威を振るったであろう伝染病<冥王斑>、地下に眠る戦艦<ドロテア>など謎が謎を呼び上巻は終わる。
全10巻(17冊)もの長編なので、今の時点ではわからないことだらけ。
ただ、面白いことだけは間違いない。
楽しみすぎる。
※正直こんな駄文を書いている暇があったら先を読みたい、というのが正直なところ。実際、私はその気持ちを抑えられなかった。この感想は10巻2まで読んで、最終巻をそのまま読むのがもったいなくて、もう一度読み返して、初めて読んだつもりで書いたものだw -
Posted by ブクログ
これは続きも読まねばなるまい……
圧倒的なうねりと変革の果てに待つ『天冥の標』1巻の結末。餌をおあずけされたような気分になりつつも、まだ物語が続く楽しみも同時に味わっています。
植民星・メニー・メニー・シープの総督ユレイン三世の圧政に耐えかね、「海の一統」を始めとした市民たちはついに蜂起し、ユレイン三世の退任を要求する。それに対し軍部は兵士を派遣。メニー・メニー・シープは内戦状態に突入し……
上巻は全体的に溜めの状態が続いている印象だったけど、下巻はとにかく動く、動く。登場人物たちが動き回り、各都市、各団体が結集していく一方で闘いは激しさを増していく。軍隊と市民たちの攻防戦が息つく暇も無く展開されていき、気がつけばあっという間にページ数が少なくなっていきました。
戦闘描写の迫力もそうなのだけど、合間合間に挟まれる群像劇も面白い。アンドロイドであるラゴスをめぐる二人の女性の描写と、それぞれの愛と欲。そしてラゴスの心中と思いは、設定を存分に活かして、種族を越えた愛であったり、人間の支配や愛を求める欲、アンドロイドの苦悩を表現します。
登場人物の魅力も物語を引っ張る。上巻から活躍する「海の一統」の若きリーダー、アクリラは上巻、そしてこの下巻と大きな挫折を体験しながらも、それでも前に進んでいく。女性議員のエランカは、正義に目覚め少しずつ同士を増やしながら、革命軍の政治的な部分において、徐々に中心人物となっていき、カドムも革命の使命を徐々に見出していく。そして、ここでも種族を越えた不思議な絆が生まれ……
一方でユレインをはじめとした政府・軍部側の人間たちに、アンドロイド、メイスンと呼ばれる異星人たち。それぞれをピックアップしながら、物語は重層的に、そしてより大きなうねりをともなって展開されていく。
様々な思惑が入り乱れる人間たちに、アンドロイドの苦悩、異星人たちの自我の芽生えといったところまで、戦闘の描写の中に書き込まれていて、ただただ感嘆してしまいます。スピード感と迫力溢れる展開に、情報量もなかなかのものがあって、読んでいる間に、自分もメニー・メニー・シープをめぐる大きな渦に飲み込まれていくような感覚を覚えました。
そして、物語の最後に待つ壮絶なラスト。回収されていない伏線、多くの謎を残したまま、1巻は閉じられます。それでも満足度は高い。革命をめぐる物語のエンタメ度がそれだけ高くて、それ単体でも自分は十二分に満足できたからです。
地球から来たという二人組。物語中、終始謎めいた言動をとり続けたノルルスカイン。メニー・メニー・シープという星はそもそも何だったのか? を始め、よくよく考えると分からないことばかり。
しかしあとがきで著者の小川一水さんは『この話の終わりはすでに見えています。そのころにこの話は、たいしたものになっています』と豪語されています。こうなれば一読者としては、その自信を信頼し、『天冥の標』という物語の大きな流れに、身を任せるのみです。