小林エリコのレビュー一覧

  • わたしはなにも悪くない
    生きるって単純じゃない。自分で選べない子ども時代、周りの影響は計り知れない。親だったり学校の先生だったり、友人だったり。
    ひとりの人と出会ったとき、その今のその人を見ると思うが、それまでの経験がいかに大事かが、このノンフィクションのエピソードから感じられる。精神障害者というラベルで人を見ると、どうし...続きを読む
  • わたしはなにも悪くない
     わたしは何も悪くない。著者はブラック企業に勤め、鬱になり、生活保護を受け……そして今は生活保護を受けずに働いてくらしている。
     タイトルの通り、わたしは何も悪くない。
     前作に比べると……つらそう。悪くないと言い聞かせているようにも思えてしまう。悪いという気持ちを押し殺すような。

     なにも悪くな...続きを読む
  • わたしはなにも悪くない
    私は精神科病院に勤務し、日頃精神障害者の患者さんを援助する立場にあるが、この本を読んで、精神障害者について、入院する患者さんについて、理解しているようで理解できていなかったと思い知らされた。患者さんがどんな思いで入院し、退院してどんな生活をしているのか、解っていない。治療により回復した喜びと、退院後...続きを読む
  • yom yom vol.50(2018年6月号)[雑誌]

    レトロゲームファクトリー

    意外に早く最終回になり、少し物足りなさを感じましたが、ハッピーエンドで気持ちよく読み終える事ができました。私は、論理的に説明されないと心が動かない方ですが、三段論法で人の心は動かないと言うのも確かです。(しかし、昨今のおれおれ詐欺は、人の感情に訴えかける犯罪ですから、また厄介です。) 最終回は、...続きを読む
  • yom yom vol.49(2018年4月号)[雑誌]

    レトロゲームファクトリー第2回

    前号に引き続き、「レトロゲームファクトリー」を読みました。これから一話完結のスタイルで進んで行くのでしょうか。今回は、各登場人物の背景的説明も徐々にされて来て、思いがけないコーギーの生い立ちも含まれていました。数日前には、レトロゲーム機の復刻の新聞記事もありましたので、40、50代である私達の世...続きを読む
  • この地獄を生きるのだ うつ病、生活保護。死ねなかった私が「再生」するまで。
    うつ病と闘う作者のセルフドキュメント。
    うつに対していかに社会が冷たいのか、うつに対する社会の精度がいかにズレているのかを身をもって体験した者だからこそ書ける迫力の作品。
  • 私たち、まだ人生を1回も生き切っていないのに
    小林マリコさんの本を読むのは初めてで
    最初は自分と重なる部分がほとんどなく
    共感できるのかなと思って読み進めてみたけど
    自分も人間関係で悩んだ時期があったことを思い出した。最後の、無力な私たちはお互いの手を取り合いながら、時には自分のパンを分け与えながら、人生を歩いていく。怖がらなくていいのだ。みん...続きを読む
  • 私たち、まだ人生を1回も生き切っていないのに
    一人で生きていくにはどうしたらいいのか、いつもそればかり考えていた。しかし、答えは見つからなかった。
    自分の中に閉じ込められていた言葉が解放されていく。私はたくさん話し、語ることによって自分の形を取り戻していった。
    死ぬということは自分の命を失う以外にも、新しい人との出会いや、未来の可能性を捨てる行...続きを読む
  • わたしはなにも悪くない
    1977年生まれ、41歳の小林さんの実体験が赤裸々に綴られたエッセイ。

    酒乱の父を持ち、学校ではいじめに合い先生からは非情な言葉を投げつけられる。
    短大までは行けたものの、その後の転落ぶりが壮絶で辛すぎる。

    手取り12万、生活保護以下の給料で働かせるいわゆるブラック企業に就職、貧困に陥り何度も繰...続きを読む
  • 家族、捨ててもいいですか?~一緒に生きていく人は自分で決める
    家族は、しんどい。うまくいくのが当然みたいに言わないでくれるといいのにな。ものすごく誠実に書いてあるように読めるのがいいのか悪いのか。受け取り方を変えたらどうにかなるかもよくわからない。
  • 私たち、まだ人生を1回も生き切っていないのに
    これまで出版されている小林エリコさんの本を全部読んでいる人間には目新しい情報はなかったように思う。
    辛い事を克服した本が多い中、小林エリコさんはまだ苦しみの最中にいるので、本が出る度に少しずつ前向きになれていっている様子に感動を覚えます。
  • 私たち、まだ人生を1回も生き切っていないのに
    向田邦子のエッセイに「ごはん」というのがあるけれど、その作品で印象的だったのが、美味しく楽しく幸せだった食事より、心に引っかき傷が残った場面での食事のほうが記憶に焼き付いて、描かれる光景も美しいということ。
    きっとこれは食事に限らないのだろう。
    とても孤独な幼年期から青年期を過ごしたこの著者の、訥々...続きを読む
  • 家族、捨ててもいいですか?~一緒に生きていく人は自分で決める
    もやもやする読後感。
    著者が今生きていて、希望に向かっているところまでたどり着いていることにほっとした。
    課題の分離。
    大人になってなお、今の自分がこんななのは親のせいだ、と責めるくだりには痛ましさと不快感を強く感じた。
    家族の課題。捨ててもいいですか?と問いのカタチの不確かさに、落ち着かない気持ち...続きを読む
  • 私がフェミニズムを知らなかった頃
    なかなか辛い本。全てがそれのせいではないのでは?と思ってしまう私は、甘いのだろうと思いながら読み進む。でもラストは良かった。すごく共感した。
    世の中は男女平等じゃない。その背景と共に知る授業があるべきだ。大学の般教で習うのでは遅い。と思う。
  • 女編集者残酷物語(この地獄を生きるのだ)

    うつ、自殺未遂、生活保護、親との軋轢、貧困ビジネス・・・問題ばかりの人生を生き抜くエッセイ『この地獄を生きるのだ』。
    本作は著者の編集時代を描いたコミック『女編集者残酷物語』。
  • 私がフェミニズムを知らなかった頃
    著者の精神疾患が読んでいる方も辛かった。エピローグが一番良かった。上野千鶴子さん、フェミニストについて、共感できる言葉が多かった。男女平等だと信じてやまなかった子ども時代はもう終わり、世の中の理不尽さや不平等にうんざりしている今。世の中そろそろ変わってくれよ〜と思うがさて、私に何ができるか。どうして...続きを読む
  • この地獄を生きるのだ うつ病、生活保護。死ねなかった私が「再生」するまで。
    生活保護を抜け出す、そのための方法が明確に提示されていないことなど、生活保護行政について垣間見えた。
    また、精神的な疾患で苦しむ人々にとって、生きづらい世の中は、やっぱり良くないと思った。どうすればよいかの具体策はすぐには思い浮かびませんが、、、。
  • 家族、捨ててもいいですか?~一緒に生きていく人は自分で決める
    ところどころ、読むのが辛いと感じた。筆者の辛さが理解できる訳ではない。
    理解できる、と感じるのはおこがましい。
    ただ筆者の親への感情は私も家族に持たれている感情だと感じる。

    私が家族に対して幸せに感じていた感情を、相手である家族は覚えていないかもしれない。私が家族に対して憤りを感じていたことを、相...続きを読む
  • わたしはなにも悪くない
    精神疾患を持つ本人のエッセイなので、精神疾患の患者さんや今の社会では生きにくいと感じる人が持つ孤独がよく描かれています。
    が、一冊通して矛盾がいくつか気になってしまうのが残念。
    タイトルは「開き直り」のように感じますが、決して開き直りというものでもないのでしょう。精神障害者は、自分を過剰に責めてしま...続きを読む
  • 女編集者残酷物語(この地獄を生きるのだ)

    知らない世界でした

    この漫画の内容だけでは残酷という言葉と結びつかない感じがします。ですが雑誌編集の世界の過酷さを知ることが出来ました。内容は現実味があり引き込まれます。人間生きるとは大変です。