小林エリコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
女性である著者が、あらゆる場面で虐げられて生きてきたか、が赤裸々に記されていた。
学校内のヒエラルキー。
社会に出てからの男性優勢の会社、社会構造。
電車内での痴漢、不審者からのストーカー、恋人からのモラハラ、DV。
正しくないことは正しくない!と
声を上げたいのに、女性だからそれが難しい。
個人的な問題だけど、それは社会の問題とも言える。
この日本の国家構造に蔓延ってきた男尊女卑のシステムによって、女性は古よりずっと不利な立場に置かれてきた。
今でこそSNS等で被害者が声を上げたり、女性の権利向上を目指してデモが巻き起こり、アドボカシー団体が組織されるなど社会は着実に変わりつつある。
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Posted by ブクログ
著者は俺と同い年。
うつ病、自殺未遂、生活保護から立ち直るまでの物語。
クリニックや役所の対応がにわかには信じられないほどひどくて呆れた。製薬会社との癒着や文書偽造。犯罪じゃないのか?
著者は生活保護は権利なのだから困窮する人は受けてほしいと実体験から語る一方で、そこから抜け出し自活できるようになった自分を誇っている。矛盾した記述に当事者のリアルな心境を見る思いがした。
生活保護を現物支給したとしても受給者の抱える孤独の問題は解決されないとの指摘は説得力がある。労働は金を稼ぐためだけのものじゃなく人と関わる機会でもあり自尊心を得られる場でもある。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「死にたくなった」人の特効薬になる本を探して購入。
ワーキングプアから、精神疾患をきたし、生活保護になる至った作者の体験がつづられている。
私は、本書を「死にたい」気持ちを解決するためではなく、「死にたくなった」人の気持ちを知るために購入したのだったが、メンタル系の書籍の中で最も心に響いたのは本書である。
そもそも、本を書く人なんて優秀ではないか。「死にたい」を理性と賢明さで克服した人間からのアドバイス。有能であるが故に心に変調をきたし、結果として有能な活動を行っている人間。ルサンチマンと呼んでもらって構わないけれど、どうしても自分や大多数の人に比べて境遇に隔たりを感じてしまう。
対し -
Posted by ブクログ
著者の人生の中で、負の部分を中心に綴った自伝集。
学校でいじめにあい、家庭では暴力、兄からは性虐待、成人してからは痴漢にうつ病、自殺未遂。
辛い経験を経て、再び社会復帰した彼女の言葉は、鼓動を伴って胸に響いていく。
精神科のデイケア、特に運動会の描写は明るく楽しそうで、暗い精神科のイメージを変えてくれた。
人付き合いって面倒だな、そう思っている自分でも、そんなに体に力を入れずに、まぁ深く考えずにフラフラと生きてみてもいちのではないか?と思える処方箋のような本だった。
この人の大人になってからの行動力、そして魅力的な人を引き寄せる人柄。
それらは天性のセンスだと思う。
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Posted by ブクログ
一人で生きていくにはどうしたらいいのか、いつもそればかり考えていた。しかし、答えは見つからなかった。
自分の中に閉じ込められていた言葉が解放されていく。私はたくさん話し、語ることによって自分の形を取り戻していった。
死ぬということは自分の命を失う以外にも、新しい人との出会いや、未来の可能性を捨てる行為だ。
人間が自分の寿命を決めるのは良くないよ。
強さだけを求めて生きる生き方は、どこかで絶対に転げ落ちる。
何も生産せず、ただ遊んでいたあの時代を無駄だったとは思えない私がいる。
これから先の人生も絶望や裏切りが待ち構えているだろう。けれど、その横に何か素敵な贈り物がそっと置かれている。
存在する