小林エリコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小林さんが自分の半生を振り返った自叙伝。暴力を振るう父にそれを耐える母。そして性暴力をしてくる兄。破綻した家族のもとで居場所を必死に探していた。家族の関係が上手くいっていない上に、学校にも馴染めない生活。自分の居場所なんてどこにもなかった。小林さんは構ってほしさから自殺を試みたのではなく、孤独でこの世界では生きられないから、違う世界で生きるために自殺を試みていたのかなと思ったら。凛子ちゃんとのお話、痛いほどよくわかる。自分と相手の気持ちが必ず同じとは限らず、近づきすぎると離れていってしまうのが友達。ずっと味方でいてくれるのは家族だななんて思うのだが、小林さんの場合、家族は自分を苦しめる存在だった。友達に居場所をつくってもらったつもりが、逆に距離感で苦しくなってくる。女子の世界ではあるあるなのではないか。離れていってしまう人もいる中、興味を持って話しかけてくれた祥子ちゃん、百合子ちゃんもいる。こんな自分と向き合ってくれるなんてと小林さんは、自分と向き合い、肯定してくれる存在をこれ以上ないくらい大切にしていた。ピーコのことも、家族からしてみれば小さい命だが、小林さんにとっては自分の命くらい大切な存在で、死んでしまった時、自分を痛いくらいに責めていたところに、繊細でとてもとても優しい方なのかなと思った。恋と男性から愛されることも知ったが、それでも孤独は埋まらず何回も自殺を試みる。毎回、助かった後には、小林さんに影響を与える素敵な人と出逢えているので、何かしらの運命がそうしているのかもしれない。人と人との出逢いは偶然でもありながら、その時の自分の様子や心の持ちようで、出逢える人って本当に変わってくると思う。生きていて良いのか、苦しみながら迷いながら、彼女が最後に見つけた、「みんな怖い」ということ。怖いながらもみんな生きているんだよね。と少しこの世界に優しくなれている彼女がいた。苦しみや死にたいという気持ちを一度でも抱えたら読んでみてほしい。痛いほど共感でき、痛いほど幸せになれる。
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購入済み
未遂後の悲惨な世界
ブラック企業での低賃金、長時間労働の末、心が折れて自殺を試みた話。発見されて命は取り止めたが、医者に勧められて精神病院に。精神科のデイケア、障害者手帳の申請、生活保護の申請。社会復帰を願う著者にとって、これらの環境がいかにハードルが高く、絶望的で、さらに精神を病むことになるのか。読んでいて呆然となります。精神を病んでいると診断された患者がどのような扱いを受けるのか。それこそ長い刑期の受刑者と同じような境遇のように感じました。自殺未遂は健康保険が効かない。でも生活保護を受けていたら治療費を支払わなくて良い。著者が再度(再々度?)の自殺未遂から救命され、治療費を払わなくて良いことを知ったところで、試し読みパートが終了。本編で再生する話が読めると知って希望を持ちました。著者にエールを送ります。
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購入済み
おもしろい
編集者として働く大変さを書いた本なのかと思ったら、生きる苦しみを綴った話だった。何度も自殺しようとして、それでも生き残ってしまい、生きなければいけない。あなたより不幸な人はたくさんいる、という言葉はなんの意味も持たない。私もそのような時期があったが、何とか持ち直した。作者は幸せになれたのだろうか?
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Posted by ブクログ
「死にたくなった人」の処方箋を探して。
前著『この地獄を生きるのだ うつ病、生活保護。死ねなかった私が「再生」するまで。』に感銘を受け、購入しました。
前著が"大人時代の苦しみ"をテーマにしていたとすれば、本書は"子供時代の苦しみ"を描いた作品です。
著者が子供時代に受けた悪魔のような所業を読み、人を社会的弱者に追いやるメカニズムを垣間見た気がしました。
そんな中、著者を救ったのは、"苦しみ"を歌うアーティストであり、いのちの電話であり、友達とのつながりだったように思えます。
人とのつながりが大切だというのは、テレビ番組でも本でもよく聞きますが、そうは言っても、追い込まれている人ほど、人とつながれないのも事実です。
やっとのところで、踏みとどまるにはどうすればよいのか、さらには、趣味との向き合い方に至るまで教わることが多々ありました。
そして、本書に書かれていた様々が、追い詰められた人を救うには必要なものだと確信するに至りました。
最後に、人生の重い枷を外された小林エリコさんに勇気をいただきました。 -
Posted by ブクログ
主人公は、うつ病から、精神障碍者として認定を受け、生活保護へ。
当事者にならないとわからない、マイノリティーとしての心境が、ヒリヒリしながら、同時に淡々とつづられている。
読んでいる側はぐいぐい惹きこまれる。
また、精神障害のケア団体の拝金主義的な活動や、生活保護への暴力的なネットでの中傷など。
弱者へ対する攻撃的な世間への恐ろしさが感じられた。
仕事をするとは、社会と関係を持つこと。
関係をもてなくなり、どんどん社会から離れていく。
認めてもらうために歪な状況に迷い込んでいく筆者。
最終的な自殺未遂の数々。
途中ではたと、筆者自身で気づく。
自殺未遂をしていたのは、誰かにかまってもらいたかったから。
ではないか。
自分を客観的に見れることができたことが、筆者の人生に対してとても重要な効果を及ぼしていると思う。
この本の記載も一人称、自分目線で書いていながら、どこか自分自身を客観的にみれているような俯瞰の視点を感じられた。
人間は一人では生きていけない、誰かに認めてもらい生きていける。本当の孤独の中、人は生きる意味を見失うのだと感じた。
筆者が言っているように生活保護は重要な制度だが、運用がもっと良くできる余地があるんだろうなと思う。
福祉、介護関係には膨大な時間がかかりコストパフォーマンスのモノサシで測ってしまうと、本当の価値が測れない面が多々ある。その中で資本主義社会でどのように成り立たせていくのか、今後の課題だ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ僕は精神病に興味がありますし、貧困にも興味がありますが、この著書はビジネス系のウェブサイトに寄稿していた著者小林エリコさんの記事を読んで知りました。
序盤読み進めることが辛くなってしまい途中で辞めようとも思いましたが、最終的になんとか読み切れました。とてもいい本でした。
著者自身のこれまでのことを書いている内容です。
就職の失敗、自殺未遂、生活保護、貧困ビジネス、再就職の過程です。
人間誰しも負のスパイラルに巻き込まれるとなかなか抜け出すことが大変ですが、著者はなんとか踏ん張ったわけですね。
本当によかったね。と言ってあげたいです。
貧困には経済的な意味合いがまずありますが、それだけでなく、健康の貧困、そして、関係性の貧困があります。
経済、関係、健康いずれもとても重要なもので、それらの一つでも失うことで貧困へと至り易くなってしまうのです。
どれを失っても辛いものですが、逆に言えば、それらのうちどこかに手厚いサポートが加われば貧困から脱却できるチャンスも高まります。
関係性の貧困が解決すれば、社会制度の活用や就職のチャンスも高まるでしょうし、必要な医療制度に接続することもできるでしょう。
また、人はどこかに所属しているという感覚がとても重要です。自分がどこかに所属している。他者から必要とされている。他者や社会に貢献出来ている。そう感じられて人は自信を持つことができ、そして、生きていくエネルギーが生まれます。
自分の居場所があることはとても重要です。
小林さんはいずれも失ってしまうのですが、そんな状態からよくぞ立ち直りました。
しかし、世の中には上記の3要素を失って苦しんでいる弱者がたくさんいることでしょう。彼ら彼女たちのその状況を理解し、手を差し伸べる姿勢を持つ人、彼らの苦しみに耳を傾ける人が増えれば増えるほど、良い世の中になっていきます。
それは、小林さんの意見ですが、僕も全く同じ意見です。
残念ながら現代社会は弱い立場の人の気持ちを考えない人が多すぎるように思えます。そんなことでは結局自分自身の首を締めることなりますし、また、いつでも自分が弱い立場になり得るのです。
この著書がどれだけの人に読まれているかは僕にはわかりませんが、多くの人に読んでもらって社会についてもっと考えて欲しいと思います。 -
Posted by ブクログ
「精神疾患も自殺未遂も生活保護も自己責任ですか?」と目立つ帯。加えて、親子関係の問題、周囲の偏見や幼い頃からのイジメ体験、と多重な苦労を経てきた著者のエッセイ。サバイバルしてきた人だけに、これまで出会った人や体験の良いところも悪いところも冷静に述べられている。精神科病院の問題や生活保護の問題については体験した人だからこそ言えることで考えさせられる。ダルクの体験やべてぶくろ、当事者研究など当事者としての体験は勉強になる。色々な問題が重なり援助者としても絶望感を感じることもあるが、回復している人の話を聞くと希望が見える。回復者だけでなく援助者にも参考になる本だと思う。
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Posted by ブクログ
近所の知り合いに長いこと躁うつ病の息子さんがいた。いじめが原因だったようだが、詳しくは聞いたことはない。その子が何かと働きたい、働きたいっと言っていたのを思い出す。作業所がつまんない、もっとお金をもらいたいとも言っていた。作業所ではいくらもらえるの?と聞いたら、100円くらいだと言っていた。そんなこともあるのかと、これまたよくは聞かなかったけど、仕事らしい仕事ではないのだなと思った。
この本を読んで心の病気をもつ人たちに対しての、自分を含めた世間の目、行政の手がいかに冷たいものかがわかった。
仕事したいって言ったって、病気なんだから無理でしょ? 病気直すのが先決でしょ? と声には出さずとも自分はそう思っていた。
違うのだ。働くことで病気を治せるのだ。
ああ、なんでこんな簡単な、人間として当たり前な感情を、そんな気を起こすな、大人しくしてろと押さえ込もうとするのだろう。
働かないこと=自分はダメ人間 という思考に著者は陥る。
誰の役にも立ってないと考え、自己承認欲求が満たされずに、こころを蝕む。
著者はオーバードーズで自殺をはかることが度々あるのだが、どうやら自殺するつもりとかではなく、たぶん今の自分をなかったことにしたいだけ=リセットしたいだけなんだと思う。もちろん命は一度限りだし、ゲームのようにリセットはできないのだが、そこに思いが至らないほど、思い詰めてしまうだけなのだ。だから死にたいという感情とは違うと思う。
働かなくてもお金がもらえるんだから、楽でいいよね。
心ない人は生活保護の受給者に対して、そんなことを、悪意を感じることもなくさらりと言う。
でも実際は働きたいのに、働こうとしても働かせないようにするケースワーカーやデイホーム従事者による負の力が働く。どうせ面倒を起こすに決まっているんだから、お・と・な・し・く・してろ!と頭を押さえる。
もちろん書き手側の視線でしか眺めていないので、逆の目線から見れば反論も多いと思われるが、それにしてもこんなひどい差別意識で福祉事業に携わっている人がいるのか、と驚いた。
著者がようやく働けるようになって、生活保護の中止を申し込んだときも、ケースワーカーは、どうせまたすぐに働けなくなるにきまっていると、勝手に決め込んで中止の申請を進めなかった(たぶん申請書類の改ざんをおこなっていた)
今まで気にしたことはなかったけど、生活保護から抜け出すための手助けをしてくれる行政機関はないということなのかな?
この人の経験を、運が良かったね、で済ましてはいけないと思う。
この本は同じ病気に苦しむ人が読むというよりは、福祉従事者の人が読むべきだ。
あなた方のちょっとした言動は、当人はさざ波のようにしか感じてないかもしれないれど、相手には津波のように襲いかかっていますよ。