あらすじ
私は十代の頃から結婚なんてするもんかと思っていた。
年中「誰のおかげで飯が食えると思ってるんだ」と怒鳴り散らす父と暮らしていると、
結婚に対しての夢というものがなくなる。
王子様と結婚したシンデレラだって本当に幸せだったかどうか怪しい。
お世継ぎを産めと言われたり、王子が浮気をしたりしたのではないか。
――本文より
酔って暴れる父、それを止めない母、父を学習して「私」を殴る兄…
機能不全の家族なのに、愛着がないわけでもない。
あんな父でも、会いたい。
でも、共に生きていく人を家族と呼ぶならば、これからは一緒に生きていく人を自分で決める。
そう決めた著者による、「家族」の枠組みを考え直すための胸をえぐられるようなエッセイ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
著者の気持ちが理解できるなんて言えない。
けど、父に殴られる母を見て離婚すればいいと思ったり、いざ離婚が目の前に突きつけられたら今の生活が無くなることが怖くなるというのは、少しだけどわかる気がする。
Posted by ブクログ
エリコさんのご家族は
確かに機能不全な部分もあるけど
よい思い出がないわけではない
しかし 悪い思い出も腐るほどある
ここら辺が思いきるには
とても難しいんですよね
確かに家族の愛はあった
でも だからと言って
すべてが許されるわけでもない
家族を捨てようとしたときに
家族のいいところを
しっかり見つめなおしたというのは
とても勇気があると思います
Posted by ブクログ
家族は、しんどい。うまくいくのが当然みたいに言わないでくれるといいのにな。ものすごく誠実に書いてあるように読めるのがいいのか悪いのか。受け取り方を変えたらどうにかなるかもよくわからない。
Posted by ブクログ
もやもやする読後感。
著者が今生きていて、希望に向かっているところまでたどり着いていることにほっとした。
課題の分離。
大人になってなお、今の自分がこんななのは親のせいだ、と責めるくだりには痛ましさと不快感を強く感じた。
家族の課題。捨ててもいいですか?と問いのカタチの不確かさに、落ち着かない気持ちになった。
高知さんのような受容と赦しが感じられなかったのがモヤモヤの原因か。
セルフコンパッション、大事。
Posted by ブクログ
ところどころ、読むのが辛いと感じた。筆者の辛さが理解できる訳ではない。
理解できる、と感じるのはおこがましい。
ただ筆者の親への感情は私も家族に持たれている感情だと感じる。
私が家族に対して幸せに感じていた感情を、相手である家族は覚えていないかもしれない。私が家族に対して憤りを感じていたことを、相手である家族は覚えていないかもしれない。
だから、相手である家族が感じた憤りを私が自覚していないかもしれない。
どんなに家族が相手に対して尽くしたとしても、それが生命を維持するために不可避だったとしても、相手である家族から、どのように評価されるかは分からない。
家族の絆とか、家族なんだから…という言葉に疑問を持っているが、家族とは、きれいなものばかりではなく、清濁併せ持つものと、私は思っている。家族でも、相手に期待しすぎてはいけない。
筆者の家族は離れて正解だったと、何の責任もない他人である私はそう感じる。けれども、どこかでメディアに露出するようになった筆者を、離れてしまった家族である筆者の父や兄が見ていてくれるだろうか、と感じることにも理解は出来る。
行きたい学校に行かせてもらえなかった、と言ったり、何度も自殺未遂を図ったり…
それでも、やはり筆者は家族に期待しすぎているのではないだろうか、と感じることもあるのだ。