【感想・ネタバレ】私がフェミニズムを知らなかった頃のレビュー

あらすじ

機能不全家族、貧困、精神疾患、自殺未遂など、
いくつもの困難を生き抜いてきた彼女が、
フェミニズムにたどり着くまで。

殴る父と耐える母、ハラスメントの横行、エロ情報の氾濫、あからさまな賃金格差、性犯罪におびえなければならない日常……。かつて1ミリも疑ったことがなかった「男女平等」は、すべてまちがいだったのか? もう黙ることはしない。体当たりでつかんだフェミニズムの物語。

小林エリコさんは団塊ジュニア世代。団塊世代の私たちが育てた子どもだ。女の子からここまで自尊心を奪い、男の子がここまで自己チューにふるまう社会を私たちは再生産してしまったのか。でも、これは高い授業料を払ったけれど、「もう黙らない」ことを学んだ女性の闘いの記録。
──上野千鶴子

俺たち男こそ耳を傾けるべきだ。ジェンダー格差と自己責任論が作り出した、この地獄に加担しないためにも。
──清田隆之

「私は世の中が男女平等だと1ミリも疑っていなかった。しかし、それは全て間違いであり、それに気がつくのに私はとても時間がかかった。男女が平等でないと教えてくれたのはフェミニズムだった。フェミニズムを知った時の衝撃を例えるなら雷に打たれたような感覚とでも言えばいいだろうか。男女は平等でないというパラダイムシフトは私の中の壁を瓦解させた」(「はじめに」より)

【目次】
はじめに
第一部
1 父は王様、母は従順な家来
2 脂肪よりも筋肉が欲しい
3 母のようにはならない
4 この国の男たちは狂っているのかもしれない
5 平坦な地獄が待っているだけ
6 彼らはなにもしてくれない
7 男より弱いものになるということ
8 この理不尽な怒りをどうしたらいい
9 ノラのように
10 エロとパチスロのハイブリッドな漫画雑誌
11 母の幸せは私の幸せじゃない
12 自宅とデイケアを往復する日々
第二部
13 寂しいから一緒にいるだけ
14 最低で最悪のカップル
15 世界で一番情けない生き物
16 あなたは生活保護がいいと思う
17 ただ一人で暮らしているだけなのに
18 そこにはフェミニズムがあった
エピローグ

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

意識していなかった日常の違和感をぐさぐさ刺される感じ。著者もグサグサ刺されながらこうやって言語化できるようになったのだと思った。
「フェミニズム」というように考え方、感じ方に名前がついて客観視できるようになることは良いことだと思った

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2025年11月17日

Posted by ブクログ

女性である著者が、あらゆる場面で虐げられて生きてきたか、が赤裸々に記されていた。

学校内のヒエラルキー。
社会に出てからの男性優勢の会社、社会構造。
電車内での痴漢、不審者からのストーカー、恋人からのモラハラ、DV。

正しくないことは正しくない!と
声を上げたいのに、女性だからそれが難しい。
人的な問題だけど、それは社会の問題とも言える。
この日本の国家構造に蔓延ってきた男尊女卑のシステムによって、女性は古よりずっと不利な立場に置かれてきた。

今でこそSNS等で被害者が声を上げたり、女性の権利向上を目指してデモが巻き起こり、アドボカシー団体が組織されるなど社会は着実に変わりつつある。
フェミニズムの実現は男性にとっても看過できない課題だ。

しかしまぁ、著者が自己主張できない性格なのと、生活保護&無職という立場を逆手に取り、前に現れてくる男たちのなんと傲慢なこと。
彼氏、と書中で彼女は記しているが、モラハラDVをする時点で彼らは最早恋人ではない。
明らかに女性である著者を見下し、自分の支配下に置こうと目論む男たちの卑しい魂胆。反吐が出る。

男たちがなぜ自分より学歴が低く、若い女と結婚したがるのか。
AVのジャンルになぜ幼女や女子高生など若さを売りにしたものが多いのか。
性風俗産業がなぜここまで日本中に広がり、盛んになっているのか。

全ては男性中心の価値観の基、社会がお膳立てしているからだ。
男性が優位な立場に君臨し続けられるように。
男性が精神的、身体的に気持ちよくなれるように。
体力的に女性に勝る男に金棒を持たせるような、意図的な社会のシステムが現在でも継承されている國、日本。
だからこそ女性天皇は今でも存在せず、女性の生涯収入は男性の約半分なのも皮肉だが納得がいく。

著者は我慢しすぎだと思った。
学校や塾の教師から、故意的に胸を触られても嫌だと言えず、 モラハラDV彼氏からあからさまに人権侵害な妄言を吐かれても反論できず、ズルズルと相手の言いなりになってしまう。
渦中の2人が共依存である故の結果かもしれないが、あまりに何も言えなさすぎる。
読んでいて不甲斐なく思えたし、逆に言うと精神を病むということは奴隷的な心理状態になってしまうのだと、怖くなった。

P77 「私のようなみっともない人間が誰かを愛するなんて、してはいけないことで、恋心は大きな恥だった。」
→自分も学生時代、存在感の薄い陰キャラだったから、激しく共鳴した。いじめられっ子に人権は無いに等しい。


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2025年03月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なかなか辛い本。全てがそれのせいではないのでは?と思ってしまう私は、甘いのだろうと思いながら読み進む。でもラストは良かった。すごく共感した。
世の中は男女平等じゃない。その背景と共に知る授業があるべきだ。大学の般教で習うのでは遅い。と思う。

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2021年09月19日

Posted by ブクログ

著者の精神疾患が読んでいる方も辛かった。エピローグが一番良かった。上野千鶴子さん、フェミニストについて、共感できる言葉が多かった。男女平等だと信じてやまなかった子ども時代はもう終わり、世の中の理不尽さや不平等にうんざりしている今。世の中そろそろ変わってくれよ〜と思うがさて、私に何ができるか。どうしてらよいやら。

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2021年07月16日

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