【感想・ネタバレ】生きながら十代に葬られのレビュー

あらすじ

世界中の誰もかれもが私のことを嫌っているみたいだ。

クラスメイトからのいじめ、親との衝突、諦めた夢。
満たされないまま大人になった「かつての十代」へ。
『この地獄を生きるのだ』著者が綴る仄暗い青春の記憶。

「学校はなんてつまらない場所なのだろう」。
田舎の閉塞的な学校でいじめられている「私」に差した小さな光、それは絵を描くことだった。
しかし、世界は「私」を受け入れてくれなかった。
やりたいことがあるのに、できない。なりたいものがあるのに、なれない。
未来を絶たれて絶望した「私」はやがて学校という社会の外へと飛び出していくが――。

十代は遥か遠くにあるのに、今起きていることのように胸が痛い。
そのたびに、私の十代はまだ終わっていないのだと自覚する。
私の心と体は生きながら十代に埋葬されている。
目を閉じれば私をあざ笑う同級生の姿が目に浮かぶ。
全く幸せじゃない時代、あの時代に私は復讐がしたい。
あの時代を乗り越えないと私はどうやっても大人になれない。(「はじめに」より)


【目次】
はじめに

《第一部》
一人ぼっちの世界
学校という社会
崩壊
解離
ジャニスの歌
高校入学
死にたい気持ち
「ちゃんとできてるかな。役に立ってるかな」
なりたいものがあるのに
学校の外で
卒業

《第二部》
人との出会い
クライ・ベイビー
十代の私に百合の花を

おわりに

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Posted by ブクログ

「死にたくなった人」の処方箋を探して。

前著『この地獄を生きるのだ うつ病、生活保護。死ねなかった私が「再生」するまで。』に感銘を受け、購入しました。

前著が"大人時代の苦しみ"をテーマにしていたとすれば、本書は"子供時代の苦しみ"を描いた作品です。

者が子供時代に受けた悪魔のような所業を読み、人を社会的弱者に追いやるメカニズムを垣間見た気がしました。

そんな中、著者を救ったのは、"苦しみ"を歌うアーティストであり、いのちの電話であり、友達とのつながりだったように思えます。

人とのつながりが大切だというのは、テレビ番組でも本でもよく聞きますが、そうは言っても、追い込まれている人ほど、人とつながれないのも事実です。

やっとのところで、踏みとどまるにはどうすればよいのか、さらには、趣味との向き合い方に至るまで教わることが多々ありました。

そして、本書に書かれていた様々が、追い詰められた人を救うには必要なものだと確信するに至りました。

最後に、人生の重い枷を外された小林エリコさんに勇気をいただきました。

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2020年12月30日

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