羽田詩津子のレビュー一覧
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ネタバレこんなに人間味溢れる探偵っていたかしら!大好きなアガサ・レーズンシリーズは今回も期待を裏切らない面白さ。若い子への嫉妬、手術を勧められているのを無視し続けている股関節の痛みにも耐え、幸せな結婚を夢見ては夢破れるけど、読者はほっとする。愛すべき探偵を支える友人や仕事仲間たち。このシリーズはジントニックを飲みながら、イギリス料理を食べながら読みたくなります。
でも今回は探偵の自信を失くすアガサが出てきます。若いトニに主役を奪われるけど、やはりトニにはまだ圧倒的に経験が足りていないし、トニにはトニの良さがあるように、アガサにはアガサの良さがあるのに、自分のこととなるとアガサは冷静さがゼロになってしまう。そこがかわいらしさでもあるんだけど。
同年代に近い私はアガサがとても身近に感じるし、愛すべき人なんだけど、男性読者はどんな反応なんだろうと気になる今日この頃です。
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シリーズ第三弾。変わらず素敵な面々の活躍が楽しく読めます。彼らが今回挑むのは、犯罪を突き止めたらしいキャスターのべサニー・ウェイツが殺された十年前の事件。しかしそのさなか、エリザベスは謎の人物に拉致され、かつての同僚である旧友を殺すように脅迫される。ユーモラスさは健在ながらもハラハラドキドキが止まらない作品です。
エリザベスは危機に陥り(でもきっと彼女は大丈夫と安心していました)、ロンは恋に落ち、イブラヒムはある人物に接触、そしてジョイスはいつも通りにいろんなことにわくわくしていて、本当に楽しいです。だけれどある人物の老いが進んでいくところは切なかったりも……老人たちがひたすら元気で前向きに思えるこのシリーズですが、避けて通れないものはあるんだよね。でもそれすら乗り越えて、彼らの生きざまは力強く感じられます。むしろ後がないかもしれない分、悔いのないようにと心掛けているのでしょうか。見習わなくては。
さて、事件の方も本当に読みどころ満載でぐいぐい惹きつけられました。バイキングとの息詰まるような対決もスリル満点ですが。やっぱりすごいよジョイス!(笑) そして今回、珍しく浮かれっぱなしなボグダンが可愛くって仕方ありません。幸せになってほしい。 -
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ネタバレ初めてのミス・マープルシリーズ。
ドラマで見たことはあったのでストーリーは大まかに覚えていたけど、やはり活字を目で追いながら情景を想像するのはとても楽しい。
個人的に一番好きなのはジュリア(エマ)。淡々としていて、可愛らしいところもあって、素性がバレても狼狽えず堂々と振る舞う。素直で無垢な子供のようだけどしっかりと自分の意思や考えを伝えることができる強く優しいバンチも好き。そしておっとりとしてロッキングチェアが似合いそうな老嬢ミス・マープルのラストの掃除道具入れ?の中に隠れてドーラの声を真似るという行動力と度胸は老嬢故の人生経験から得たものなのか、はたまた彼女の生まれ持った素質なのか。ミス・マープルはてっきり安楽椅子探偵なのだと思っていたので、その行動力にはとても驚かされてすっかりファンになってしまった。
この勢いで他のミス・マープルシリーズも全て読むつもりだ。 -
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ネタバレあーあ、面白いミステリが読みたいなーーと思って助けてクリスティー!と読んだら…最&高!笑
もー面白すぎる!これだよこれなんだよ〜〜!大満足。
犯人わかった時本を取り落とすかと思った。
この鮮やかな謎解きを待ってた。
変にグロくもなく特殊な設定とか余計なものナシ、静かな村で起きたひとつの殺人を追うだけでノンストップで読み切らせる物語の上手さにひれ伏しちゃう。余計なものがないんだよねー!
登場人物も多いから、読みながら推理するのも楽しいし、暇を持て余した老嬢(この単語すごい)たちの無益なおしゃべりも退屈すぎて笑える。
さすがに時代が違いすぎて、物語の中で当たり前に過ぎてくこまかな描写がわかんないことも多いけど、100年近く前に書かれたとは信じられない。
次はアクロイド殺し読むの楽しみだなー。 -
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愛すべきミス・マープルシリーズの長編一作目に当たる訳だが、マープルのお披露目には最適な作品である。
マープルシリーズは短編からスタートしており、後々「火曜クラブ」が発売されるが、本当の意味でマープルの驚異的な推理力を知らしめられるのは「火曜クラブ」であり、長編としての面白さ、彼女がどの様な人物であるかを読み解くのであれば、今作「牧師館の殺人」が最適である。
田舎の村、セント・メアリー・ミードで起きた殺人事件。長閑な場所で、十五年以上殺人等が起きていないこの土地で、一人の老紳士が牧師の家の書斎で頭を撃ち抜かれて殺害されている。若い画家が殺害を自供し、事件は解決されたかと思いきや、様々なトラブルが発生していきセント・メアリー・ミードは大騒ぎだ(まさしく文字通り大騒ぎだ。設定はありきたりなのだが、時代背景の違いが強く、警察が横柄だったり(なんてひどい捜査だ!!)婦人たちが煩わしかったり(なんて恐ろしい土地か!!)とにかく田舎の長閑さと比較して人間の内面、人間的な部分が存分に表現されている作品だ(田舎の人間であれば今作の様な人間的な煩わしさを現代でも経験した事があるだろう)
「ミス・マープルは常に正しい。」ある意味で住人達の中に彼女の全てを見透かしている様な態度について恐ろしさを感じているのは驚きだった。優しいオールドミス(オールドミスには皮肉もある様で優しい訳がないのだが(笑))のイメージがあったのだが、数作品読み進めると彼女の内面の強さや正義感優しさ等のバランスがわかる様になる。
今作では犯人はとても意外であり、僕自身は再読のため、とある人物が犯人だったなぁと読んでいたら記憶が間違っており。ある意味で新鮮に衝撃を受けた訳だが、同じ様な構造の作品はクリスティの他作でも見受けられ、しかし良い意味で繰り返されており、クリスティがそれぞれの探偵やノンシリーズで上手に構成を当てはめてパズルの様にマネジメントしている事を尊敬している。それでいてストーリーは面白いし、トリックは新鮮、ドンデン返しもある為満足のいく作品だ。
ある意味で読みやすく王道のミステリーといっても良いだろう。まず何を読むかを相談されればおすすめの一冊に今作が該当するだろう。
セント・メアリー・ミードはこれ程恐ろしいむらだったのかと。衝撃的だったが、この様な環境かにおいて幼少からきたえられたマープルは必然的に人間性を観察するやり方を学んたのだろう。
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いやぁこれは!久々に「面白かった!」と声に出てしまいました。
先に読んだ『火曜クラブ』にそこまでハマれず、ううむ私はミス・マープルよりポワロ派かも、と思いかけていましたが、こうして他の本にも手を出してよかったです。やっぱり長編の方が好きだなぁ。
「殺人をお知らせします。……」
開幕数ページで鮮やかに告知される"殺人"。小さな村の人々は、特に関心なんてありませんよという顔をして続々とミス・ブラックロックの屋敷であるリトル・パドックスに集います。
私は基本的に、ミステリーを読む時に推理をしないタイプ。
ただ純粋に、ああこれからどうなるんだろう、この人もあの人も怪しいな――と、作者が散りばめたひっかけに次々とハマっていくんです。
そして最終的に全員が犯人に見えてしまう中で、鮮やかに明かされる真実。見事に、騙されました!
これはきっと二度目に読むともっと面白いでしょうね。久々に、満足の行く読書体験でございました。 -
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母校が開催した公開講座「オースティンの世界」で紹介された本。
原題[Death Comes to Pemberley(死がペンバリー館にやって来る)]よりも断然良い邦題だと思います。
多少原作とは登場人物達の雰囲気が違うような気もしましたが、それは作者が違うからなのか、あれから六年経って彼らが成長したからなのか。
まあ、些細な違和です。
そしてミステリとしては…やられました。
とりあえず「こいつが怪しい」と目をつけていた人物がいたのですが、違いました。
貴族としての面子を保たなければならなかったり、家族を守らなければならなかったり、自分の都合を押し通したかったりといろいろな思惑が絡み合い、結果、全く想像していなかったところに着地しました。
エリザベスが本当にいい奥様になっていて、安心しました。←誰目線?
ジェーンについては心配してなかったけどね。
数十年ぶりに『高慢と偏見』再読したくなりました。 -
Posted by ブクログ
★5 チームワークが凄い!高齢者たちがまたもや困難な事件に立向う #木曜殺人クラブ #二度死んだ男
■あらすじ
木曜殺人クラブで長閑な会話がされる中、エリザベスに一通の手紙が届く。かつて別れた元夫からの手紙だった。彼の訪問がまたもや木曜殺人クラブの面々を困難な事件に巻き込んでいく…
■きっと読みたくなるレビュー
面白い★5
前作よりも物語の構成はもちろん、謎解き要素、サスペンス、ユーモア、そして登場人物の魅力がパワーアップ!なんといっても前作より圧倒的にひとりひとりの魅力が描けてて面白い!
ジョイスの天真爛漫さ、熱さ、そしてたまに見せる鋭さ。
イブラヒムの探求力、洞察力、記憶力。
ロンがカッコイイんだよ、男が惚れる男。
ボグダンがまたすげぇんだよ、なんなのこの人。肝っ玉の据わり具合と実行力がハンパない。
そして恐ろしいのはエリザベス。
過去が明らかになり、いよいよ全知全能感が出てくる。この人なら戦争すら止められるんじゃないでしょうか。
警察の二人組も相変わらず。なにやってんだか事件解決しろよって感じで、めっちゃ可愛い。敵対する人物たちも、人間性や信条が上手に書かれていて、まるで人物が目の前にいるようですね。
本シリーズはとにかくキャラクターが素晴らしい。やっぱり映像で見たいな~
もちろん前作通り彼女たちの会話も楽しい!
真剣なのか冗談なのか、素直なのか煙に巻いているのか、目くるめく会話の妙。抜群のセンスです。
また本作は物語の筋がかなりわかりやすくなっていて、序盤からいきなり面白いの。
事件解決に至るまでの構成がひとつひとつ丁寧で、終盤の盛り上げも上手、そして読後の納得感もバッチシで綺麗!間違いなく作者は工夫されたんでしょうね。
本作はあくまで楽しく元気なエンタメミステリー小説。
しかし随所にみられる老化や死に対する悲哀が見え隠れして、常にバッドエンドの予感を感じさせるんですよね。しみじみと読者の心の隙をついてくる作品でした。
■推しポイント
ミステリーにおいて犯人が判明する瞬間は、その作品の最も重要なポイントであり、それまでの物語や人間関係の深さがにじみ出てきます。
本作ほど静かで、しかしながら熱い情念に包まれた瞬間はないですよ。登場人物の想いがガツンと胸に刺さるんです。
人間関係、友情、思いやり…人の心の機微がしっとりと感じられる作品でした。 -
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ネタバレくうー、、相変わらずおしゃれ!
前作で海外ミステリー沼にずっぽりハマり、最近は1930年代あたりのエラリークイーンやヴァンダインの作を楽しんでましたが、続編が出ていることに気づいて久々に現代に戻ってきました。
キャラクターの魅力とウィットに富んだやりとりが傑出しています。タイトルの意味を回収する構成も素敵。最後は思わず涙です。
やや内容が盛り込み過ぎの感はありますが、4人が健在であれば、それでも着いていけるのです。
そしてそして、にくい仕掛けは、ジョイスのインスタ!これは刊行された時代に読むから楽しめる遊びですね。
オンライン会話に慣れないマフィアのやりとりが一番ツボでした。次回はイブラヒムの活躍が見たいです。