羽田詩津子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
つらいシーンに耐えられるだろうかと思ったけど、そこまで具体的描写はなくて助かった。「とてもつらい日だった」などという描写でまとめてくれている。
私は今まで35年という気の遠くなるような時間、一度も飢えを知らずに生きてこれたけど、これがいかに奇跡的か忘れて生きている。
セーラは裕福な時もつらい時も、どちらでも性格が良いのでこちらも素直に読んでいられた。
ベッキーの立場を考えると、どうしてセーラだけと卑屈になっても良さそうなものけど、最終的には彼女にとってもハッピー・エンドで、ここでちょっとうるっとした。
すべての元凶はあの人で、起きたことは許せないけど、また良い人で汚名返上しようとしているので読者もそこまでの怒りを抱かずに済んでいるのかな。怒りはミンチン先生に向くよね。
また、最後の章のタイトルが秀逸。セーラらしさが現れたところで幕引きとは。まとめが素晴らしい。ほっこりと温かい気持ちとはこのことか。この瞬間星5が決まった。なぜ西洋の古典文学は面白いのだろう。 -
Posted by ブクログ
結末に賛否があるとのことでずっと読みたかったこちら。核心に近づくにつれて「おいおい…?」となり、ラストのポアロの推理に「それアリ!?」となって、解説を読んで「…じゃアリかー」となりました。
ミステリー好きにはピンとくるのでしょうね。私はそこを全く考えていなかったのでやられた!の一言。確認しながら読み返してしまった。
この方法をよく思いついたなぁ。コレ、ネタバレを踏む前に読めてよかったです。
冒頭でカボチャをブン投げてた隣人(ラストの一文がまた効いてる!)から、語り手であるシェパード先生のお姉ちゃん・キャロラインのウザチャーミングさなど、登場人物のキャラクターも楽しんで読みました。 -
Posted by ブクログ
ミステリーでドラマティックでエンタメ。特に、推理のシーンに関しては、舞台を整えて、雰囲気を作って……と、ミステリードラマのような……映像的な盛り上がりがある。容疑者たちに緊張が走る、その空気を感じるようだ。
言葉遣いに「ん?」という違和感はあったが、たぶんそもそもの原稿が読みやすくて面白いのだろう、読み切らされてしまった(笑)
ああ、そして、ポアロが好きになってしまった。この小柄なベルギー人はキャラクターがしっかり立っていて、人をよく見ており、ちょっとお茶目だ。そして、何を考えているかは道中全然教えてくれないが、時に人を後押しし、口を閉じるべき時を知っている。
彼を信頼する一方で、私は犯人である人物を信用出来ず、ずっと疑っていた。そもそも犯行が可能だし、いい人なんだけど好きになれなくて。……だが、途中から「ふんふん、それで?」と物語を追うのが楽しくなったり視点を誘導されたりで、結局はクリスティーの手の平の上……(笑) ラストの一文には、探偵ものの犯人の切実な、ちょっと皮肉げな気持ちがこもっていると思う。