羽田詩津子のレビュー一覧
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ネタバレ【再読】
医者のシェパードはある日、名士ロジャー・アクロイドに呼び出された。そこでアクロイドは、村に住む未亡人のフェラーズ夫人に結婚を申し込んでいたことを打ち明けた。だが同時に、アクロイドは夫人から、実は夫人が夫を毒殺したのだということを打ち明けられていた。さらに、そのことを知った何者かに夫人が恐喝されていたことも知る。
そしてフェラーズ夫人は、そのことを苦に自殺してしまった。シェパードがこの話をアクロイドから聞いていた最中、死ぬ直前に夫人がアクロイドに宛てて出した手紙が届く。そこには恐喝者の名も書かれていたが、アクロイドは頑なにその名を言わず、シェパードは渋々屋敷を去ることに。
その夜、アク -
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推理だけでなく、登場人物の人間模様まで克明に描き切る著者の手腕に舌を巻いた。
そして誰もいなくなったからアガサ作品に入り、本作が2作目の初ポワロでした。
推理を楽しむあまり、作者の罠にしっかりとかかってしまいました。
ポアロや人間模様に翻弄されて、作者の掌の上で踊らされておりました。
ミステリーという触れ込みで読み始めたものの、圧倒的な人間関係の濃さに驚いた。
犯人と思しき目星をつけるも、ポアロの一言で何度もひっくり返されてしまった。
一筋縄ではいかないうえ、翻弄されるのを楽しんでいる自分もいた。
事実と思っていたことを、いともたやすくひっくり返して、真実を暴く。
もしかしたらミステリー -
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ネタバレ傑作。
ミステリ作品の技法として、当時の読者からすると、かなり先進的、なんなら反則スレスレぐらいに感じたんだろうなと思う。しかし、そのグレーなラインこそが当時の読者を魅了し、よりクリスティー作品に引き込んでいったんだと考えられる。
そんな擦られまくった技法の作品を今読んでも面白いと感じれるのは、やはり、「ポアロの魅力」と「圧倒的構成力」だと感じた。
過去に数作『ポアロ』シリーズを読んだが、最初の頃は「理屈っぽいウザいオジサン」的な印象が強かったが、このシリーズを読めば読むほどポアロの理屈っぽさが論理的な推理を生み出し、その度に脳に強い刺激を受けていることに気付いた。今作も終盤の推理パートは、パ -
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ジョーン・ヒクソン版のドラマは観たことがあったのだけど、あまり内容を覚えてなかったので、普通に新鮮な気持ちで読み始めた。
ドラマは語り手というものがないから、小説だとけっこう印象が違ってて、マープルの出番が思ってたより少ないなと思った。
しかも、初めて言及されるシーンではあまり良い印象として語られてなくて、ドラマもキャラクターも全く知らずに読んだら、マープルの印象ってだいぶ違ってたかも。
ただ、語り手が牧師さんでわりとフラットな見方で物語が進むから、びっくりしたのは最初だけだった。
ドラマは演出によるミスリードで、より誰が犯人であってもおかしくない感じが強いけれど、小説も絞れはすれど確信は持て -
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これだけ新刊の発売を楽しみにしていると、期待値が高すぎてがっかりする、ということが起こっても仕方ないと思うのですが、今回はこれまでの中で一番ハラハラドキドキして、期待以上の面白さでした。
アガサ・レーズンもジェームス・レイシーもどうしちゃったの、という展開だったけど、あ、アガサ・レーズンに関しては期待通りか。中年になった今、2人のはちゃめちゃはこれからの未来に希望を持てるはちゃめちゃです。中高年になっても、自分を失うことも、若い頃からの失敗を繰り返すこともあり、落ち込んで泣きたくなって、実際に泣いて、それでもこれまでの経験からちゃんと克服して元気に明日を生きることができるのだという希望が持てま -
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ネタバレ面白かった。
映像化されていたので、期待して読んだけどそれを裏切らない面白さ。
たぶん、シーンを短く区切って進めるので冗長的にならないし、隙間は勝手に読者のほうで勝手に補完できるような構成になっていたからだと思う。
売れる小説スタイルとしてシーンを短く区切るというのが今の流行りのスタイルなんだろうか?
読者を飽きさせない工夫として使われている気がする。
あらすじでは死人の数は一人しかわからなかったが、本書では3つの死が絡み、それぞれ犯人がいる。
トニー・カランの死
犯人はボグダン。この謎を最後まで引っ張り、作中でも真相に辿り着きながらも指摘せずに終わるというなんとも引っ張られる -
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アウシュビッツから脱出したユダヤ人、ナチスのユダヤ人ホロコーストの事実を何としても外のユダヤ人に伝え、さらなる殺戮を止めようと脱出。
脱出後に詳細な収容所の実態をレポートにまとめ、宗教関係者や政治家にそのレポートを広めようと努力するも、その真実を信じなかったり、中にはナチスに取引や加担した者に握りつぶされたりし、脱出後もユダヤ人の移送は止まらず。
同レポートの前にもホロコーストの実態は宗教界や連合国側にも漏れ伝わっていたこと、ドイツに占領された国の政府がホロコーストに加担したことに驚く。
同作品の主人公のその後の人生も収容所の影とその偏執的な性格も影響し、離婚や色々な人との確執、衝突を繰り返し -
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ヴァルター・ローゼンベルク、スロバキア生まれのユダヤ人。
彼がアウシュビッツから脱出を企て、隠れているシーンから始まる。
ナチの非道の本は何冊も読んでいるけど、脱出した人の目線で綴られたものは初めてで、読みごとに引き込まれて行った。
ヴァルターは、たくさんの非道に鍵をかけて、冷静を保ちながら脱出の機会を窺ってきた。
脱出してもたくさんの迷いと戦い、巡り合わせなどもあって、ナチの非道を託すべきひとに伝えることができる。
通常ここまでだが、この先があるのがこの本の特徴だろう。
ヴァルターはルドルフとなって、結婚したが離婚してアウシュビッツで身についた生活スタイルや思考と闘いながら生きている様が