羽田詩津子のレビュー一覧

  • アクロイド殺し

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    ネタバレ

    噂に違わぬど傑作。
    ミステリ作品の技法として、当時の読者からすると、かなり先進的、なんなら反則スレスレぐらいに感じたんだろうなと思う。しかし、そのグレーなラインこそが当時の読者を魅了し、よりクリスティー作品に引き込んでいったんだと考えられる。
    そんな擦られまくった技法の作品を今読んでも面白いと感じれるのは、やはり、「ポアロの魅力」と「圧倒的構成力」だと感じた。
    過去に数作『ポアロ』シリーズを読んだが、最初の頃は「理屈っぽいウザいオジサン」的な印象が強かったが、このシリーズを読めば読むほどポアロの理屈っぽさが論理的な推理を生み出し、その度に脳に強い刺激を受けていることに気付いた。今作も終盤の推理

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    2025年11月24日
  • アクロイド殺し

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    ネタバレ

    これも有名な一冊。ミステリーに興味あるなら早めに読んでおいた方が良いと思います。トリック的にも。

    途中からもしやと思ったがやはり。文章だからこそ面白いので映像にしたら魅力半減でしょう。麻雀シーンは一回手止めてくれと思うなど。
    キャロライン姐のその後を思うとちょっと複雑。

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    2025年11月24日
  • アクロイド殺し

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    ネタバレ

    クリスティ作品はランダムに読んでるので、「これ読んでたかなあ、覚えがないなぁ」と思いながら読んだ。途中から、「全くトリックとか分からんけど犯人この人じゃね」という気がしていた。正解だった。記録を見返すと、児童向け翻訳で読んだことがあるものだった笑
    ポワロさん、キャロラインには好感を抱いていたんだろうな。ラルフ・ペイトンとフローラは似た者同士だから、やっぱりその2人が結婚しなくてよかったと思う。しっかり者のアーシュラとブラント少佐に上手く支えらないと何処かで道を踏み外すんじゃないかなw

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    2025年11月01日
  • アウシュヴィッツ脱出 命を賭けて世界に真実を伝えた男

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    アウシュビッツの残虐さが詳細に語られております。ヒトラーがユダヤ人に何をしたのかが分かる本です。後世に読み継がれることを祈ります。

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    2025年10月28日
  • 木曜殺人クラブ

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    ネタバレ

    面白かった。
    映像化されていたので、期待して読んだけどそれを裏切らない面白さ。
    たぶん、シーンを短く区切って進めるので冗長的にならないし、隙間は勝手に読者のほうで勝手に補完できるような構成になっていたからだと思う。
    売れる小説スタイルとしてシーンを短く区切るというのが今の流行りのスタイルなんだろうか?
    読者を飽きさせない工夫として使われている気がする。

    あらすじでは死人の数は一人しかわからなかったが、本書では3つの死が絡み、それぞれ犯人がいる。







    トニー・カランの死
    犯人はボグダン。この謎を最後まで引っ張り、作中でも真相に辿り着きながらも指摘せずに終わるというなんとも引っ張られる

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    2025年10月20日
  • 木曜殺人クラブ

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     現実の殺人事件を独自で捜査する高齢者4人組『木曜殺人クラブ』の活躍を描いたミステリーで、現代版ミス・マープル(達)とも言うべき彼らの個性や事件に対する積極性に目を見張るものがあり、一方で自身の人生が長くないことを悟った上での哀愁も描写されていて印象的だった。真犯人も予想だにしない人物で心底驚かされた。

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    2025年10月19日
  • アウシュヴィッツ脱出 命を賭けて世界に真実を伝えた男

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    アウシュビッツから脱出したユダヤ人、ナチスのユダヤ人ホロコーストの事実を何としても外のユダヤ人に伝え、さらなる殺戮を止めようと脱出。
    脱出後に詳細な収容所の実態をレポートにまとめ、宗教関係者や政治家にそのレポートを広めようと努力するも、その真実を信じなかったり、中にはナチスに取引や加担した者に握りつぶされたりし、脱出後もユダヤ人の移送は止まらず。
    同レポートの前にもホロコーストの実態は宗教界や連合国側にも漏れ伝わっていたこと、ドイツに占領された国の政府がホロコーストに加担したことに驚く。
    同作品の主人公のその後の人生も収容所の影とその偏執的な性格も影響し、離婚や色々な人との確執、衝突を繰り返し

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    2025年10月18日
  • アクロイド殺し

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     そういえばミステリが好きと言いながら、アガサ・クリスティーの本をちゃんと読んだことなかったなーと思って、古典を読もうシリーズ。
     わかりやすくてスラスラ読めた上で、マジでラストで驚いた。このパターンはここから始まったのか。こりゃ女王だわ。
     これから著者とかクイーンとかの作品が膨大に残っているかと思うと、楽しみすぎてクラクラする。

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    2025年10月12日
  • アウシュヴィッツ脱出 命を賭けて世界に真実を伝えた男

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    ヴァルター・ローゼンベルク、スロバキア生まれのユダヤ人。
    彼がアウシュビッツから脱出を企て、隠れているシーンから始まる。
    ナチの非道の本は何冊も読んでいるけど、脱出した人の目線で綴られたものは初めてで、読みごとに引き込まれて行った。

    ヴァルターは、たくさんの非道に鍵をかけて、冷静を保ちながら脱出の機会を窺ってきた。
    脱出してもたくさんの迷いと戦い、巡り合わせなどもあって、ナチの非道を託すべきひとに伝えることができる。

    通常ここまでだが、この先があるのがこの本の特徴だろう。
    ヴァルターはルドルフとなって、結婚したが離婚してアウシュビッツで身についた生活スタイルや思考と闘いながら生きている様が

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    2025年10月08日
  • アクロイド殺し

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    ネタバレ

    めちゃくちゃおもしろかった!!!
    いわゆる叙述トリック物で、そもそも「アクロイド殺し」自体が犯人の書いた小説、という体になっている。
    善良でポアロの相棒的立ち位置だと思っていたジェームズが最後の最後に悪人の顔になる瞬間がとても気持ちよかった。気のせいか、文体も少し悪そうに感じた。これは私がジェームズを悪人だと認識したからかもしれないけれど。
    真相を知ったあともう一度読み返したいなと思った。

    真相を知らないヘイスティングス視点で語られていた前作までとは違い、語り手が犯人を完全にわかっている状態で進むので、ヘイスティングスの様にポアロの言動1つで容疑者がコロコロ変わるという事がなかったなと読み終

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    2025年10月01日
  • イレナの子供たち 2500人のユダヤ人の子供たちを救った勇気ある女性の物語

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    冒頭は、現代のポーランドだ。女性版オスカー・シンドラーと呼ばれる、ポーランド人女性イレナ・センドレルの存在は、長らく秘せられてきた。本家本元オスカー・シンドラーは、スピルバーグの映画で、一躍有名となったのに。

     プロローグは、ゲシュタポに捕まったイレナが、あるファイルを必死に隠そうとしている。そのファイルは、彼女と仲間たちが救い出した、子供たちの本名と出自の記録だ。戸籍に乗せようものなら、ナチスドイツの餌食になる。戦争が終わって家族と再会できた時に、自分が自分であることを証明できる、唯一の大切な書類は、シガレットペーパーに書かれていた。

     本編でイレナの出生に戻る。1939年9月1日、ドイ

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    2025年09月24日
  • 木曜殺人クラブ 逸れた銃弾

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    エリザベスとヴィクトルの元諜報員のやりとりが絶妙で、スパイの攻防戦が楽しい。そこに仲間たちがあーでもないこーでもないと言いつつ、時にひらめきが冴え渡ったり、物忘れしてみたり、失神してみたり、膝が痛くなったり。恋の楽しさや切なさ、本格的な推理も楽しめます。

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    2025年09月23日
  • アクロイド殺し

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    叙述トリックが巧妙で『そして誰もいなくなった』に通ずるトリックが垣間見えた。クリスティーは読者の視点、思考を操る魔法使いだ。

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    2025年09月17日
  • 木曜殺人クラブ

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    本の厚さに若干身構えてしまったけど、実際読み進めていくと、テンポ良く進んでいくストーリや展開に、登場人物同士の軽快な掛け合いなど、全体的にコメディなつくりなので全くダレることなくスルスルと読み進められてしまいました。
    特に登場人物達の台詞がいちいち面白く洒落てて、海外の刑事ドラマを思わせるような言葉選びや会話がすごく良かったです。
    また登場人物達のキャラクターとしての魅力も良くて、読み終えた後はそれぞれの人物に思いを馳せてしまうほど好きになってました(イアン・ヴェンサムとトニー・カラン除く)

    後期高齢者の方達が主要になるため、死がかなり身近な存在としてあるのだけど、決して悲壮的なだけではない

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    2025年09月16日
  • 聖夜の嘘

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    ネタバレ

    アンドリュー・クラヴァン。
    『真夜中の死線』は確か読んだことあるけど、もうだいぶ昔のことなので内容はおろかテイストなんかも全く思い出せない。
    もうとんとお目にかかっていなかったと思うが、ポケミスで唐突に邦訳された一冊。
    へぇーまだ現役なんだ、しかも新シリーズとのこと。
    主人公ウィンターの過去をぼかしつつなところは、今後の作品に備えるかのようではあるが、どちらかというとシリーズものらしからぬ一発もので勝負するような尖ったストーリー展開と感じた。

    英文学教授のウィンターは、かつての教え子かつ恋人からの依頼により、「一風変わった思考の習慣」を拠り所に元軍人の男トラヴィスが恋人ジェニファーを殺した事

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    2025年09月15日
  • アクロイド殺し

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    犯人がわかったとたん、本を放り出してしまいそうなほどの衝撃を受けました。
    これだから、アガサ・クリスティは最高!

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    2025年09月10日
  • アクロイド殺し

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    ネタバレ

    読者という第3の立場から気付けば舞台上に立たされ、ポアロにナイフを向けられる感覚にゾクゾクする。終始うざったい口のうるさい女もアクセントとなっていて、私が死んだ後1人で生きていれるのかと罪悪感を持つことができてとても良かった。自死を勧める結末も現代では考えられなくこの時代の感覚も併せて感じられる。記憶を消してまた読みたい本。

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    2025年09月05日
  • アクロイド殺し

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    クリスティ作品の中では最も好きな作品です。
    発表当時、フェアかアンフェアかが相当問われたようですが、この手のひっかけ(トリック?)が現代にも多数受け継がれてきているようになったことをみても、フェアと見るべきなのでしょう。
    かく言う自分は初読のとき、例の箇所で「あれ?」と感じてはいたものの、見事に騙されました。これを読んだ当時は、相当数の推理小説を読んでいたにもかかわらずです。それだけの衝撃を受けました。
    文句なく名作かと。

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    2025年08月30日
  • アガサ・レーズンと月夜に消えた男

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    今回も面白かった。めげないアガサ。えげつないこともしちゃうけど、いつも後ろめたさも十分に感じている。そこが憎めない、かわいいところ。惚れっぽいところも相変わらず健在。読んでいて、ダメーっと心の中で絶叫したくなる。自身の体型や見た目についてはちょっと自虐的。良さも分かっているのに、肝心な時に自信が持てず、自分の魅力が分かっていないところも、応援せずにはいられない。
    今回の事件はなかなかサイコパスな感じで、ドキドキしやがら読んだ。新刊は来年1月とのこと。毎度のことながら、今から楽しみ。

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    2025年08月10日
  • アクロイド殺し

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    これはアリというか、フェアでしょ。解決の前に明示されているし、よく考えると違和感を覚えるようになっている。

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    2025年08月07日