羽田詩津子のレビュー一覧
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ひたすら捜査パートが続く中盤は少しダレてきたけど、残り3分の1くらいのところから怒涛の展開でページをめくる手が止まらなくなった。クリスティ作品はこのパターン多い気がする。
犯人はなんとなく怪しく感じていた人物だったけどその真相は全く予想しておらず、断片的に示されていた情報がきれいに繋がる構成は、クリスティ作品毎度のことながら本当に見事。
事件自体の強烈さ、犯人にまつわる真相が解明されるときの爽快さ、その後に残る切なさで言えばミスマープルシリーズで最高傑作とされているのも頷けるが、冗長に感じる部分や無理があるように感じる部分もあり自分の中では最高評価とまではいかないかなあという感じ。 -
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独ソ戦で実在した女性だけの狙撃小隊を題材とした『同志少女よ敵を討て』を読んで、そちらはフィクションなのだが、本書の『ゲットーの娘たち』は実話。いずれも女性が戦う話だが、重みと残酷さが全く違う。戦う相手との対等性がないから、被虐的で不利な立場からのレジスタンスである。
ユダヤ人という差別の対象に加え、「女性」という更に弱い立場。女性が真に弱い立場なのかは異論があるかもしれないが、戦争においては腕力の差に加え、女性性自体が欲望の対象とされかねないという事実から、不利である。そして本書ではそのハンデを負いながらも逞しく生きるゲットーの女性を描くと同時に、やはりその対象となる惨さも描くのである。
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マープルの長篇4作目。クローズド・サークルで起きた事件は、その様子から犯人の見当はすぐ付いても、なんでそうなるのかサッパリわからなかったです。事件は、発生が早めで、かつマープルもわりと早く登場するのに、捜査がなかなか進みません。おかげで犯人は勝手に追い詰められて、出さなくてもいい犠牲者が出たのが可哀想で、読み終わってスッキリしなかったですね。推理は巧みな伏線を見事に回収していて、上手いこと考えるなと驚かされましたが、ちょっと都合良すぎる気もしました。
ところで、なんだか読みづらく感じた本作ですが、登場人物の多さに加えて、恐らくルーカス夫人が表紙裏の登場人物に掲載されていないのが原因でしょうね -
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マープルは、13の短篇からなる『火曜クラブ』で安楽椅子探偵として描かれていましたが、本作は長篇での初作品。そのためか図が3頁もあり、セント・メアリ・ミード村の様子がよくわかり、読みやすかったです。
あらすじ:
場所は、閑静なセント・メアリ・ミード村。語り手で聖職者であるクレメント牧師に「誰かがプロザロー大佐を殺してくれたら、社会にあまねく貢献することになるのに」と言わしめるほど、誰からも疎まれていた治安判事が殺されます。殺害現場は、牧師館の書斎。事件当時、クレメント牧師はイタズラ電話の呼び出しで外出して戻ってくるところ、門前で青ざめた画家のローレンスとすれ違う。書斎に入ったクレメント牧師は、 -
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ネタバレこの作品だけではないけれど、欧米の小説で往々にして見られる高齢者の恋愛事情、日本とは違うなあと思わされる。
今回は後期高齢者であるロンに若い彼女ができた。
その他、作中で61歳の男性が20代前半の彼女に愛情を寄せ、彼女もまた彼を守るために身を引くというロマンスも。
完全に身を引いて10年、互いに相手を思う気持ちが薄れていなさそうなところも含めて、日本とは違うなあと思うのだけど、それは恋愛偏差値底辺の私だからなのかしら。
それはさておき、今回の事件はゴリゴリの刑事事件で、さらにエリザベスの誘拐事件まで絡んできて、次はどうなる!?が止まらなかった。
たぶん彼女のことだからうまく切り抜けるのだろう