羽田詩津子のレビュー一覧
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これだけ新刊の発売を楽しみにしていると、期待値が高すぎてがっかりする、ということが起こっても仕方ないと思うのですが、今回はこれまでの中で一番ハラハラドキドキして、期待以上の面白さでした。
アガサ・レーズンもジェームス・レイシーもどうしちゃったの、という展開だったけど、あ、アガサ・レーズンに関しては期待通りか。中年になった今、2人のはちゃめちゃはこれからの未来に希望を持てるはちゃめちゃです。中高年になっても、自分を失うことも、若い頃からの失敗を繰り返すこともあり、落ち込んで泣きたくなって、実際に泣いて、それでもこれまでの経験からちゃんと克服して元気に明日を生きることができるのだという希望が持てま -
Posted by ブクログ
ある村に越してきた名探偵ポワロが、その村の名士の殺人事件に挑むという、いわば典型的探偵小説。
この作品の肝とも言える構成については、ポーの前例があったものの、それを長編として完全構築したクリスティーの中でも有名な作品。
果たしてこの作品はフェアかアンフェアか、当時は物議を醸したらしいが、それだけ沸騰するのもこの作品の衝撃度のせいではないだろうか。
僕も中学生の時、海外の人の名前が覚えられないから紙に書き出したのを見ながら読み終えた時、してやられてしまった。
フェアかアンフェアか。
正直、そんなことどうでもいいくらい面白い。
あれから幾年もたった今読み直してみると、当時の衝撃は当然ない -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。
映像化されていたので、期待して読んだけどそれを裏切らない面白さ。
たぶん、シーンを短く区切って進めるので冗長的にならないし、隙間は勝手に読者のほうで勝手に補完できるような構成になっていたからだと思う。
売れる小説スタイルとしてシーンを短く区切るというのが今の流行りのスタイルなんだろうか?
読者を飽きさせない工夫として使われている気がする。
あらすじでは死人の数は一人しかわからなかったが、本書では3つの死が絡み、それぞれ犯人がいる。
トニー・カランの死
犯人はボグダン。この謎を最後まで引っ張り、作中でも真相に辿り着きながらも指摘せずに終わるというなんとも引っ張られる -
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アウシュビッツから脱出したユダヤ人、ナチスのユダヤ人ホロコーストの事実を何としても外のユダヤ人に伝え、さらなる殺戮を止めようと脱出。
脱出後に詳細な収容所の実態をレポートにまとめ、宗教関係者や政治家にそのレポートを広めようと努力するも、その真実を信じなかったり、中にはナチスに取引や加担した者に握りつぶされたりし、脱出後もユダヤ人の移送は止まらず。
同レポートの前にもホロコーストの実態は宗教界や連合国側にも漏れ伝わっていたこと、ドイツに占領された国の政府がホロコーストに加担したことに驚く。
同作品の主人公のその後の人生も収容所の影とその偏執的な性格も影響し、離婚や色々な人との確執、衝突を繰り返し -
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ヴァルター・ローゼンベルク、スロバキア生まれのユダヤ人。
彼がアウシュビッツから脱出を企て、隠れているシーンから始まる。
ナチの非道の本は何冊も読んでいるけど、脱出した人の目線で綴られたものは初めてで、読みごとに引き込まれて行った。
ヴァルターは、たくさんの非道に鍵をかけて、冷静を保ちながら脱出の機会を窺ってきた。
脱出してもたくさんの迷いと戦い、巡り合わせなどもあって、ナチの非道を託すべきひとに伝えることができる。
通常ここまでだが、この先があるのがこの本の特徴だろう。
ヴァルターはルドルフとなって、結婚したが離婚してアウシュビッツで身についた生活スタイルや思考と闘いながら生きている様が -
Posted by ブクログ
ネタバレめちゃくちゃおもしろかった!!!
いわゆる叙述トリック物で、そもそも「アクロイド殺し」自体が犯人の書いた小説、という体になっている。
善良でポアロの相棒的立ち位置だと思っていたジェームズが最後の最後に悪人の顔になる瞬間がとても気持ちよかった。気のせいか、文体も少し悪そうに感じた。これは私がジェームズを悪人だと認識したからかもしれないけれど。
真相を知ったあともう一度読み返したいなと思った。
真相を知らないヘイスティングス視点で語られていた前作までとは違い、語り手が犯人を完全にわかっている状態で進むので、ヘイスティングスの様にポアロの言動1つで容疑者がコロコロ変わるという事がなかったなと読み終 -
Posted by ブクログ
冒頭は、現代のポーランドだ。女性版オスカー・シンドラーと呼ばれる、ポーランド人女性イレナ・センドレルの存在は、長らく秘せられてきた。本家本元オスカー・シンドラーは、スピルバーグの映画で、一躍有名となったのに。
プロローグは、ゲシュタポに捕まったイレナが、あるファイルを必死に隠そうとしている。そのファイルは、彼女と仲間たちが救い出した、子供たちの本名と出自の記録だ。戸籍に乗せようものなら、ナチスドイツの餌食になる。戦争が終わって家族と再会できた時に、自分が自分であることを証明できる、唯一の大切な書類は、シガレットペーパーに書かれていた。
本編でイレナの出生に戻る。1939年9月1日、ドイ -
Posted by ブクログ
本の厚さに若干身構えてしまったけど、実際読み進めていくと、テンポ良く進んでいくストーリや展開に、登場人物同士の軽快な掛け合いなど、全体的にコメディなつくりなので全くダレることなくスルスルと読み進められてしまいました。
特に登場人物達の台詞がいちいち面白く洒落てて、海外の刑事ドラマを思わせるような言葉選びや会話がすごく良かったです。
また登場人物達のキャラクターとしての魅力も良くて、読み終えた後はそれぞれの人物に思いを馳せてしまうほど好きになってました(イアン・ヴェンサムとトニー・カラン除く)
後期高齢者の方達が主要になるため、死がかなり身近な存在としてあるのだけど、決して悲壮的なだけではない