羽田詩津子のレビュー一覧
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ネタバレ招かれざる客
クリスティの戯曲を小説化した作品。クリスティ作品ふ戯曲も面白いのだが、戯曲だと読み難い為、全作品小説化して欲しいと願う。
クリスティの作品から派生していく作品(ソフィ・ハナのポアロシリーズ等)は、クリスティの余韻を感じる事が出来るし、キャラクターの世界観を壊さなければとても楽しむ事が出来るが、戯曲を小説にするこによって、まるでクリスティが蘇った気持ちになるし、女史の未読作品が殆ど無くなってしまった今となっては単純に個人的に楽しんでいる。
現代だと突飛押しもないスタートから始まる今作だが、余りにも変わった導入は唯一だしクリスティらしいスタート。スタークウェッダーという若者が霧の中で車を溝に落としてしまい、近くの屋敷に助けを求めると玄関が開いていて、リビングで中年男性の死体と銃を握りしめた女性が立っているという導入。スタークウェッダーは女性に好意を持ち銃を握りしめる女性に事の顛末を確認していく。
冒頭では余りにも突飛な物語の導入ね驚き、どうやってこの事件の結末を結ぶのか、スタークウェッダーとローラ・ウォリックの出会いがどの様に発展していくのか全く想像だに出来なかった。スタークウェッダーのキャラクターも不気味であるが人間味があり、中盤からは本当に一目惚れで無茶したのだなぁと笑ってしまう。中盤以降、登場人物が出揃い、物語の真相がわかってくるが、中盤から怒涛の展開が始まっていき、流石はクリスティと息を呑む構成だった。元々演劇用だと考えれば、起承転結がはっきりしていてわかりやすいわけだが、ミステリー、ロマンスを交え、どんでん返しに次ぐどんでん返しは最終的にとてもよく作用していたと思う。
終盤のとある出来事、それに付随するウォリック家の面々の行動の意味と結末、悲劇は本の厚さからは想像出来ない様なボリュームのあるドラマを与えてくれるが、一方で警察官が余りにも魅力がない事が残念であり、癖のある警官が実は切れ者パターンも盛り込んで山盛りな仕様でも今作は楽しかっただろう。そして事件の全貌が見えて来ると、冒頭からの解釈が一変してしまい、今作の本当の悲劇が見えて来る。とある重要人物が名前だけで作中に登場しない理由に深い意味があり、衝撃的だった。
◯ネタバレになるが、看護婦が登場しているとある人物の偽装があっという間に明るみに出てしまう。
やはりクリスティは面白い。戯曲は数冊読んでいるがどれも魅力的な物語なので、是非小説に焼き直してほしい。 -
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真っ昼間だと猫は人間ほどよく見えない。かん体視細胞の負荷が大きすぎてスイッチを切るためだ。
30センチ以上近いものは焦点があわない。
猫が聞こえる範囲は人間より2オクターブ高いのに、低音域も人間と同じように聞こえるところが猫のすごいところ。そして方向探知機も優れている
猫は高い声で話しかけられるのが好き。
何千もの匂いも区別できる。
膀胱炎の契機になるのは精神的なストレス
家で暮らしているネコとの争いと、近隣ネコとの争い。
特に雄。
母猫は子猫のことを覚えている2.3日は探す。臭いがのこっているからだ。
けんかのとき耳を後ろに倒していたらあまり勝つ自信がない。でも毛を逆立てて大きく見せようとする。
猫は人間に関心を持たれているときが1番幸せ。
他の猫のストレスがあると猫は逃げてしまう。
スコティッシュフォールドの垂れ耳を与える遺伝子はあちこちの軟骨に奇形をもたらす。多くの猫が比較的若い時に重い関節痛を発症する。
爪は大切。猫が関節痛で爪を研ぐと痛いなどの理由で爪が剥がれないと、爪全体が伸びすぎて肉球が感染してしまう。 -
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ネタバレアメリカの作家、アンドリュー・クラヴァンの数十年ぶりの邦訳とのこと。以前はキース・ピータースン名義らしいが、流石にその頃の作品は軒並み絶版。
自身の恋人を殺害した退役軍人の英雄。以前に親密な関係にあった教え子の弁護士からの依頼を受け、大学教授のキャメロン・ウィンターは、犯人が自供するこの事件を再捜査する…
どこか暗い影を漂わせつつ、キザな文体が続く。非常に好みの作風だけど、好き嫌いは分かれるかも。
そこまでのボリュームではないにしろ、私立探偵小説として非常に手堅くまとまっている。また主となる恋人殺しに加え、各章の冒頭には、ウィンター自身の初恋にまつわるストーリーが挿入される。わかっちゃいるけど、この過去編が色々なものをゴリゴリ削っていく。
結論も、割と賛否が分かれそうだが、個人的には好み(やや強引な気はしたが。。。)。シリーズものとのことで、ぜひ邦訳を続けてほしい。
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ミス・マープルシリーズ4作目。
1950年の作品。
「殺人を予告します」
イギリスの田舎街、チッピングクレグソーンの地方紙ギャゼットの広告欄に殺人予告が掲載された。
殺人の場所に指定されたリトル・パドックスの主人、レティシアブラックロックはこの予告を誰かのイタズラと思い、好奇心に満ち溢た客を迎える準備を始める。しかし、それは本当の殺人予告で、予告通り1人の男が殺された。
この街にたまたま滞在していたミス・マープルは、クラドック警部に協力して事件の真相を突き止めるーー
ミス・マープルシリーズ一のイケメン警部、クラドック警部の初登場作品です。
サーヘンリーの名付け子であるクラドック警部は、サーヘンリーからマープルを紹介されます。
このマープル登場までのサーヘンリーのマープル賞賛の言葉が最高なんですよ。
「私の秘蔵のとびっきりすごい老嬢、
老嬢中の老嬢だ」
老嬢中の老嬢って!!
老嬢といえば、この作品には老嬢ばかり出てきます。レティシア・ブラックロックにドラ・バンナー
マーガトロイドにヒンチクリフ
こんなに60歳オーバーのおばあちゃんばかり登場する物語も珍しい。
地元紙の広告欄まで隅々目を通す好奇心旺盛で噂好きな愛すべきイギリスの老嬢たち!
細部までウィットに飛んでいて、切なくもクスッと笑える大好きな作品です!
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期待を裏切らない面白さと愛らしさで、今回もアガサ・レーズンは大活躍でした。自分勝手なジェームズ、気まぐれチャールズ、PR命のロイを振り回し、振り回されて物語は進んでいきます。今回の事件はいつになく残虐で恐ろしかったのが印象的。それでもアガサは持ち前の負けん気で、今回も命からがらな思いをしつつも、しっかり活躍。そして、冷静な経営者判断をしていきます。愛すべき、という形容詞がぴったりなアガサ。所々で出てくる、神経痛、股関節置換術などの単語に年齢は感じさせるものの、そんなものをものともせずに美容院に行き、着飾り、お手入れする姿に、勇気をもらえるのも、この本の特徴です。今回もアガサの素直な優しさや面倒見の良さに感嘆し、だけども一方でしっかり若さに嫉妬、寂しさに一粒の涙があることで、より愛すべき女性に磨きがかかっていました。面白かったー!
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大規模な詐欺事件を調査していたキャスターが、不可解な事故で死んだ。〈木曜殺人クラブ〉は、事故の裏に何かあると直感し、捜査を始める。一方、メンバーのひとりであるエリザベスは、友人のジョイスを殺されたくなければ元KGB大佐を殺すようにと脅迫され・・・。
巻を追うごとに良くなってるシリーズ。不覚にも最後のマイクとベサニー目線の描写で泣いてしまった。たかが仕事上のパートナーだった2人だけど、恋愛感情抜きでかけがえのない存在だったんだと思うと胸がつまる。少しビターだけど救いのある終わり方もイギリスって感じ。銃弾に彫られた名前がパートナーだったから決断したことも、今まで面と向かって言えなかった敬意と感謝を生放送で手向けたことも、それだけ大切に思っているってこと。違う道を歩いても、いつかエリザベスとヴィクトルのように再会できたらいいな。本筋の種明かしも本当に面白い。最高! -
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ネタバレ今巻は特になにかってわけではないけれど、安定のおもしろさ。
ジョン・サンデー殺しと、ミリアム・コートニー殺しと、ダン・パルマー殺しの3つの殺人が絡み合っているのはおもしろかった。
ジョン・サンデーに関しては村人全員が犯人かと思ったら、イルミネーションの恨みで(動機薄くない?)、まぁでもアガサあるあるなストーリーだったかな。
私としては、アガサが股関節の手術をしたことにホッとしている(笑)次はできたら禁煙してほしい。
あとね、トニとサイモンの仲を邪魔しちゃダメだよー。
辞めてほしくない気持ちはわかるけど、そこは大人として応援できるとアガサの株があがるのにな。
チャールズとはこの先どうなるんだろう?
アガサには申し訳ないけど、グスタフの悪戯は声に出して笑ってしまった。
次巻は1月かー。先は長いけど楽しみにしてよう。 -
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ネタバレえ!?ちょっと待って違うよね??
ラストの展開にドキドキソワソワしている…。
チャールズかぁ…好きだけど、正式に恋人になったらそれはアガサが困ることになるのでは?
それは次巻を楽しみにすることとして♡
今回はいろんな出来事がもりもりだった。
おもしろかったなー。
これまでで一番危険だったし、アガサを守るためにレギュラー陣がタッグを組むようになってきたのも心が温かくなる。
というか、ジェームズ!
ジェームズの結婚をきっかけに、アガサが危険に晒されているっていうのに無責任過ぎやしない?
結局ジェームズはそういう奴なんだよな。
アガサには早急に人工股関節の手術を受けると共に、もっと自分に自信をもってほしい。
こんなに周囲から愛されているのに何が不足なの!?と問いたいけれど、自分だけを愛してくれるパートナーが欲しい気持ちもわからなくはない。
そういえば、表紙の絵で初めてジェームズの顔がハッキリ描かれていた。他のキャラクターの顔も見てみたいな。
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ネタバレ『木曜殺人クラブ』シリーズ第3作。
あるテレビキャスターの死とエリザベスの誘拐。2つのプロットが同時に進み、ひとつになっていく展開は、ありがちながら、本書のようにうまく構成されているとやはりこの上なく面白い。
老いによる喪失は、本シリーズを特徴づけているテーマのひとつだけれど、本書でも、チェスを忘れてしまったスティーヴンの姿や、そしてラストのエリザベスからジョイスへの(そしてすべての美しいものへの)祈りによってそれが謳われている。
「泳ぐには寒すぎる。しかしジョイスは耳を貸そうとしなかった。エリザベスはジョイスに馬鹿な真似はよして、夏になってもまだプールはあるのよ、と言った。
『そうね、だけどわたしたちはいないかもしれないわ』ジョイスは答えたのだった。」
(中略)
「ジョイスはエリザベスが見ていることに気づき、手を振る。エリザベスは手を振り返す。泳ぎ続けて、ジョイス。泳ぎ続けて、わたしの美しい友よ。水から顔を出して、できるだけ長く泳ぎ続けて」
ゲーテの言葉、「(神は)移ろいやすいものだけを美しくした」という詩のことをふと思い出す。
続刊が楽しみなような、訪れる喪失が怖いような不思議な感覚だけれど、第4作が邦訳されたらまた読んでみたい。 -
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ネタバレ『木曜殺人クラブ』シリーズ第2作。今回は木曜殺人クラブ、警察、MI5、マフィアといった面々による、消えたダイヤモンドの捜索劇が話の縦糸になっている。
今作もやはり、(高齢者施設が舞台であるがゆえの)死が常に隣に立っていることがもたらす諦めや虚しさ、そしてその中で生きていくための強かなユーモアが感じられる。
それにしてもジョイスの「当然、すべてが死に関係しているなら、何ひとつ死に関係していないってことよね?」という台詞には胸を突かれた。
前作同様、今作も幾つかのロマンスが描かれたけれど、クリスからパトリスへの告白は情けないながら劇的で、思わず応援してしまう。
前作から続くエリザベスとスティーヴンの関係性は優しく、美しく、そして悲しい。だからこそ、最後のタイトル回収には、それでも前を向こうとするような力強さが感じられた。