羽田詩津子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ作中で「人間性」の話題がよく出てくるから、登場人物全員を疑いながら読み進めていたけど、誰が犯人か見当もつかなかった。最後の謎解きでは「そこかーーーっ」と悔しい気持ちになった。
これの直前に読んだクリスティーの作品が「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」で、わたしはこっちの冒険とロマンスと謎解きがある方が好みかも…と、思いつつ、狭いコミュニティの中で繰り広げられる謎解きも面白く読めた。
これまで本を読んできて、少し前の時代のイギリスのイメージはぼや〜っとあったけど、今作ではよりくっきりイメージできるようになった気がする。
ミス・マープルをはじめとする牧師さんやグリゼルダなどのキャラクターが -
Posted by ブクログ
アガサクリスティの未発表作品として販売された中編小説。
学生時代の趣味はいくつかあるが、古本屋を巡り、インターネットでダウンロードしたアガサクリスティの索引を手にしながら、出版社には拘らず女史の作品を集め回っていた頃がとても懐かしい。
そんな中、クリスティの未発表作品があると聞いて心がときめいた(表現が恥ずかしい)のはいうまでも無い。
後に「死者のあやまち」の原型となった作品で、打ち切りの様な形だったものをまとめた様だ。
それでもクリスティファンには嬉しい作品で楽しく読む事が出来た。
相棒はオリヴァ夫人であり、彼女のパワーに圧倒されながらあっという間に読み終えてしまった。
この作 -
Posted by ブクログ
有名作だし何と言ってもタイトルが魅力的なので期待値高く読み始めた。冒頭の広告を見た住人の反応の書き方はとても映画っぽく、とても興味を掻き立てる。
事件は早々に発生するので展開も早い。クラドック警部は生真面目なようで面白みには欠けるが個人的には好感が持てた。が、ここが「完全攻略』ではマイナス評価のよう。ただ、クリスティはトリックに重きを置きたい場合、比較的文章の飾り付けが減りストイックな文章になる傾向があると思う。例で言うと代表は『オリエント急行の殺人』やそれ自体がトリックだと言うことで少し意味合いが異なるかもしれないが『アクロイド殺し』とか。
本作も意外な結末という点においては、その2作に -
Posted by ブクログ
WOWOWで、プライドと偏見の放映記念のプレゼントに当選した1冊。
元ネタ未読の人にも役にたつはずの前置がなかなか読み進まず、10年積んでしまいました…ようやく読めました。
相変わらず元ネタ未読、映画も未見、PDジェイムズも未読…でも、おもしろかったです。
なかなかいくらなんでも…という部分も3つくらいあるんですが、火サスや土曜ワイドなどを楽しんだ世代なら、そんなこと気にしないで読めます(笑)
時代の雰囲気も感じられ、なんだか良かったです。
さて、ダーシーは、私にはコリン・ファースのイメージですが、みなさまはどうでしょうか。
星3つじゃホントは少ない…でも、ちょっと強引な展開に4つじゃ -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
原作は無知論、ドラマ、映画も見たので結構濃密に記憶にあるダーシーとエリザベスらの情景。
オースティンの雰囲気をしっかり踏襲し、換骨奪胎にもならずジェイムズのテイストは殆ど抑え込んだまま(いい意味で)仕上がっていると思った。
エピソードの展開も恐ろしく「ゆっくり」エリザベス王朝の雰囲気のまま。それもあって良くも悪くも、ミステリーというよりその時代ならではの刑事事件、検察と司直のやり取りが厳かというよりまだるっこく感じられた。分厚い一冊とは言え一族の中でのプライド、思惑、焦燥、苛立ちや不安がエリザベスやダーシーを中心に一族其々描かれているパーツが6割位有った気がする。
解説にもあったがジェイムズ