羽田詩津子のレビュー一覧
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1930年の作品。
ミス・マープル長編一作目の作品。
イギリスの田舎の村、セント・メアリ・ミードでルシウス・プロズロー大佐が牧師館の書斎で何者かに殺された。若く美しい画家、ローレンスレディングが自分が大佐を殺したと名乗り出るが、ローレンスは大佐の妻のアン・プロズローと恋仲であり、アンを守るために自供したものと思われた。アンもまたローレンスを守るため自首するが、2人とも目撃情報などから無罪が証明された。牧師館の隣に住むミス・マープルは、牧師のクレメントと共に犯人の推理を始める。
ミス・マープルの初登場は『火曜クラブ』だと思ってましたが、出版されたのはこちらの方が先なので『牧師館の殺人』が -
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ミスマープル初登場作品。
意外にもマープルの登場時間はとても短く、基本的には司教さんが主人公で話が進んでいくのが斬新。
アガサクリスティの作品らしく、最後の最後まで犯人は分からず、最後に一気に謎解きが展開される。
ポアロと違ってマープルは、もっと素朴で当時のイギリスの日常が垣間見えるのが面白いところです。
また、マープルシリーズでは毎回お約束の最後にちょっと良いことがあるのも、すでにシリーズのお決まりパターンの萌芽がみられて興味深いです。
アマプラでミスマープルのドラマを見ているので、合わせて読むとおもしろさが倍増でした。
他の作品に比べると、飯テロ表現が少なめなのは残念!マープル作品では -
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【ポアロ】
前回の『死者のあやまち』の原作。
148ページでカバーなしのスマホくらい薄い。
攻略本によるとこの作品は、
・1950年代に雑誌向けに書き下ろされたが、長過ぎて掲載不可となる。
・その後に長編『死者のあやまち』として生まれ変わる。
・長い時を経て、2014年に原作版としてこの作品が刊行されたとのこと。
内容は『死者のあやまち』と全く同じもの。
重要なセリフのほとんどがこの作品にも入っている。
違う点は、警察やポアロの「捜査」の部分がそっくりなくなっている。
いつもこの「聴き込み捜査」の部分が長いなと思ってたけど、この部分がないとこんなにもあっさり終わってしまうんだ。
事件が起 -
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【マープル】
初ミス・マープル。
冒頭でクリスティーの孫が、ポアロとマープルの違いや魅力をわかりやすく教えてくれた。
大きな違いは、ポアロがベルギー人で、マープルはイギリス人というところかな。
イギリス田舎の小さな村が舞台。
語り手の牧師が主人公で、マープルの出番は意外と少ない。初回だからか、マープルの扱いは他の村の人とあまり変わらない。
初回のマープルのキャラクターはかなり薄味。いたって普通のおばあさんだったので、少し面食らった。
『アクロイド殺し』のお姉さんみたいな、癖強めのキャラクターなのかと思っていたら全然違った。
小さい村で起こっているせいか、ポアロシリーズと比べると地味に感 -
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Posted by ブクログ
『鏡は横にひび割れて』を読んだところ、過去作に登場したであろう人やモノがたくさん出てきたので、これは最初から読もうと決意。マープルシリーズとしては4冊目になります。
『火曜クラブ』を読んだ時に、「セント・ミアリ・ミード村、なんて恐ろしい場所……」と震えたのですが、今作でそれがよくわかりました。しかし、田舎の人間にはゴシップしか楽しみがないというのは万国共通なのでしょうか。うちの田舎にそっくりです。これが「人間性の問題」ということか。
妙に愛嬌のあるクレメント牧師の語りに和みもするものの、村の人物が多く、誰がどんな性格で何を目撃していたかを把握するのが難しくて、なかなかページが進みませんでした