長尾高弘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
コンピュータを裏で支える技術について興味がある人にオススメの本。特に,コンピュータ科学系を研究する予定の大学生にとっては入門書のような形で読めそう。
内容としてはスマホで検索する時,Webページを閲覧する時,オンライン決済をする時などにどのような効率的かつ信頼性のある仕組みを使っているかを紹介している。
仕組みを説明する際には段階的,具体的なアプローチをしており,予備知識がない人でも十分理解できるようになっていて分かりやすかった。
個人的には,本書に書かれている技術はすでに知っていたがここまで他人に対して分かりやすく説明できるレベルではなかった。自分の理解の浅さに気付かされた一冊である。
研究を始める前に読めていたら…と後悔する程の良書であると私は思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレとてもいい書籍でした。660ページ余りあってかなり重厚でしたが、それぞれの章が独立していてどんな順番で読んでも問題ないように想定されていること、見出しから内容が想像しやすいこと、どこから読み進めるべきかのガイドラインが巻頭に載っていることなどあって隙間の時間にどんどん読み進められました。
こういう書籍は自分のまだ知らない未来を想像し、準備するのに大変役立ちます。もちろん成功事例だけ見ていても視野は狭いですが、それでも自分の知らない世界のことやまだ訪れていない頃の世界のことを知られるのはとてもよいことだと想像しています。
末尾のMatzによるまとめもよい内容でしたね。普段Rubyを書いている身からしたらメタプロってたくさんやるわけですが、人生をメタ的に捉えてプログラミングしていく発想はありませんでした。とてもよい指摘でした。 -
Posted by ブクログ
本書籍は,仕事でのソフトウェア開発にまつわる,技術面よりは,それ以外の側面での,様々な事について書いています.読者層は,リーダー級のプログラマや技術職のマネージャ,経営者向けかなと思います.
本書籍は,初版は1987年のようで,33年過ぎた2020年時点では,本書籍で書いていることは,いくつかはテクノロジーが解決できているのもあると思いますが,多くは未解決と思います.
前述のとおり,本書はリーダ,マネージャ,経営者向けかなと思いますが,プログラマが自分自身の職場,または参画している(参画してきた)プロジェクトに,漠然とした疑問を持った時に読むのも良いと思います.
プログラマが,自分の居場所を良くするには,ほんのちょっとした,ささやかなアクションの積み重ねだと思います. -
Posted by ブクログ
ネタバレ学習にはプランを立てる。
- 目次を読んで必要な技術を把握する
- OSSを読んで、各行を理解する
- 何よりも手を動かして学ぶ
- 何の役に立つのかをはっきりさせる
DBAにならなくても以下くらいは理解する
・バックアップの作成とバックアップからの復元の方法
・テーブルとスキーマの作成方法
・ストアドプロシージャーの作成方法
・テーブルのインデクシングの方法とインデックスの仕組み ・クエリー、挿入、更新などの基本処理を実行するための基本的なSQLコードの書き方
・テーブルの結合の方法
キャリアのために
・社会的な評価/ブランドを築く
・ニッチでもいいので専門分野を持つ
スペシャリストはゼネラリストでもあるが、
ゼネラリストはスペシャリストではない。
人生のほとんどのものは、何かのなかの20%が結果の80%を生み出すというパレートの法則に従っている。
技術スキルを学ぶポイントは、パレートの法則の大事な20%がどれかを明らかにすること。 -
Posted by ブクログ
ほぼ全面的に同意できる内容だった。
・考える暇があったら仕事しろ?
・残業なんかくそくらえ
・早くやれとせかされれば、雑な仕事をするだけで、質の高い仕事はしない
・パーキンソンの法則は、ほぼ確実にあなたの部下には当てはまらない
・プログラマーはただ、仕事をするために身を隠す
・机の前に何時間座っていたかはどうでもいいことで、全神経を集中して仕事に取り組んだ時間が重要
・etc.
これらにピンとくるなら、読んでみて損はないと思う。
驚くべき点は、この本の初版が発行されてから既に30年が経っているという事だ。
もう一つの驚くべき点は、日本では今なお実現している企業はごく少数だという事だ。
一応断っておくと、この本に書かれている内容が古いからではない。
この本を本当に読むべきは、マネージャー層だろう。 -
Posted by ブクログ
偉大なアルゴリズムを以下の点で定義して、その定義に当てはまる9つの
アルゴリズムを紹介している
1.普通のコンピューターユーザーが毎日使っている
2.現実の世界の具体的な問題を解決している
3.コンピューター科学理論に関係している
9つのアルゴリズムは確かに普段はあまり意識せずに
使用しているものばかりだった
(最後の決定不能性:コンピューターが出来ないことについて以外は。。)
しかも平易な説明であり、具体的な比喩が多く使われているため
アルゴリズムのイメージがつかみやすかった
1.検索エンジンのインデクシング
2.Webページのページランク
3.公開鍵暗号法
4.誤り訂正符号
5.パターン認識
6.データ圧縮
7.データベース
8.デジタル署名
9.決定不能性
数学的な知識がなくても理解できるように記載されていて、
詳しい内容については参考文献に任せている潔さがいい。
特に1.2.のインデクシングとページランクは
普段ググった結果のランク付け方法についてイメージがつかめて良かった -
Posted by ブクログ
読むのに1年程度かかってしまったが、素晴らしい一冊だった。
シンギュラリティ、コネクトーム仮設、人間原理、宇宙はコンピュータシミュレーション、といった様々な仮説をそれぞれ紹介するだけでなく一歩深堀していておもしろい。
AIに関する思索について、これまで読んだ中では最先端で、「意識」や「心」の正体にも腹落ちする仮説であり、もって人工生命の可能性をよりクリアに捉えることができるようになった。
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【目次】
・第1部 電気羊の夢
−第1章 「新しい心」の誕生
−第2章 ゴーストの森の生活
−第3章 機械仕掛けのトルコ人
−第4章 異人を愛する
−第5章 鎖を解かれたプロメーテウス
−第6章 神の帰還
・第2部 心の問題
−第7章 世界の青写真
−第8章 身体のない心
−第9章 レジスタンス
−第10章 心を見つめる
−第11章 サイバネティックな脳
・第3部 不思議の国のエイダ
−第12章 「すべてのクレタ人は嘘つきだ」
−第13章 プログラム
−第14章 ブレッチリー・パークからグーグルの構内へ
−第15章 思考するマシン
−第16章 カオスの縁にいるダーウィン
■全般
・本当に人間のように考えるマシンを作るためのポイントはたったひとつ、
自分が思考していることを意識できなければならない
→考えているのは「自分」だとわからなければならない
・意識がアルゴリズム化できるなら意識はコード化できる
・オーストラリアの哲学者デイビッド・チャーマーズは、脳を純粋に唯物論的に
見たのでは説明できない問題があることを指摘
→主観的経験の問題であり、「クオリア」と呼ばれる
→人間が620-740ナノメートルの光を「赤」と感じる理由を科学は説明できない
・意識のハードプロブレムに密接に関係しているのが、自我の主観的経験の性質
→科学は経験論を基礎としている
本書は、人工の心を作ることができたら、私たちはそれとどのように付き合っていけばよいのか、そもそも人工の心がなぜ重要で魅力的なのかを理解するために私が考えてきたことを説明
・第1部は、ロボットについての物語の起源
・第2部は、心の哲学と神経科学の世界
・第3部は、私たちの世界を変えたテクノロジーであるコンピュータの魅力的な歴史 -
Posted by ブクログ
冒頭に書かれている「実際のところ、ソフトウェア開発上の問題の多くは、技術的というより社会学的なものである」と書かれているとおり、人をどう活かすか、どのようにしたら活かせるか、いいチームを育てていくか、などなどについて書かれた本。 初版が1989年に書かれているということだけど、残念ながら今も人を交換可能なパーツとしてとらえ、プロセスで縛ればうまくいくという仕事の進め方をしているところが存在しているのではないかと思う。 中堅ソフトウェアエンジニア+ソフトウェアマネージャは読んでおくべき1冊であると思うけど、読んで何も変わらなければ先は暗闇でしかない。 ということで、とりあえず周りの人には薦めておくことにする。
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Posted by ブクログ
「アルゴリズム」という言葉は知っているが実際それがどのような処理をしているのかはまったく知らず、「コンピュータによる魔法のような処理」だと考えていた。
それがこの本を読んだことで、具体的なロジック(のさわり)は理解でき、魔法ではなく現実のものとして考えられるようになった。
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73
ディフィー=ヘルマン鍵交換
195
トランザクションとは、データベースへの一貫性のとれた状態にするためには全てが実行されなければならないデータベースへの一連の変更である。
データベースプログラマは、「トランザクション開始」のようなコマンドを発行してから、一連の相互依存する変更をデータベースに加え、最後に「トランザクション終了」コマンドを送る。
196
クラッシュ、再起動後、トランザクションが始まる前の状態にデータベースが戻ると言うことである(これをロールバックと呼ぶ)
252
数百、数千桁になると、素因数を見つけるのはきわめて難しい問題になる
253
原理的には、これらの暗号法やデジタル署名システムは、いつ破られてもおかしくないのだ -
Posted by ブクログ
自動車部品メーカーのIT部門を舞台にした小説です。
この組織では以下のような問題を抱えていて、自分の職場状況と照らし合わせても他人事とは思えません。
・5分で済む変更のために20分かけて登録するのはアホ臭いと誰も使わなくなった変更管理システム
→何かを誰かが変えて何かが起こっても誰も状況を把握できない
・優秀な生き字引1人しか知らない部分の多いシステム
→開発でも運用でも生き字引に仕事が集中してボトルネックに
・障害など予定外の割り込み仕事に振り回されるスケジュール
→忙しさに追われ対処療法を繰り返した結果さらなる障害を引き起こす悪循環
・ただでさえ忙しいところに面倒を持ち込むセキュリティおじさん
→本当に必要悪なのか
・etcetc
抽象的で不文律な面が多い仕事というものを分割し、並べなおし、再定義することでコントロール可能なものとし、最終的には自動化により効率面でのブレイクスルーを果たす。。
職場では運用しつつ開発しているのでDevOpsと言われてもイマイチピンときませんが、会社の経営目的とITとの関係を整理するシーンを読んでいて、Devを弊社、Opsを顧客に置き換えると出来ることがあるかも…と感じました。(Opsって保守運用ではなくビジネスの方だったのね…って今更ながら)
小説なので小難しいことはなく、純粋に読み物として楽しめます。
年次を問わずお勧めできる(得られるものは異なると思いますが)本でした。 -
Posted by ブクログ
二十歳過ぎぐらいの時にサラっと読んだ記憶があるが、その時はまるでピンと来なかった一冊。あれから十年近く経った今読むと、その理解度は(良くも悪くも)格段に上がったのは経験が無駄にはなってないという事だろうか。
本書を読んで最も驚く部分は、最近よく聞かれるホラクラシーだとかリモートワークだとかHRTだとかサーバントリーダーシップみたいな概念がまるっきり全部記載されている事だ。この本は約30年前に原著が出版されており、今回読んだ3版で追加されたのは最後の6部だけなので、持ち出す事例や訳のモダンさは変わったかもしれないが、そのエッセンス自体は変わってない事が伺える。この現実を噛みしめると、ソフトウェア開発の現場というのは釈迦の掌をいつまでもぐるぐる回ってるが如く、中々に進歩できない複雑な社会学なんだなぁと心の底から納得すると同時に激しい虚無感を感じる。
唯一の救いはこのようなソフトウェア開発における社会学の原典と、その派生系であるモダンな事例を伴った派生書が数多くこの世には存在するという事実。
ソフトウェア開発を上手くやりたいマネージャーはこの本を繰り返す読みつつ、現場で実践し、時には(37signals辺りを読んで)モダンな方法を取り入れながら少しづつ、ソフトウエア開発における人類の進歩を実現していくのだろうと感じる。