読むのに1年程度かかってしまったが、素晴らしい一冊だった。
シンギュラリティ、コネクトーム仮設、人間原理、宇宙はコンピュータシミュレーション、といった様々な仮説をそれぞれ紹介するだけでなく一歩深堀していておもしろい。
AIに関する思索について、これまで読んだ中では最先端で、「意識」や「心」の正体にも
...続きを読む腹落ちする仮説であり、もって人工生命の可能性をよりクリアに捉えることができるようになった。
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【目次】
・第1部 電気羊の夢
−第1章 「新しい心」の誕生
−第2章 ゴーストの森の生活
−第3章 機械仕掛けのトルコ人
−第4章 異人を愛する
−第5章 鎖を解かれたプロメーテウス
−第6章 神の帰還
・第2部 心の問題
−第7章 世界の青写真
−第8章 身体のない心
−第9章 レジスタンス
−第10章 心を見つめる
−第11章 サイバネティックな脳
・第3部 不思議の国のエイダ
−第12章 「すべてのクレタ人は嘘つきだ」
−第13章 プログラム
−第14章 ブレッチリー・パークからグーグルの構内へ
−第15章 思考するマシン
−第16章 カオスの縁にいるダーウィン
■全般
・本当に人間のように考えるマシンを作るためのポイントはたったひとつ、
自分が思考していることを意識できなければならない
→考えているのは「自分」だとわからなければならない
・意識がアルゴリズム化できるなら意識はコード化できる
・オーストラリアの哲学者デイビッド・チャーマーズは、脳を純粋に唯物論的に
見たのでは説明できない問題があることを指摘
→主観的経験の問題であり、「クオリア」と呼ばれる
→人間が620-740ナノメートルの光を「赤」と感じる理由を科学は説明できない
・意識のハードプロブレムに密接に関係しているのが、自我の主観的経験の性質
→科学は経験論を基礎としている
本書は、人工の心を作ることができたら、私たちはそれとどのように付き合っていけばよいのか、そもそも人工の心がなぜ重要で魅力的なのかを理解するために私が考えてきたことを説明
・第1部は、ロボットについての物語の起源
・第2部は、心の哲学と神経科学の世界
・第3部は、私たちの世界を変えたテクノロジーであるコンピュータの魅力的な歴史