若林正恭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレオードリー若林の旅行エッセイ。
日向坂の番組のMCとして何年も毎週目にしていて親近感があったが、その文章を読むのは初めてだった。にしてもタイトルの「表参道のセレブ犬」は本編とほとんど関係ない。本書の半分を占めるキューバ旅行記において、「カバーニャ要塞」で見かけた「野良犬」との対比で日本の犬を思い浮かべてタイトルに用いている。
本書はキューバ旅行記として知られているが、冒頭ではニューヨークロケで感じた違和感、日本で東大生を家庭教師につけて日常の疑問を相談するシーンが描かれる。いずれも、生きづらさについて原因を探る行為だ。そのなかで若林は資本主義・新自由主義に疑問を抱く。
資本主義と対比する社会主義国キューバに旅行した若林は、革命博物館やバー、ディープな軍鶏場、海水浴場に足を運びながらガイドしてくれる人と触れ合ったり葉巻にチャレンジしたり、いいがかりをつけられて怒りをおぼえたりする。そんな姿をカッコつけずに、むしろ情けなさをさらけ出しながら、人々の時間の流れや社会主義国での生き方について思索を巡らせる。
旅の終わりに、だれかと会話をしながら街を歩くシーンが描かれる。誰と喋っているんだ? と不穏な気持ちで読み進めると、亡くなったばかりの父と心の中で会話していたことが分かる。父親が生前に行きたがっていた場所がキューバだと知った若林が悲しむために旅行をしていたことが明かされる場面にハッとさせられた。
若林の父との思い出や、資本主義と社会主義のそれぞれの無理についてエッセイを通じて追体験しながら、読者としても今の生き方について振り返ることがないか、と考えさせられた。 -
Posted by ブクログ
若林さんは不思議な人だ。
めっちゃ自意識過剰で自己防衛本能が強くて、見栄っ張りでカッコつけ。本音は言わない。
だけどスッと人の懐に入ってくる可愛げもあるんだなぁ。
この本では、若林さんのそんな部分が遺憾無く発揮されていて、終始ほっこり見守る気持ちで読むことができる。
人が死ぬ本ばっかり読んでたアタマが癒される〜。
私が好きなのは、羽田圭介さん&藤沢周さんの回。
この回は、若林さんが話すボリュームも多くて、羽田さん、藤沢さんとの相性の良さを感じる。話してることもほどよくカタくて、良い意味で、男同士っぽい感じ。小気味よくてずっと読んでたい。一冊丸ごとコレでもいいなぁ。
あとは角田光代さん回。角田さんがおっしゃることがいちいち納得感がある。難しいことは一切言ってないのに。伝わる言葉でなるべく正しく考えを伝えようとされてるのが分かる。
そしてこの回でも、若林さんが良く話す。
ホストがノッてる方が対談は面白くなるよね。
西加奈子がやたら作中で〈セックス〉という言葉を使うのはそういうことか。説明したがりだと言う朝井リョウは実際どれくらい読者を縛り付けてくるんだろう。羽田圭介、やっぱり(人間として)好き。そのイメージを崩したくなくて彼の本はあんまり読んでないのは内緒だ。中村航の〈100回泣くこと〉再読したいなぁ。でも中村文則の〈教団X〉再読はしんどいなぁ⋯
エッセイを通じて作家さんのキャラクターを垣間見ることはあっても、話す言葉を聞く機会はなかなかないので、そういう意味でもなんか新鮮。
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Posted by ブクログ
すごく読みやすいうえにクスッと笑える文章で、読んでいて楽しかった。初めて芸人さんのエッセイを読んだ。去年、ドラマのたりないふたりを観て面白かったし、前々からエッセイが面白いって聞いてたのでやっと読んでみた。
小学生ぐらいの頃にオードリーをよくテレビで見かけるようになって、おちゃらけてる男子たちがトゥースって言ってるのも見かけるようになって、お笑い番組でたまたまオードリーが出てきたら見る、くらいの感じであまり深くまでは知らなかった。だから私から見た若林は成功してる人で、キラキラはしてなくても余裕のある大人なんだろうな〜ってイメージだった。でも、お笑い芸人という職業なだけで、考えてることは親近感のわくことばかりで驚いた。
ナナメに見てる内容だけじゃなくて、ちょっとずつ人生を自分を肯定していくようになっていて、なんだか元気をもらった。私もここ数年で自分を肯定できるように、まだまだちょっとずつだけど、人生を楽しみたい気持ちが芽生えてきたところだったからちょうど良いタイミングで読めてとても良かった。