御立英史のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2023年18冊目。満足度★★★★☆
かつて、時価総額世界No.1、トリプルAの格付、NYダウ採用銘柄で最も長い歴史を誇ったエクセレント・カンパニー・GE
日本でも特にジャック・ウエルチ時代の経営について、賞賛するメディアが多かった
しかし、実はそのジャックの時代から水面化では内部崩壊を始めていて、日本の東芝で起きた粉飾紛いの経営が長年に行われており、かなり危うい経営実態にあったことが、本書を読めばよくわかる
米国企業を中心に株式投資をしている者として、改めて「個別」株式への投資のリスクの高さを再認識した
なお、海外のノンフィクションにありがちであるが、話がやや冗長なところがあり、約500ページ読むのは少し時間を要した -
Posted by ブクログ
いつかは自分も権力を手にするかもしれない。仕事で上に立つ役割を任せられるかもしれない。そのときのために、と思って読んだ一冊だった。「権力は誰しもが持っている」という言葉にハッとさせられた。権限と権力は違う。まずその違いからスタートした。
パワーアップ(権力があることを示す行動)、パワーダウン(逆に自分は弱っちいでーすと示す行動)…色々あった。言葉に出来ないけど、色々考えさせられた。
ひとつ確信を持って言えるのは、権力は自分のためじゃなく他人のために使うべきだということ。自分のために権力を行使するのは、ダメージの方が大きい気がした。
あとは、傍観者にならない。いじめについてこんなに毅然と書いてある文章は初めてだった。傍観者になることは自己防衛のひとつである。しかし、その結果は良いものであるかというとそうではないことも分かっている。あのとき誰かを助けたことを、相手がどう思ってるか知らないが後悔はしてない。傍観者から脱する。今後もできるだろうか。その場に居合わせたら、行動を起こそう。
この本読むと、伊坂幸太郎さんの小説が読みたくなる。『ゴールデンスランバー』『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』『首折り男の協奏曲』、、、まさに傍観者を脱した人たちが登場していた。だから、勇気をもらえたのか。まさかの発見だった。 -
Posted by ブクログ
『サブスク』という言葉で色々なサービスが提供されつつある日本。日本ではサブスク=月額課金と受け取られがちだが、本書ではそれが大きな間違いであることを指摘している。
悲しい事に日本では言葉だけが独り歩きし、結局は中身は以前と変わらず、そして目新しいと思われた言葉が数年後には鎮撫化してしまうというのがよくある話。
原書は2017年、翻訳版の本書は2018年。そこそこ増刷を重ねており淘汰の激しいビジネス書の中では息の長い本書である。つまりは世の中の消費者がサブスクを支持し、提供する側の会社もなんとかそれに追従している現れの一つなのかもしれない。
著者はアメリカのズオラの創業メンバー。日本よりは変化の激しいはずアメリカににおいても、サブスクのビジネスモデルが、従来のビジネスモデルと財務的にも戦略的にも考え方が大きく違い、会社の仕組みなりビションの共有の浸透などには相当の苦労があったようだ。
読めばなるほどと思える内容だが、実行はかなり困難。というのはビジネス書あるある。
しかし、モノからコトへ。所有から消費や体験へ。というのは、身の回りにはそれなりに浸透しているのは実感できる現代。
心して本書の考え方を取り入れていかないとホント未来はないかも。
-
Posted by ブクログ
エジソンはお飾り、J.P.モルガンによる資金力で生まれた
どんなビジネスでも成功させる方法を知っている会社
ウェルチ
マネジメント効率 金融 ランキングによる人員削減
1980から2000年で売上5倍、株価40倍 企業買収
実質 全米7位の銀行 AAAのGEキャピタルと エジソンコンデュイット
利益平準化 本来のCP短期債券発行+GE資産の高値購入
2001年 イメルト
後継者選びを公開 営業力のイメルトへ
エンロン不正会計で 2002年 米国企業改革保成立にて 利益操作不可能に
ヘルスケア、再生可能エネルギー分野の企業買収
保険と再保険会社の売却 損失の可能性ある再保険は残す
オーガニックな成長 =既存事業の強化による成長 マーケティング復活
新たなタグライン Immagination at Work (創造するイマジネーション)
Borg 全社的ハブ機能 (スタートレックの異星人から命名)
中国市場開拓
サブプライム市場への投資
素材部門、GEプラスチックス(→Sabic) 売却
Ecomagination 自然と調和するテクノロジー ハドソン川浚渫
2008年 リーマンショック CP危機
GEキャピタルの鍵=信用のある低調達コストのCPでニッチ顧客へ貸し出し
株価 就任時38ドル→2009年1月12ドル ひと桁まで下落
NBCユニバーサル売却
2010年 ドッド=フランク法 金融システム刷新 政府の毎年のチェック
キャピタルの利益率低下
2015年 GEキャピタル売却 ~デジタルインダストリアル企業へ
GECASは残す 航空機ジェットエンジン リース 発電システムや医療機器融資
工業系事業90%へ 350億ドルの現金取得
GEデジタル 「プレディクス」センサーからのデータ分析
2016年 GEパワー 仏アルストム買収
倒産危機の会社からガス/風力タービン、送電網などの電力事業買収
子会社PSMも併合すると反トラスト法に違反
アルストムの賄賂の罰金、フランス政府の介入により買収額増加
伊アンサルドに売却するがタービン技術は上海電気に渡ってしまう
2016年 コネチカットからボストンに移転 株価30ドル越え
市場シェア獲得優先
GEパワー 将来の利益を見込んだ帳簿の操作によるサービス契約
債権のキャピタルへの売却
1株当たり利益2ドル未達
イメルト 11年間で1億6800万ドルの報酬
2017年 GEヘルスケアトップのフラナリーがCEOへ
独裁者から議論の集団へ
2機体制の自社ジェット機を廃止
世界の開発拠点を米ニスカニアとバンガロールの2か所に集約
介護保険の残滓 規制当局からの150億ドルの準備金の要求 配当金の4年分
2018年 ハーバードビジネススクールのカルプへ
株価7ドルを割り込む 1400億ドルの市場価値が消える
ボトムアップへ
運輸交通事業、石油ガス事業、バイオ医薬品事業、小計機器部門の売却 -
Posted by ブクログ
ネタバレエンパワーメントに関する本。
前から気になっていたが意を決して読書
メモ
・エンパワーメントの3つの鍵
正確な情報を全社員と共有する
境界線を明確にして自律的な働き方を促す
階層組織をセルフマネジメントチームで置き換える
・エンパワーメントの別名。起業家精神、オーナーシップ、エンゲージメント、インボルブメント。メンバーがもっている知識、経験、モチベーションの力を解放し、驚くべき成果をあげることの必要性に着目したもの。
・信頼がエンパワーメントの鍵
・部下を育てるのは情報共有という行為。上司はあらゆる情報を共有することで部下を信頼していると示さなければならない。
・自律した働き方を促進する6つの境界線
目的 事業はなにか
価値観 事業指針はなにか
イメージ どんな将来像を思い描くか
目標 何をいつどこで達成するか
役割 誰が何をするか
組織の構造とシステム 仕事をどう位置づけ支えるか
・ -
Posted by ブクログ
スタンフォード大学における人気講義を書籍化した一冊。タイトルが「権力」なので、どうしてもイメージが「支配」「管理」といったものに片寄ってしまいます。著者は集団や組織が専門分野とのことですが、ここでは、広い意味で権力を捉えています。これは現在の組織体制にも合っているものだと感じます。
▼本書は、支配よりも責任を優先し、ありのままの自分であろうとすることより人間としての成熟を優先して権力を獲得する方法を論じる。自分自身にではなく自分が置かれている文脈に意識を向けることで、権力を上手に身につめるための本だ。
▼権力について書かれたほとんどの本は、権力を使って他者に勝つ方法を説いている。だが、私がこの本に書いたのは、自分自身との戦いに勝つ方法である。
また、権力の正体として、以下のようなことを指摘しています。
▼権力の「正体」とは
・権力は「ステータス」ではない
・権力は「権限」ではない
・権力は「影響力」ではない
・権力は社会的なものだ。文脈の中で生まれ、文脈の中で消滅する
・権力は「変化」する
・権力は「社会契約」の一部である
・権力は「感覚」ではない
・権力は「権利」ではない
・権力は「外見」ではわからない
・権力とは支配とつながりである
・権力は2つの方向から考えることができる。権力とは自分の目的のために他人をコントロールする能力のことだ。もう一つは、権力とはだれかの人生にポジティブな変化をもたらす能力のことでもある
・私たちは自分が思っている以上に権力を持っている
・男性も女性も、権力についての意識と方法にはわずかな違いしかない。だが、それが大きな結果の違いを生んでいる
・権力で重要なのは強さや範囲ではなく、何のために使うかである
本書では、ハラスメントなどを取り上げながら権力の濫用の問題を、いじめの問題をとりあげながら権力への対抗策をのべるなど、厚い本ですが、実例を交えながら展開していきます。
最後には、権力の目的を以下のように述べており。共感する内容も多い一冊でした。これまでのリーダーシップ論・組織論とは異なる視点でのビジネス書であり、刺激的な一冊だと言えます。
<目次>
INTRODUCTION 「権力のレッスン」へようこそ
1 権力とは何か?-その正体を正確に知る(権力の真実と神話ーだれもが権力を誤解している)
2 権力を戦略的に使うーハードパワーとソフトパワー(自分を強く見せる戦略ーパワーアップとプレイ・ハイ/相手を優位に置く戦略ーパワーダウンとプレイ・ロー)
3 権力を感じさせるーパワフルに行動する方法(権力を「演じる」-権力はプロットで決まる/「助手席」で力を発揮するー脇役として力をつかむ/権力の「プレッシャー」に勝つー力には責任がともなう)
4 権力の手綱をさばくー権力への対抗策(権力は人を「暴走」させるーこうして権力者はダメになる/権力に「対抗」するー権力に屈する心理と解決策/権力者から「力」を奪うー立場が弱くても逆転できる方法/権力の正しい使い方ー力は他者のためにある)
▼私たちが生きたいと願うような世界を創造する唯一の方法は、すでにそのような世界に住んでいるかのように行動することである。だれもが自分を攻撃しようと狙っている。だれも信用できない、頼れるのは自分だけだ、などと思っていると、自分を守るためだけに権力を使い果たしてしまう。恐れに支配されて行動すれば、恐れている通りの世界が到来する。しかし、人間は根本的に善良で思いやりがあるという希望に基づいて行動するなら、広い心で権力を使い、他者を第一とすることができる。そして、そのように行動するのが理に適っているとだれもが考えるような、信頼の土台を築くことができる。そんな世界をつくることこそが権力の目的だと、私は思う。 -
Posted by ブクログ
マネジャーとして一区切りしそうなときに読んでおり、そうでなければもっと入り込めた=★5つだったかも。
部下に好かれているかどうかを気にしすぎるマネジャーとはまさに自分のことであり、これが結局自分のことしか考えられていないと映るということか。こうしたマネジャーは皮肉なことに、職場に混乱と無秩序をもたらして嫌われると断ずる。
一貫したメッセージは「与益原則」。真の権力とは、他者に対する約束を誠心誠意守ろうとする姿勢で得られる。自分の行動は、他者に、世界にとってどんな意味があるのかに意識を向ける。他の誰かが拍手喝采を受けるあいだ、静かに座っていられるような自信を持つ。
そのためにはカリスマ性などは要らず、必要なのは、演技=自分をマネジメントする規律あるアプローチ、行動規範。そうなるかもしれないと恐れるのではなく、望ましい自分の姿を想像する。恐れ、その場にいたくないと思っている責任者を信頼する部下はいない。従順そうで、明確な方向性や目的を感じさせない雰囲気は、力で簡単に圧倒できると思わせてしまう。自分に正直に行動することが重要なのではない。人びとは責任者の行動をすみずみまで見ている。
なお、権力への具体的な対抗策も紹介している。非難するよりも質問の形で説明しなくてはならない立場に相手を追い込む、「あなたの狙いはお見通し」という独り言で自分に反骨心を芽生えさせるなど。