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Posted by ブクログ
カナダで2015年の最高裁判決により2016年から合法化された「医療介助死(MAiD)」。MAiDを行ってきた80代の女性医師が書いたMAiDの進展と患者の物語。著者はMAiD合法化のニュースを聞いて(自分には知識・経験もなく、まだ研修プログラムも存在しないため)自ら自習計画を立て、自ら連絡して研修に赴き、医療介助死協会設立にも関わってきている。まず70代にしてその前向きな意欲に頭が下がる。
患者の物語を読むと医療介助死の重要さが身に染みて感じられる。必ずしも医療介助死を選ばなくとも医療介助死できるということが人生の最後を豊かにできる。また、それとともに医療介助死に携わる医師を始めとする関係者の悩み、ストレスも大変なものだと理解できる。医療介助死が定着している国でも死のなかで4~5%とのことで、きちんとチェックが働く制度が構築できれば濫用されるものではないとも思える。
当初のMAiDの要件は以下の4つ。
・病気、疾患、または障害が申告で治癒が見込めないこと
・能力が不可逆的に低下し続けていること
・耐え難いほどの身体的または心理的苦痛が継続しており、患者が許容できるいかなる方法によっても軽減でいないこと
・自然死が合理的に予見されること(reasonably foreseeable natural death)
このうち4番目のRFND条項については「合理的」「予見」の定義があいまいであり議論もあって2021年に外されることとなった。
The Last Doctor
Lessons in Living from the Front Lines of Medical Assistance in Dying
【目次】
プロローグ ヨランダが逝く朝
第1章 「死に方」を自分で選ぶ時代
第2章 ジョー
第3章 アイリーン
第4章 アシュリー
第5章 緩和ケアと医療介助死
第6章 シーラ
第7章 ソー
第8章 トム
第9章 ヨランダ_死ぬ決意
第10章 死を介助する医師の苦悩
第11章 ヨランダ_彼女が望んだ死
第12章 死の介助から学んだこと
第13章 「良い死」を求めて
エピローグ これからの医療介助死
Posted by ブクログ
カナダで安楽死を提供する医師が、自身が担当した患者さんのこと、安楽死が承認されている国で起こる問題などについて記述された書籍。スイスに渡り安楽死を遂げた日本人のドキュメンタリーや、ALS女性に対する嘱託殺人などの報道を見る限り、日本においても切実に望んでいる人がいることは間違いがないと思う。この問題をもっと議論し深めていく必要があると感じた。安楽死を提供される患者はそれが決まった時にようやく解放される、と安堵する。その安らぎを与えるのも医療だと思う。『安楽死は命を終わらせるためのものではなく、その人の命を褒め称えるためのもの』と記されている。安楽死が合法化された国で、実際の死亡数に対する安楽死の割合は2-4%程度のようだ。決して多くはない患者数であるが、その望みは極めて切実で、その声に耳を傾け、最期までの大事な時間を国内で穏やかに過ごせるような医療を提供することは大事だと思う。
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