【感想・ネタバレ】安楽死の医師~自ら「死」を選んだ患者と家族に起きたことのレビュー

あらすじ

久坂部羊氏推薦!日本の課題の詰まった本!
2016年より安楽死が合法化されたカナダで、
最初期から「死の介助」をしてきた医師が考える死について。
それは本当に救いになるのか、それとも…。

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Posted by ブクログ

2025/09/25
カナダで医療介助死(MAid=メイド)を行う医師。救命が全てだと思っているだろう医師が死を望む人のため実行する、その葛藤はどれほどのものだろう。並大抵の精神力では保たない。スイスのディグニタスで幇助していたエリカ医師が長期間続けられたのは自身の後悔からだと読んだことがあるが、真面目に深く考える人こそ自分が壊れてしまうのだと感じた。ホームドクターが最期まで、という考え方は素晴らしいと思う。日本にもホームドクター制度が欲しい。

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2025年10月04日

Posted by ブクログ

カナダで2015年の最高裁判決により2016年から合法化された「医療介助死(MAiD)」。MAiDを行ってきた80代の女性医師が書いたMAiDの進展と患者の物語。著者はMAiD合法化のニュースを聞いて(自分には知識・経験もなく、まだ研修プログラムも存在しないため)自ら自習計画を立て、自ら連絡して研修に赴き、医療介助死協会設立にも関わってきている。まず70代にしてその前向きな意欲に頭が下がる。
患者の物語を読むと医療介助死の重要さが身に染みて感じられる。必ずしも医療介助死を選ばなくとも医療介助死できるということが人生の最後を豊かにできる。また、それとともに医療介助死に携わる医師を始めとする関係者の悩み、ストレスも大変なものだと理解できる。医療介助死が定着している国でも死のなかで4~5%とのことで、きちんとチェックが働く制度が構築できれば濫用されるものではないとも思える。
当初のMAiDの要件は以下の4つ。
・病気、疾患、または障害が申告で治癒が見込めないこと
・能力が不可逆的に低下し続けていること
・耐え難いほどの身体的または心理的苦痛が継続しており、患者が許容できるいかなる方法によっても軽減でいないこと
・自然死が合理的に予見されること(reasonably foreseeable natural death)
このうち4番目のRFND条項については「合理的」「予見」の定義があいまいであり議論もあって2021年に外されることとなった。

The Last Doctor
Lessons in Living from the Front Lines of Medical Assistance in Dying

【目次】
プロローグ ヨランダが逝く朝
第1章 「死に方」を自分で選ぶ時代
第2章 ジョー
第3章 アイリーン
第4章 アシュリー
第5章 緩和ケアと医療介助死
第6章 シーラ
第7章 ソー
第8章 トム
第9章 ヨランダ_死ぬ決意
第10章 死を介助する医師の苦悩
第11章 ヨランダ_彼女が望んだ死
第12章 死の介助から学んだこと
第13章 「良い死」を求めて
エピローグ これからの医療介助死

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2025年05月02日

Posted by ブクログ

安楽死にカナダで最前線に立って関わる医師の記録。
すごく考えさせられた。
日本での安楽死の導入には大変なことがたくさんあると思うけれど、自分は安楽死が認められる世の中になってほしいし、自分も人に頼らざるを得なくなった時に、選択肢としてあるといいなと思ってしまった。
医療の発達により、生きること、死ぬことも自然に任せられなくなっている世の中で、自分で決めることが尊重される方法ではないかと思った
突然ではなく、決められた日に周囲に感謝を述べて、見守られて、人生を終えられることはある意味幸せの一つなのではないか。

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2025年04月14日

Posted by ブクログ

体験談。

簡単な話ではないこと、常にしっかり考え、話し合っていく必要がある話題。

日本も認められる時が来るのか分かりませんが…

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2025年01月26日

Posted by ブクログ

2025.10.28 ★3.3

カナダにおける安楽死(医療的介助死)の現状をカナダの医師が書いたドキュメンタリー。

医師自身が担当した医療的介助死の様々ケースが書かれており非常に読みやすかった。
また、医療介助死に望む医師や周りの人々のメンタルや法律的問題も書かれており現実問題として受け止められる。

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2025年10月28日

Posted by ブクログ

カナダで安楽死を提供する医師が、自身が担当した患者さんのこと、安楽死が承認されている国で起こる問題などについて記述された書籍。スイスに渡り安楽死を遂げた日本人のドキュメンタリーや、ALS女性に対する嘱託殺人などの報道を見る限り、日本においても切実に望んでいる人がいることは間違いがないと思う。この問題をもっと議論し深めていく必要があると感じた。安楽死を提供される患者はそれが決まった時にようやく解放される、と安堵する。その安らぎを与えるのも医療だと思う。『安楽死は命を終わらせるためのものではなく、その人の命を褒め称えるためのもの』と記されている。安楽死が合法化された国で、実際の死亡数に対する安楽死の割合は2-4%程度のようだ。決して多くはない患者数であるが、その望みは極めて切実で、その声に耳を傾け、最期までの大事な時間を国内で穏やかに過ごせるような医療を提供することは大事だと思う。

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2025年06月11日

Posted by ブクログ

こんな制度が日本にも欲しい。ボケが避けられないとしたら、そうなる前に医療としての死を与えられる制度が必要だ。人としての尊厳ある死が迎えられることが絶対的に必要だ。

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2025年06月06日

Posted by ブクログ

安楽死を医師の視点から書いた著。
オランダ、スイス、カナダと安楽死と一口に言っても考え方、制度は違うようである。

ただ、医師の心労は変わらない。ホームドクターに看取られたいとう患者の気持ちもわかるし、看取らなければいけない医師の負担も大きい。

患者視点で書くのはしんどいのは難しいのはわかるがそういった本も読んでみたい。

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2025年03月07日

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