城平京のレビュー一覧
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第一話から第四話までは漫画版で先に読んでいたせいか、ミステリとして話の構造を楽しむよりも漫画版との違いを比べて楽しんでいた部分が多かったかな
特に小説においてはその時々の状況に対して琴子が何を考えていたかが詳しく描写されており、琴子がどのようにして虚構で作られた推理を積み上げていくのかが見えてくる部分もあり非常に楽しめた
第一話の「ヌシの大蛇は聞いていた」を漫画で読んだ際はサラッと読んでしまったが、小説版を読み理解できる琴子があの推理を組み立てる上で何を狙っていたかを考えながら漫画版を読むとまた違った発見がありそうだ
漫画版を読んでいる人にとって最も期待していたのはやはり第五話「幻の自販機」かな
うどんの自販機については以前テレビで見たことが有ったけど、それを都市伝説の形であのように事件に絡めてくる発想が面白い
ミステリとしては「鋼人七瀬」で行われたものに近いかな。「鋼人七瀬」が虚構の真実を幾つも作り上げて観衆を納得させるものであったなら、今回は存在しないアリバイトリックを存在するように見せた上で崩すというもの
それを成すために積み上げた琴子の推理は見事というもの。
虚構推理シリーズってミステリとしての要素がメインであるのはもちろんなんだけど、同時に妖怪モノでもある。そして知恵の神である琴子は事件を解決するより妖怪たちの暮らしを守る方がメインの役割
だから事件を解決する際には近づいてしまった人間と妖怪の距離を離すような解決法を取る。その手法は今回も存在していて、琴子は推理を聞く観衆役の刑事を納得させることよりも幻の自販機から遠ざけることを優先している。推理を聞いた後の刑事がどう思うかは重視していない
そういったはっきりした態度が逆に魅力的に映るのかな -
Posted by ブクログ
ネタバレ帯の推薦文に惹かれて手に取った、初めて読む作家の作品。本作がシリーズ第2作に当たることは、読み終えてから知った。「虚構」を名乗っているが、そもそもすべてのミステリーは虚構の産物だ。それなのに、「虚構」を強調する意図とは?
主役コンビに触れておく。大学1年生の岩永琴子。さらっと書いてあるが、右眼と左足がない。人間とあやかしを仲介する能力を持つ。同じ大学の大学院生・桜川九郎。見た目に似合わず、あらゆるあやかしが恐れおののく存在。不死身…。
第一話。沼のヌシたる大蛇が、死体を捨てるところを目撃。その合理的解釈を知りたいというのだが、理屈を気にする大蛇も珍しい。納得したならまあいいか。こういうのがこのシリーズの真骨頂なのだろうと、理解したのだが…。
第二話にして、フォーマットが崩れてしまった。高級鰻店に現れた琴子。客の男2人は、気になって気になって仕方がない。それは吉兆か凶兆か? 1つ言えることは、琴子は人間の依頼では動かない。この点は一貫している。
第三話。ピノッキオの名を知っていても、ストーリーは知らない人も多いだろう。現代版ピノッキオとでも言うべき相手に、琴子・九郎コンビが挑む。でも、動機の面では同情の余地があるよねえ、そういう事例は実際によく聞くし…。
第四話。日本に国産のギロチンが存在し、しかも付喪神がいた。また理屈に拘るあやかしが出てきたな…。「虚構」の割には説明の納得度は高い点に突っ込みたい、奇妙な1編。そのイラストを理解する感性は、自分にはなさそうである。
最後の第五話。今では数少ない、麺類の自動販売機。その幻の自販機が、事件をややこしくしてしまった。まず、なぜ麺類の自販機をネタにしようとしたのか。そして、どうやってこのような話をひねり出したのか。作者の感性に恐れ入る。
このシリーズの第1作は、『虚構推理 鋼人七瀬』として2011年に初版刊行されている。漫画化もされているそうで、なるほど漫画の方がコンビが映えそうである。面白かったとは思うけれども、何だかもやっとするのはなぜだろう。とりあえず第1作も読むか。 -
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短編と中編で構成された第9巻。
20話の高校生編は捻りがあって面白い話だったな。というか琴子は高校生時代であっても見た目が現在と殆ど変わらないのね
中編は城平先生お得意と言っていいタイプの話で楽しませてもらった
「ギロチン三四郎」と人目を引くタイトルに始まり、内容も一度でいいからギロチンで人の首を切ってみたかったと語る老人による殺人譚を中心として、死を連想させる場所や物に招き猫を添えた絵を描くイラストレーターとの会話が描かれながら、少しずつ事件の真相が語られていくというもの
ギロチンと招き猫って組み合わせを思いつくのは流石と言うしかない。その後のまるで怪奇譚を読んでいるかのような気分になれる謎解き模様も面白い
話の本筋とは無関係どころかタイトルを否定するような豆知識を挿入してきたのには笑ってしまった。そっか、ギロチンって女性名だったんだ……
次回以降は長編の話が展開されるようで。原作小説を基準にしたら六花に関する新しい話が語られるのって何年振りなんだろうな…… -
Posted by ブクログ
虚構推理らしい推理展開は薄味だけど、妖が絡むミステリーとして充分に楽しめる内容だった
今回対決するのは電撃のピノッキオ。以前の鋼人七瀬に負けず劣らずなネーミング。そしておどろおどろしい見た目と腕から強力な電撃を放つインパクトを持っているというのに、その裏にあるのはとある老人の臆病な復讐譚。
やはり城平先生はこういった外面の派手さと内面の静謐さを併せ持つ絶妙なバランスを描くのがとても上手いね。毎回毎回感心させられる
又、黒幕となる善太老人だけでなく多恵の描写も秀逸。「痛くもかゆくもないさ」と言う直前の表情はとても多くの感情を訴えかけてくる
それにしても第19話の琴子の踵落としはギャグ描写だから出来たこと?それとも普通に運動神経良かったんだっけ……?以前も鋼人七瀬に対して大立ち回りを演じたことが有ったけど、今回はそれにも増してあまりに意外過ぎる描写だったよ -
Posted by ブクログ
ネタバレ長編と長編の合間の話のためか短編3つのみで構成されている巻。
14話はタイトルからどのような話か全く想像できなかったけど、息抜き回としては充分な内容。もう少し鋼人七瀬を振り返るような話とか有っても良かったかもしれないが、琴子と九郎の彼らなりのイチャイチャは楽しめたから良し
15話は持ってつけたような言い回しや直前に言ったことを否定するような琴子の推理がどうにも腑に落ちないまま読み進めていたけど、目的がヌシ様を納得させるためだったからか。ある意味虚構推理らしい話だった
16話は。素人推理が唐突に始まったかと思えば男二人の友情が示されるが、琴子によって幾つもの思い込みが覆される。けれど、その琴子は殺人犯に天誅を下すために現れたのではなく偶然店に居合わせたに過ぎなかった。そんなどんでん返しが何度も行われる内容は驚きの一言
鰻屋で場に相応しく無い少女を見つけたことで様々な推理が始まる奇妙奇天烈な展開は城平先生の実力が遺憾なく表れていたね。こちらはどちらかと言えばいつもの城平先生らしい話だった
事ある毎に琴子と別れようとしたり琴子への対応がお座なりな九郎は面白い。それでも一人で行動する琴子を心配している……のかな…?イマイチ彼の中で琴子の位置づけがどうなっているのか判らないな。腐れ縁? -
Posted by ブクログ
原作に忠実に、しかし要所要所で読者を飽きさせないアレンジを加えていた本作も鋼人七瀬の話が終わったことで完結……とはならずにどうやら続くようで
かなり綺麗な終わり方だったから、あれで完結と言われても信じてしまいそうだ
内容は前巻に引き続き九郎が何度も死に生き返る様を横目に見つつの解決編。原作を読んだときにも感じてしまったがやはり琴子の無茶苦茶な書き込みに対して掲示板の反応が穏便すぎる印象を拭えない。
この点については九郎が未来決定能力によって「都合のいい未来」を掴んでくるサポートがあるからと頭では判ってはいるんだけど、解決に必要なのは真相の提示ではなく鋼人七瀬に熱狂している人達に亡霊は居ないという虚構を信じ込ませる点に集約されるストーリー構造になっているから、その掲示板の反応が違和感を覚えてしまうと解決の流れすら微妙に思いそうになってしまうんだよなぁ
いや、3つの解決の後の本当の解決とか、ミステリー的な視点で見てもかなり面白い展開になっているんだけどね
それにしても次巻予告の「よく行く店編」って一体何なんだ…… -
Posted by ブクログ
ネタバレ最終巻ということを大々的に謳っていたから、そういうつもりで読んでしまった。
ただ、物語的には前巻までで概ねまとまっているので、大きな進展はなく、読者もこの世界観を理解した前提の小ネタエピソードを盛ってみた感じ。
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つつがなく物語は完結したわけではあるけれど、一読者視点から沢山の謎が残されているように感じる。
絶対何かの伏線と気を回していたのに、特に何事もなく終わってしまった部分が多い気がする。
路線変更云々あったようでもあるし、短い予定ながらもう少し引っ張れる内容が削られてしまったものなのかしら。
天賀井さんもそれほど普通じゃなかったし。